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掲載日:2020年12月2日

iDeCo

iDeCoはいつ見直すべき?おすすめのタイミングを紹介!

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突然ですが、iDeCoに加入されている方に質問です。

あなたは毎月の掛金や、ご自身が組まれている現在のポートフォリオ(運用商品の組み合わせ)を、加入した当時のまま放置していませんか?

確かにiDeCoの商品は、老後に備えて長期的に資産形成するものなので、そう頻繁に見直す必要はないでしょう。しかし、それは一度加入してしまえば後は放置して良い、ということではありません。

年齢を重ね、ライフステージやご自身の資産状況が変化する中で、自分がどのくらいのリスクを受け入れることができるのかは変わっていくことが想定されます。

また、運用を開始して一定期間が経過すると、株価や金利の変化による運用商品の価格変動の結果、分配した資産の比率が大きく変動することもあり得ます。つまり、どこかのタイミングでポートフォリオを変更して、最適な資産配分を維持しつづけるのが望ましいのです。

そこで今回は、iDeCoを見直すべきタイミングや、見直すときの注意点について解説します。

iDeCoを見直すときの注意点

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まずは、iDeCoを見直す前に心得ておくべき注意点を解説します。iDeCoに限らず、資産運用をするうえで大切な内容です。

足元の相場の動きに一喜一憂しない

iDeCoの商品には投資信託が多いため、市場の動きに応じて年金資産の評価額は日々変動します。
しかし、相場は毎日のように上下を繰り返すため、足元の値動きに一喜一憂して、iDeCoを見直すタイミングを見誤ってはいけません。

「分散投資」「長期投資」「継続投資」を心がける

資産運用で大切なのは、「分散投資」「長期投資」「継続投資」という3つの投資スタイルです。

複数の資産を組み合わせて運用する分散投資

分散投資は、一つの種類の資産で運用するのではなく、複数の投資対象に分けて運用する方法です。国内と海外、株式と債券など、値動きの特徴が異なる資産を複数運用すれば、全体のリスクを抑えることができます。

分散投資の価格変動イメージ

1年あたりのリターンの平準化が期待できる長期投資

長期投資は、長期の視点で運用することです。

リスクのある商品でも長期間保有していると、1年あたりの値動きのふれ幅は平準化されていく傾向があり、比較的安定したリターンが期待できます。

4資産に均等に投資した長期保有の効果イメージ

  • *上記グラフについて:Bloomberg、日本銀行等のデータを基に、みずほ銀行作成。

<使用している指数について>【国内債券】NOMURA–BPI総合指数【海外債券】FTSE世界国債インデックス(除く日本、円ベース)【国内株式】TOPIX【海外株式】MSCIコクサイ・インデックス(円ベース)【4資産均等】国内債券・国内株式・海外債券・海外株式へ25%ずつ投資を行い、毎月末にリバランスを行ったものとして算出。

  • *上記指数は全て配当込。手数料・税金等は考慮しておりません。上記は過去の実績を示したものであり、将来の運用成果を予想あるいは保証するものではありません。

さらに、リターンがリターンを生む複利効果も長期投資のメリットです。資産が値上がりした場合には、その分高い投資成果を得ることができます。

長期投資を積み上げた時のイメージ

  • *上のグラフは複利で運用した場合を想定しています。複利運用とは、運用中に得た利益を元本に加えながら運用する方法です。資産を効果的に増やすことができます。
  • *上記は仮定に基づく試算ですので結果を保証するものではありません。
  • *各種手数料は考慮しておりません。

コツコツ定期的に購入する継続投資

継続投資は、運用商品を一度に購入するのではなく、「定期的」に「継続」して「一定の金額」で購入する方法のことです。
投資のタイミング(時間)が分散され、平均購入価格を平準化することができます。

継続投資のイメージ

  • *上記の数字は仮定のものであり、基準価額の値動き等によって実際の成果は異なります。また、将来の投資成果について示唆あるいは保証するものではありません。
  • *購入口数については、購入時手数料および税金等を考慮せず、便宜的に1口未満を切り上げて計算したものであり、実際の購入口数とは異なります。

実はiDeCoの性質上、長期投資と継続投資は自動的に達成できます。なぜなら、iDeCoは原則60歳まで運用するため自然と長期投資となりますし、毎月の掛金で定期的に投資をする継続投資にもなるからです。

そのため、iDeCoを見直す際は少なくとも分散投資の基本を崩さないように気をつけましょう。

ご自身に合った資産配分を考える

資産運用では、資産配分の内訳をご自身の考え方に合わせることが大切です。

資産ごとに異なるリスクをどういった割合で分配すべきかは、ご自身のリスク許容度によって変わってきます。

リスク許容度は、ご自身の年齢、年収や資産運用に対する考え方などによって変化します。

資産配分の考え方のイメージ

資産配分の考え方

例えば、若い世代は運用期間が長いため、リスクをとって高いリターンをめざすことができるといわれています。
一方、年齢が高くなり受取時期が近づくと、運用期間は短くなります。リスクをとって損失が大きいと挽回するチャンスが少なくなるので、年齢が高くなるにつれてリスクを小さくすることが望ましいといわれています。

また、iDeCo以外で保有している資産や今後の収入が多いほど、リスクをとって積極的に運用できるといわれています。
「リターンを得るために、ある程度のリスクを取ることができる」という方は積極的な運用ができますし、「あまりリスクは取りたくない」という方は安定的な運用が望ましいといわれます。

そのため、iDeCoを見直す前にご自身のリスク許容度を把握するのはとても重要です。

リスク許容度を診断する方法として、ロボアドバイザーを使用する方法もあります。ロボアドバイザーとは、いくつかの質問に答えることでリスク許容度の診断とそれに応じた資産配分の提案等を行うサービスです。

みずほ銀行のロボアドバイザー「SMART FOLIO <DC>」では、5つの簡単な質問に答えるだけでリスク許容度を診断できます。自分に合った商品の組み合わせの提案や運用状況に応じたお知らせメールなどのサポートを受けられるので、気軽に利用してみてください。

SMART FOLIO <DC>について詳しくはこちら
ロボアドバイザー「SMART FOLIO <DC>」

見直しを考えるべきタイミングを紹介

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では、具体的にどういったタイミングでiDeCoの見直しを考えるべきかを解説します。

価格変動等で資産配分が変わったとき(リバランス)

資産の時価を決める相場は、市場での売買取引によって毎日少しずつ変動するものですが、経済や社会情勢の変化によって短期間で資産配分が大きく変わってしまうことがあります。また、相場の急変などがなくても、運用を開始して一定期間が経過すると運用商品の価格変動の結果、運用スタート時の資産配分と現在の資産配分が変わっていることは珍しくありません。

資産配分が変わってしまった場合、これを放置していると、当初想定していたリスク・リターンと運用の内容がどんどんかけ離れていってしまいます。

ここで必要なのが、崩れた資産配分をもとに戻す「リバランス」です。

例えば、もともと株式と債券を100万円ずつ持っていましたが、運用していた株式が値上がりし、2つの資産配分が以下の図表のようになったとします。

資産配分崩れイメージ

このとき、25万円分の株式を売り、25万円分の債券を買うとそれぞれの保有金額が125万円となり、ふたたび資産配分が当初の資産配分に戻ります。

資産配分崩れを戻すイメージ

運用成果に影響を与える最大の要因は資産配分であるとも言われており、資産配分の決定とリバランスはプロの投資家も実践している基本的な運用手法の一つです。
iDeCoで運用する資産配分も定期的にチェックし、必要ならリバランスによる見直しを行いましょう。

また、見直しを機にリバランスが自動で行われるバランス型の運用商品を検討するのも一つの手段です。

年齢・ライフステージの変化(ポートフォリオ見直し)

ご自身の年齢やライフステージなどの変化によりリスク許容度が変わったときも、iDeCoの見直しを考えるタイミングです。

例えば、20代独身の頃にiDeCoに加入し安定的な資産配分で運用を開始した方が、投資経験を積んだり、結婚やお子さまの誕生などのライフイベントを経たりして、積極的な運用タイプに変化していることがあります。

iDeCoは老後のお金を準備する制度ですので60歳以降まで資産を引き出すことはできませんが、人生でかかる様々なお金を見据え、老後資金をより効率的に準備するために運用内容を見直すということです。

また、先に説明した通り、年齢や運用期間の変化に応じて徐々に安定的な運用に切り替えていく方法もあります。

このように、人生で何らかの節目を迎えることで考え方が変わる可能性があるため、数年に一度はリスク許容度を確認し、資産配分の変更が必要かどうかを検討すると良いでしょう。

転退職や昇格等で収入が増えたり減ったりして掛金を見直すとき

iDeCoで資産形成する大きなメリットの一つが、「掛金の全額が所得控除になる」などの節税効果です。そのため、掛金はなるべく高く設定した方が節税効果は高く、また、iDeCoの口座に積み立てられる資産額も大きくなり、老後に多くの運用成果が見込めます。

一方で、iDeCoは原則60歳以降まで、途中のお引出や脱退はできませんので、月の収入に見合った掛金に設定しないと、いま必要なお金が足りなくなってしまうかもしれません。そのため、個人または家計の収支に変化が合ったとき、一度掛金を見直してみる必要があります。

主なタイミングは、転退職や昇格などに伴い収入が変化したときや、住宅や車など高価な物の購入でローン返済が始まったときなどです。

運用商品の配分指定は1%単位の百分率で指定しているので、掛金額を変更した場合も今まで通りの割合で指定した商品が購入されますが、ご自身のリスク許容度も変化している可能性がありますので、運用商品の配分についても改めて確認してみるのが良いでしょう。

iDeCoの見直しは現状の確認から始めよう!

最後に一度、iDeCoの見直しについておさらいしてみましょう。

iDeCoの運用商品の見直しを考えるべきタイミングは、「価格変動等の結果、資産配分が変わったとき(リバランス)」「年齢やライフステージの変化で、リスク許容度が変わったとき」「収入や資産状況の変化で、リスク許容度が変わったとき」などです。

ただし、足元の相場環境や目先の収支に一喜一憂するのではなく、遠い将来、つまり老後得られる価値を重視して、長期的な目線で運用を行うことが大切です。

「自分はiDeCoの見直しをした方がいいのではないか?」と思ったあなた。まずは現状におけるご自身の運用状況やリスク許容度の確認から始めてみませんか?

(記事提供元:サムライト株式会社、画像提供元:ピクスタ株式会社)

  • *記事内の情報は、本記事執筆時点の情報に基づく内容となります。

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ご注意事項

  • 個人型確定拠出年金(iDeCo:イデコ)は、原則60歳まで途中の引き出し、脱退はできません。
  • 運用商品はご自身で選択します。運用の結果によっては損失が生じる可能性があります。
  • 加入から受け取りが終了するまでの間、所定の手数料がかかります。
  • 60歳時点で通算加入者等期間が10年に満たない場合、段階的に最高65歳まで受け取りを開始できる年齢が遅くなります。
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