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掲載日:2020年12月18日

相続・残す

今から何を始めたらいい?みんなの気になる相続の悩み

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国税庁『平成30年分相続税の申告事績の概要』によると、亡くなった方のうち、相続税の申告をされた方は約8.5%という割合でした。相続税の基礎控除変更前の平成26年分では4.4%だったので、相続税の対象となる方が確実に増えていることが分かります。

相続と聞くと、『お金持ちの話だから』と思われた方も多いでしょう。しかし『相続』は、皆さんにとって関係のない話ではありません。

預金、不動産、どのような形であれ亡くなった方が残した財産は、法律上、誰がどの財産を相続するのか決まるまでは、相続人全員が共有していることになります。

つまり、遺産分割が決まるまでは、相続人の誰かが勝手に預金を引き出したり、不動産の売却等を行ったりすることが許されないのです。

そこで今回は『相続』に関するアンケートから、皆さんの気になる相続事情を踏まえて、その対策について紹介します。

相続って対策する必要あるの?

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『これまで仲良くやってきたから、揉めるなんてあり得ない!』と思われていませんか? 平成31年/令和元年司法統計情報家事事件編によると、家庭裁判所で遺産分割事件として取り上げたうち約76%は5,000万円以下の財産の争いです。相続に関するトラブルが誰にでも起こることがご理解いただけたかと思います。

トラブルを防ぐためにも、生前から相続対策が必要です。まずは年末年始やお盆など、家族一同集まる機会に、今のうちから相続について話し合ってみましょう。

相続対策のフローチャート

「相続放棄」や「遺言書の作成」、「生前贈与」については、以下の記事をご覧ください。

「相続放棄」について詳しく知りたい方はこちら

借金があっても財産を相続できる?50代で知っておきたい相続の基礎知識【前編】

「遺言書の作成」について詳しく知りたい方はこちら

“争続”を避けるには…?50代こそ知っておきたい相続の基礎知識【後編】

「生前贈与」について詳しく知りたい方はこちら

50代こそ知っておきたい!贈与制度を知って経済的に有利に!

子供がいないときはどうすればいいの?

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例えば、父が亡くなり、相続人が母と子であれば、集まって話すことは比較的容易でしょう。しかし、父が母と結婚する以前に別の方と結婚して子供がいた場合、その子供も相続人となります。
前配偶者との子供には相続はさせたくないと思っても遺留分侵害額請求権があるので、全く相続させないわけにはいかないのです。遺留分侵害額請求権とは、法定相続人が最低限の遺産を取得できる権利です。

どうしても相続させたくなければ、その旨を被相続人が生前に前配偶者との子と話し合って納得してもらう必要があります。
子供のいない夫婦、独身者の相続の場合、亡くなられた方の父母、父母が亡くなっていれば兄弟姉妹が相続人となります。
『一度も結婚したことがない場合、どのように対応したら良いのか?』という悩みがアンケートにありました。

筆者の事務所でも、子供のいない方の相談や申告が増えています。そうした場合、亡くなられた方の兄弟姉妹も相続人となります。子供のいない夫婦では、配偶者がすべて相続できると思っていらっしゃる方が多いので、注意が必要です。亡くなられた方の父母が健在ならば、配偶者3分の2、父母3分の1、父母が亡くなっていて兄弟姉妹が健在ならば、配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1が法定相続分となります。

また、子供のいない夫婦・単身者ともに、兄弟姉妹が亡くなられていると兄弟姉妹の子供である甥や姪たちが相続人となるケースがあります。

甥や姪たちは疎遠であることが多いでしょう。顔合わせができたとしても過去に1、2回しか会ったことがなければ話すこともままならず、遺産分割協議が難航してしまうことが多いのです。

兄弟姉妹には遺留分侵害額請求が認められていませんので遺言書を残すことで、被相続人の意思を反映させることが可能となります。

みんなを悩ませる不動産の相続

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不動産、預貯金、株式等、何がどれだけあるのか、把握しなければ遺産分割ができません。

アンケートを読んで感じるのは、『親は相続して欲しいが、子供は相続したくない』と思っているのが不動産だということです。相続財産に占める割合の約40%が不動産(国税庁ウェブサイト平成30年度統計年報 2 直接税 相続税 *不動産には構築物を含む)というデータがあります。

親の悩み

  • 田舎の土地、山林等を所有している
  • 財産のほとんどが不動産、複数の相続人でどのように相続させたら良いのか

子の悩み

  • 不動産を相続したが持て余している
  • 不動産を相続したくない

親は不動産を残したいが、子は既に自宅があり、自宅以外の不動産があることを負担に思っています。遺産分割でいちばん揉めやすいのは不動産なのです。

不動産は現金のように簡単に分けられません。仮に法定相続どおりの共有持ち分で分け合うと、共有者の一人に相続が発生した時、さらに不動産持ち分が細分化される可能性があります。共有者が何人もいると売却するには共有者全員の同意が必要となります。

相続人の誰か一人が不動産を相続した場合、他の相続人が法定相続での分割を希望すると不動産を相続した方が、それ以外の方に対して金銭で清算することになります(代償分割)。つまり、不動産を相続した方が多額の金銭を用意する必要があるのです。

不動産の相続はややこしいと考えられがちですが、相続税対策になる特例もあります。

例えば、亡くなられた方が住んでいた土地が、一定の条件を満たしている場合、330m²までは相続税の課税評価が80%減額される『小規模宅地等の特例(特定居住用宅地等)』があります。

小規模宅地等の特例(特定居住用宅地等)が使える条件

相続に関するお得な制度を3つ紹介!

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生前からの対策として贈与があげられます。毎年110万円までの贈与に対して非課税となる『暦年課税』、贈与財産が累計2,500万円まで非課税となる『相続時精算課税制度』があります。

また、『相続時精算課税選択の特例』や『住宅取得資金非課税制度』は一定の基準がありますが、相続税対策だけでなく、子や孫が住宅取得する際の資金援助にもなります。

暦年課税・相続時精算課税・住宅取得資金非課税制度の比較

  • *1次の図表参照

住宅取得資金非課税制度 控除額一覧

ちなみに、借金は『マイナスの相続財産』です。クレジット会社のキャッシング等は口座から引き落とされているので、通帳の残高だけではなく、入出金の流れまで確認してください。借金があることが分かった場合、引き継いで返済するのか放棄するのか検討する必要があります。

相続税の確認も忘れずに

税額が発生するのであれば、上記で触れたような節税対策だけでなく、納税資金の確保が必要となります。申告および納税期限は被相続人(亡くなった方)が死亡したことを知った日の翌日から10ヵ月以内です。

『不動産を売却して納税資金にしたいが売れなかった』『遺産分割協議がまとまらなかった』としても納税しないといけません。その場合は、相続人の現預金から納付することになるので、注意しましょう。

家族信託や後見人制度も活用しよう

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また、現在は『高齢化』という問題があります。2019年の平均寿命は女性87.45歳、男性81.41歳(厚生労働省)となっています。

親が認知症になってしまうと、例えば、高齢者施設入所等でまとまったお金が必要となり、自宅を売却したいと言ってもできなくなります。その対策として、『家族信託』という方法があります。

家族信託を利用すると、財産を保有している方に判断能力がなくても、家族による財産管理ができます。また相続の指定ができることから、遺言のような役割も果たせる仕組みです。

ただし、賃貸物件がある場合、所得の損益通算ができない可能性があり、普段の節税対策が難しくなるかもしれません。その場合、司法書士や弁護士だけでなく、税理士も交えて話し合いましょう。

相続人に認知症の方や障がいのため意思能力がない方がいらっしゃると、遺産分割協議ができないので成年後見人が必要となります。

こうした場合、被成年後見人(意思能力がない方)が不利にならないように考慮されることが多く、相続税を意識した遺産分割にならないことがあります。

意思能力がない方に残したい財産がある場合は、被相続人となる方が遺言書を残すか、家族信託を利用して託すという対策が必要です。

どこに相談すればいいの?

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『相談したい』『対策しないといけない』と思ってはいるけれど、『どの士業へ相談に行くべきなのか』という悩みも多くありました。

相談に行くべき先は、相続財産が基礎控除額『以下』なのか『超えているのか』によって変わってきます。

どの士業に相談するべき?

二つ以上士業があるところは、「一つの士業だけでは対応できない」ということです。

仮に税理士に相談して、相続税の納税がなくても、不動産登記が必要となれば提携している司法書士、トラブルを抱えていれば弁護士の紹介をしていただけることがほとんどです。

相続で困ったら気軽にご相談を!

いきなり士業の事務所へ相談に行くのはためらってしまう方も多いかもしれませんが、お住まいの自治体で税理士や司法書士が定期的に無料相談コーナーを設けたりしています。また、みずほ銀行でも相続のお手続きができますので、ぜひご相談ください。

「相続の手続き」について詳しく知りたい方はこちら

相続の手続きをしたい

村瀬紀美子さんの写真

村瀬紀美子さん

税理士。大手税理士法人勤務後、平成17年に村瀬紀美子税理士事務所開業。近年は、相続税等の資産税に関する申告業務およびセミナー講師を中心に活動。相続手続から遺品整理、空家売却、税務申告をまとめて行う『川越相続の窓口』を結成。多数の相談や依頼に対応。

(記事提供元:サムライト株式会社、画像提供元:ピクスタ株式会社)

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