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掲載日:2022年11月1日

貯蓄術

働いていない高齢世帯の支出は平均で月22万4,390円!ただし、ゆとりある生活には月約36万円が必要!?

となりのマネー事情!大夢一家とのぞき見。働いていない高齢世帯の支出は平均で月22万4,390円!ゆとりある生活には月約36万円が必要!?

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お金に悩むと、過去へタイムスリップするという特異体質を持った「大夢(たいむ)家」の人々。今回はようこさん(56歳)のもとに、10年後の世界から「未来のようこさん」(66歳)が現れます。未来のようこさんは、夫のまさひろさんと一緒に悠々自適なセカンドライフを楽しんでいますが、現役のころと比べて収入は大幅に減少。今の生活を続けていていいのか、不安を感じている様子です。

●この記事で分かること

  • 働いていない65歳以上の夫婦二人世帯の平均支出は月22万4,390円
  • 生活にゆとりを持たせるには、月約36万円が必要
  • 介護費用はさらに500万円以上かかる!

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ちょっとちょっと。老後資金のこと、ちゃんと考えてる?

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はい?えっと……どなたですか?

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66歳のあなたよ。今じゃお父さんも退職して、一緒に旅行したり、レストランで食事したり、気ままに暮らしてるの。でもね、今は夫婦の年金給付しか収入がないし、いずれは介護も必要になるかもしれないでしょ?そうなればお金もかかるし、こんな気楽な生活をしてて大丈夫かなと思ってたら、タイムスリップしちゃったみたい。

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そんなSF映画みたいなことを突然言われても……。それに、老後に向けて貯畜はしているつもりよ。

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それは知ってるわよ、自分のことですもの。でも、老後の生活にどのくらいお金が必要になるか分かってる?

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う……。そう言われると、老後にいくら必要なのか知らないな。

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そうでしょう。老後にどのくらいの収入があって、老後の生活にどのくらいの支出が必要かを知って、そこで初めて不足分やどのくらい貯蓄しておけば良いかが分かるのよね。一般的な老後の支出くらい把握してないと、今の私が不安を感じているように、このままじゃあなたも不安なまま老後を迎えることになるわよ。

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たしかに、自分の支出を考えるにしても、老後の平均的な収入と支出を知っておくと目安になるわね。老後の生活に関わるお金ってみんなどうしてるのかしら?

老後の収入と支出の平均は?

■65歳以上の夫婦のみ、働いていない世帯の1ヵ月あたりの収入

可処分所得:22万5,501円

資料:総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2020年」より

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実収入から税金や社会保険料を差し引いた可処分所得、つまり自分たちが自由に使える金額は22万5,501円となってるわね。

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やっぱり現役時代と比べると収入は大きく減っちゃうね。みんなこの収入でやりくりしてるのかしら?

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それじゃ次は、みんなの支出を見てみましょう!

■65歳以上の夫婦のみで、働いていない世帯の支出と内訳

65歳以上の夫婦のみで、働いていない世帯の支出と内訳グラフ

資料:総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2020年」より

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65歳以上の働いていない世帯だと、支出は22万4,390円か。平均的な収入とほぼ同じだね。

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みんな収入の中でやりくりしてるようね。

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支出のうち最も多くを占めるのは「食料」で6万5,804円(29.3%)か。

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1日あたりで計算すると、「6万5,804円÷30日≒2,193円」。全世帯を対象にした2021年のデータでは、二人暮らしの食費の平均は6万6,327円*1だから、ごく平均的といえるわね。

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「住居」への支出は1万4,518円(6.5%)だって。これは思ったより少ないわ。

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戸建てでローンを完済している人の修繕費とみれば妥当かもしれないけど、賃貸に住んでる人はこの金額では全然足りないし、持ち家でもマンションだと管理費があるからもっと必要ね。住宅ローンが残っていればなおさら必要だし。

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そのときの住環境や生活レベルによっては、22万5,501円という収入は決してゆとりがある数字じゃない印象ね。

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Mr. FPのワンポイントアドバイス

無職世帯の老後を支える収入は年金です。日本年金機構によると、夫が平均的な収入(賞与含む月額換算43.9万円)で40年間就業し、同い年の妻がずっと専業主婦の世帯の場合、夫婦が受け取れる標準的な年金額(夫婦二人分の基礎年金と夫の厚生年金の合計)は月額21万9,593円(令和4年度)*2とされています。
一方、厚生労働省年金局の統計によると、実際に支給されている年金の月額平均は65歳以上の男性で17万391円。同じく女性で10万9,205円となっています。日本年金機構の数値との大きな違いは、女性も厚生年金を受け取っている点です。つまり、夫婦が共働きで平均的な厚生年金を受け取るケースでは、月額27万9,596円の年金を受け取っている計算になります*3
ただし、年金の支給額は今後、現役世代の年金保険料の負担が過重とならないようにするなどの理由から、給付水準の調整が行われると見込まれます。
給付水準とは、現役世代の平均的な手取り月収に対して、その時点の65歳夫婦にどのくらいの割合の年金を支給するかを示す水準です。現在、この給付水準は現役世代のおおよそ6割と設定されていますが、今後は5割程度になる可能性も指摘されています。受け取れる年金額が減っていく可能性を考えると、やはり早いうちから老後資金を準備しておきたいものです。

「ゆとりのある老後」に必要な支出額は?

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65歳以上で働いてない世帯の収入と支出を見ると、毎月の収入に応じて生活してる感じだね。

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そうね。でも、老後は現役時代と違って自分たちの時間が取れるし、おいしいものを食べたり趣味や旅行だってもう少し楽しみたいとも思ってしまうわね。そのゆとり分は貯蓄でまかなうしかないわね。

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今の高齢者世帯はどのくらい支出できると、経済的にゆとりがあると感じるのかな?それによって貯蓄しておくべき金額が変わるよね。

■ゆとりある生活に必要と考える老後の支出額

月平均36万1,000円

資料:生命保険文化センター「生活保障に関する調査(令和元年度)」より

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「老後を夫婦二人で暮らしていくうえで、日常生活費として月々最低いくらくらい必要か?」(最低日常生活費)という質問に対して、平均では月額22.1万円となっているわ。

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高齢者夫婦の家計収支でみた可処分所得の平均が月額22万5,501円だったから、だいたい近い金額ね。

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この最低日常生活費に、「経済的にゆとりのある老後生活を送るためにはあといくらくらい必要か?」と質問すると、平均で月額14.0万円の上乗せ、最低日常生活費と合わせて月額36.1万円が必要という結果ですって。

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約22万5,000円に対して14.0万円の上乗せとなると、かなり多く感じるわね。でも、退職して、子育ても終わって、二人の時間やセカンドライフを楽しみたいと考えると妥当にも感じるし、そのためにはそれなりの貯蓄が必要になるわね。

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Mr. FPのワンポイントアドバイス

「最低日常生活費」と「ゆとりのある老後の生活費」との差は月額14.0万円。例えば、65歳から20年間、ゆとりのある老後生活を送るためには「月額14.0万円×12ヵ月×20年=3,360万円」が年金以外の老後資金として必要となります。
現役世代、特に若い人たちの中には「退職金を老後資金に充てる」と考えている人も多いです。しかし、企業を取り巻く状況、退職金制度の在り方も変化しており、必ずしも十分な退職金を受け取れるとは限りません。老後資金にゆとりを持たせるには、現役時代から計画的に株式や投資信託を活用して、貯蓄していく必要があります。

介護費用は別!?いくらかかるのか平均額を押さえておこう!

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年齢を重ねると、病気やケガの心配が増えるだけじゃなく、介護の必要性も出てくるよね。

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介護ってぼんやりとは頭の隅にあるけど、どのくらいお金がかかるのかしら?

■月々の平均介護費用と平均期間

月々の介護費用:平均8.3万円 介護期間:平均5年1ヵ月

資料:公益財団法人生命保険文化センター「介護にはどれくらいの費用・期間がかかる?」より

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過去3年間に介護経験のある人に「どのくらい介護費用がかかったのか」を質問したところ、月々の介護費用は平均8.3万円。これとは別に、自宅の改修や介護ベッドの購入費など一時的な費用として平均74万円がかかったみたい。

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一時的な費用で74万円!?さらに介護期間は平均5年1ヵ月だから、「介護費用の平均月額8.3万円×(12ヵ月×5年+1ヵ月)=506万3,000円」になる計算かぁ。やっぱりお金がかかるわねぇ。

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……老後資金、ちょっと甘くみてたわ。ゆとりのある生活や介護のことまで含めると、しっかり考えておかないと大変なことになるわね。

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私たち、堅実にお金は貯めてきたけど、それでも何があるか分からないことを考えると、十分かどうかは分からないね。私が今からできることは、支出を抑えながら少しでも手元のお金を増やすことね。まだまだパートで働けるし、今からでも投資できるって聞いたわ。あなたにはまだ時間があるんだから少しでも多く貯蓄できるようがんばってね!

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うん、これからはこれまで以上にがんばってお金を貯めて、老後に備えるわ。おかげで改めて気合が入った!ありがとう!

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Mr. FPのワンポイントアドバイス

「老後資金」は住宅資金や教育資金と合わせて、「人生の三大資金」といわれています。大きな金額が必要になるので、計画的に準備していくことが大切です。
30代、40代の若い世代は住宅資金や教育資金を優先しなければならないので、老後資金はどうしても後回しになりがちです。しかし、子供の独立、住宅ローンの完済などによりそれらが一段落したら、老後資金の確保が待っています。
生涯に得られる所得はある程度は決まっているので、先々のことを考えて「人生の三大資金」をバランスよく準備していきましょう。住宅にお金をかけたり子供のためにと教育費にお金をかける一方、老後の準備ができなければ、セカンドライフを楽しむことができなくなってしまうかもしれません。例えば、税制優遇を受けられるiDecoやつみたてNISAは、長期間にわたる投資や老後資金の準備に向いた制度です。こうした制度をうまく活用しながら、将来に備えていきましょう。

まとめ

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日本人の平均寿命(2020年)は男性が81.64歳、女性が87.74歳で過去最高を更新し続けています。そしてそれだけ、老後資金も多く必要です。若いうちから十分に貯蓄をしていくことが、老後の生活の不安を取り除く最も有効な手段といえるでしょう。
加えて、昨今の経済情勢から、今後は物価の上昇も予想されています。物価の変動リスクに備えて資産を守る観点からも、株式や投資信託などの投資にも取り組みたいものです。運用期間は長いほどリターンも大きくなる傾向があるので、早めの行動開始が肝要です。
合わせて、定年退職後も働き続け、現役期間を伸ばすことで老後の期間そのものを短くすることも有効です。健康増進に努めてできるだけ働き続ければ、老後資金の不安や悩みはかなり解消するのではないでしょうか。

<登場人物>

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大夢 ようこ(たいむ ようこ)
56歳。専業主婦。
まりとなおやの母。お金におおらかな夫まさひろに反してコツコツ貯蓄してきたしっかり者。夫の散財に悩みながらも私大卒の子二人を育て上げた。慎重なまりの性格はようこに影響されている。

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Mr. FP(みすたーえふぴー)
?歳 フリーのファイナンシャルプランナー
どこからともなく現れる謎のファイナンシャルプランナー。大夢一家のことを常に気にかけて、ときにアドバイスをくれる。なぜ大夢一家を見守っているのか、なぜ無償でアドバイスをくれるのかは誰にも分からない。

佐藤 益弘(さとうよしひろ)さんの写真

佐藤 益弘(さとうよしひろ)さん

CFP®、株式会社優益FPオフィス 代表取締役
マイアドバイザー®(実務家FPポータルサイト)を運営するほか主要ウェブサイトや住宅金融支援機構など公共機関の広報誌、週刊ダイヤモンドなど経済誌で執筆する。読売新聞や朝日新聞などで行われるセミナー講師も務め、東京都・公益財団法人東京しごと財団主催シニアお仕事フェアでライフプランFP®としてライフプラン相談を行う。日本FP協会評議員、産業能率大学兼任講師も務める。

  • *記事内の情報は、本記事執筆時点の情報に基づく内容となります。

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