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ペアローンで住宅ローン控除をフル活用!夫婦でローンを組むメリット

掲載日:2022年4月25日

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夫婦で家計を支える共働き世帯が増えています。住まいの購入でも収入合算し、世帯年収のパワーを活かせるのは大きなメリット。住宅ローンも夫婦で協力して組むのが一般的になっています。夫婦のどちらか片方でローンを契約するのが無理だったとしても、2人でサポートし合うと借入希望額の融資を受けられる可能性も高まります。そのためには、しっかりとした情報、基礎知識を得ておくことが不可欠です。後悔のない資金計画を立てられるよう、夫婦で協力する住宅ローンの申込方法、メリットやデメリット、注意点をまとめてみました。

1. 住宅ローン控除をフル活用するために検討したい「ペアローン」

物件を購入するなら、住宅ローン控除のメリットをフルに享受したいもの。まずは概要を知っておきましょう。

住宅ローン控除とは

住宅ローン控除とは、住宅ローンの利用者を対象に金利負担の軽減を図るための制度です。要件を満たす住宅を購入し、所定の条件を満たした住宅ローンでマイホームを購入した場合、年末時点の住宅ローン残高の一定の割合に相当する金額が、住宅ローン控除額として所得税額・住民税額から控除されます。

控除される減税額は年末の借入残高や住宅の性能に応じて変動しますが、令和4年度の税制改正大綱では内容が改正。年末の住宅ローン残高の1%だった控除率が0.7%に引き下げられ、期間についても、原則10年間から13年間に延長になりました。この制度は家計には大きなメリットになるので、改正内容をチェックしながら活用していきましょう。

2021年度までの制度 中古住宅 新築住宅 消費税10%適用物件
控除期間 10年間 10年間 13年間
控除率 1% 1% 1%
ローン限度額
(認定住宅は1000万円増)
2,000万円 4,000万円 4,000万円
最大控除額 2,000万円×1%×10年
=200万円
4,000万円×1%×10年
=400万円
【1~10年目】
4,000万円×1%×10年
=400万円
【11~13年目】
総額80万円
2022年度以降 2025年12月末まで 中古住宅 新築住宅
居住年 認定住宅等 それ以外 認定住宅等 それ以外
控除期間 2022~2023年 10年間 10年間 13年間 13年間
2024~2025年 10年間
控除率 - 0.7%
ローン限度額 2022~2023年 3,000万円 2,000万円 4,000万~5,000万円 3,000万円
2024~2025年 3,000万~4,500万円 2,000万円

※出典:住宅ローン減税制度の概要(国土交通省)

※出典:住宅ローン減税等が延長されます!(国土交通省)

ペアローンとは

ペアローンとは、共働きの夫と妻がそれぞれ住宅ローン1本、夫婦で2本の住宅ローンを借り入れる方式です。住宅の所有権は共同名義になり、出資した割合が持ち分になります。メリットは、2人で借入をすることで単独より借入金額を増やせること。また、夫と妻がお互いに相手の連帯保証人になるのも特徴です。1人の年収では借入希望額に届かない場合、住宅購入審査を通過するため、返済計画の中で検討してみてもいいでしょう。住宅ローン控除についてもそれぞれ受けられるため、控除額は単独の場合よりも大きくなります。

ペアローン以外では、夫婦の収入を合算して住宅ローンを借り入れることもできます。夫婦で収入を合わせて申し込み、1本の住宅ローンを契約するのがペアローンとの違いです。こちらも単独より多くの金額を借入やすくなります。連帯債務型と連帯保証型の2種類があります。

ペアローンのメリット・デメリット

メリット

夫婦が主債務者になることで住宅ローン控除の節税効果が大きくなります。また、夫婦が2人とも団体信用生命保険に加入できるので、どちらかが亡くなった場合、残債は保険で完済できることになります。また、夫婦のローンは返済方法・期間をそれぞれ設定できるので、きめ細かい返済プランを立てたい方にはおすすめです。

デメリット

2人分のローンということで、事務手数料や印紙代などの諸費用は2倍になります。また、基本的に2人とも団体信用生命保険(団信)に個別に加入する必要があります。団信とは住宅ローンを返済している途中で借主(被保険者)が亡くなったり高度障害になったりした場合、本人に代わって生命保険会社が住宅ローンの残債を返済する保険です。ペアローンで団信に加入する場合、どちらも健康でなければなりません。また配偶者に万一のことがあって亡くなってしまったら、その人の残債はなくなりますが、残されたもう一方の債務は残り、返済義務があります。リスクを踏まえつつ、万一の場合をシミュレーションしておく必要があります。

2. ペアローンで住宅ローン控除を受ける際の注意点

ペアローンのメリット、デメリットを知ったら、住宅ローン控除を申請し、利用する際の注意点もチェックしておきましょう。

頭金の拠出額と名義の持分比率を合わせる必要がある

ローン負担に差がある場合、50%ずつになるように差額を頭金とし、現金で拠出する必要があります。ローンの負担と住宅の持分比率が合わない場合、贈与税が発生する可能性があるからです。

住宅ローン控除を利用できないケース

控除を適用する年の合計所得が2,000万円を超える場合、取得した住宅の床面積が規定を満たしていない場合、住宅ローンの返済期間が10年未満の場合などは住宅ローン控除を利用できません。また、戸建てを購入して土地と建物の所有者が異なる場合、建物を所有している人は住宅ローン控除を受けられますが、土地を所有している家族は住宅ローン控除が受けられません。

また、住宅ローン控除の対象となる借入額には上限があり、新築の長期優良住宅・低炭素住宅で5,000万円、ZEH水準省エネ住宅が4,500万円、省エネ基準適合住宅が4,000万円、その他の住宅が3,000万円で、この上限を超えた分は控除の対象外になります。

住宅ローン控除期間中に収入が大きく減少すると控除の恩恵が減る

配偶者の妊娠・出産により仕事を休業するケースでは所得がなくなるため、所得税・住民税の控除を受けられません、出産一時金や出産手当金、育児休業給付金は「非課税所得」、つまり所得の扱いにならないためです。

合わせて読みたい

住宅ローンを夫婦で協力して組む方法とメリット・デメリット、注意点

3. 夫婦で住宅ローン控除を受ける流れ・計算方法

マイホームに住んだら、次の年は確定申告を忘れずに!住宅ローン控除を受けるためのステップを解説します。

住宅ローン控除の計算方法

期間中は年末の住宅ローン残高の0.7%(上限35万円)が所得税、住民税から控除されます。∟ペアローンの場合、夫婦それぞれ最大35万円、合計で70万円が控除額の上限になります。所得税・住民税の順に控除され、住民税の控除額は最大で13万6,500円になります。

夫婦それぞれが住宅ローン控除を受ける流れ

ここでは夫婦が共に会社員であるという設定で住宅ローン控除を利用する流れを紹介していきましょう。まず、最初の年度は夫婦それぞれ確定申告(還付申告)が必要です。原則的に、家を購入した翌1月1日から3月15日までに確定申告を行わなければなりません。

記入する書類

確定申告書(A書式)
住宅借入金等特別控除額の計算証明書

添付書類

登記事項証明書
請負契約書または売買契約書の写し
住宅借入金に係る借入金の年末残高証明書
給与所得の源泉徴収票
住民票の写し

これらを記入し、提出すると住宅ローン控除を受けられます。初年度に確定申告をしたら、2年目以降は年末調整で住宅ローン控除の手続きが行われるので安心です。

1年目に確定申告をすると、「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」は、住宅ローン控除の適用年数分が税務署からまとめて送付されます。適用期間中これらの書類をなくさないよう保管し、毎年1通ずつ勤務先に提出しなければなりません。

4. 夫婦が自分たちらしく、安心の住まいで暮らしていくために

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夫婦で家計をパワーアップさせつつ、お財布は別々にもできる。財産管理が仕組み化できるペアローンはいろいろな夫婦のかたちに向いています。住宅ローン控除のメリットがいくらになるのかをシミュレーション。メリットとデメリットを把握しつつ、住宅ローン控除をフルに活用するのが大前提です。シビアなお金の問題ですから、場合によってはファイナンシャルプランナーに相談し、判断してみてもいいでしょう。おさらいしつつ、安心なマイホーム&ライフプランを構築していきましょう。

佐々木 正孝

佐々木 正孝
(ささき まさたか)

編集/ライター。キッズファクトリー代表。教育・ビジネス系の記事を執筆しつつ、児童書の編集やマンガ原作も手がける。

編集/ライター。キッズファクトリー代表。教育・ビジネス系の記事を執筆しつつ、児童書の編集やマンガ原作も手がける。

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