住宅ローンの審査期間はどれくらい?お申込~お借入までの流れ
掲載日:2022年3月25日
目次
初めての住宅ローンでは、契約に向かうまでの流れ、必要な手続き、用意しておくべき書類、契約時にかかる費用などの詳細がわからず、戸惑うことがあるかもしれません。スムーズに進めていくためにも、お申込からお借入までのフローをしっかり把握しておきたいものです。ここでは、事前審査、そして本審査という2つの審査にフォーカス。住宅ローン審査にかかる「期間」の気になるポイントを解説していきましょう。
1. 住宅ローンの流れ|お申込からお借入まで
申込者が住宅ローンの契約をスムーズに、そしてスピーディーに締結するためには、一連の流れを把握しておくことが欠かせません。審査のチェックポイント、用意すべき書類をしっかり押さえておきましょう。
購入する物件を決める
住宅ローンを組もうと思ったら、まずはお目当ての住まいありき。購入する物件が決まっていなければ住宅ローンの事前審査を行えないことが多いのです。戸建てやマンションに関わらず、不動産会社や住宅展示場などへ足を運びましょう。まずは理想の住まいを探すステップを踏んでから住宅ローンを考えることになります。
完済時までの借入期間は35年以上など、数十年単位で向き合う住宅ローンだけに、安心・安全な資金計画は欠かせません。住宅ローンを扱っている民間金融機関では、自分の収入やライフプラン、希望物件の特徴、条件などと突き合わせ、不安や問題のない購入予算はどの程度なのかを相談することもできます。適切な予算帯が固まれば、物件探しもぐんとスムーズに進められます。
事前審査を行う
この住まいに決めた!住みたい物件が決まったら住宅ローンのお申込へ。フラット35をはじめ色々な選択肢がありますが、そこで待っているのが事前審査(仮審査と呼ぶ金融機関もあります)。一般的には、この事前審査に通過しなければ本審査に申し込むことはできません。「仮」というだけあって郵送などで送って比較的スピーディーに行うことができ、金融機関次第ですが1週間程度の日数で審査結果が出ます。
気になる審査時の項目は信用情報、勤続年数などがあり、金融機関によって異なりますが、住宅購入の最新事情を追った調査によると、「年齢」「健康状態」「担保評価」などを目安にチェックする傾向が見られるとか。勤務先、カードローンの借り入れ、クレジットカードの支払いの遅延など、個人信用情報にも注意が必要です。ちなみに、多くの不動産会社では事前審査とセットで物件購入のお申込を進めます。手付金として一定以上の金額を支払うこともあるので、事前によく確認しておきましょう。
参考:国土交通省 住宅局「令和2年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書」
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正式に融資審査に申し込む
事前審査を無事通過したら、多くの不動産会社では物件の売買契約を結びます。住宅ローンでは、いよいよ本審査へ。必要な書類、持ち物を事前に金融機関に確認し、漏れのないようにしましょう。準備すべき書類は金融機関によって異なりますが、審査申込書の他には「本人をチェックできるもの」(本人確認書類)、「収入をチェックできるもの」(収入確認書類)、「購入する物件をチェックできるもの」(物件確認書類)の3つが必要。不動産会社の担当者経由で金融機関に申し込む場合、物件確認書類は担当者が用意してくれることもあります。
本人確認書類
運転免許証、パスポート、健康保険証など
収入確認書類
給与所得者は源泉徴収票、課税証明書など。個人事業主や法人代表者は確定申告書、法人の決算報告書が必要なこともあります。
物件確認書類
土地登記簿謄本、建物登記簿謄本、建築確認済証など
これらの提出書類、資料をもとに金融機関側が本審査を行います。このチェックは事前審査よりも長くなり、10日〜2週間程度を要することもあります。
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ローン契約
無事に本審査を承認されたら、住宅ローンの契約締結に進みます。変動金利や固定金利といった利用する金利、適用金利、返済期間なども正式にここで決定。この契約は物件の売主・買主が結ぶ物件の売買契約とは異なり、物件に抵当権を設定するための契約として「金銭消費貸借契約」を締結します。本審査が通過してから契約までは1週間程度。契約窓口の予約状況や借主本人の予定によって前後しますが、ローンの契約は金融機関の窓口で平日に行われるのが一般的です。平日の窓口予約のお時間、住宅ローン契約締結までの期間など一定のスケジュールを確保しておくのがおすすめです。
決済(お借入・融資実行)
ローンの契約が締結されると同時に、不動産会社に対する物件購入費用の支払いが決済されます。司法書士への登記手続き費用など、関連諸費用も同時に支払われることがあります。金融機関によっては、ここでも平日の窓口に行く必要があることも。こうして融資実行が終われば、あとは毎月粛々とローンを返済していくことになります。
2. 住宅ローンの審査期間を短くする(スムーズに審査を通す)ポイント
気になる住宅ローンの本審査。この回答までの期間を不要な限り短縮する、つまり審査をスムーズに通過するためのチェックポイント、対処法を見ていきましょう。
必要書類を不備なく提出する
上記にまとめていますが、まずは必要な書類をしっかり揃えること。住民票は「家族全員の続柄記載」が必須だったり、確定申告書は「税務署受付印があるもの」と指定があったり、それぞれ留意事項があります。書類に不備があると審査が止まり、チェック期間が長くなる可能性も。金融機関や不動産会社が用意してくれることもありますが、チェックリストを準備して漏れを防ぎましょう。書類に不備があったり、追加資料を求められたりした場合、理由のいかんを問わず、できるだけ速やかに提出したいものです。
金融機関からの連絡のレスポンスを早める
書類のチェックを進めて確認すべきことがあった場合、金融機関から電話などの問い合わせが来ることもあります。レスポンスが遅れると、その分だけ審査はストップするのが注意点です。
年収に対して余裕のある金額で借入のお申込をする
審査で重要視されるのは「安定した返済能力があるか」というポイントです。そのため、金融機関が重点的にチェックするのは「返済負担率(返済比率)」。これは年収に対して住宅ローンの返済額が占める割合のことで、手取り年収に対して20~25%が安全ラインとされています。返済比率が高いほど「返済が困難」と判断されることになりますから、余裕のある返済額で進む資金計画がマスト。住宅ローンの借入金額を減らすために頭金を入れたり、購入する物件を見直したり、色々な方法が考えられます。
繁忙期を避けて申し込む
融資額などに関わらず、金融期間が取り扱う審査の件数が多いほど、審査期間は長くなります。物件の購入件数が増える繁忙期は住宅ローンのお申込数も多くなり、必然的に時間がかかりやすくなってしまうのです。一般的には9〜10月、2〜3月が不動産売買の繁忙期。審査期間を短縮したいのであれば、この期間は避けたほうが無難です。
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3. 住宅ローンの審査期間についてのよくある疑問
審査が長引くと、住宅購入のプランにも影響が出てくるかもしれません。間に合うかどうか、ハラハラドキドキの事態を避けるため、よくある疑問をここでクリアにしておきましょう。
金融機関ごとに審査期間は異なる?
金融機関によって審査の期間や基準はそれぞれ異なります。時期や申込をする人によってもケースバイケースで、どの金融機関が早いかは一概に言えないもの。複数の金融機関に事前審査をお申込、感触を見てから本審査に進むという方法もあります。
審査が引き渡し日までに終わらない場合はどうなる?
物件の引渡し日までに契約が締結できない場合、ローン特約を利用した契約解除、または引き渡し日の延長を不動産会社、売主に相談しましょう。本審査が長引きそうな場合は早めに連絡し、対策を練っておくべき。万が一のこともあるので、審査については余裕のあるスケジューリングがおすすめです。
4. AI時代に活用したい、新しいタイプの「事前診断」
みずほ銀行ではAIで事前診断が可能
ここまで事前審査~本審査~契約に至る住宅ローンのフローを見てきました。「引渡し日まで審査が終わらなかった」「予想以上に本審査が長引いた」といったトラブルを避けるために、一部の金融機関ではAIを活用したスピーディーな事前診断の導入も進んでいます。
みずほ銀行の「AI事前診断(ネット住宅ローン事前診断)」は、最短1分で借入ができる確率を無料でチェックできます。ウェブ上で入力するだけなので、通常の事前審査よりも手軽に活用できるのがメリット。一般的には、事前審査に通過しなければ本審査に進めませんが、AI事前診断では情報をそのまま引き継ぎ、正式審査に進むことができます。スピード、そして安心を求めたい方にはおすすめのサービスです。
佐々木 正孝
(ささき まさたか)
編集/ライター。キッズファクトリー代表。教育・ビジネス系の記事を執筆しつつ、児童書の編集やマンガ原作も手がける。
編集/ライター。キッズファクトリー代表。教育・ビジネス系の記事を執筆しつつ、児童書の編集やマンガ原作も手がける。