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年収800万円世帯が借入可能な住宅ローンの金額はいくら?

掲載日:2022年2月28日

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住宅ローンを無理なく返済していくためには、どれぐらいの借入金額が適正なのでしょうか。借り入れる際は毎月の支払額や金利など、考えるポイントは多岐にわたります。持ち家の購入をめざすにあたって不安を感じている方も多いでしょう。住宅ローンの借入金額を決める際には、「借入金額が年収の何倍以内か」「返済負担率が何%か」といった観点があります。ここでは、「世帯年収800万円」の方が住宅購入をめざすにあたって「住宅ローンをどれだけ借りられるか」にフォーカス。様々な角度から考えていきます。

1. 年収800万円の世帯はいくらまで住宅ローンが組める?

「住宅ローンで借り入れる上限は年収の5倍まで」というセオリーを聞いたことがあるでしょう。ここでは「年収倍率」「返済負担率(返済比率)」という指標から借入金額を把握するための基礎知識を解説します。

年収倍率5~6倍で5,000万円弱の住宅ローンを組める

一般的には「年収の5~6倍まで住宅ローンが組める」と言われてきました。そこで指標になる数字が「年収倍率」です。これは住宅の購入価格と購入者の世帯年収の比率です。「年収の5~6倍」という基準にあてはめれば、年収800万円の5~6倍なら4,000万円〜4,800万円の住宅ローンが組めるという計算になります。この「年収倍率」はざっくりとした計算ですので、あくまで参考値です。借入時には金融機関ごとに、さらに多くの指標を試算。総合的な判断で住宅ローン審査を実施し、購入者の借入金額を決めていくのです。

無理なく返済できる額を借りるのが鉄則

返済金額から逆算し、借入金額全体を算出する方法もあります。借入ができる目いっぱいの金額ではなく、家庭の収支に無理のない返済かという観点で検討するものです。「余裕を持って返済できる金額」から逆算し、最適な借入金額を検討するため、チェックしたいのが「返済負担率(返済比率)」です。これは年収に対して住宅ローンの借入金額が占める割合のこと。手取り年収に対し、この返済負担率が20〜25%に収まるように考えていくのが基本です。返済比率が30%を超えると住居費が家計を圧迫し、生活が厳しくなると言われます。

2. 年収800万円の世帯はいくら頭金を入れるべき?

頭金の有無によって住宅ローンの返済額、返済期間は大きく変動します。理想的な頭金の割合はあるのでしょうか?

頭金とは

頭金とは、住宅を購入する際に自己資金で賄う金額のことです。親族からの贈与を組み込めるケースもありますが、自分たちの貯蓄からある程度まとまった金額を差し入れることを考えなければなりません。

頭金の額面によって住宅ローンの返済額、完済までの返済期間は大きく変わります。頭金を入れる分だけ住宅ローンの借入金額は減ります。結果として支払利息を減らすことができるのがメリットです。ただ、頭金を捻出することで現金、預貯金など手もとの資金が減ってしまうのが注意点です。かかるのは生活費、住民税などの税金、保険料などだけではありません。住宅を持つと発生する固定資産税、不動産取得税も考慮しなければなりませんし、マンションなら管理組合に支払う修繕積立金を、戸建ての場合はメンテナンス、修繕の費用を自費で準備しておかなければなりません。子供の教育費、病気やケガなどによる急な支出を考えると、一定の貯蓄はキープしておきたいところでしょう。

最近は頭金0円の「フルローン」も注目されており、頭金を入れずに住宅ローンを組むケースも見られます。どちらにせよ、住宅ローンの支払いは長期に渡るものです。頭金は貯蓄と親族からの贈与をどれだけ利用できるのか洗い出し、事務手数料等の諸費用・経費もリストアップしてみましょう。また、住宅ローンは「固定金利」「変動金利」という2つがありますし、住宅ローンの返済には「元利均等返済」「元金均等返済」という2つの方式があります。これらの選択によって支払額も変わってきます。金融機関のサイトでシミュレーターを活用して比較し、住宅購入の予算と頭金のバランスを考えてみてはいかがでしょうか。

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想定の借入額や、月々の返済額から返済計画を確かめてみませんか

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物件総額の20~30%が頭金の目安

頭金の平均的な相場は物件価格の20~30%です。残りの代金は住宅ローンを組んで、最長で35年をかけて返済していくことになります。国土交通省がまとめた統計「住宅市場動向調査」を見ると、購入代金のうちで自己資金が占める割合は、新築マンションで25.6%、新築注文住宅が22.0%、新築戸建て(建売) が20.6%。中古マンションは37.0%、中古戸建てが32.5%。頭金の目安は物件総額の20~30%ということが分かります。

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3. 年収800万円世帯が無理のない住宅ローン返済をするために注意したいこと

無理なく、安心・安全にローンを返済していきたい。それは誰もが願うことです。将来になって頭を抱えることのないよう、注意したいポイントをあげてみました。

月々の収入と返済額のバランスを見て借入金額を決める

「無理なく返済できる金額」から逆算して借入金額を検討する「返済負担率(返済比率)」という指標を紹介しました。この数字によって家計への負担が分かります。世帯年収で借りられる上限で住宅ローンを組むと、毎月の支払いで生活が苦しくなってしまう恐れもあります。

住宅ローンの借入期間は最長で35年。家族構成の変化や老後もみすえ、最短でも10年単位、普通なら30年単位のスパンで考えていく長きロードになります。主な働き手が病気やケガなどのトラブルに遭い、途中で働けなくなってしまうこともあり得るでしょう。世帯年収を基準に住宅ローンを借りる場合、出産や育児といったライフイベントで世帯年収が下がることも考慮しておかなければなりません。現在は経済状況がクリアに見通しにくい時代です。変動金利であれば金利上昇のリスクもあります。コロナ禍において賞与をカット、見送りにした企業もありました。ボーナス払いを前提にしていると、これは大きなダメージになります。様々な可能性を考え、世帯年収はボーナスを抜き、給与をベースに試算していくのが安心です。

物件の見直しも視野に入れて

住宅ローンの支払額が無理のない返済額を上回っている場合、物件を見直すことも視野に入れ、再考していくのもありでしょう。エリア、最寄り駅を変えたり、間取りなどを再考したりすると物件総額が大きく下げられることがあります。住まいの理想と現実をすり合わせていくためには家族での相談が必須です。新築のマンションや戸建てに固執することなく、時には中古物件のリノベーションを視野に入れてみては。通学・通勤を考えた交通アクセスや周辺環境、優先条件をシミュレーションし、着地点を見出していきましょう。

定年までに返しきれるように返済計画を立てる

返済計画は、家族や夫婦で年齢に応じたライフプランを組み、働き手であれば給料の変遷、キャリアをみすえて考えていくべきです。会社員なら、定年後もローン返済が残るような無理なプランは避けたいところ。勤務先の人事制度に目を通して昇給や昇格制度を把握し、繰り上げ返済のタイミングを考慮していくのがおすすめです。また、退職金で一括返済を見越している方も慎重に検討したほうがいいでしょう。支給が絶対的に保証されているわけではありませんし、額面も不確定です。様々な可能性を考え、安心・安全な返済計画を立てていきたいところです。

4. 世帯年収・ライフプランを棚卸ししてマイホーム購入を考えましょう

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厚生労働省の「2019年国民生活基礎調査の概況」によると、世帯所得の中央値は約437万円。児童のいる世帯の雇用者所得は約652万円でした。一般的な世帯では400万円台、子育て世帯では平均年収が600万円台ということが分かります。2021年には18歳以下への10万円相当給付にまつわる所得制限で「年収960万円」が注目を集めました。

「年収800万円」の世帯は一般世帯よりもやや多めの収入を得ていることが分かりました。「どれだけの住宅ローンが借り入れられ、理想の住まいが購入できるか」が最大の関心事になりがちですが、「借りられる上限額」ではなく「返せる金額」で住宅ローンを組む。これは世帯年収とは関係なく考えていかなければなりません。安心・安全な返済計画を立てていくことは、現在の家計を棚卸しし、将来の人生設計を見通す絶好のタイミングです。家族でじっくりと相談し、ストレスのない返済プランを立てていきましょう。

佐々木 正孝

佐々木 正孝
(ささき まさたか)

編集/ライター。キッズファクトリー代表。教育・ビジネス系の記事を執筆しつつ、児童書の編集やマンガ原作も手がける。

編集/ライター。キッズファクトリー代表。教育・ビジネス系の記事を執筆しつつ、児童書の編集やマンガ原作も手がける。

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