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3,000万円の住宅ローンを組める年収の目安と金利差による返済額の違い

掲載日:2022年1月31日

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マイホームの購入を考えるとき、やっぱり気になるのが購入価格です。人生における買い物の中で、最も大きなものの一つが住宅です。その住宅を購入する時に重要になってくるのは住宅ローンの借入可能額。つまり、いくらまで借り入れることができるかということです。今回は、3,000万円の住宅ローンを組むために必要な年収の目安を考えつつ、金利の差によって返済金額にどれだけ違いが出てくるかを考えていきましょう。

1. 3,000万円の住宅ローンを組める年収はどのくらい?

3,000万円の住宅ローンを組める年収はどの程度なのか、チェックポイントを紹介しつつ、論点を整理してみましょう。

「年収倍率」「返済負担率」――借入金額は2つの指標で決まる

住宅ローンの契約を考えるうえで、まず計算したいのが「年収倍率」。こちらは住宅購入価格における世帯年収の比率を示す基準値です。社会や経済の状況によって詳細は変わっていくもので、かつては「住宅の購入価格は年収の5倍まで」といわれた時期もありました。住宅価格が高騰していることもあって見直しが進み、近年の相場は上昇傾向にあります。

「みんなは年収の何倍の家を購入しているの?」を見るべく、住宅金融支援機構のデータを参照してみましょう。「2020年度 フラット35利用者調査」によると、建売住宅が6.8倍、新築マンションは約7倍、注文住宅が年収の6.7倍、土地付きの注文住宅が7.4倍という年収倍率が出ています。これは、3,000万円の建売住宅を購入しているのは年収約441万円、新築マンションなら年収約429万円の世帯が平均ということになります。

月収における住宅ローン返済額を示すのが「返済負担率」です。年収400万円(月収33万円)の世帯が毎月10万円(年間返済額120万円)の住宅ローンを返済する場合、返済負担率は30%になります。この数値は住宅ローン審査の判断基準にもなっていて、例えばフラット35なら「年収400万円未満で30%以下」「年収400万円以上で35%以下」といった返済負担率が基準になります。

「みんなは収入のどれだけを住宅ローンに支払っているの?」を見るべく、再び住宅金融支援機構の調査に当たると、平均は22.2%というデータが出ました。最も多かったのは「25%以上30%未満」で、続いて「20%以上~25%未満」という層でした。20~25%以内が無理のない借入額といわれますが、25%~30%台に収めている世帯が実際には多いようです。

※出典:「2020年度 フラット35利用者調査」(独立行政法人住宅金融支援機構)

3,000万円を借りるなら世帯年収はどのくらい必要?

では、3,000万円の借り入れを考えるなら、どのくらいの世帯年収が目安になるのでしょうか。最も多いボリュームゾーンから返済負担率を25%に設定し、「住宅ローン返済額シミュレーション」で計算してみました。

[シミュレーション条件]
借入額:3,000万円、ボーナス月の返済:通常月の1倍(ボーナス払いなし)、返済期間:35年、金利:固定金利 年率1%

参考:みずほ銀行 住宅ローン返済額シミュレーション

返済額のシミュレーション結果

毎月のご返済額 ボーナス月のご返済額 年間のご返済額 総返済額
8万4,685円 8万4,685円 101万6,220円 3,556万7,700円

世帯年収等の目安のシミュレーション結果(返済負担率:25%の場合)

世帯月収の目安 世帯年収の目安 住宅ローン以外で使える金額(月間) 住宅ローン以外で使える金額(年間)
33万8,740円 406万4,880円 25万4,055円 304万8,660円

あくまでシミュレーションで、そのため審査手続きを経た融資額は自己資金の額面など諸条件によって異なりますが、年間の返済額は101万6,220円という試算が出ました。これをリアルな返済負担率25%にあてはめると、フィットする世帯年収は約406万円になります。返済負担率25%の場合、住宅ローン以外に使えるのは年間で約305万円、1か月で約25万円です。購入者の年齢、実際の手取り額、住民税などの税金、家族構成やライフスタイルならではの出費によってケースバイケースですが、このお金が十分だと考えるか、余裕がないと考えるかは一つの目安になるでしょう。

2.【借入金額3,000万円】住宅ローンの金利の種類による返済額の違い

住宅ローンの金利は「固定金利」「変動金利」の2つがあります。金利の選び方で返済額はどう変わるのでしょうか。それぞれの特徴、注意点を解説しつつ、シミュレーション結果を比較してみましょう。

固定金利の特徴と返済シミュレーション

借入当初から完済するまでの金利が変わらないのが「固定金利」です。融資が実行されタイミングで返済総額、総利息額が確定するため、毎月の支出が把握しやすいのが特徴。つまり、返済計画を立てやすいのがメリットです。金利が変動しないため、返済期間中に金利が上昇しても支払いが増えるリスクはありません。裏返せば、金利が下がってもその恩恵は受けられないということ。良くも悪くも、金利に影響されません。金利は変動金利よりも高めの設定が多くなっています。固定金利の返済額シミュレーションは次の通りです。

[シミュレーション条件]
借入額:3,000万円、ボーナス月の返済:通常月の1倍(ボーナス払いなし)、返済期間:35年、金利:全期間固定金利方式 年率1.63%

参考:みずほ銀行 住宅ローン返済額シミュレーション

金利 全期間固定金利方式:年率1.63%
月々の支払い 9万3,777円
総支払額 3,938万6,340円

変動金利の特徴と返済シミュレーション

借入の期間中に適用金利が変わるのが「変動金利」です。金利は固定金利よりも低めで、近年は1.0%を割り込むものも増えています。とても魅力的ですが、金利が上昇するリスクもあります。金融や経済の情勢によって変動する金利の動向を見極めるコツはありません。このため、当初の返済プランよりも返済額が増える可能性があります。こうした変動金利ならではのリスクを減らすため、融資スタートから一定期間の金利を固定する「固定金利期間選択」もあります。変動金利の返済額シミュレーションは次の通りです。

[シミュレーション条件]
借入額:3,000万円、ボーナス月の返済:通常月の1倍(ボーナス払いなし)、返済期間:35年、金利:変動金利 年率0.375%

参考:みずほ銀行 住宅ローン返済額シミュレーション

金利 変動金利:年率0.375%
月々の支払い 7万6,229円
総支払額 3,201万6,180円

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3. 住宅ローンの支払い額に影響する2つの返済方式

住宅ローンの返済には、「元利均等返済」と「元金均等返済」という2つの方式が用意されています。一見すると似たような名称ですが、返済方式、つまり方法の違いは住宅ローンの支払い額にどう影響するのでしょうか。

元利均等返済

ご返済イメージ

元利均等返済のご返済イメージ

「元金」と「利息」を合わせた返済額が毎月「均等」になる返済方式です。一定額を毎月返済するため、返済の当初は利息の割合が高め。返済が進むにつれ、元金部分の割合が増えていくのが特徴です。毎月の返済額が一定なため、返済計画の立てやすさではおすすめです。ただ、利息がかかる元金の減りが遅いため、総支払額は元金均等返済よりも増えてしまう可能性があります。

元金均等返済

ご返済イメージ

元利均等返済のご返済イメージ

元金均等返済は「元金の返済額が均等」になる返済方式で、借入残高に応じて変化する利息を一定の元金に上乗せして返済していきます。月々の返済額はローン残高が多い初回が最も高くなり、返済が進むにつれて少なくなっていくのが特徴です。元金を返済することで借入残高の減り方が速くなり、元利均等返済よりも総返済額は抑えられます。ただ、序盤の返済額が高いのはデメリット。引っ越しや家具の購入などの費用がかさむ返済スタート時には負担が大きくなってしまいます。

4. マイホームを安心して購入し、家族の生活を考えるために

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3,000万円の住宅ローンに見合った世帯年収を「年収倍率」「返済負担率」という2つの指標から考え、返済シミュレーションも行ってみました。月々の返済額は金利によって大きく変わり、返済方式によって総返済額や返済期間も異なっていきます。やはり、住宅ローンは額面が大きいだけに、利息分も大きくなります。ちょっとした要素の違いで総ボリューム、返済のスピードがかなり変わってくるのです。用意できる資金や事務手数料等の諸費用・経費、金利動向、物件価格をリサーチしながら、有利な条件を慎重に検討していきたいところです。

「自分たちの世帯年収で購入できるのか?」「月々の住宅ローンはしっかり返済できるのか?」――資金面での心配ごとはマイホーム購入につきものです。マイホームを購入したにもかかわらず、家計が圧迫され、大切な家族の生活に困りごとが生じてしまっては本末転倒です。「3,000万円を借りられるか」が重大な関心事になりますが、同時に「3,000万円を無理せずに返していけるか」という観点も無視できません。賃貸にお住まいの方なら、家賃を支払い続けていくパターンとの比較検討もおすすめ。子供の誕生や進学といったライフイベント、夫婦の今後、老後を考えたライフプランまで視野に入れ、シミュレーションを活用しながら家族で相談してみてはいかがでしょうか。

佐々木 正孝

佐々木 正孝
(ささき まさたか)

編集/ライター。キッズファクトリー代表。教育・ビジネス系の記事を執筆しつつ、児童書の編集やマンガ原作も手がける。

編集/ライター。キッズファクトリー代表。教育・ビジネス系の記事を執筆しつつ、児童書の編集やマンガ原作も手がける。

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