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住宅ローンの種類(借入先、金利タイプ、返済方式)と選ぶポイントとは?

掲載日:2021年8月6日

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住宅ローンは、その返済金額が大きく、返済期間も長引くケースが多いので、将来的に安心して返済できるかどうかを考えながら種類を選ぶことが大切です。また、それ以外にも押さえておきたいポイントがいくつかあります。

今回はファイナンシャルプランナーの新井 智美さんに住宅ローンをどのような基準で選べばいいかわからないという人に向けて、「住宅ローンの種類」と「ポイントを抑えた選び方」について解説していただきましたので、ぜひ参考にしてみてください。

1. 住宅ローンの特徴について

では最初に住宅ローンとはどのようなものなのか仕組みを考えていきながら、「不動産担保ローン」や「リバースモーゲージ」などのローンとの違いについて解説していきましょう。

住宅ローンとは?

住宅ローンとは、住宅を購入する際に多くの人が利用する金融商品です。基本的には、購入した物件を担保として金融機関から融資を受けます。そして元金に加えて、借入金額や借入期間に応じて適用される金利分の利息を含めた額を毎月返済していく仕組みとなっています。
例えば、3,000万円を金利1%で35年間借りるとした場合、その利息分は約556万円となります。そしてその利息分と元本分の3,000万円を合計した額を35年間、420回の分割払いで毎月約8万5,000円返済していくということです。

住宅ローン以外の融資には何があるのか?

住宅ローン以外の融資として、「不動産担保ローン」や「リバースモーゲージ」があります。

住宅ローンが「住宅の購入資金」または「リフォーム」を目的としたローンであるのに対し、不動産担保ローンの使い道は決まっていません。さらに、住宅ローンと不動産担保ローンでは返済期間に違いがあります。住宅ローンの返済期間は一般的に最長35年ですが、不動産担保ローンの場合は5年から10年と住宅ローンよりも短く設定されていて、その金利も大きく異なります。住宅ローンの場合は、変動金利か固定金利かによっても異なりますが、一般的に金利が年率0.5%~1.5%程度のものが多いのに対し、不動産担保ローンの場合は年率4%~15%と住宅ローンより最大で13%以上も高く設定されています。

次に「リバースモーゲージ」がどんな融資か説明しましょう。自宅を担保に生活資金を借り入れた後、借り入れた本人が死亡してしまったとします。その際、担保となっていた自宅を処分し、借入額を返済するという仕組みです。自宅に住み続けながらもその自宅を担保に、老後資金を借りることができるというメリットから、注目を集めています。

2. 住宅ローンの借入先にはどんな種類があるのか?

住宅ローンの借入先にはどんな種類があるのか?

住宅ローンは、金融機関を始め様々な機関で取り扱われています。大きく分けると「銀行などの民間金融機関」、「財形住宅融資」、「フラット35」、その他「公的融資」など各機関により住宅ローンの特徴が異なるため、それぞれの特徴や違いを知っておくといいでしょう。

銀行などの民間金融機関の住宅ローン

都市銀行やネット銀行などが行っている民間融資は、一般的に知られている住宅ローンのことです。民間融資は金利のタイプやプラン、サービスが豊富であることから、幅広い選択肢から自分に合った住宅ローンを探すことができます。ただし、審査に通らなければ借り入れることができませんので、注意が必要です。

財形住宅融資

財形住宅融資とは、会社員や公務員の福利厚生の一つとして設けられている制度のことです。勤務先が定める利用条件を満たす必要がありますが、融資手数料や保証料の面で民間金融機関よりも有利に借り入れできるケースがあります。

フラット35/フラット35S

フラット35は、住宅金融支援機構が運営している、全期間固定金利で利用できる住宅ローンのことです。民間金融機関を通じて申し込むことができ、借入当初から完済までの金利が一定であることが特徴ですが、借入条件は申し込む金融機関によって異なります。またフラット35以外にもフラット35S といった借入金利を一定期間引き下げるタイプのローンもあります。借入条件は、長期優良住宅など、省エネルギー性、耐震性など質の高い住宅を購入した場合に限るので、購入した物件がこの条件に該当するのかなどは事前に調べておくといいでしょう。

公的融資

公的融資とは公的な機関(日本政策金融公庫や地方自治体など)が行う融資のことで、上述で紹介してきた借入先よりも金利水準や審査基準が低いという特徴があります。しかし、自治体によっては条件が異なるため、公的融資を利用したいと考えている人は、事前にお住まいの市区町村役場の窓口で詳細を確認しておくといいでしょう。

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住宅ローンの選び方│自分に合った商品を選ぶための5つの観点

3. 住宅ローンの金利タイプにはどんな種類があるのか?

住宅ローンを選ぶ際には、どのような金利タイプがあるのかなど、その特徴について知っておくことが大切です。住宅ローンの金利タイプには、「変動金利型」、「全期間固定金利型」、そして「固定期間選択型」の3つがあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

変動金利型

変動金利型とは、借入期間中に金利が変動するため、半年ごとに金利は見直されます。他の2つの金利タイプに比べると、金利が最も低く設定されていることが特徴です。現在は「低金利状態」なので、このまま金利が上昇しない状況が続けば、ずっと低金利水準で借り続けることができます。しかし、金利が上昇した場合、毎月の返済金額が増加するので、負担は大きくなっていきます。そのときに備えて、「将来的に金利が上昇するリスクがある」ということも覚えておくといいでしょう。

全期間固定金利型

借入当初の金利が完済まで一定というのが、全期間固定金利型の特徴です。3つの金利タイプの中では最も高い金利水準ですが、将来的に返済額が変わらないことから、返済計画が立てやすいというメリットがあります。

固定期間選択型

固定金利選択型は、返済開始当初から3年・5年・10年・15年など固定金利期間を選択することができ、期間終了後は自動的に変動型に移行するという特徴があります。中には固定金利期間が終了してからも、再び固定金利を継続できるタイプもあります。金利水準は3つの金利タイプの中でも中間に位置づけられますが、選択する固定期間が長ければ金利が高くなる傾向があるので、注意しておくといいでしょう。

4. 2種類の住宅ローンの返済方式(返済方法)について

住宅ローンの返済方法には「元利均等返済」と「元金均等返済」という2つの返済方法があります。それぞれのメリットやデメリットも踏まえながら詳しく説明していきましょう。

元利均等返済

元金と利息を合わせて、月々決まった額を返済する方法です。毎月の返済額が一定なので長期にわたる返済計画が立てやすく、また、「元金均等返済」に比べて当初の返済負担が少ないことがメリットといえるでしょう。ただし、返済当初は利息の支払にあてられる割合が大きく、元金が減るペースが遅いというデメリットもあります

元金均等返済

月々決まった元金に、利息を加えた額を返済する方法です。毎月、一定額の元金を返済していくので、「元利均等返済」に比べてローン残高は確実に減り、トータルで支払う利息が抑えられるというメリットがあります。ただし、返済当初は利息の割合が多いので、返済の負担を重く感じることがデメリットとなります。

5. 住宅ローンを選ぶときに押さえておきたい3つのポイント

住宅ローンの借入先にはどんな種類があるのか?

ここまでは、住宅ローンの借入先、金利タイプ、返済方式などについて紹介してきました。ではここからは、どの住宅ローンにしたらいいのか迷ったときに選ぶポイントについて説明していきましょう。

ポイント1 金利タイプをどれにするか

金利も大切ですが、返済計画にも影響するため、どの「金利タイプ」を選ぶかが重要になってきます。自身のライフスタイルや今後発生するライフイベントを考えながら、できるだけ毎月の返済額が負担にならないような金利タイプを選ぶことをおすすめします。

ポイント2 住宅ローンの種類をどれにするか

民間の金融機関が提供している「民間融資」を利用するのか、それとも住宅金融支援機構と民間金融機関の提携ローンである「フラット35」を利用するのかを比較検討することも大切なポイントです。
民間融資であれば、変動金利や固定金利など様々な金利タイプから選択できますし、金融機関によっては金利を引き下げしてくれるところもあります。
対して、「フラット35」は借入期間が最長35年の全期間固定金利住宅ローンで、団体信用生命保険(団信)への加入が義務付けられていません。健康状態に問題があるなど、民間の金融機関で住宅ローンを組むことが難しい人や、固定金利で将来にわたって返済計画を確立させたという思いがあるのなら、「フラット35」を選択肢に入れるのもいいでしょう。

ポイント3 諸費用の内容を確認

住宅ローンを利用する際には、保証料、融資事務手数料、登記費用などの諸費用がかかり、住宅ローンを借り入れる金融機関や借入金額によってその金額は異なります。一般的には物件価格の約5~10%程度の金額が必要といわれていますが、詳細は必ず銀行などのサイトで確認するようにしましょう。またその際に、諸費用の支払方法も合わせて確認してください。諸費用の額は数十万円にも上りますので、もしも一括で支払うことが難しければ、諸費用をローンに組み込むことができるのかどうかも、選択の重要なポイントになるはずです。

みずほ銀行の住宅ローンのタイプ別金利一覧はこちら

6. 団体信用生命保険(団信)の保障内容もしっかり確認しておこう

住宅ローンを初めて利用する場合、多くの人はどの商品が自分に合っているのか迷うことでしょう。特に、購入したい住宅が既に決まっている人であれば、不動産会社との契約関連上、どの住宅ローンにするのかじっくり考えている時間がないことも。そのため、「住宅を購入しようかな」と考え始めた段階から、住宅ローンの仕組みや金利タイプ、そして返済方法の違いなどについて、自分のペースで少しずつ調べておくといいかもしれません。そして、今後の返済計画も含めながら検討することが大切です。

また、「住宅ローン」だけでなく「団信」への加入による金利の上乗せ、さらには民間の生命保険とのバランスも忘れてはいけません。住宅ローンを利用する際、団信への加入を義務付けている金融機関がほとんどです。さらに最近では、死亡や高度障害以外で、特定の病気になった場合に、ローン残債を保障してくれる団信を提供する金融機関も出てきました。中には金利の上乗せが必要なケースもありますので、どこまでの保障が本当に必要なのか、民間の保険とのバランスも考えながら、団信のプランを選ぶことが大切です。

迷いがちな住宅ローンですが、借入先や金利プラン、そして団体信用生命保険の保障内容によって利用の仕方は大きく変わります。返済額が大きく、返済期間も数十年と長期に及ぶことから、何よりも大切なことは信頼できる借入先を見つけることです。金利タイプや借入先の種類、保障内容、諸費用、返済方法など、多くの点を考慮に入れながら、自分自身に最適な住宅ローンをぜひ選んでみてください。

新井 智美さんの写真

新井 智美
(あらい ともみ)

CFP(R)認定者/一級ファイナンシャルプラン二ング技能士/DCプランナー/住宅ローンアドバイザー/証券外務員等の資格を保有し、コンサルタントとしての個人向け相談の他、資産運用等上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行う傍ら、年間100件以上の執筆・監修業務を手掛けている。

CFP(R)認定者/一級ファイナンシャルプラン二ング技能士/DCプランナー/住宅ローンアドバイザー/証券外務員等の資格を保有し、コンサルタントとしての個人向け相談の他、資産運用等上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行う傍ら、年間100件以上の執筆・監修業務を手掛けている。

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