ページの先頭です
メニュー

メニュー

閉じる
本文の先頭です

親子リレーローンとは?メリット・デメリットとよくある質問

掲載日:2022年2月28日

アイキャッチ画像

親と子が二人三脚で返済していく。それが親子リレーローンです。「家を買いたいけど、今の世帯収入では理想の家が買えない」と考える子供側、もしくは「家を建てたいけど、80歳までローンを返済するのは、住宅ローンを組むのが厳しい」※と頭をひねる親側、このようなお悩みを親子で解決する住宅ローンとして、ニュースなどで目にする機会も増えてきました。

将来は開けていても資金面に不安がある子供世代、高齢が気がかりな親世代が収入をフルに合算すると、理想の物件が視野に入ってくるかもしれません。さっそく、特徴とメリット、そしてデメリットを説明していきましょう。

  • 年金のみの収入であっても、60歳以上の方であれば、毎月のお支払いが利息のみの住宅ローン(「リ・バース60」)をご利用いただけます。

1. 親子リレーローンとは

親子ペアで住宅ローンを組み、二世代にわたって1つのローンを返済していくのが「親子リレーローン」の流れ。返済スタイル、借入の条件などを紹介します。

1本の住宅ローンを二世代で返済する借入方法

1つの不動産物件に親(子供)が申込人となって住宅ローンを組み、子供(親)と一緒に二世代に渡って返済する借入方法。それが親子リレーローンです。バトンを渡すようにして返済をリレーするため、こう呼ばれています。民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供するフラット35では「親子リレー返済」と呼ばれ、金融機関によって異なる名称をつけているところもありますが、ねらい・仕組みは同じです。

最初は親(子供)が返済していきますが、この親子リレーローンを組んだ子供(親)にも返済義務があります。最初の返済者である親(子供)が何らかの事由で返済できなくなったら、いざリレー。後継者である子供(親)の返済がスタートするというわけです。リレーの第2走者となる子供(親)は、金融機関によっては連帯債務者に指定されることもあります。そして、「親子」という名称ではありますが、祖父母と孫、またはその配偶者といった関係でも同様に利用できるローンが多くなっています。

親子リレーローンを利用するためには条件がある

親子リレーローンの利用には条件があり、金融機関によってそれぞれ異なります。例えば、次のような条件があげられます。

  • 親子が同居している、もしくは同居を予定している。
  • 子供は借入時に18歳以上70歳未満で、最終返済時の年齢が80歳未満(親の最終返済時年齢に上限はなし)。
  • 安定した定期的な収入がある。
  • 団体信用生命保険に加入できる。

借入期間や金利の設定は通常の住宅ローンとは大差ないことが多いですが、最長では35年という長期に渡る返済だけに「安定して返済できること」が重要な条件になってくることが分かります。

似ているようで違う、ペアローンと親子ローン

ペアローンとは、一つの物件に夫婦(または同居する家族)がそれぞれ住宅ローン契約を結ぶという借入方法です。親子でもペアローンを組むことはできますが、借り入れる2人がそれぞれ契約者になるため、契約は2本です。そのため、不動産登記の費用や保証料、事務手数料、印紙税なども契約時にかかる費用も「2倍」。高額な借入額だけではなく諸費用もかさんでしまうのがウィークポイントになります。一方、親子リレーローンはローンが1本にまとめられるため、諸費用のコストは単独で組む住宅ローンと同様。手続きや返済が分かりやすいのもメリットです。ただ、親子リレーローンでは団信(団体信用生命保険)は子供しか加入できないケースもあります。この注意点はしっかり踏まえて検討しましょう。

2. 親子リレーローンのメリット・デメリット

二世代が二人三脚で住宅購入に向かい合うというスタイルを理解したら、次はメリット・デメリットを確認してみましょう。

メリット

一番大きなメリットは収入合算ができること。親子がタッグを組んでローンを組むため、借入金額を増やせる場合があります。シミュレーションしてみたら、自分1人では手が出せない物件に手が届く可能性も出てくるでしょう。

また、返済期間を長く取れるのも親子リレーローンの魅力になります。多くの住宅ローンは完済時の年齢上限が80歳と規定されています。親が55歳の場合、単独で住宅ローンを組んだら最長で25年ローンしか組めません。親子リレーローンの場合、子供の年齢を基準になりますから、長期の返済期間を設定できます。長期ローンになるほど毎月の返済額を抑えることができ、コツコツと無理のない返済が見えてくるのです。

デメリット

デメリットは、バトンを渡すタイミングがコントロールしにくいことです。親が急逝してしまった場合、子供はすぐに引き継いで返済していかなければなりません。
そんな時に安心なのが団信です。

そもそも団信とは、住宅ローンの返済途中で、借り主が死亡したり高度障害になったりした場合、生命保険会社が住宅ローンの残りを肩代わりして返済する保険です。親子リレーローンでは親が団信に加入できず、子供のみが加入者になるのが一般的です。この場合、バトンを引き継いだ子供がすべてを返済していかなければなりません。親だけではなく子供も「債務者である」という自覚を持ち、いつ返済が始まってもいいように準備しておくことが大切になるのです。

また、条件として「親と同居(もしくは同居予定)」でなければ利用できない場合もあります。ライフプラン、マイホームの場所などを事前に考え、慎重にすり合わせていきましょう。そして、親子リレーローンの返済中は親、そして子供も借金をしていることになります。返済期間中に別のローンを組もうと思っても、新規の契約が難しいこともあるのです。

合わせて読みたい

住宅ローンの選び方│自分に合った商品を選ぶための5つの観点

3. 親子リレーローンでよくある疑問

親子リレーローンのメリット、デメリットを理解したら、現実的な疑問も浮かんできます。親子リレーローンを利用する際に出てきがちな疑問を解決していきましょう。

他の金融機関からの借換はできる?

住宅ローンを返済期間中であっても、借換、他の金融機関で親子リレーローンにすることは基本的には可能です。もちろん、条件は金融機関ごとに異なりますから、気になった方は窓口で相談してみることをおすすめします。

親に万一のことがあったらローンはどうなる?

親が団信に加入していれば残債はなくなり、子供が支払いを引き継ぐことはありません。ただ、契約によっては引き継ぐ子供しか団信に加入できない場合もあります。その場合は子供が残りのローンをすべて引き継ぐことになります。

住宅ローン控除は受けられる?

親子リレーローンも住宅ローン控除の適用を受けることができます。住宅ローン控除とは、住宅ローンの利用者を対象に金利負担の軽減を図るための制度です。要件を満たす住宅を購入し、所定の条件を満たした住宅ローンでマイホームを購入した場合、年末時点のローン残高の一定の割合に相当する金額(2021年までの購入は1%、2022年からは0.7%)が所得税から控除されます。この控除額は家計の大きな支えになります。親子双方がこのメリットを享受できるのは、親子リレーローンの大きな魅力なのです。

4. 親と子供、それぞれの長所を生かせる住宅ローン

イメージ

マイホームの購入は人生の一大イベント。「理想の住まいが購入できるか」「住宅ローン審査の基準に合うだろうか」「無理のない返済プランが組めるだろうか」などなど、悩みが尽きることはないでしょう。そこで不安と月々の返済負担のリスクを軽減してくれるのは、頼もしい親、子供の存在です。

親世代はいくら十分な資産を持っていても、年金生活を送っていたり、働いていても収入が低かったり、住宅ローン審査では不利になることもあります。一方、子供世代は購入資金が十分になくとも「若さ」があります。そこに「安定した収入」が加わっていれば安心です。親を後継することでお互いが信用、負担割合を補強し合う、親子リレーローンの理想的な活用ができるでしょう。戸建てやマンションに限らず、二世帯住宅なども視野に入れ、親子の楽しい住まい、明るい未来を考えていきましょう。

佐々木 正孝

佐々木 正孝
(ささき まさたか)

編集/ライター。キッズファクトリー代表。教育・ビジネス系の記事を執筆しつつ、児童書の編集やマンガ原作も手がける。

編集/ライター。キッズファクトリー代表。教育・ビジネス系の記事を執筆しつつ、児童書の編集やマンガ原作も手がける。

ほかの人が次に読んでいる記事

ページの先頭へ