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掲載日:2021年12月27日

住宅ローン返済を見直す「リスケ」。その選択肢とリスクを知ろう

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病気やケガなどで収入が減ってしまったり、勤務先が業績不振でボーナスが減額されたり、家計が圧迫されて住宅ローンの返済が厳しくなってしまうこともあるでしょう。そんなときに検討するのが返済計画の見直し(リスケ)です。住宅ローンを払い続け、ご自身や家族も安心して自宅に住んでいきたい。それにはリスケが希望の一手になりそう。だけどちょっと待って。そこには見落としがちなリスクもあります。考えられる見直しパターンを解説しつつ、デメリットにも注意して考えてみましょう。

※リスケ=リスケジュール(reschedule)を略した和製英語

1. 住宅ローンが払えない!そんなときはどうしたらいい!?

リストラや病気、離婚や不慮の事故など、収入に影響するトラブルはいつどこで降りかかってくるか分かりません。最近はコロナ禍の直撃により、業界によっては勤務先の倒産・休業といった事態もリアルに感じられるようになってきました。不況によって残業が減ると月々の手取り額に影響がありますし、賞与の減額やカットでボーナス返済が行き詰まるケースも想定されます。

それぞれの事情で「住宅ローンの返済が苦しい。月々の負担をどうにか減らせないか」と考えている方もいらっしゃるでしょう。では、どうするか? 住宅ローンを借り入れている場合、各金融機関に返済計画の変更を相談できます。それが住宅ローンの「リスケ」。追い詰められる前に相談したいところですが、まずはあわてずに。リスケの方法を知り、見えにくいデメリットについても知っておきましょう。

2. 返済計画の見直し――リスケにはこんな方法があります

リスケ、つまり住宅ローンの返済計画の見直しは次の4パターンで相談が可能です。

  • 借入期間の延長
  • 返済額の一定期間減額
  • 元金返済据置
  • ボーナス返済分の見直し

月々の返済を減らしたいのであれば、借入返済期間を延長する「期間延長」、一定の期間に限って支払いを減額する「返済額の一定期間減額」、同じく一定期間は元金の支払いをせずに利息のみを払う「元金返済据置」といった方法があります。一時的ではあるものの毎月の返済額が減らせるので、収入が回復する確実な見込みがあれば選択肢として考えたいと思うこともあるでしょう。ボーナス返済が負担になっている場合は、「ボーナス返済分の見直し」も効果的かもしれません。

これらの選択肢を見て、「毎月の返済額が減ったら楽になって、今の暮らしのまま返済ができる!」と思う方もいるでしょう。しかし、気をつけていただきたいのは、リスケはあくまで「見直し」「猶予」であって、支払いの「免除」ではないということです。

※60歳以上の方であれば毎月のお支払いが利息のみの住宅ローン(「リ・バース60」)に借り換えることもできます。毎月の返済額が4分の1以下*になり、住宅ローンの返済負担を減らせます。
なお、住宅取得時にお借入の住宅ローンのお借入日から1年以内の方、直近1年間でご返済に遅延がある方はご利用できませんのでご注意ください。

  • *試算の前提
    【通常の住宅ローン】
    借入金額:1,500万円、返済期間:10年間、金利:年0.7%、元利均等返済、ボーナス返済無
    【みずほ リ・バース60】
    借入金額:1,500万円、返済期間:亡くなるまで、金利:年2.475%
  • *返済期間中の金利変動、繰上返済はいずれもないものとして試算。ただし、実際の金利種類は変動金利型となります。

3. 額面のビフォア・アフターで知りたい、リスケのデメリット

リスケした場合、返済総額が増えるケースが多くなります。ここでは「返済額の一定期間減額」を例にとって見てみます。リスケをすると、その場の返済負担は減りますが、元金の返済が遅くなるので支払総額はアップします。さらに、一定の猶予期間がすぎると月々の返済額は現状よりも確実に増えるのです。一時的に楽になっても、今よりさらに重い負担がのしかかる。これは念頭に置いておきましょう。

「返済額の一定期間減額」を行った場合

毎月返済額
リスケ前(15年間) リスケ期間中(1年間) リスケ期間終了後(19年間)
109,199円/月 60,000円/月 113,074円/月
総返済額
リスケをしない場合 リスケをした場合 差分
45,867,309円 46,144,103円 +276,794円

以下の例で計算しています。

[当初借入内容]
借入日:2005年11月、借入金:2,500万円、借入期間:35年、金利:年3.900%(固定)、元利均等返済、保証料の一部前払いなし(「保証料を前払いする方式」の金利に年0.2%を含む)

[条件変更内容]
返済開始後16年目である2021年12月から2022年11月まで1年間減額に返済条件の変更を実施

4. 立ち止まって考え、ベストな決断を下しましょう

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負担はかえって増える――頭では理解したつもりでいても、支払い額面で見ると確実な負担増をもたらすことが腹に落ちたのではないでしょうか。手取り収入やボーナスが回復するメドがなければ、リスケがその場しのぎになってしまう可能性も否定できません。

住宅ローンの見直しが本質的な解決になるのか、今一度考えてみてください。例えば、改めて家計を見直してみてはどうでしょう。住宅ローン以外の固定費にはクルマの維持費、受験に備えた塾代などがリストアップされるでしょうし、習い事やレジャーなどに意外なお金がかかっていることに気づくかもしれません。

今までのライフスタイルを変えるなら、家族が足並みをそろえた意識改革が必要です。けれど、自家用車から自転車に移動手段を変えたり、塾から親子のリビング学習を考えたりすることで、今まで気づかなかった発見や健康的な生活、これまでなかった家族のコミュニケーションが見えてくるかもしれません。

もちろん、コロナ不況など避けられない困難、トラブルで先がまったく見えない場合は、金融機関も相談窓口を開いています。なぜリスケが必要なのか? 現在の返済状況とリスケ後の返済の見通しは? 事前にしっかり洗い出してから相談してみましょう。

※画像はすべてイメージです。

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佐々木 正孝

佐々木 正孝(ささき まさたか)

編集/ライター。キッズファクトリー代表。教育・ビジネス系の記事を執筆しつつ、児童書の編集やマンガ原作も手がける。

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