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掲載日:2023年11月29日

住宅ローンの借換のタイミングは?メリットやデメリット、注意点

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住宅を購入する際に契約した住宅ローンは、あくまで購入時点でのベストな選択です。その後、住宅ローンの「借換」が最適な選択肢になることもあります。これは借入額が高額なケースに限るものではありません。住宅ローン残高がそれなりに残っていたり、返済期間が長期に渡ったりする場合、借換前後の金利差によっては総返済額が減らせるケースがあるのです。

住宅ローンの借換回数に制限はないため、金利が変動した際には状況に応じて借換を検討するのがおすすめです。今回は借換の適切なタイミングを考えつつ、そのメリット・デメリットをリストアップしました。さらに、借換を失敗なく進めるための注意点も紹介します。

1. 住宅ローンの適切な借換のタイミングは?

住宅ローンの借換を考える上では、金利の動向を見極めることが大切です。わが国では超低金利の時期が続いており、住宅ローンの金利も低めに推移してきました。しかし、金利は社会情勢や住宅ローンの新商品の登場によっても影響を受けます。金利水準が上昇へと転じる金利上昇リスクは決して無視できません。借換を考えるべき6つのタイミングを考えてみましょう。

住宅ローンを借りたときより金利が下がってきた

住宅ローンを契約したときよりも金利が低くなった場合、借換を検討すべきタイミングになります。金利の下がり幅が大きいほど利息の支払額を抑えることができるため、総返済額を減らすことができます。1%以上の金利差が出てきたら借換の目安と考えましょう。

条件の良い住宅ローンを見つけた場合

住宅ローン金利だけではなく、好条件の商品が出てきたときも借換タイミングの一つです。団信(団体信用生命保険)が充実する住宅ローンや、金融機関が行う金利優遇キャンペーンが見つかったら、より好条件の住宅ローンに借り換えるチャンスです。

ローン残高が1,000万円以上で返済期間が10年以上残っている

金利差が1%以下であっても、借換が有利になる場合もあります。それは借りている住宅ローンの残高が多かったり、残りの返済年数が長かったりするケースです。目安はローン残高がトータルで1,000万円以上、返済期間は10年以上です。金利差が微差であっても、差分のメリットは大きくなり、総返済額を減らすことができます。後述する返済シミュレーションを活用し、軽減効果を計算してみましょう。

契約中に金利が上昇する

変動金利型で住宅ローンを借りている場合、返済期間中であっても定期的に金利が見直されます。また、固定金利型の優遇期間が終了したり、金融機関の優遇金利キャンペーンが終了したりする場合も同様です。現在借りている住宅ローンの利率が、借換候補と比べて高ければ借換を考慮すべき。差額が出るかどうか試算してみましょう。

収入が下がる可能性がある

景気の動向や業界事情によっては、契約者の収入が下がることもあります。また、共働きのダブルインカムでも、出産や育児に際して休業したり、仕事を辞めたりするケースもあるでしょう。年収が減って月々のローン返済が苦しくなった場合、借換によって返済総額を減らすことも視野に入ります。しかし、いざ借換を考えても、収入が減ったことで審査が通りにくくなり、契約中のローンの元金分の融資額の借入ができない可能性もあります。出費がかさんで返済負担が増したり、収入減で生活に不安があったりする場合、早めの借換を検討しましょう。

転職する予定がある

転職を考えつつ、住宅ローンの借換も検討している場合、早めの決断がおすすめになることもあります。転職によって勤続年数がリセットされ、借換時の住宅ローン審査が不利になることも考えられるからです。転職後に数年のタイムラグを置いた借換や、借換を済ませてからの転職など、後悔のないように判断しましょう。

2. 住宅ローンの借換を行うメリットとデメリット

住宅ローンを借りている人のすべてに借換を推奨できるわけではありません。金利差や残高、返済期間によっては負担増になるパターンもあります。ここで解説するメリット・デメリットを把握した上で、慎重に借換を検討していきましょう。

住宅ローンの借換のメリット

住宅ローンの見直しができる

借換先の住宅ローンが現在の金利よりも低い場合、総返済額を減らすことができます。借入期間が同じであれば、月々の返済額が減らすことができ、家計に余裕ができます。一方、毎月の返済額が負担になっていなければ、返済期間の方を短くすることもできます。完済を前倒しできれば、子どもの教育資金や自分たちの老後資金を貯めていく上でも大きなアシストになります。このように、ライフプランに合わせて返済計画を再考できるのが借換のメリットです。

団信の保障内容の見直しができる

住宅ローンの契約時には、団信(団体信用生命保険)に加入します。これは、借主が亡くなったり、高度障害状態になったりした場合、生命保険会社が住宅ローン残高に相当する保険金を金融機関に支払う仕組みです。このため、残された家族がマイホームを手放さずにすみます。 ただ、一般的には住宅ローンの契約後に団信のみを見直すことはできません。近年は、がんなど三大疾病に対応した団信や、介護保障つきの団信など、カバーする範囲が充実している団信も登場しています。団信の保障が死亡・高度障害のみだった場合、借換時に「三大疾病保障つき」「介護保障つき」タイプの団信に切り替えれば、現在加入している保険を解約して団信の保障に頼ることもできます。これは家計にも大きなメリットになります。

住宅ローンの借換のデメリット

借換の際に費用がかかる

住宅ローンの借換にあたっては、それまで契約していた住宅ローンを一括で返済し、借換先の住宅ローンを新たに契約することになります。そこで、従来の住宅ローンの繰上返済手数料など、一定の支払いが生じます。また、新たに契約する住宅ローンに関する事務手数料や保証料、抵当権を設定するための登録免許税、印紙税、司法書士報酬など、登記にまつわる諸費用や税金も発生します。金融機関に相談したり、金融機関がWebで展開しているシミュレーターを利用したりして、経費としてかかる金額を試算することが大切です。

住宅ローン控除の対象外になる可能性がある

住宅ローンの利用者であれば住宅ローン控除によって所得税や住民税の控除が受けられます。これは借換後も継続できますが、借換によって返済期間が10年未満になる場合、控除の適用外になります。こちらも控除のメリットと借換によるメリットを比較し、検討していくべきでしょう。

3. 住宅ローンを借り換えるときの注意点

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借換にあたり、新たに住宅ローンを契約することになります。借換のメリット・デメリットを把握したら、見落としがちな注意点もしっかりチェックして臨みましょう。

借換のための審査が必要となる

これまで契約していた住宅ローンと同様に、借換でも金融機関の審査が必須です。審査基準や手続きは当初の住宅ローンと同じですが、既存の住宅ローンの契約時からは時間が経過しているため、完済時の年齢も必然的に上がっており、審査では不利になることがあります。従来の住宅ローンを借入後に転職し、その後で住宅ローン借換の審査を受ける場合は、勤続年数がネックになることも。また、これまでの住宅ローンの返済状況も審査の対象になります。延滞などがあれば審査への影響は避けられません。

団体信用生命保険に加入し直す必要がある

メリットの項目で解説したように、住宅ローンの借換時には団信に改めて加入する必要があります。団信の加入には健康状態の審査があります。持病を患っていたりすると、団信の審査でチェックが入ることも。団信に加入できない場合、ほとんどの住宅ローンは契約が難しくなります。つまり、契約者の健康状態によっては住宅ローンの借換が不可能になることもあるのです。

4. 住宅ローンの借換プロセスや必要な書類

新規借入と借換は「住宅ローンの契約」という点では共通していますが、異なるのは「利用中の住宅ローンを一括で返済する」プロセスがあることです。借換先の審査を踏まえ、借入中の金融機関への返済の準備を並行して進め、契約に向けて手順を踏んでいかなければなりません。

住宅ローンの借換プロセス

ステップ1.金融機関への住宅ローンの借換の相談・申し込み

希望する住宅ローンを提供している金融機関に借換について相談します。必要書類を用意して審査に臨むのは新規の借り入れと同様です。

ステップ2.審査と結果の連絡

審査を通過して融資が決定したら、借換を本格的に進めていくことができます。

ステップ3.借入中の金融機関への繰り上げ返済の相談

住宅ローンを契約している金融機関に完済を相談します。事前に繰り上げ返済の手数料などを調べておき、予算に組み込んでおくのがおすすめです。

ステップ4.契約と借換の実施

新規借入先の金融機関の融資実行によって、従来の住宅ローンを完済。新しく借り入れた住宅ローンの返済がスタートします。

住宅ローンの借換に必要な書類

  • 本人確認書類(住民票や運転免許証、健康保険証など)
  • 収入関連書類(源泉徴収票や住民税決定通知書、課税証明書など)
  • 物件の確認書類(土地や建物の登記簿謄本など)

住宅ローンの借換の審査にあたっては、新規借入と同様に本人確認書類・収入関連書類・不動産物件の確認書類が必要になります。借換の場合は上記に加えて住宅ローンの残高証明書や返済履歴の提出を求められることも。必要な書類は金融機関によって異なります。スムーズな進行のためにも、事前に必要な書類を金融機関に確認し、早めに準備するのがコツです。

住宅ローンの借換の手順は?メリット・デメリットとよくある質問

5. 住宅ローンの借換はベストなタイミングを見極めて

住宅ローンの借換に関するメリット・デメリットと進行にあたっての注意点を見てきました。金利差によっては月々の返済額や総返済額が変わることもありますし、団信の変更によって不要な保険を集約できることも分かりました。月々の返済額や保険料の支払いがカットできるのは、家計にとって安心できるポイントです。

ただ、新たな契約に関する諸費用の支払い、新規契約や繰り上げ返済などの手間が発生する点も見逃せません。住まいにかかるコストとベネフィットを慎重に見極め、借換を慎重に検討することが重要です。そこで活用したいのが、みずほ銀行の「ネット住宅ローン借換シミュレーション」です。現在の借入条件と借入後の金利を入力し、諸費用も加味して借換のメリットを判定します。借換か、現在の住宅ローンを続行するかは、シミュレーション結果を参考にして判断してみましょう。

ネット住宅ローン借換シミュレーション

佐々木 正孝

佐々木 正孝(ささき まさたか)

編集/ライター。キッズファクトリー代表。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。教育・ビジネス系の記事を執筆しつつ、児童書の編集やマンガ原作も手がける。

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