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住宅ローンの金利相場は?種類や現在の金利、今後の値動き予想

掲載日:2023年11月29日

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「ローン」とは借入額に利息を加えて返済していく仕組みですが、住宅ローンは特に借入額が大きくなるのが特徴です。そのため、金利にわずかな差があっても、利息の金額は無視できない差になります。住宅ローンの総支払額は金利によって大きく変わるのです。そこで気になるのが金利相場です。住宅ローンの金利は市場金利の影響を受けるため、金利の推移を見極めた住宅ローン選びがおすすめです。ここでは住宅ローンの金利のタイプを解説しつつ、金利が変動する要因や金利動向の背景について紹介します。金利の知識を身につけ、自分のライフプランに合った住宅ローンをチェックしていきましょう。気になるお金の問題をクリアにし、資金計画をしっかり立てること。これが希望する物件の入手に向けた第一歩になります。

1. 住宅ローンの金利の種類

住宅ローンの金利には3つのタイプがあります。金利が変動する局面ではそれぞれの違いを把握しておくことが必要です。まずは金利タイプの特徴を見ていきましょう。

民間金融機関が扱う住宅ローンの金利は、変動金利型と固定金利型の2種類に大きく分けられます。変動金利は、定期的に金利が見直されるタイプです。半年に一度のタイミングで利率が見直されるため、景気の動向に伴って金利が変動するのが注意点です。固定金利には、返済がスタートしてから一定の期間は金利が変わらない「固定期間選択型(固定金利選択型)」と、返済スタートから完済まで金利が一定の「全期間固定金利型(長期固定金利型)」があります。返済期間中に金利が定期的に見直される変動金利と違い、一定期間あるいは全借入期間に渡って金利変動の影響を受けず、返済額は一定です。

金利 変動金利型 固定期間選択型 全期間固定金利型
特徴 定期的に金利が見直される 指定した一部期間は金利が固定 返済開始から終了まで金利は一定
メリット 他の金利タイプより当初の金利は低め 一定の期間中は金利上昇のリスクがない 月々の返済額が一定でマネープランが立てやすい
デメリット 金利が変動するため返済計画が立てにくい 所定期間後は金利変動の影響を受ける 変動型に比べて金利は高め
向いている人 借入期間が短期。借入金額が少ない。家計に余裕がある人。 固定金利の安心感と低金利のメリットの両方を重視したい人 金利上昇リスクのない安心感を求める人

それぞれの特徴とメリット・デメリットを一覧にまとめてみました。変動型は低金利が魅力ですが、金利の見直しで利息額が変動し、毎月の返済額や総返済額が変わる可能性があります。金利上昇にあたっては利息が増えて総返済額が増えますし、金利が引下げられると利息が減って総返済額が減ります。変動金利型と固定金利型のどちらを利用すべきか、固定金利にしても期間選択か全期間か。完済を目指すプランニングでは金利の選び方も重要になります。

住宅ローンの借換時は変動金利と固定金利のどちらを選ぶ?

2. 住宅ローンの金利が変動する主な要因は?

ここで、住宅ローンの金利が決まる要因をタイプ別に解説します。金利が定期的に見直される変動金利はもちろんですが、固定金利も経済状況の影響を強く受けます。「住宅ローン金利が上昇局面へ」といった報道を目にすると、住宅ローンを検討している人や、返済を進めている人は不安にかられることがあるかもしれません。金利が変動する仕組みを知り、借り入れる住宅ローンの選定や借換の検討に役立てていきましょう。

変動金利型

変動金利型の金利は、一般的に「短期プライムレート」を参照して決まり、半年ごとに見直しがあります。短期プライムレートとは、金融機関が信用力の高い企業に融資する際に適用する金利で、日本銀行の政策金利に連動しています。このため、日銀の金融政策の影響によって短期プライムレートが変動すると、変動金利型住宅ローンの金利も変動することになります。

固定期間選択型

固定期間選択型は「円金利スワップレート」の変動の影響を受けるのが一般的です。円金利スワップレートとは、固定金利と変動金利を交換する取引「金利スワップ」の取引において、短期金利に上乗せされる金利レートです。金利スワップレートは長期金利と似た動きをするため、全期間固定金利型と同じ値動きをする傾向があります。

全期間固定金利型

全期間固定金利型は「長期金利」に連動しやすい特徴があります。長期金利の代表的なものに10年物国債金利があります。ただ、金利の変動があっても返済中の人の金利には影響しません。変動が影響するのは住宅ローン借入時の金利です。

団体信用生命保険の選定

住宅ローンの新規契約では金利タイプの選定が大きなポイントですが、もう一つ「団信(団体信用生命保険)」も考えどころです。団信は住宅ローンを契約した債務者が死亡したり、高度障害状態になったりした場合、生命保険の役割を担うものです。保険会社が支払う保険金は団信に加入している契約者にではなく、金融機関に支払われます。こうして借入残高が完済され、残された家族はマイホームを手放すことなく住み続けられますし、不要な生命保険を整理できるというメリットがあります。

金融機関の多くは死亡や高度障害の保障だけではなく、特約を付加したプランもあります。例えば、がんとの診断が確定したことを条件にローン残高の全額が返済される「がん団信」、がんに加えて急性心筋梗塞と脳卒中もカバーする「三大疾病保障付団信」などです。ただ、がん団信や三大疾病保証付団信などで保険金が支払われるのは住宅ローンの残債のみで、入院費用などは保障がありません。オプションで入院を保証する団信もあるので、必要な方は検討しましょう。

通常の生命保険は性別や加入時の年齢で保険料が異なりますが、団信は保険料が一律なのがルールです。また、団信の加入手続きでは健康状態が審査されます。審査基準に該当する持病があったりする場合は加入することができません。その場合は団信への加入が任意となるフラット35(フラット35S)を利用するという手段もあります。

3. 住宅ローンの金利相場と今後の変動予測

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2022年12月、日銀は長期金利の上限を0.25%から0.5%に引き上げることを発表しました。これを受け、住宅ローンの金利相場にも変動が見られています。「超低金利」といわれていた住宅ローン金利は、今後どのように変動していくでしょうか。

今後の金利相場の変動予測

変動金利は「短期プライムレート」に、固定金利は「長期金利」に影響されます。日本銀行は長く金融緩和策を続けてきましたが、2023年7月に長期金利の上昇を容認する、と発表しました。それまでは長期金利の変動幅の上限を0.5%程度としていましたが、上限を事実上1%まで認めたのです。これにより、2023年10月には長期金利の指標となる10年物国債の利回りが0.840%まで上昇しました。これは2013年7月以来、10年3ヵ月ぶりの高水準となります。これにより、安定していた住宅ローンの固定金利も上昇の傾向が見られています。

一方、マイナス金利政策が継続しているため、現時点では変動金利にはほぼ変動がありません。住宅ローンの借入を考えている人、変動金利で返済をしている人は金融機関のウェブサイトや金融指標の動きを定期的にチェックし、金利の動向に目を配っていきましょう。

4. 住宅ローンの借入は金利相場をじっくり見極めて

住宅ローン金利として、「変動金利型」「固定期間選択型」「全期間固定金利型」という3つのタイプを比較しました。どのタイプを選択すべきかはケースバイケースですが、低金利の傾向が続く中、住宅購入者の多くは変動金利を選ぶ傾向にあります。住まいを購入する人の最新データを見てみましょう。住宅金融支援機構が実施した「民間住宅ローン申し込み者の実態調査(2023年4月調査)」によると、変動金利を利用した人は72.3%で最も多く、固定期間選択型が18.3%、全期間固定金利型が9.3%でした。

金利の上昇傾向を受け、変動金利型で住宅ローンを借りている人は「金利が上がったら返済負担が増して毎月の返済が苦しくなるかも?」という不安を抱えているかもしれません。一方、固定金利を検討する人の中には「金利が上昇しないうちに借りなければ」と、住宅購入の予定を変更する人もいるでしょう。家計に余裕がない場合、利上げによる負担増は見逃せないポイントです。本記事で解説した通り、住宅ローン金利は、指標となる市場金利や金融政策の影響を受けて変動していきます。住宅ローンの借入にあたっては金利相場の潮流を読むことが大切です。

返済中に金利上昇の局面を迎えたら、「住宅ローンの借換」という対応策があります。変動金利から固定金利に借り換えて、金利上昇のリスクを避けるのがねらいです。みずほ銀行が提供する「住宅ローンシミュレーション」では、返済額の計算や借換の試算ができます。金融機関への相談も検討しつつ、返済シミュレーションから対応を考えていきましょう。

住宅ローンシミュレーション

佐々木 正孝

佐々木 正孝
(ささき まさたか)

編集/ライター。キッズファクトリー代表。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。教育・ビジネス系の記事を執筆しつつ、児童書の編集やマンガ原作も手がける。

編集/ライター。キッズファクトリー代表。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。教育・ビジネス系の記事を執筆しつつ、児童書の編集やマンガ原作も手がける。

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