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住宅ローンの借入可能額はどのくらい?借入の実態と年収別の目安

掲載日:2023年11月29日

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憧れのマイホームを手に入れたい――その夢を実現に導くのが長期に渡るお金のやりくり、つまり資金計画です。目当ての不動産の物件価格が決まれば、その分の資金を用意することになりますが、まずは「自分はどれだけ借りられるのか」を明らかにしなければなりません。大切なのは「借入限度額」と、「借入可能額」を分けて考えることです。目いっぱい借りられる限度額ではなく、無理なく返済していける可能額を導き出す必要があります。ここで解説するのは、住宅ローンがどれだけ借りられるか、つまり「借入可能額」の目安を知る方法です。さらに、借入可能額を増やすアプローチと、借入額を最終決定するための注意点も紹介し、夢の住まいに向けた一歩をアシストしていきます。

1. 住宅ローンの借入可能額はどのくらい?

「自分はいくらまで借りられるのか」という借入可能額は契約者の収入と密接に関わっています。フラット35を利用している人のデータを参照し、住宅購入者の平均値を見ていきましょう。

住宅購入者のデータ「年収倍率」から借入可能額を考える

フラット35は住宅の購入を検討する人の多くが選択肢とする住宅ローンです。2022年度の利用者調査データから、借入可能額の目安を見ていきましょう。下の表は、住宅購入者の「年収倍率」の平均値を比較したものです。年収倍率とは、住宅の購入価格と購入者の世帯年収の比率を表した指標です。フラット35の利用者は約5倍~7倍強がアベレージになっていることがわかります。

皆さんも「住宅を購入するなら年収の5~7倍まで」という経験則を聞いたことがないでしょうか。これは「年収倍率」を基にした言説です。「年収の5~7倍」という基準にあてはめると、年収500万円なら2,500万~3,500万円の住宅ローンが組める計算になります。

購入した物件 年収倍率の平均

土地付注文住宅

7.7倍

マンション

7.2倍

建売住宅

6.9倍

注文住宅

6.9倍

中古マンション

5.9倍

中古戸建

5.7倍

年収別に試算した借入可能額の目安とは

ここでは、借入可能額の目安はどのように出すべきかを考えていきましょう。「返済比率」という指標を使って、年収別の借入可能額を試算します。この指標は「年収に占める年間返済額の割合」を表すもので、総返済負担率(返済負担率)と呼ばれることもあります。ここではみずほ銀行のツール「住宅ローン借入可能額シミュレーション」を活用し、返済比率30%で計算しました。例えば、年収400万円なら以下の式から年間の住宅ローン返済額の目安を導きます。

400万円(額面年収)×30%(返済比率)=120万円(年間の返済額)

年収400万円の場合、月々の返済額は10万円。この額面でシミュレーションすると、メドとなる借入額は3,935万円という結果になりました。

【計算条件】

返済期間:35年
ボーナス払い:なし
金利タイプ:変動金利
金利:年率0.375%
返済方式:元利均等返済
単位:万円
(月々返済額の千円単位は四捨五入で試算)

年収 借入可能額

400万円

3,935万円

500万円

5,116万円

600万円

5,903万円

700万円

7,083万円

800万円

7,870万円

900万円

9,051万円

1,000万円

9,838万円

2. 住宅ローンの借入可能額を増やす方法

年収から借入可能額を算出してみたけど、借入希望額には届かない……。そんなときは借入可能額を増やすという判断もあります。夫婦のパワーを活かす「ペアローンや収入合算」と、「返済比率の再考」というプランを紹介します。

ペアローンや収入合算を活用する

ペアローンとは夫と妻がそれぞれに住宅ローンを契約し、夫婦で2つの住宅ローンを借り入れる方式です。2人の借入により、どちらか単独よりも借入総額を増やせるのがメリットです。夫と妻はお互いに相手の連帯保証人になります。夫婦の収入を合算して住宅ローンを借り入れるのが「収入合算」です。夫婦で収入を合わせて申し込み、1本の住宅ローンを契約します。1人の年収では借入希望額に届かない場合、この2つを検討するのがおすすめです。

返済比率を再考する

借入可能額で用いた重要な指標「返済比率」から考えていくアプローチです。一般的に、無理なく支払っていける返済比率は20~25%とされています。世帯年収のうち住宅ローンの支払額が占める割合を2割程度に抑えるべき、ということです。シミュレーションでは30%で試算しましたが、この割合を高めると借入可能額を増やすことができます。

例えば、金融機関が基準とする返済比率はやや高めです。フラット35では返済比率の上限が30%(年収400万円未満の場合)、35%(年収400万円以上)となっており、民間の金融機関が扱う住宅ローンの多くも返済負担率の上限を30~40%程度に設定しています。返済困難な事態に陥らないようにプランニングしつつ、自身に最適な返済比率を考えていきましょう。

3. 借入額を決めるときのポイント

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住宅ローンの返済計画では収入や返済比率だけではなく、返済中の出費も考えておく必要があります。借入額を決定するポイントを長期的な視点で考えてみましょう。

住宅ローン返済の多くは完済時まで20年~30年という期間を要します。長きにわたる返済では子どもの教育費や親の介護など、住宅以外にもまとまった出費が見込まれることもあるでしょう。年収も右肩上がりで増えるとは限らず、転職などで収入が下がるリスクもあります。また、住宅関連でかかる費用はローンの返済に限りません。購入時にかかる諸費用や入居後の維持費も考慮しておく必要があります。

返済プランを立てる際に考えたいのは、冒頭で挙げたように「借入限度額」と「借入可能額」を分けて考えることです。前項で解説した返済比率も、高めるとデメリットになります。一般に、30%を超えると住居費が家計を圧迫して生活が厳しくなると言われます。希望した額の融資が受けられても、返済が行き詰まっては意味がありません。無理のない返済計画のためにも、限度額「借入できる目いっぱいの金額」ではなく、家計にやさしい「借入可能額」にしていきましょう。

4. ツールを参考に住宅ローンの借入可能額を絞り込む

ここまで解説してきたように、住宅ローンの借入可能額は年収や返済期間、ライフプランといった様々な要素を検討して決定すべきものです。夫婦の共働きで借入を増やすこともできますし、余裕を持った返済比率を計算すると、希望する借入額と差が出るといったケースもあるでしょう。そこで活用したいのがシミュレーターです。みずほ銀行の「住宅ローンシミュレーション」では、毎月返済できる額や借入期間、利用したい住宅ローンの金利を入力することにより、借入可能額がチェックできます。理想の住まいを目指したローンが負担にならないよう、無理なく安心・安全に返していける金額を試算し、マイホーム購入の道しるべに活用ください。

住宅ローンシミュレーション

佐々木 正孝

佐々木 正孝
(ささき まさたか)

編集/ライター。キッズファクトリー代表。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。教育・ビジネス系の記事を執筆しつつ、児童書の編集やマンガ原作も手がける。

編集/ライター。キッズファクトリー代表。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。教育・ビジネス系の記事を執筆しつつ、児童書の編集やマンガ原作も手がける。

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