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住宅ローンを借り換えるメリットとデメリット│シミュレーション付き

掲載日:2021年7月2日

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念願のマイホーム購入となれば、住宅ローンを利用される方も多いと思います。住宅ローンは20年や30年といった長期間にわたって返済していくため、その間の金利負担も気になるところですよね。

現在の日本では、長い間、低金利時代が続いています。つまり、ご自身が利用開始した当初の住宅ローン金利と比べて、現在の金利の方が低ければ……そう!住宅ローンを借り換えることで、返済総額や月々の支払いを削減することができる可能性があります。

メリットがあれば、もちろんデメリットもあるため、この記事では、住宅ローンを借り換えるメリットとデメリットについてまとめました。一つひとつ、シミュレーションしながら解説していきます。

1. 住宅ローンの借換を行うメリット

まずは、住宅ローンの借換を行うメリットについて見ていきます。

毎月の返済額・総返済額を下げられる

借換によって住宅ローンの金利が下がれば、その金利差により、支払利息を減額できます。その結果、月々の支払額や総返済額が下がり、返済の負担を軽減させる効果があります。

借換と同時に返済期間を変更できる

借換のタイミングでは、ローンの返済期間も変更できます。返済期間を短くすれば、月々の返済額は増えるものの、利息の負担が減るため、結果的には総返済額が抑えられます。この記事の後半部分にシミュレーションしていますので、合わせてご覧ください。

なお、返済期間を短くすることは、どの金融機関でも可能です。ただし、返済期間の延長については、対応していない金融機関もありますので、取引先の銀行などにご確認ください。

借換と同時に金利タイプを変更できる

借換時は、新しく金利タイプを選び直すことになります。もしも今後、金利上昇すると予想される場合は、変動金利から固定金利へ切り替えることで、将来に渡って金利が変わらず、返済額の増加を防ぐことができます。逆に、金利が低下すると予想される場合は、変動金利の方が良いでしょう。

一般的に、固定金利は変動金利よりも高めに設定されており、また、同じ固定金利でも長期固定金利は短期よりも金利設定が高めです。

団体信用生命保険の見直しができる

借換に伴い、今までの住宅ローンは一括返済して完済となりますので、これまでの団体信用生命保険は保険期間が終了となります。

そして、借換時には新しい団体信用生命保険へ入り直すことになりますので、このタイミングで保障内容の見直しが可能です。保証内容を手厚くしたり、逆に、必要な保障に絞ったりすることができます。

リフォーム費用もまとめて借りられる

家族構成が変わったり、長年住んでいて修繕が必要だったりすると、リフォーム費用が必要な場合がありますよね。借換を行えば、住宅ローンの残高にリフォーム費用などを加えた金額で、借り入れできる場合があります。

一般的に、住宅ローンはリフォームローンより金利が低い傾向にありますので、リフォーム用に別にローンを組むよりも、返済額や諸費用を抑えられるでしょう。

リフォームローンを組み入れた結果、借換によって住宅ローン残高が増える場合があります。その場合は、住宅ローン控除の控除対象額を調整する必要がありますので、ご注意ください。

みずほ銀行の住宅ローンのタイプ別金利一覧はこちら

2. 住宅ローンの借換を行うデメリット

住宅ローンの借換を行うデメリット

メリットがある一方で、デメリットもあります。ここでは、そのデメリットについてまとめました。住宅ローンの借換を検討する際には、デメリットも踏まえたうえで検討していきましょう。

契約時に諸費用がかかる

借換を行い、新しい住宅ローン契約にするためには、様々な諸費用がかかります。前の住宅ローンの抵当権抹消登記や繰り上げ返済手数料の費用に加え、印紙税・融資手数料・保証料・登記費用などが必要です。

借入額・返済年数・金融機関によって金額は異なりますが、数十万円になるケースもありますので、資金計画に組み入れておきましょう。

団体信用生命保険が利用できないケースがある

借換の際、契約者の健康状態の悪化といった理由により、保険加入の審査に通らず、団体信用生命保険へ加入ができない場合があります。

多くの住宅ローンは、団体信用生命保険への加入を条件としていますので、何らかの理由がある場合には、団体信用生命保険への加入を前提としていない住宅ローンしか選べません。

例えば、フラット35は団体信用生命保険に加入しなくても利用できますが、万一の保証がなくなってしまいます。団体信用生命保険に加入しないでローン契約を行う場合には、民間の生命保険などを活用して万一の場合に備えるなど、別の方法を検討しておくと安心です。

住宅ローンの借換は自身で手続きを行う必要がある

住宅を購入した際に住宅ローンを契約する場合、不動産会社などからサポートを受けたり、手続きの一部を不動産会社が代行してくれたりするケースがあります。

一方で、住宅ローンを借換の場合、不動産会社などからのサポートは受けられません。自分自身で、書類の準備や提出など、すべての手続きを行う必要があり、時間と手間がかかります。

合わせて読みたい

住宅ローンの借換時は変動金利と固定金利のどちらを選ぶ?

3. 住宅ローンの借換シミュレーション

住宅ローンの借換シミュレーション

ここでは、実際のケースを想定して、金利や返済期間を変えることによって、総返済額がどのように減少するか試算してみましょう。

【現在返済中の住宅ローン】

  • ローン残高 2,000万円
  • 現在の金利 2.0%
  • 元利均等返済
  • ボーナス月の追加返済なし
  • 現状   ローン残高2,000万円、残返済期間20年、固定金利2.0%、元利均等返済
  • ケース1 ローン残高2,000万円、残返済期間15年、固定金利2.0%、元利均等返済
  • ケース2 ローン残高2,000万円、残返済期間20年、固定金利1.5%、元利均等返済
  • ケース3 ローン残高2,000万円、残返済期間19年、固定金利1.5%、元利均等返済

ケース3は、固定金利1.5%場合で、「現状の毎月の返済額」に近い金額となるように、返済期間を19年としてシミュレーションします。

なお、借換諸費用は自己資金で支払い、以下のシミュレーションには含めないこととします。

  現状
ローン残高 2,000万円
借入期間 20年
金利(年率) 2.0%
毎月の返済額 101,176円
総返済額 24,282,300円
  ケース1
ローン残高 2,000万円
借入期間 15年
金利(年率) 2.0%
毎月の返済額 128,701円
総返済額 23,166,230円
現状との差額 -1,116,070円
  ケース2
ローン残高 2,000万円
借入期間 20年
金利(年率) 1.5%
毎月の返済額 96,509円
総返済額 23,162,045円
現状との差額 -1,120,255円
  ケース3
ローン残高 2,000万円
借入期間 19年
金利(年率) 1.5%
毎月の返済額 100,866円
総返済額 22,997,501円
現状との差額 -1,284,799円
  現状 ケース1 ケース2 ケース3
ローン残高 2,000万円 2,000万円 2,000万円 2,000万円
借入期間 20年 15年 20年 19年
金利(年率) 2.0% 2.0% 1.5% 1.5%
毎月の返済額 101,176円 128,701円 96,509円 100,866円
総返済額 24,282,300円 23,166,230円 23,162,045円 22,997,501円
現状との差額   -1,116,070円 -1,120,255円 -1,284,799円

このシミュレーション結果を比較することにより、返済期間を短縮したり、低金利のローンにしたりすることにより、総返済額がどれくらい減少するかが分かります。

実際の借換においては、融資手数料・保証料・登録免許税・司法書士報酬といった、諸経費がかかります。諸経費は、借入額・返済年数・金融機関によって金額が異なり、保証料不要の金融機関もありますが、目安として、数十万円の単位になるケースが多いでしょう。

よって、シミュレーションでの「現状との差額」が、この借換の諸経費より大きくないと、ローン借換のメリットはありません。

ご自分のケースに合わせて、「低金利のローンに乗り換えた場合」「返済期間を短くした場合」など、諸経費を加味したシミュレーションを行って見てください。以下のウェブページを利用すれば、ご自身でも簡単にシミュレーションすることができます。

4. 住宅ローン借換により低金利時代の恩恵を享受しよう

住宅ローン借換の一番のメリットは、「金利差による支払総額の削減」です。固定金利から固定金利への借換で金利が下がる場合は問題ありませんが、変動金利の場合は、今後の金利の動きによっては、これまでの金利より高くなってしまうリスクがあります。今後の金利の動きをどのように判断するかが重要なポイントとなるでしょう。

また、住宅ローンの借換には諸費用がかかります。諸費用も加味した全体の支払額が減らないと意味がありませんのでご注意ください。現在は超低金利時代といわれています。ぜひ一度、ご自分の住宅ローンについて見直してみませんか?ご自身で概算を算出することもできますし、金融機関に出向けば相談することも可能です。ご自身に合った住宅ローンを賢く選択していきましょう。

浦川 正弘さんの写真

浦川 正弘
(うらかわ まさひろ)

ファイナンシャルプランナー1級/宅地建物取引士
大手石油会社在勤中にFP1級を取得。60歳定年退職後、現在はFP業務を営みつつ、FPやファイナンスに関する執筆活動を行っています。会社在勤中は企業のリスク管理を担当しており、そのリスク管理の考え方を、わたしたち個人に応用し「人生100年時代のリスク管理」を念頭に業務を行っています。

ファイナンシャルプランナー1級/宅地建物取引士
大手石油会社在勤中にFP1級を取得。60歳定年退職後、現在はFP業務を営みつつ、FPやファイナンスに関する執筆活動を行っています。会社在勤中は企業のリスク管理を担当しており、そのリスク管理の考え方を、わたしたち個人に応用し「人生100年時代のリスク管理」を念頭に業務を行っています。

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