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住宅購入で生命保険を見直し。月々の保険料はどう変わる?

掲載日:2021年11月30日

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何が起こるか分からない将来のためにしっかり備えたい。だけど、家計に負担はかけたくない。それが私たちの本音です。そこで考えたいのが、加入するかどうか、そして内容まで任意に検討できる「生命保険」です。皆さんも、結婚や出産、子供の独立といったライフイベントで生命保険を見直すべき、と聞いたことがあるでしょう。その中でも見直しの重要なタイミングが「住宅の購入」です。一体、それはなぜでしょうか?
今回は、「住宅購入と生命保険の関係」を考えてみましょう。

1. 住宅ローン返済中の「万が一」に備える――それが団信

住宅ローンを利用すると、多くの民間金融機関では団体信用生命保険(以下、団信)への加入が必須になります(フラット35は任意)。そもそも団信とは、住宅ローンを返済している途中で、借り主(被保険者)が亡くなったり高度障害になったりした場合、本人に代わって生命保険会社が住宅ローンの残債を返済する保険です。残された家族は残債を払うことがなく、それまでの家に住み続けられます。通常の団信は、一家の大黒柱である借り主が病気やケガで働けなくなったり、がんになったりした場合の保障まではカバーしていませんが、がんに備えられる「がん団信」、さらに急性心筋梗塞・脳卒中にも備える「3大疾保障病特約付団信」など、様々なタイプの団信もあります。

このように、団信の加入によって万が一の場合の居住費が保障されます。これは賃貸に比べた際の住宅購入の大きなメリット。結婚や出産など数あるライフイベントの中でも、住宅購入=住宅ローンの契約が保険見直しの大切なタイミングということが分かります。

2. 生命保険で備えるべきお金は住宅の購入前後で変わります

では、団信の加入によって生命保険料はどの程度見直せるのでしょうか。まず、生命保険の「必要保障額」を計算してみましょう。この必要保障額は「残された家族の支出(生活に必要なお金)」と、「残された家族の収入」の差額で決まります。この不足分をまかなうのが、生命保険の基本的な考え方です。

加入者の年齢は38歳、配偶者が35歳で年収は800万円、子供が1人(就学前の5歳)でシミュレーションすると、以下の数字になりました。

賃貸の場合……必要保障額=5854万円
住宅を購入している場合……必要保障額=2854万円

  • 生活費を月25万円、教育費を月5万円、葬儀費用200万円で計算
  • 遺族年金は年収800万円で妻+子1人、年額182万円で計算
  • 価格比較サイト「価格.com」のシミュレーションで計算

残された家族の生活費、子供の教育費はかかりますが、家計の一定割合を占める住居費の負担を減らせるのは大きなメリットになることが分かります。

そして、3000万円の生命保険に加入していて、3000万円の住宅ローンを組んで団信に加入した場合、合計6000万円の死亡保障がついていることになります。「保障が手厚くなってよかった」と言えますが、もうひとつ別の考え方もあります。現在加入している生命保険によっては、「万一の備えが必要以上」かもしれません。つまり、保障内容を見直したら、月々の生命保険料の支払いを減らせる場合もあるのです。

ここでの必要保障額はあくまでシミュレーションですが、死亡保障を6000万円から3000万円に下げるなら、支払う生命保険料は月額数千円~数万円単位で節約できる可能性もあります。年額で考えれば大きなコストダウンにつながりますね。具体的な金額は契約条件によって変わるので、加入している保険会社に問い合わせてみましょう。その他、様々な生命保険会社の保険商品を扱っている銀行など金融機関の窓口、各種保険ショップを活用して比較・検討してみるのもおすすめです。

3. 生命保険の見直しは、より安心で豊かな生活につながります

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住宅購入時に必要保障額を計算し、生命保険を再考することで、家族のステージに応じたリスクに備えることができます。月々の保険料が節約できた分は投資信託やつみたてNISA、iDeCo(個人型確定拠出年金)などで運用し、老後資金や資産形成につなげていくこともできるでしょう。

生命保険を見直すことは、家族という船のスケールを見定め、航路の先に待ち受けるものに思いを馳せることです。住宅購入後の家族にとってどんな備えが必要なのか、あらためて俯瞰し、家族にとって最適な「備えのかたち」を考えてみてはいかがでしょうか。

※画像はすべてイメージです。

佐々木 正孝

佐々木 正孝
(ささき まさたか)

編集/ライター。キッズファクトリー代表。教育・ビジネス系の記事を執筆しつつ、児童書の編集やマンガ原作も手がける。

編集/ライター。株式会社二玄社・自動車総合誌『NAVI』の編集記者を経て独立。女性誌やライフスタイル誌、新聞などのメディアに寄稿/編集。産業カウンセラー資格を有する。現在の主なテーマは、ライフスタイルと社会課題。

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