法人口座はどの銀行で開設する?手数料をはじめメリット・デメリットから選び方を紹介
掲載日:2025年8月25日法人口座

ビジネスを興すタイミングで必要な手続きの一つが、銀行での会社名義の法人口座開設です。
開設先となる銀行は数多くあるため、どの銀行にするべきか判断に迷う方もいるでしょう。銀行によって手数料等のコストや提供されるサービスに違いがあるため、自社のビジネスに適した銀行を見極めることが大切です。
本記事では、法人口座の開設先を選ぶ判断材料として、銀行ごとの特徴や違いを分かりやすく解説します。
銀行の法人口座とは
銀行の法人口座とは、会社名等の法人名義で開設する銀行口座のことです。
起業の際には、銀行の法人口座を開設するのが一般的です。個人名義の口座とは別に、会社用に銀行口座を持つことで、個人と事業の資金を明確に区別し、より効率的な資産管理が可能になります。
ほかにも、銀行で法人口座を開設すると、次のようなメリットがあります。
- 会社の経営状況や現金の流れを把握しやすくなる
- 銀行に法人口座を持つことで、取引先からの信頼が高まる
- 法人口座を対象とした事業融資の申込資格を得られる
法人口座を銀行で開設する際、事業の実態や実績を基に「法人の信用力」が審査されます。登記簿謄本等の提出や、事業内容の面接等を求められるケースが多く、個人口座に比べると開設のハードルは高めです。
また、法人口座の審査は時間がかかる傾向があり、申込状況によっては1~4週間程度かかる場合もあります。余裕をもって申し込みましょう。
関連記事:「新設法人が法人口座を開設するメリットは?口座開設の流れやポイントも紹介」
法人口座を開設できる銀行や金融機関
法人口座を開設できる銀行は、主に以下の種類に分けられます。
銀行の種類 | 銀行の代表例 |
---|---|
都市銀行(メガバンクを含む) |
みずほ銀行・三井住友銀行・三菱UFJ銀行・りそな銀行等 |
地方銀行 |
横浜銀行・千葉銀行・静岡銀行・常陽銀行・京都銀行・福岡銀行等 |
ゆうちょ銀行 |
ゆうちょ銀行 |
ネット銀行 |
楽天銀行・住信SBIネット銀行・イオン銀行・ソニー銀行・GMOあおぞらネット銀行等 |
また、銀行以外の金融機関として信用金庫や信用組合もあり、こちらでも法人口座の開設が可能です。ここからは、各金融機関で法人口座を開設するメリット・デメリットを紹介します。
都市銀行で法人口座を開設するメリット・デメリット
都市銀行は全国に支店を持つ銀行で、メガバンクとも呼ばれています。預金・融資・為替等、銀行の基本業務の他、海外でのサービスも提供しています。
主なメリット | 主なデメリット |
---|---|
|
|
主なメリット |
---|
|
主なデメリット |
|
都市銀行で法人口座を開設すると、海外展開支援など、グローバルな事業展開も見据えたサービスを受けられます。また、融資限度額が他の銀行よりも高いため、大胆な事業戦略も視野に入れることができるでしょう。
一方、法人口座開設の審査には時間を要する傾向があり、また、高額な融資を受けるには、一定の事業規模を求められる場合があるため、小規模な事業者には適さない可能性もあります。
都市銀行の手数料はやや高めに設定されていることが多いですが、提供されるサービスが充実しているため、コストパフォーマンスをしっかり検討しましょう。
地方銀行で法人口座を開設するメリット・デメリット
地方銀行は一定のエリアに限定して支店を展開する銀行で、横浜銀行や千葉銀行、静岡銀行など主に地名を冠した銀行が全国に数多くあります。地域に密着した銀行として、地域の活性化やビジネスの発展に貢献・支援する観点から事業者をサポートする姿勢が見られます。
主なメリット | 主なデメリット |
---|---|
|
|
主なメリット |
---|
|
主なデメリット |
|
地方銀行は、営業エリア内で経済的に支える存在として高い信頼を得ています。地域とのつながりも深いため、特定のエリアで事業を展開したい場合にはメリットが大きいでしょう。
ただし、エリアが限定されるため、地域から外れると店舗やATMの設置はほとんどありません。そのため、取引先が全国各地に及ぶ場合はデメリットとなる可能性があります。また、メガバンクと呼ばれる都市銀行に比べると、地方銀行の融資限度額はやや低い傾向にあります。
関連記事:「地方銀行で法人口座を開設する方法は? メリットや他の銀行との違いを解説」
ゆうちょ銀行で法人口座を開設するメリット・デメリット
2007年の郵政民営化に伴って誕生したのが、ゆうちょ銀行です。
主なメリット | 主なデメリット |
---|---|
|
|
主なメリット |
---|
|
主なデメリット |
|
全国の郵便局が支店となるため、所在地に関わらず、全国各地の顧客と取引できます。郵便局に設置されたATMを使えば、全国の顧客からの振り込みに対応できるでしょう。
法人口座開設や口座の維持手数料、郵便局のATMからの引出手数料が無料等、手軽に開設しやすいメリットもあります。ただし、ビジネスに欠かせないインターネットバンキング(ゆうちょBizダイレクト)には契約料金や月額料金がかかるため、必ずしもランニングコストが抑えられるとは限りません。
また、一つの口座あたりの預入限度額が1,300万円までに制限されており、規模の大きな事業者には向かないかもしれません。
ネット銀行で法人口座を開設するメリット・デメリット
ネット銀行は、インターネットバンキングを中心に、原則として24時間365日にわたって取引やサービスの提供を行う銀行です。実店舗を持たないネット銀行も珍しくありません。
主なメリット | 主なデメリット |
---|---|
|
|
主なメリット |
---|
|
主なデメリット |
|
ビジネスに欠かせないインターネットバンキングを主流としたネット銀行は、オンライン取引の操作性や利便性の高さが魅力です。実店舗を持たず、人員を最小限に抑えているため、手数料等のコストが他の銀行より低く設定されている傾向があります。
しかし、店舗がほとんどないため、いざというときの相談先とはなりにくいことがデメリットです。また、法人口座開設は審査のシステム化により比較的容易でスピーディですが、その分、他の銀行よりも社会的信用度を低くみなされる恐れがあります。
ネット銀行でも、一部の口座開設には対面の手続きを必要とする場合があります。すべての手続きやサービスをオンラインで完結できない可能性も考慮して、検討しましょう。
信用金庫・信用組合で法人口座を開設するメリット・デメリット
銀行ではありませんが、法人口座を開設できる金融機関である信用金庫・信用組合の概要も確認しておきましょう。
信用金庫は、営利組織である銀行とは違い、会員の出資により運営される非営利組織です。地域の発展や繁栄を目的に、地方銀行のように一定のエリア内で営業しています。
信用組合も、信用金庫と同様に、一定のエリアを対象とした組合員の出資からなる非営利組織ですが、目的は組合員の相互扶助や生活の向上です。口座への預け入れは原則として組合員のみを対象としています。
主なメリット | 主なデメリット |
---|---|
|
|
主なメリット |
---|
|
主なデメリット |
|
非営利組織として会員(組合員)を支える役割があるため、地域経済に寄与する存在として、事業規模に関わらず手厚いサポートを受けられます。会員資格を満たせば、法人口座開設や融資は銀行に比べてスムーズに進むでしょう。
しかし、地方銀行と同じく、エリアが限定されるため、全国規模のビジネスを考える事業者には不向きです。また、会員(組合員)になれば融資を受けるハードルは下がりますが、融資限度額が低く金利は高い傾向があるため、必要な資金を手にできない可能性や返済が負担になる恐れがあります。
関連記事:「信用金庫(信金)とは?信用組合・銀行との違い、利用するメリット・デメリットを解説」
法人口座を開設する銀行を選ぶポイント

銀行ごとの特徴や違いを把握したうえで、法人口座を開設する銀行を選ぶときには次のポイントを比較・検討するのがおすすめです。
- 振込手数料や維持手数料の金額
- インターネットバンキングの利便性
- 融資の条件や金利
- 社会的な信用度
- 法人口座開設時の審査のハードル
それでは、銀行選びの判断材料となるそれぞれのポイントを詳しく確認しましょう。
振込手数料や維持手数料の金額
銀行の個人口座は原則として無料で使えますが、法人口座は一般的に、開設費用やインターネットバンキング利用料金等の維持手数料が必要です。
法人口座では、振込手数料や口座維持手数料などが毎月発生するため、口座開設前にランニングコストを必ず確認しましょう。
銀行の法人口座にかかる手数料をできるだけ抑えたい場合、店舗維持費や人件費を削減しているネット銀行が選択肢となります。
しかし、ネット銀行だけでなく、都市銀行や地方銀行でも、利用できる機能を限定することで手数料が無料になるサービスを提供している場合があります。各銀行の公式ウェブサイト等で詳細を確認し、自社の利用状況や必要な機能に最適な口座を選びましょう。
また、現在のビジネスでインターネットバンキングは必須とされています。ほとんどの銀行がインターネットバンキングを提供していますが、手数料は銀行ごとに異なります。
そこで、銀行の種類によってインターネットバンキングにかかる手数料の違いを表にまとめました。なお、金額は一例です。
都市銀行 | 地方銀行 | ゆうちょ銀行 | ネット銀行 | |
---|---|---|---|---|
振込手数料(同行) |
0~330円程度 |
0~330円程度 |
100円 |
0~55円程度 |
振込手数料(他行) |
145~660円程度 |
385~550円程度 |
165円 |
145~165円程度 |
組戻手数料 |
770~880円程度 |
550~880円程度 |
660円 |
660~880円程度 |
振込手数料(同行) | |||
---|---|---|---|
都市銀行 |
0~330円程度 |
||
地方銀行 |
0~330円程度 |
||
ゆうちょ銀行 |
100円 |
||
ネット銀行 |
0~55円程度 |
||
振込手数料(他行) | |||
都市銀行 |
145~660円程度 |
||
地方銀行 |
385~550円程度 |
||
ゆうちょ銀行 |
165円 |
||
ネット銀行 |
145~165円程度 |
||
組戻手数料 | |||
都市銀行 |
770~880円程度 |
||
地方銀行 |
550~880円程度 |
||
ゆうちょ銀行 |
660円 |
||
ネット銀行 |
660~880円程度 |
インターネットバンキングにかかる振込手数料や組戻手数料もネット銀行が安い傾向があります。ただし、都市銀行や地方銀行でも同行宛への振込手数料を無料としている場合があるため、事前に確認することが重要です。
インターネットバンキングの利便性
入出金や残高照会、給与支払い等、様々な手続きをオンラインで実行できるインターネットバンキングは、ビジネスに欠かせないツールの一つです。現在、みずほ銀行の「みずほビジネスWEB」やゆうちょ銀行の「ゆうちょBizダイレクト」等、ほとんどの銀行がインターネットバンキングに対応しています。
ただし、同じインターネットバンキングであっても、銀行によって提供されるサービスの種類やコストは異なります。
インターネットバンキングという名称から、利便性や使いやすさにおいてはネット銀行が優位なイメージを持たれているかもしれません。しかし、現在では多くの銀行が、早朝から深夜までほぼ終日利用可能で、パソコンやスマートフォンからのアクセスに対応しており、ネット銀行との利便性の差はほとんど感じないでしょう。
融資の条件や金利
新規事業の立ち上げ、事業の拡大等でまとまった資金が必要になったとき、銀行は融資先の選択肢の一つとなります。事業者により、できるだけ早く用意したい、高額な資金を用意したい、審査に確実に通りたい等、融資に対する要望は異なります。
銀行選びでは、希望に近い融資の実現性を検討することも大きなポイントです。
- 都市銀行
一定以上の事業規模を求められる等、審査のハードルは高めだが、大口の融資にも対応できる。
- 地方銀行
地域の発展を視野に事業の成長を中長期的に判断される可能性があり、事業規模に関わらず申し込みやすい。
- ゆうちょ銀行
事業者の希望に合わせて、大口から小口まで柔軟な融資に対応する傾向がある。
- ネット銀行
審査のシステム化によるスムーズな融資が特徴で、融資限度額は低めでも審査のハードルは低め。
銀行の種類によって、申込条件や金利、融資に対する考え方は異なります。これらの情報を参考に、自社の事業規模や資金ニーズ、利用頻度等を総合的に考慮し、最適な銀行をお選びください。
社会的な信用度
特に創業期や成長をめざす事業者にとって、社会的な信用は重要性をまします。
法人口座の開設では、複数の書類や面談を基に事業の状況を審査されるため、個人口座の開設と比較して、法人口座の開設は周囲から信頼を得るための客観的な基準の一つになり得ます。
特に、知名度やブランド力、高い資金力を持つ都市銀行での法人口座開設は、社会的な信用度向上を重視する事業者に有効な選択肢となるでしょう。
一方、特定の地域に根ざした事業展開を重視する場合には、地域からの信頼が厚い地方銀行での開設がより大きいメリットを得られる可能性もあります。
法人口座開設時の審査のハードル
事業に適した銀行を選んだとして、法人口座開設時の審査結果により、開設できないケースも存在します。例えば、事業の実態がはっきりしないと判断された場合、犯罪抑止の観点から開設が見送られることがあります。
以前は事業規模や実績の有無等が審査のネックとなるケースも見られましたが、近年ではスタートアップを支援する銀行も増えており、将来性を評価した審査により、創業期の起業家でも法人口座を開設できる可能性が広がっています。
ただし、システム化された審査により迅速な開設が可能なネット銀行と比較すると、都市銀行や地方銀行、ゆうちょ銀行は、法人口座の申し込みから開設まで時間がかかる傾向があります。少しでも早く口座を開設したい事業者にとっては、審査そのものよりも「時間」が課題になるかもしれません。
各銀行によって審査基準やオンライン完結の可否、店舗申込等、開設までの手続きが異なります。事業の状況に合った銀行を選ぶのもおすすめです。
関連記事:「法人口座の開設が断られることはある?実態や手続きのポイントを解説」
法人口座開設が来店不要で完結!みずほ銀行の「法人口座開設ネット受付」
みずほ銀行なら月額利用料が最大5年間無料になる創業期特典がある

法人口座の開設を検討中ならみずほ銀行がおすすめです。みずほ銀行は全国47都道府県に支店を持つメガバンクであり、信頼性も高く、オンラインでの法人口座の開設申し込みに対応。24時間365日いつでも申し込みが可能なため、手間や負担を軽減できます。
また、みずほ銀行では、創業期の事業者を対象とした「〈みずほ〉の創業応援ラインアップ」を提供しており、以下のようなサービスで手厚く支援しています。
- 休日・夜間も法人口座開設の申し込みが可能
- 口座開設と同時に法人カード(デビットカード)を審査なしで即発行
- 会社設立3年以内ならインターネットバンキングが3年間無料
- 経営をサポートする人材・会計サービス等を、お得に利用可能
- 創業期から利用できる融資等、豊富な金融サービスを用意
- スタートアップの成長をサポートする会員制サービス「M's Salon」等
さらに、法人向けインターネットバンキング「みずほビジネスWEB」は、取引状況に応じて最大5年間無料になるお得な特典を用意しています。
まとめ
銀行は、都市銀行(メガバンク)・地方銀行・ゆうちょ銀行・ネット銀行の大きく4種類に分かれます。法人口座の開設先を検討する際は、それぞれの銀行の特徴、メリット・デメリットを把握することで、より適切な判断ができるでしょう。
例えば、全国に支店を展開し、高い資金力を誇る都市銀行の場合、法人口座の開設によって社会的な信用度の向上や、大口融資の申し込みが可能等のメリットが期待されます。一方、手数料を抑えたい、スピーディに口座を開設したいと希望するなら、ネット銀行が有力な選択肢となるでしょう。
全国47都道府県に支店を持つみずほ銀行は、口座申し込みのウェブ完結、最短1週間での審査結果通知、最長5年間のインターネットバンキング手数料無料特典等、創業期の事業者にも手厚いサービスを提供しています。法人口座開設の際には、選択肢の一つとして、みずほ銀行も検討してみてはいかがでしょうか。
監修者

安田 亮(やすだ りょう)
- 公認会計士
- 税理士
- 1級FP技能士
1987年香川県生まれ、2008年公認会計士試験合格。大手監査法人に勤務し、その後、東証一部上場企業に転職。
連結決算・連結納税・税務調査対応などを経験し、2018年に神戸市中央区で独立開業。