会社設立後の役員報酬はいつから支給する?税負担額への影響や変更時期のルールも解説
掲載日:2026年4月17日起業準備
税務上、役員報酬は会社法や法人税法などに基づき、一定の要件を満たす形で支給しなければ損金算入は認められません。
支給開始時期にも一定のルールがあり、税務上の要件を満たして損金算入するためには、原則として会社設立後3ヵ月以内に役員報酬額を決定し、所定の時期から支給を開始する必要があります。
役員報酬をいつから支給するかは、法人の利益や税負担にも関わるため、専門家に相談しながら慎重に検討することが重要です。
本記事では、役員報酬の支給開始時期や変更時期に関するルールを解説します。
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役員報酬の基本的なルール
会社設立後の役員報酬をいつから支給するかを考えるには、税務上、損金算入できる役員報酬の種類を押さえておく必要があります。
損金算入できる役員報酬は、以下の3種類です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 定期同額給与 |
事業年度を通じて一定期間ごと(1ヵ月以下)に同額を支払う給与 |
| 事前確定届出給与 |
所定の時期に確定額を支給する旨を定め、事前に所轄税務署へ届出を行ったうえで支給する給与(役員賞与) |
| 業績連動給与 |
業績に連動して支給する給与のうち、一定の条件を満たすもの |
役員報酬額を自由に決定・変更できると、会社の利益を操作して税負担を抑える等の租税回避行為が行われる恐れがあります。原則として上記のいずれかに該当する形で支給しなければ、税務上、損金算入できません。併せて、決定・変更の時期などにもルールが設けられています。
損金算入・不算入の考え方についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。
関連記事:「損金算入・不算入の考え方とは?損金・費用の違いも分かりやすく解説」
会社設立後の初めての役員報酬はいつから支給する?
一般的に、設立直後の会社で、前述の「事前確定届出給与」「業績連動給与」が支給されるケースは多くありません。そこで、ここからは「定期同額給与」を前提に解説します。
役員報酬を定期同額給与として損金算入するには、原則として設立日から3ヵ月以内に報酬額を決定します。併せて、決定後の最初の支給時期から、決定後の金額による支給が行われている必要があります。
例えば4月1日に会社を設立する場合、原則として6月30日までに、定款の定めまたは株主総会の決議により支給額を決定しなければなりません。また、決定後の最初の支給日から、役員報酬の支給を開始する必要があります。
3ヵ月以内に決定し、決定後の最初の支給日から支給開始しなかった場合、その事業年度に支給した役員報酬は損金算入できず、法人税の負担額が増える可能性があります。
支給開始時期によって利益や税負担額に差が生じる
役員報酬は、会社設立後3ヵ月以内であれば、1~2ヵ月目は支給しない設計とすることも可能です。ただし、損金算入の要件を満たすための決定・支給開始の時期には注意が必要です。
支給開始時期によって損金算入額が変わるため、会社の利益額にも差が生じます。支給開始を遅らせると、役員報酬の支給額が少なくなり、利益を確保しやすくなる一方で、損金算入できる金額も少なくなるため、法人税等の税負担が大きくなる可能性があります。
役員報酬の支給時期や金額は、事業や資金繰りの状況に合わせて、税理士等の専門家に相談しながら慎重に判断することが重要です。
役員報酬の決め方や金額を決める際のポイントについてより詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。
関連記事:「役員報酬の決め方は?給与との違いや相場、変更のルールも解説」
役員報酬額を変更できるのはいつまで?
役員報酬額は、事業年度ごとに変更できますが、損金算入するには、原則として事業年度開始日から3ヵ月以内に報酬額を改定(変更)する必要があります。ただし、以下のいずれかに該当する場合は、事業年度の途中であっても変更が可能です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 臨時改定事由 |
役員の地位の変更や、職務内容の重大な変更等、やむを得ない事情による変更 |
| 業績悪化改定事由 |
法人の経営状況が著しく悪化した場合、またはこれに類するやむを得ない理由による減額 |
例えば、役員が病気で入院し、当初予定していた職務を執行できなくなった場合の減額は、臨時改定事由に該当し、事業年度開始日から3ヵ月を経過していても変更が認められる場合があります。
会社設立後の適切な資金管理には法人口座を活用しよう
役員報酬を損金算入するには、定期同額給与や事前確定届出給与など、税務上の要件を満たす形で支給する必要があります。役員報酬の支給や税務処理を適切に行うためには、健全な資金管理が欠かせません。
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加えて、金融機関によっては、会社設立直後から成長段階に応じたサポートを受けられる場合があります。そのため、金融機関を選ぶ際は、資金管理の観点だけでなく、経営面のサポートや今後の資金調達等も踏まえて判断することが大切です。
法人口座を開設するメリットや流れ、金融機関の選び方についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。
関連記事:「新設法人が法人口座を開設するメリットは?口座開設の流れやポイントも紹介」
関連記事:「法人口座開設におすすめの金融機関は?選び方とメリット・デメリット」
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まとめ
初めての役員報酬を定期同額給与として損金算入するには、原則として会社設立後3ヵ月以内に金額を決定し、所定の時期から支給を開始する必要があります。3ヵ月を過ぎて決定・支給開始した場合、定期同額給与として損金算入できない可能性があります。その結果、法人税等の税負担が大きくなる場合があります。
役員報酬の決定時期や支給開始時期は、法人の利益や税負担に影響するため、税理士などの専門家に相談しながら慎重に決定することが重要です。また、会社設立後は、役員報酬の支給を含め、法人の資金を適切に管理する体制を整えることが重要です。
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監修者
安田 亮
- 公認会計士
- 税理士
- 1級FP技能士
1987年香川県生まれ、2008年公認会計士試験合格。大手監査法人に勤務し、その後、東証一部上場企業に転職。連結決算・連結納税・税務調査対応などを経験し、2018年に神戸市中央区で独立開業。