ページの先頭です
メニュー

メニュー

閉じる
本文の先頭です

タワマンに住める年収はいくら?住宅ローンを組むときのポイント

掲載日:2023年8月3日

アイキャッチ画像

高層で眺望も良く、設備が充実しているタワーマンション。「いつかタワマンの高層階を住まいにして絶景を満喫したい」と夢見ている方もいらっしゃるでしょう。そこで今回は、タワーマンションの住宅ローンを組むためにはどれだけの年収が必要?返済期間や金利タイプはどう決めるべき?タワマンならではのお金事情は?といった気になる疑問を網羅。憧れのタワーマンションに住むためのチェックポイントを解説します。

1. タワマンとは

都市部を中心に増えていますが、どのようなマンションが「タワマン」に該当するのでしょうか。まず、「タワーマンションとは何か」の定義から押さえておきましょう。

賃貸目的では上階ほど家賃相場が高くなり、投資目的で購入する動きも活発なタワーマンション。タワーのように高くそびえているから、タワーマンションと、極めて分かりやすい名称ですが、実は法的な基準や理由から「タワーマンション」として定義されているわけではありません。建物の基準などを定めた法律「建築基準法」を参照すると、高さ60mを超える建物を「超高層建築物」として、構造の耐久力などに厳しい基準を定めています。高さ60mはマンションの高さで20階以上に相当する高さです。この基準から、一般的に高さ60m超、または20階以上のマンションをタワーマンション=タワマンと呼ぶのが一般的になっています。

2. タワマンに住むために必要な年収の目安

大都市圏に限らず地方都市でも好立地のロケーションに続々誕生するタワーマンション。都内には60階建てが登場するなど、超高層化・ハイグレード化が顕著です。人気が過熱気味なだけに、「購入者は富裕層」「購入が容易ではない高額物件」という印象をお持ちの方もいるでしょう。では、どれだけの世帯年収があれば住めるのでしょうか。タワマン購入の適正年収を考えていきます。

不動産経済研究所が取りまとめた「全国 新築分譲マンション市場動向」によると、2022年の新築分譲マンションの平均価格は5,121万円。前年比で0.1%アップしており、2年連続の5,000万円台となりました。こちらは全国の平均値ですので、高層で設備を充実させているタワーマンションの購入価格はさらに高めと考えておいた方が良いでしょう。

そこで、タワーマンションの価格帯を5,000万円から1億円と設定。1,000万円台ごとに無理なく購入できる年収を試算してみました。目安にしたのは「返済比率」です。住宅ローンでは「年収に占める年間返済額の割合」を表す指標で、無理なく返済するためには返済比率を20~25%程度にすべきと言われています。年収1,000万円で返済比率を25%にするなら年間で250万円、月々の住宅ローン支払いは20.8万円になるという計算です。ただ、住宅ローンの借入額は額面年収ではなく、手取り年収が基準になります。税金などを差し引き、実際に手元に残って使える手取り年収で計算すべきなのです。

借入額 月々の返済額(年間の返済額) マンション購入に適した手取り年収(返済比率25%)
5,000万円 12万7,049円(152万4,588円) 約610万円
6,000万円 15万2,459円(182万9,508円) 約730万円
7,000万円 17万7,869円(213万4,428円) 約850万円
8,000万円 20万3,279円(243万9,348円) 約970万円
9,000万円 22万8,689円(274万4,268円) 約1,100万円
1億円 25万4,099円 (304万9,188円) 約1,210万円

みずほ銀行の住宅ローン返済額シミュレーションで、5,000万円~1億円台それぞれの月々の返済額と年間の返済額を試算し、返済比率25%で最適な手取り年収を導きました。手取り年収は額面年収が1,000万円以下で額面年収の70~80%程度、年収1,000万円~2,000万円なら60~70%程度とされています。つまり、5,000万円のマンションを購入するなら額面年収が約760万円~870万円、1億円であれば額面年収が約1,510万円~1,730万円が適正となります。

条件:返済期間35年、ボーナス返済なし、金利年0.375%

住宅ローン返済額シミュレーション

3. タワマンの購入に住宅ローンを利用するときのポイント

イメージ

タワーマンションを無理なく購入できる適正な年収を把握したら、タワーマンションならではのお金事情を加味して住宅ローンの利用を考えていきましょう。

住宅ローンの返済以外の費用も織り込んで返済計画を立てる

憧れのタワーマンションに住んだ後を考えてみましょう。住居費としてかかるのは住宅ローンの返済だけではありません。タワーマンションは共用施設など設備のグレードが高い分、管理費が高めに設定される傾向にあります。また、住居の購入時には不動産取得税などの諸経費がかかりますし、毎年や毎月には固定資産税や都市計画税、管理組合への修繕積立金も発生します。それらの出費をしっかり織り込んで返済計画を立てていくのが望ましいでしょう。

住宅ローンの返済期間の決め方│ライフプランに合わせて適切に設定を

低金利の変動金利型、安定した全期間固定型、一定期間固定の固定金利選択型で選択

住宅ローンには変動型と期間固定型、固定金利選択型といった金利タイプがあります。変動型は定期的に金利が見直されますが、3種の中では最も低金利に設定されています。全期間固定型は借入時の金利が返済終了まで固定されますが、最も金利が高め。固定金利選択型は借入時から一定期間は金利が固定されるもので、固定期間が長いほど金利が高めになります。

どのタイプを選ぶかは、返済期間や頭金の額によっても変わりますが、金利は国際情勢や経済動向に影響を受け、上昇局面に入ることもあります。それぞれのタイプのメリットやデメリットを意識しつつ、ライフスタイルに合わせて選びましょう。

金利タイプ 向いている人
全期間固定金利型
  • 金利動向に左右されたくない人
  • 教育費や介護の支出が増えることを想定し、住居費は固定したい人
  • 長期の返済計画を立て、安定して返済していきたい人
固定金利選択型
  • 「定年まで」など、一定期間は金利上昇リスクを避けたい人
変動金利型
  • 借入額が少なかったり、借入期間が短かったりして余裕を持った返済ができる人
  • 繰上返済を活用して短期間で返済したい人

住宅ローンの金利は固定と変動どちらを選ぶべき?金利タイプの選び方

住宅ローンの借入に必要な諸経費を考慮する

住宅ローンを組む際にかかるお金は住宅の購入費用だけではありません。各種手数料もかかります。頭金をどれだけ入れるかなど、初期費用の算出には、下表のような諸費用を織り込んで考える必要があります。みずほ銀行の住宅ローン返済シミュレーションで設定されている諸費用を参考にまとめました。5,000万円のローンを組んだ場合、140万円ほどかかる試算になります。さらに火災保険や地震保険がかかります。こちらは規模や住宅のタイプでケースバイケースですので、各保険会社のシミュレーションを活用してみましょう。

費用の種類 費用の目安
抵当権設定関係費用 28万円
保証会社事務手数料 3万3,000円
保証会社保証料 103万550円
印紙税 2万円
固定金利手数料 固定金利にする場合は1万円~

4. 適正な年収と様々なコストを考え、タワマン購入を現実のものに

魅力あるタワマンが購入できるかどうか――?適正年収と諸費用など住宅購入の資金計画にまつわるポイントを掘り下げてみました。記事内でチェックしたように、タワーマンションには管理費や修繕積立金といったランニングコストもかかり、住宅ローン返済に加えた負担も考えて置かなければなりません。住宅ローン選びを本格化するのであれば、金利タイプの熟考も必要です。いざという時に戸惑ったり、住宅ローンを返済しながら「こんなはずじゃなかった」と困惑したりしないためにも、事前の入念な情報収集、家族での検討が欠かせません。無理のない資金計画を立て、高い資産価値を持つタワーマンションを手に入れましょう。

佐々木 正孝

佐々木 正孝
(ささき まさたか)

編集/ライター。キッズファクトリー代表。教育・ビジネス系の記事を執筆しつつ、児童書の編集やマンガ原作も手がける。

編集/ライター。キッズファクトリー代表。教育・ビジネス系の記事を執筆しつつ、児童書の編集やマンガ原作も手がける。

ほかの人が次に読んでいる記事

ページの先頭へ