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住宅ローンの返済額の計算方法と平均│借入前の確認ポイントは?

掲載日:2022年6月24日

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住宅ローンを組む際に重要なポイントは、「完済に至るまで、無理なく返済していけるか」ということです。希望のマイホームを追い求めるあまり、月々の返済負担が重くのしかかり、生活費のバランスが崩れてしまっては本末転倒です。そこでライフプランと合わせて住宅ローンの返済可能額を計算することが重要です。お金の面で安心・安全なプランを立てていただくため、計算方法と一般的な返済額、借入前の確認ポイントを具体的に解説していきます。

1. 毎月の住宅ローン返済額の計算方法と平均

長期にわたって返済していく住宅ローンだけに、月々の返済負担を知ることは必須です。計算方法、そして平均返済額を知りましょう。

毎月の住宅ローン返済額の計算方法

住宅ローンは「元利均等返済」「元金均等返済」という2種類の返済方法があります。返済額の計算方法が異なるため、まずはそれぞれの特徴を把握しておきましょう。

元利均等返済

毎月の返済額(元金と利息の合計)を一定の額にするという返済方法です。毎月の返済額が一定になるため、家計の見通しが立てやすいのがメリットです。元金均等返済に比べて返済総額が多くなるのが注意点です。

元金均等返済

毎月の返済元金を一定の額にするという返済方法です。返済額はそれに利息を加えた額面になるため、ローン残高に応じて毎月の返済額が変化します。元利均等返済に比べて返済総額が少なくなるのがメリットです。借入当初など、返済元金が多い時期は、元利均等返済に比べて毎月の返済額が多くなります。

住宅ローンの支払額を計算するなら、金融機関のサイトで返済額のシミュレーションを活用するのが便利です。借入額や借入期間、金利、ボーナス払いなどの項目に入力することで、毎月の返済額の概算が分かります。

住宅ローン返済額の平均

一般的な住宅ローンの利用者は年間でどれだけの額を返済しているのでしょうか。国土交通省がまとめた「住宅市場動向調査」(令和元年度)から、住宅別の平均返済額を見ていきましょう。まず、新築では注文住宅が年間123.2万円(毎月約10.3万円)、分譲戸建住宅が年間121.6万円(毎月約10.1万円)。分譲マンションが最も高く、年間131.6万円(毎月約11.0万円)となっており、月々の返済額は10~11万円程度がアベレージになっています。中古では戸建住宅が年間104.9万円(毎月約8.7万円)、マンションが年間94.6万円(毎月約7.9万円)と無理のない8万円前後に収める傾向が分かります。

参考:「令和元年度 住宅市場動向調査 報告書」(国土交通省 住宅局)

  • 毎月の返済額は年間返済額の12分の1とし、千円未満を四捨五入しています。

2. 【借入額別】住宅ローンの月々の返済額シミュレーション

現在から未来の自分に合った返済額とは? 家計に無理のない返済計画を立てるためには、事前のシミュレーションが欠かせません。

借入額によって返済期間、金利をそれぞれ変えて設定すると、月々の支払額にはどれぐらいの差が出てくるのでしょうか。以下の条件で算出してみました。借入額・返済期間・金利の条件のバリエーションを変えつつ、家計とも突き合わせながら試算結果を見ていきましょう。

【計算条件】

返済方式:元利均等返済(保証料を一部前払いする方式)
金利:全期間固定
ボーナス月の返済額:毎月払いのみ

参考:住宅ローン返済額シミュレーション

借入額3,000万円

返済期間
20年 25年 30年 35年
金利(年率) 0.5% 13万1,379円 10万6,399円 8万9,755円 7万7,874円
1.0% 13万7,967円 11万3,061円 9万6,491円 8万4,685円
1.5% 14万4,763円 11万9,980円 10万3,536円 9万1,855円

借入額が3,000万円の場合、35年返済だと金利1.5%でも毎月の返済額は10万円以下にとどまり、30年返済の金利1.5%でも10万円台と、家計への影響は比較的少ない段階だと言えます。ライフプランによっては返済期間の短縮を考えても良いでしょう。

借入額3,500万円

返済期間
20年 25年 30年 35年
金利(年率) 0.5% 15万3,275円 12万4,133円 10万4,715円 9万853円
1.0% 16万962円 13万1,904円 11万2,573円 9万8,799円
1.5% 16万8,890円 13万9,977円 12万792円 10万7,164円

借入額が3,500万円になると、30年返済では毎月の返済額が10万円を超えるようになります。共働きなどで安定した収入がある場合は返済期間を短くしてもいいですが、出産・育児を考慮することも大切です。

借入額4,000万円

返済期間
20年 25年 30年 35年
金利(年率) 0.5% 17万5,172円 14万1,866円 11万9,674円 10万3,832円
1.0% 18万3,957円 15万748円 12万8,655円 11万2,913円
1.5% 19万3,018円 15万9,974円 13万8,048円 12万2,473円

借入額が4,000万円になると、20年返済では毎月の返済額が20万円台に近づくようになってきます。最長の35年返済の場合、金利0.5%を目安にするとまだ10万円台にとどまります。家計のバランスを見つつ返済プランを立てていきましょう。

借入額4,500万円

返済期間
20年 25年 30年 35年
金利(年率) 0.5% 19万7,068円 15万9,599円 13万4,633円 11万6,811円
1.0% 20万6,951円 16万9,591円 14万4,736円 12万7,027円
1.5% 21万7,145円 17万9,971円 15万5,304円 13万7,782円

借入額が4,500万円になると、20年返済で金利1.5%なら毎月の返済額は約22万円。30年返済でも13万~15万円と返済負担の重さが目立ち始めます。返済期間を短くすることや、頭金の割合を増やして総返済額を減らすことも考えていきましょう。

借入額5,000万円

返済期間
20年 25年 30年 35年
金利(年率) 0.5% 21万8,965円 17万7,333円 14万9,592円 12万9,790円
1.0% 22万9,946円 18万8,435円 16万818円 14万1,141円
1.5% 24万1,272円 19万9,968円 17万2,560円 15万3,092円

借入額が5,000万円の場合、返済期間20年で金利1.5%では毎月の返済額が25万円に近づき、収入によほど余裕がなければ返済負担が家計に重くのしかかります。返済期間を長くし、頭金の割合を増やすといった対応策はもちろん、購入する住宅についても、あらためて検討してみましょう。

みずほ銀行の住宅ローンの審査に必要な書類はこちら

想定の借入額や、月々の返済額から返済計画を確かめてみませんか

住宅ローンシミュレーションはこちら

3. 住宅ローンの返済額についての確認ポイント

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月々の返済額を試算したら、実際にどれだけの額をどれだけの期間に渡って借り入れるのか、思案のしどころです。返済額に関して知っておきたいポイントをまとめてみました。

自分たちの家庭に無理なくフィットする借入額、返済期間を考える上で重要な要素とは? 次の3つのポイントを踏まえて考えていきましょう。

年収に見合った返済額になっているか

年収に対して返済額が多い場合、家計が圧迫され生活が苦しくなる恐れがあります。住宅ローンを含めて自動車ローンや教育ローン、カードローンなどすべての借入を含め、年収のうちの年間返済額の割合を示す「返済負担率」は20~25%程度に収めるのが望ましいとされています。

返済しながら一定の貯蓄ができるか

さらに、住宅ローンの返済に追われて貯蓄ができない状態は好ましくありません。住宅を購入する年代は子供の教育費がかかり、その先には結婚資金、親の介護や自身の老後資金などを考えていく時期です。また、突然の病気・ケガによる入院費といった、不意のトラブルへの用意も必要になります。毎月一定の貯蓄ができる返済額に抑えておくのが望ましいでしょう。

収入が減っても返済を続けられるか

会社の業績悪化や転職、休職などによって給料・ボーナスが減ってしまったとしても、住宅ローンの返済は定められた額を毎月支払っていかなければなりません。共働きで月収を確保していても、子供が生まれて共働きができなくなるケースも想定されます。将来に渡って一定の収入が維持できるとは限らないことを前提に考えましょう。収入が減っても安定して返済を続けられるか、働ける年齢、家族のライフイベントを念頭に置きつつ、借入前にシミュレーションしておく必要があります。借り入れ後に条件変更手続きで返済額を調整できる可能性もありますが、必ずしも申請が通るわけではありません。

4. 返済期間を俯瞰しつつ、月々の支払いにも目配りしてスマートな返済を

住宅ローンの返済額シミュレーションを見ると、借入額はもちろんですが、0.5%ほど金利が異なるだけで月々の返済額が無視できないほど変わってくることが分かりました。返済期間を長めに選択すると負担は減りますが、子供の教育資金や親の介護、自身の老後の備えまで視野に入れて考えていかなければなりません。さらに、家計と月々の返済負担を照らし合わせ、完済まで無理なく返せるかどうかを見極めることも大切です。返済額シミュレーションを活用して、賢い返済プランを考えていきましょう。

佐々木 正孝

佐々木 正孝
(ささき まさたか)

編集/ライター。キッズファクトリー代表。教育・ビジネス系の記事を執筆しつつ、児童書の編集やマンガ原作も手がける。

編集/ライター。キッズファクトリー代表。教育・ビジネス系の記事を執筆しつつ、児童書の編集やマンガ原作も手がける。

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