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法人口座を複数開設するメリット・デメリットは?使い分けの方法も解説

掲載日:2025年8月25日法人口座

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複数の法人口座を持つと、資金の動きを把握しやすくなるほか、銀行ごとの強みをいかせる等のメリットが得られます。

一方で、口座管理の手間が増える等のデメリットもあるため、明確な目的をもって使い分けることが重要です。

本記事では、複数の法人口座を使い分けるメリット・デメリットや使い分けの方法を解説します。同じ銀行での複数口座開設や、法人口座を開設できる金融機関の種類も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

法人口座は複数開設できる?

法人口座とは、法人名義で開設する事業用口座のことです。資金の流れを明確にし、健全な資金管理を行うために活用されるほか、社会的信用度の向上や取引先との円滑な取引にも役立ちます。

多くの企業では、事業の拡大や資金管理の効率化等を目的として、複数の法人口座を使い分けています。複数の法人口座を開設する方法は、以下の2つのパターンです。

  • 複数の銀行で法人口座を開設する
  • 同一の銀行で複数の法人口座を開設する

既に法人口座を持っている法人でも、別の銀行で新たに法人口座を開設することができます。

一般的に、1つの銀行で開設できるのは「1法人につき1口座」とされています。ただし、一部の銀行では複数の口座を開設できる場合があるため、金融機関に問い合わせましょう。

なお、法人口座開設時には、各銀行所定の審査が実施されるため、審査の結果、開設できない場合もあります。

関連記事:「法人口座とは?個人口座との違いや3つのメリットを分かりやすく解説」

複数の法人口座を使い分けるメリット

複数の銀行で法人口座を開設すると、資金管理の効率化やコスト削減等の面でメリットがあります。

  • 資金管理がしやすくなる
  • コスト削減につながる
  • 複数の銀行と信頼関係を構築できる
  • リスク分散を図れる

資金管理がしやすくなる

用途に応じて法人口座を使い分けることで、以下のような資金の動きを把握しやすくなります。

  • 現時点で資金にどれだけ余裕があるか
  • コスト増加の要因は何か
  • 資金が不足しそうなタイミングはいつか

1つの法人口座で一元管理している場合、事業の拡大に伴って取引が増加すると、資金の流れが複雑になり、キャッシュ・フローの正確な把握が難しくなります。

法人口座を用途別や店舗別等で分けることで、売上の推移や支出傾向等が可視化され、キャッシュ・フローの見通しが立てやすくなります。その結果、より的確な経営判断にもつながるでしょう。

コスト削減につながる

対応地域や手数料体系、インターネットバンキングの使いやすさ、取り扱っている商品の種類等は、銀行によって異なります。目的に応じて複数の銀行で法人口座を開設すれば、各銀行の強みをいかすことが可能です。

例えば、毎月の給与や仕入代金の振込件数が多い場合は、振込手数料が安い銀行を活用すればコスト削減につながります。例えば、「他行宛の振込手数料はA銀行が安いが、同行宛はB銀行が安い」というケースもあるため、支払先の傾向に応じた使い分けも有効な手段です。

また、全国や海外に取引先がある場合は、支店網が広く、海外にも拠点をもつ銀行を選ぶことで、取引先との決済や送金を円滑に進めることができます。

複数の銀行と信頼関係を構築できる

複数の銀行で法人口座を開設し、取引実績を重ねることで、各銀行との信頼関係を構築でき、資金調達の選択肢が広がる可能性があります。

また、融資条件は銀行によって異なるため、複数の銀行と取引関係を築いておくことで、より有利な条件で資金を調達できる可能性があります。

リスク分散を図れる

複数の銀行で法人口座を開設することは、銀行の破綻リスクを分散する手段として効果的です。

万一、銀行が破綻した際、預金保険制度*により保護されるのは、「1金融機関につき元本1,000万円までとその利息」に限られます。そのため、1つの銀行に預金を集約するよりも複数の金融機関に分散させた方が、資金管理のリスクを軽減できます。

  • *金融機関が破綻した場合に、預金者の預金を一定額まで保護する制度

複数の法人口座を使い分けるデメリット

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複数の法人口座を開設すれば、銀行ごとの強みをいかせる一方で、管理の手間や維持費の負担が増える可能性があります。

  • 口座管理の手間が増える
  • 維持費の負担が増える可能性がある

なお、同一の銀行で複数の法人口座を開設する場合も同様ですが、口座管理を1つの銀行に集約できるため、管理の負担やコストをある程度抑えられます。

口座管理の手間が増える

複数の法人口座を開設すると、複数の通帳やキャッシュカード、ID・パスワード等を管理しなければならず、維持・管理の手間が増えます。

  • 通帳やキャッシュカードが増える
  • IDやパスワードの管理が煩雑になる
  • 口座間の資金移動に手間がかかる
  • 会計処理が煩雑になる
  • 取引明細や残高照会にかかる手間・時間が増える

通帳やキャッシュカードの紛失リスクや帳簿付けのミスが起こりやすくなるため、管理体制や業務マニュアルの見直しが求められます。

維持費の負担が増える可能性がある

法人口座の増加に伴い、口座開設時の初期費用や口座維持費の負担が増える可能性があります。法人口座の開設・維持にかかる主な費用は、以下の通りです。

  • インターネットバンキングの月額利用料
  • 初期設定のサポート費用
  • 通帳やキャッシュカードの発行手数料
  • 法人カードの年会費

複数の法人口座を開設する際は、目的や各口座の役割を明確にし、コストを上回るメリットが得られるかどうかを見極めましょう。

複数の法人口座を使い分ける方法

複数の法人口座を開設しても、使い分けの目的や口座ごとの役割が明確でない場合、かえって資金の流れを把握しにくくなったり、コストが増加したりする可能性があります。

一般的な使い分けの方法を知り、複数の法人口座を開設する目的や運用方法を十分に検討しましょう。

  1. 用途(入金用・支払用・納税用)別に使い分ける
  2. 店舗や事業所別に使い分ける

上記のほか、取引先別や決済方法別に使い分ける方法もあります。事業の規模や形態、資金管理の目的等に応じて、自社に合った方法で使い分けることが重要です。

①用途(入金用・支払用・納税用)別に使い分ける

法人口座を用途別に分けて管理すると、売上の推移や経費の傾向が把握しやすくなるほか、資金繰りの余裕状況も明確に把握できるようになります。

使い分け方法の一例として、売上入金用・経費支払用・納税用の3つの口座に分ける方法があります。

口座の種類 用途 管理のポイント
売上入金用

取引先や顧客からの入金を管理する

売上推移や入金漏れの有無、取引先ごとの売上高の把握等

経費支払用

仕入れ代金や固定費(光熱費や通信費等)を管理する

支出が増えている項目や時期による支出変動の把握等

納税用

税金や社会保険料の納付資金を確保する

資金不足のリスク低減や計画的な資金繰り、税金滞納の防止等

資金の流れを用途別に管理し、資金管理の効率化やキャッシュ・フローの安定化を図りたい法人に適した方法です。

②店舗や事業所別に使い分ける

法人口座を店舗や事業所ごとに使い分けると、資金の流れを個別に管理できるため、拠点ごとの業績や支出傾向等の把握に役立ちます。チェーン店等、複数の店舗をもち、個別の業績を把握したい法人等に適した方法です。

ただし、口座が増えることで全体の収支状況の把握が煩雑になる可能性もあるため、管理体制を十分に整備しておく必要があります。

法人口座を開設できる金融機関の種類

複数の法人口座を持つ際は、どのように使い分けるかに加えて、どの金融機関を選ぶかも重要なポイントです。法人口座を開設できる主な金融機関とメリット・デメリットは、以下の通りです。

金融機関 メリット デメリット

都市銀行

  • 社会的信用度が上がる
  • 高額融資に対応している
  • 多角的なサポートが受けられる
  • 全国で利用しやすい
  • 融資の審査が厳しい傾向がある
  • 各種手数料が高め

地方銀行

  • 地域密着型のきめ細やかなサポートが受けられる
  • 個別の事情に配慮した相談に応じてもらいやすい
  • 都市銀行と比べてサービスが限定的
  • 営業地域外では利用しにくい

ネット銀行

  • 各種手数料が比較的安い
  • 審査や口座開設までの時間が比較的短い
  • 対面での相談ができない
  • 都市銀行と比べてサービスが限定的

ゆうちょ銀行

  • 全国で取引しやすい
  • 各種手数料が比較的安い
  • 預入限度額が低い
  • 中小企業や個人事業主を対象とした事業資金の融資を行っていない

信用銀行

  • 地域密着型のきめ細やかなサポートが受けられる
  • 個別の事情に配慮した相談に応じてもらいやすい
  • 原則として最寄りの支店で口座開設する必要がある
  • 従業員数や資本金額が一定以上の法人は融資を受けられない場合がある

それぞれの特徴を把握し、目的に応じて法人口座を開設する金融機関を検討しましょう。

関連記事:「法人口座開設におすすめの金融機関は?選び方とメリット・デメリット」

みずほ銀行は複数の法人口座開設が可能

みずほ銀行の法人口座は、休日・夜間でもお申し込みでき、ウェブ面談によって手続きを完結できます(法人口座開設ネット受付)。

みずほ銀行で法人口座を開設いただくと、インターネットバンキング(みずほビジネスWEB)の月額利用料(3,300円/月)がお申込月から3ヵ月間、無料になります。

さらに、会社設立3年以内かつ「法人口座開設ネット受付」からお申し込みいただいた場合、みずほビジネスWEBの月額利用料が最大5年間無料になる特典や、スタートアップ企業の成長をサポートする会員制サービス「M’s Salon」もご用意しています。

みずほ銀行では、47都道府県のすべてに法人口座を開設できる店舗があります。全国の拠点網をいかしたサポートを行っているので、ぜひ法人口座の開設をご検討ください。なお、みずほ銀行では、同一法人で複数の法人口座を開設いただくことも可能です。既に法人口座をお持ちの方は、最寄りの店舗でお申し込みください。

みずほ銀行の法人口座開設(法人のお客さま)

まとめ

複数の法人口座を開設し、用途や事業所別に使い分けると、資金の動きをより正確に把握できます。また、それぞれ別の銀行で法人口座を開設することで、目的に応じて銀行のサービスを使い分けられる等のメリットもあります。

一方で、法人口座を増やしすぎると、管理の手間や維持費が増える可能性もあります。複数の法人口座を開設する目的や口座ごとの役割を明確にしたうえで、計画的に使い分けましょう。

2つ目の法人口座を開設したい、あるいは同じ銀行で複数の法人口座を開設したいとお考えの法人さまは、ぜひみずほ銀行をご検討ください。

みずほ銀行の法人口座開設(法人のお客さま)

監修者

安田 亮

安田 亮(やすだ りょう)

  • 公認会計士
  • 税理士
  • 1級FP技能士

1987年香川県生まれ、2008年公認会計士試験合格。大手監査法人に勤務し、その後、東証一部上場企業に転職。
連結決算・連結納税・税務調査対応などを経験し、2018年に神戸市中央区で独立開業。

HP:https://www.yasuda-cpa-office.com/

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