法人カードとは?個人カードとの違いや種類、メリット・注意点を解説
掲載日:2026年7月3日法人口座
法人カードとは、法人向けに発行されるカードの総称で、コーポレートカードやビジネスカードとも呼ばれます。主に事業の支払いに利用するカードで、個人事業主も発行対象となることがあります。
経理処理を効率化できるだけでなく、資金繰りを調整しやすくなる点や、ビジネスに役立つサービスが付帯する等のメリットがあります。
本記事では、法人カードの特徴や種類、メリット・注意点を解説します。基本的な知識を整理し、自社や事業に合った法人カードを活用しましょう。
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法人カードとは
法人カードとは、法人向けに発行されるカードの総称です。事業の支払いに利用されるカードで、個人事業主を対象とするものもあります。
法人カードは個人カードと比べて利用限度額が高く、ビジネスに役立つ機能が備わっている点が特徴です。また、法人カードによっては、従業員向けに追加カードを発行できる場合もあります。
法人カードと個人カードの違い
法人カードと個人カードには主に以下の違いがあります。
| 法人カード | 個人カード | |
|---|---|---|
| 用途 |
事業に関する支払い |
個人的な支払い |
| 発行対象 |
法人、法人代表者または個人事業主 |
個人 |
| 引き落とし口座 |
法人の場合:法人口座 |
個人 |
| 利用限度額 |
|
法人カードに比べて低め(~300万円程度) |
| 追加カード |
従業員カード、ETCカード |
家族カード、ETCカード |
| キャッシング機能 |
付帯しないものが多い(個人事業主・小規模企業向けビジネスカードでは付帯可能な場合もある) |
あり |
| 用途 | |
|---|---|
| 法人カード |
事業に関する支払い |
| 個人カード |
個人的な支払い |
| 発行対象 | |
| 法人カード |
法人、法人代表者または個人事業主 |
| 個人カード |
個人 |
| 引き落とし口座 | |
| 法人カード |
法人の場合:法人口座 |
| 個人カード |
個人 |
| 利用限度額 | |
| 法人カード |
|
| 個人カード |
法人カードに比べて低め(~300万円程度) |
| 追加カード | |
| 法人カード |
従業員カード、ETCカード |
| 個人カード |
家族カード、ETCカード |
| キャッシング機能 | |
| 法人カード |
付帯しないものが多い(個人事業主・小規模企業向けビジネスカードでは付帯可能な場合もある) |
| 個人カード |
あり |
法人カードは、事業に関する支払いを目的としたカードで、法人や法人代表者、個人事業主を対象に発行されます。
一方、個人カードは個人利用を目的に発行されるもので、法人カードに比べて一般的に利用限度額が低く、個人向けの付帯サービスが充実しています。
法人カードの利用限度額についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。
関連記事:「法人カードの利用限度額はいくら?目安や決まり方・引き上げる3つの方法」
法人カードの種類
法人カードは、発行対象や決済方法の違いによっていくつかの種類に分けられます。
| 発行対象による分類 |
コーポレートカード、ビジネスカード |
|---|---|
| 決済方法による分類 |
クレジットカード、デビットカード、プリペイドカード |
| グレードによる分類 |
一般カード、ゴールドカード、プラチナカード |
| 発行対象による分類 | |
|---|---|
|
コーポレートカード、ビジネスカード |
|
| 決済方法による分類 | |
|
クレジットカード、デビットカード、プリペイドカード |
|
| グレードによる分類 | |
|
コーポレートカード、ビジネスカード |
|
発行対象や決済方法による分類について、以下で解説します。
コーポレートカード・ビジネスカード
法人カードは一般的に、発行対象の違いによってコーポレートカードとビジネスカードに分類されます。
| コーポレートカード |
大企業向け |
|---|---|
| 決済方法による分類 |
クレジットカード、デビットカード、プリペイドカード |
| コーポレートカード | |
|---|---|
|
大企業向け |
|
| 決済方法による分類 | |
|
クレジットカード、デビットカード、プリペイドカード |
|
ただし、厳密に区分されているわけではなく、カード会社によって呼び方が異なる場合があります。申込条件やサービス内容等を確認し、事業規模や従業員数、発行の目的に合ったものを検討しましょう。
また、法人カードの中には、企業間取引の決済に特化したパーチェシングカードもあります。一般的な法人カードとは異なり、プラスチックカードが発行されない「カードレス」が主流であり、実店舗での支払いには使用できません。
そのため、特定のBtoB取引(企業間決済)に限定して利用でき、不正利用のリスクを抑えつつ経費精算の管理が可能である点が特徴です。
クレジットカード・デビットカード・プリペイドカード
「法人カード」というと、法人クレジットカードを指すことが多いですが、法人デビットカードや法人プリペイドカードも法人カードの一種です。クレジットカード・デビットカード・プリペイドカードの一般的な違いは以下のとおりです。
| クレジットカード | デビットカード | プリペイドカード | |
|---|---|---|---|
| 支払いのタイミング |
後払い |
即時引き落とし |
事前チャージ |
| 支払回数 |
1回払い・分割払い・リボ払い等 |
1回払い |
1回払い |
| 利用可能額 |
利用限度額の範囲内 |
口座残高の範囲内 |
チャージ残高の範囲内 |
| 与信審査 |
あり |
なし |
なし |
| 支払いのタイミング | |
|---|---|
| クレジットカード |
後払い |
| デビットカード |
即時引き落とし |
| プリペイドカード |
事前チャージ |
| 支払回数 | |
| クレジットカード |
1回払い・分割払い・リボ払い等 |
| デビットカード |
1回払い |
| プリペイドカード |
1回払い |
| 利用可能額 | |
| クレジットカード |
利用限度額の範囲内 |
| デビットカード |
口座残高の範囲内 |
| プリペイドカード |
チャージ残高の範囲内 |
| 与信審査 | |
| クレジットカード |
あり |
| デビットカード |
なし |
| プリペイドカード |
なし |
それぞれ、支払いの仕組みや特徴が異なるため、資金の状況や利用目的によって適した法人カードは変わります。
例えば、資金繰りに一定の余裕を持たせたい場合はクレジットカード、支出管理の明確さを重視する場合は即時引き落としのデビットカードというように、目的や状況に合わせて使い分けることが重要です。
法人カード選びでお悩みの方は、みずほ銀行の「活用診断」の利用もご検討ください。
法人カードを作るメリット
法人カードを発行すると、主に以下のメリットが得られます。
- 経理処理を効率化できる
- ポイント還元やキャッシュバックがある
- ビジネス関連の付帯サービスを利用できる
- キャッシュ・フローの改善につながる
経理処理を効率化できる
現金払いを法人カードに変更すると、利用日・金額・利用先等の明細が自動的に記録されます。会計ソフトと連携することで、明細を自動で取り込めるため、記帳作業の負担が軽減され、会計処理の効率化が期待できます。
また、事業の支払いを法人カードにまとめることで、事業と個人の支出を明確に区分できます。これにより、経費の計上漏れを防ぎやすくなり、従業員用の追加カードを発行すれば、立替精算の手間を減らすことも可能です。
法人カード決済にまとめると、利用明細や支払履歴を一元管理しやすくなります。一方で、消費税の仕入税額控除を受けるには、取引内容に応じたインボイス(適格請求書)の保存が必要です。そのため、カード利用時も領収書や請求書の管理は適切に行う必要があります。
ポイント還元やキャッシュバックがある
法人カードにも、個人向けカードと同様に、利用金額に応じてポイント還元やキャッシュバックを受けられるものがあります。
仕入れや備品の購入に加え、公共料金やクラウドサービス利用料等の定期的な支払いを法人カードに集約することで、実質的な経費負担を抑えられます。
ビジネス関連の付帯サービスを利用できる
法人カードには、ビジネスで役立つ特典が備わっている場合があります。
- 海外・国内旅行傷害保険
- ショッピング保険
- 空港ラウンジサービス
- 海外での日本語サポート
- グルメ優待
- クラウド会計ソフトとの連携
- レンタカーやクラウドサービス等の優待
例えば、出張が多い事業者は、旅行傷害保険や空港ラウンジサービスが付帯する法人カードを利用すれば、出張時の利便性や安心感が高まります。また、会計処理をサポートする付帯サービスが充実していれば、日々の業務の負担軽減にもつながります。
キャッシュ・フローの改善につながる
法人カードの中でも、クレジットカードは後払いの仕組みであり、キャッシュ・フローの改善につながる可能性があります。
法人クレジットカードの利用代金は、利用分が翌月や翌々月に引き落とされるのが一般的です。支払いまで一定の猶予があるため、資金繰りにゆとりを持たせやすくなります。
その結果、「売上は立っているのに手元資金がない」「設備投資で一時的に支払いが先行する」等の場面でも、資金計画を立てやすくなる可能性があります。
法人カードを作るメリット・デメリットについてより詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。
関連記事:「法人カードを作るメリットとは?カードの作り方やデメリット・注意点も解説」
法人カードを作る際の注意点
法人カードには、業務効率化や資金繰りの面でメリットがある一方で、いくつか注意すべき点もあります。
- クレジットカードの発行時には審査が行われる
- 年会費等のコストが発生する
- 追加カードの管理体制を整える必要がある
クレジットカードの発行時には審査が行われる
法人クレジットカードを発行する場合、申込後に審査が実施されます。クレジットカードは後払いの仕組みであり、支払能力の有無を見極める必要があるためです。
一般的に、法人クレジットカードの中でも代表者個人に対して審査を行うものは、決算書や登記簿等の書類が不要な場合が多く、設立直後の事業者でも申し込みやすい傾向があります。
一方、法人デビットカードや法人プリペイドカードは与信審査なしで発行できます。
年会費等のコストが発生する
法人クレジットカードは年会費が必要なものが多く、追加カードごとに年会費が設定されているケースもあります。従業員数が多いと、その分年会費の負担額が大きくなる可能性があるため、全体のコストを把握しておきましょう。
また、デビットカードやプリペイドカードは年会費無料で発行できるものが多い一方で、別途発行手数料がかかる場合があります。
なお、法人カードの年会費は経費(損金)計上が可能です。
追加カードの管理体制を整える必要がある
法人カードは、従業員用の追加カードを発行できる場合が多く、従業員の事務手続きの負担軽減や精算処理の効率化を図れます。一方で、利用状況の把握が不十分な場合、想定外の支出が発生したり、不適切な利用につながったりする可能性があります。
従業員用の追加カードを発行する場合は、利用ルールを明確に定め、利用明細を定期的に確認する体制を整えることが重要です。また、1枚ごとに利用限度額を設定できるタイプの法人カードを選べば、管理しやすくなります。
法人カードの作り方
法人カードによる適切な決済実績を積むことは、将来的に銀行から融資を受ける際の信頼性向上につながる場合があります。クレジットカードを例に、法人カードを作る際の一般的な流れを解説します。
- ①引き落とし用の法人口座を開設する
- ②法人カードを申し込む
- ③審査結果が届く
- ④法人カードを受け取る
最初に、自社に合う法人カードを選び、引き落とし用の法人口座を開設しましょう。法人口座から引き落とすことで、法人と個人の資金を明確に分けることができ、資金の流れを可視化できます。
設立段階から資金管理体制を整えることが、継続的な事業運営や成長を支える土台となります。なお、法人カードの申し込みと同時に法人口座を開設することも可能です。
次に、ウェブサイト等で法人カードを申し込みます。申し込み後に必要書類を提出すると、審査を経て法人カードが発行されます。法人カードの発行には数週間程度かかるケースもあるため、余裕を持って申し込みましょう。
法人カードの作り方についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。
関連記事:「法人カードの作り方を解説!選び方の6つのポイントや手続きの流れ」
みずほ銀行の法人口座は年会費無料の「みずほビジネスデビット」が付帯
みずほ銀行で法人口座を開設すると、年会費無料の法人カード「みずほビジネスデビット」を利用できます。
世界中のVisa加盟店で、備品購入や仕入れ、出張・接待、公共料金の支払い等に幅広く利用でき、法人口座からリアルタイムで引き落とされるため、経理処理の効率化を図れます。
また、みずほ銀行では、クレジットカードタイプの法人カード「UPSIDER」のご紹介を行っています*。UPSIDERは年会費や発行手数料が無料で、利用限度額は最大10億円です。原則として発行枚数にも制限がないため、従業員や品目ごとにカードを分けられ、仕訳業務を効率化できます。
みずほ銀行の法人口座は、24時間いつでも申し込みができ、来店不要で手続きが完結します。法人カードの発行を検討している方は、ぜひみずほ銀行の法人口座をご利用ください。
- *法人カード「UPSIDER」は株式会社UPSIDERが提供するサービスであり、みずほ銀行が提供するサービスではありません。
- *サービスのご利用には、サービス提供会社である株式会社UPSIDERによる審査がございます。審査結果によっては、お申し込みいただけない場合がございます。その場合、みずほ銀行は審査結果に関して責任を負いかねます。
まとめ
法人カードとは、法人や個人事業主を対象に発行されるカードの総称です。一般的に、大企業向けはコーポレートカード、中小企業や個人事業主向けはビジネスカードと呼ばれます。
法人カードを発行すれば、事業の支払いを集約でき、経費処理の効率化が図れるほか、資金繰りにゆとりを持たせやすくなります。
年会費がかかる等の注意点も踏まえ、自社に合った法人カードを選び、業務効率化や事業の成長につなげましょう。
来店不要で24時間受付(メンテナンス時間:日曜日 0時00分~9時30分を除く)
法人口座開設のお申込方法やお得な特典等の詳細は、以下のページをご確認ください。
監修者
安田 亮(やすだ りょう)
- 公認会計士
- 税理士
- 1級FP技能士
1987年香川県生まれ、2008年公認会計士試験合格。大手監査法人に勤務し、その後、東証一部上場企業に転職。連結決算・連結納税・税務調査対応などを経験し、2018年に神戸市中央区で独立開業。