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会社登記の手続きの流れとは?必要書類・申請方法を10分で徹底解説!

掲載日:2023年1月10日 起業準備

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会社登記とは、法務局が管理する登記簿に会社の情報を記録し、それを公開する制度です。これにより、会社の存在を証明できたり、取引相手の会社情報を確認できたりします。新しく会社を設立したり、設立後に会社名や役員を変更したりする際は会社登記を申請する必要があります。

特に、会社を設立するために必要な会社設立登記の際は作成・提出する書類が多く、その内容も単純ではありません。本稿では、会社設立登記の手続きの流れと必要書類・申請方法、さらに会社設立時に登記以外に必要となる手続きを詳しく解説します。

会社登記とは

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会社登記とは、株式会社や合同会社等の会社について、商号(会社名)や本店所在地、役員氏名等を公示するための制度です。これらの情報は法務局が管理する登記簿に記録され、取引の安全のために公開されています。

主な会社登記の種類は、新しく会社を設立するときに行う「設立登記」と、既に登記されている内容に変更があったときに行う「変更登記」の2つです。

会社は設立登記を行うことで初めて法的に存在が認められ、会社名義で銀行口座を開設したり、会社として取引先と契約を結んだりすることが可能になります。このように法律によって権利義務を認められる存在を法人と言い、会社登記を「法人登記」と呼ぶこともあります。

会社設立登記の手続きの流れ

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会社設立登記を申請するための準備には、必要な書類の作成・収集や、定款の認証、資本金の払込等があります。ここでは、会社設立登記の手続きの流れを解説します。

定款の作成・認証

定款とは、会社の基本的な規則をまとめたものです。法令に違反しない限り内容は自由に決められますが、記載していないと定款として無効になる重要事項があります。株式会社の場合は以下の通りです。

  • 商号(会社名)
  • 本店所在地
  • 事業の目的
  • 設立に際して出資される財産の価額またはその最低額
  • 発起人の氏名または名称および住所

定款にはこのほか、事業年度や株券の発行可能総数、総会の招集方法等を記載することが一般的です。さらに、設立登記を申請するためには、資本金の額や役員を決めておく必要があるので、定款作成と同時に決めるのも手でしょう。

株式会社の場合は、作成した定款の認証を済ませる必要があります。定款の認証とは、公証人が定款の内容と発起人の意思を確認し、正当性を証明することです。認証の手続きは公証役場で可能ですが、設立登記申請と同時に行う場合はオンラインでも行えます。

定款とは?作り方・記載内容から認証の方法まで分かりやすく解説

資本金の払込

次に、会社の資本金となる財産の払込を行います。会社の設立形態には、既に出資者と出資額が決まっている「発起設立」と、定款認証後に出資者を募る「募集設立」がありますが、ここでは一般的な発起設立を前提に解説します。

払い込まれる財産は本来、会社の資産ですが、この時点では会社名義の法人口座が開設できないため、発起人の個人口座を払込先にするのが原則です。

注意点として、発起人の個人口座に既に出資額以上の残高があったとしても、出資額と同額を預け入れる必要があります。これは出資額を明らかにするためなので、事前に引き出して再度預け入れても構いません。口座の名義人以外の出資者がいる場合には、各自の名義で出資金を振り込みます。

また、払込の期限はありませんが、定款作成日前の払込は無効になるため、公証人の認証後に行うのが一般的です。

資本金とは?その役割と金額を決める際の基準について解説

必要書類の準備

設立登記申請に必要な書類を準備します。例えば、株式会社の場合は「株式会社設立登記申請書」が必要です。

詳細は後述しますが、必要書類には発起人だけで作成できないものもあります。例えば、各役員の印鑑証明書はあらかじめ集めておく必要があります。また、特に準備に時間がかかるのが「印鑑(改印)届書」です。

発起人個人の実印は必要に応じて地方自治体の役所で印鑑を登録し印鑑証明書を取得しますが、会社の実印は設立登記申請と同時に法務局で登録します。この登録に必要なのが「印鑑(改印)届書」です。会社の実印の印影を登録するため、事前に実印を用意しておかなければなりません。

なお、設立登記申請をオンラインで行う場合は設立登記時点での「印鑑(改印)届書」の提出を省略できます。ただし、会社設立後は各種契約において会社の印鑑証明書を求められる機会は少なくないため、その後も会社の実印が不要なわけではありません。

登記申請

会社設立に必要な書類がそろったら、登記申請を行います。申請は法務局の窓口で行う他に、郵送やオンラインで行うことも可能です。

登記申請を行うと、書類に不備がある場合には法務局から補正(修正)をするように連絡がきます。不備がなく無事に登記が完了すると会社の存在を証明する「登記事項証明書」(一般的に会社の「謄本」と呼ばれる書類)が取得できるようになります。

会社設立登記の手続きにおける4つの申請方法

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会社設立登記の申請は法務局に行き窓口で書類を提出するほか、郵送やオンラインでも可能です。さらに、オンラインによる申請は2種類あり、合計4つの申請方法があります。

窓口

会社設立登記は法務局の窓口で申請できます。エリアによって、登記申請を受け付けているのは本店所在地を所管する法務局の本局のみで、支局・出張所では対応していない場合もあります。窓口の対応時間は平日の午前9時から午後5時までです。

登記申請書と添付書類は、法務局ウェブサイトで様式と記載例が掲載されています。これらをダウンロードして必要事項を記入し提出しましょう。

また、無料の「申請用総合ソフト」という専用アプリを利用して書類を作成・印刷することも可能です。この場合は、必須項目の入力漏れを確認できる機能があるのでより正確に作成できます。さらに、申請書の情報を事前に送信したうえで印刷した書類を提出する「二次元バーコード付き書面申請」という方法によって、申請の処理状況を手元のパソコンで確認できるため便利です。

書類の作成に自信がない場合や、急を要するために正確な書類を作成したい場合は司法書士に書類作成や提出を依頼しても良いでしょう。

郵送

法務局の窓口に行かず、登記申請の書類を郵送する方法もあります。必要な書類の入手方法と作成方法は窓口での申請と同様です。「二次元バーコード付き書面申請」を利用する場合でも郵送を選択できます。

申請書類は重要であり、高額の収入印紙を貼付するため、簡易書留等を利用することが一般的です。郵送に代えて宅配便を利用しても構いません。封筒には「登記申請書在中」と明記しましょう。また、返却を希望する書類がある場合は、切手を貼った返信用封筒を同封します。

なお、会社には「会社設立日」というものがあり、設立後の手続きで記載を求められることがあります。これは、設立登記の手続きが完了した日付ではなく、窓口やオンラインによる申請であれば申請日になり、郵送の場合は発送日ではなく法務局が受理した日付です。会社設立日を指定したいなら、窓口またはオンラインでの申請が確実です。

申請用総合ソフトによるオンライン申請

「申請用総合ソフト」を利用すれば、申請をオンラインで行えます。

手順としては、「申請用総合ソフト」をインストールし、申請者情報を入力後、設立登記に必要な「登記すべき事項」欄を入力します。ここで求められる情報は書面による場合と同様です。次に、PDF等により作成した添付書面情報を追加します。これらの情報には電子署名を付与するため、事前に電子証明書の準備が必要です。

これらの情報を登記・供託オンライン申請システムに送信すると自身のパソコン上で申請番号や到達日時を確認できます。設立登記に必要な登録免許税は、インターネットバンキングや電子納付対応ATMなどにより納付可能です。

法人設立ワンストップサービスによるオンライン申請

「申請用総合ソフト」によるオンライン申請とは別に「法人設立ワンストップサービス」を利用するオンライン申請方法があります。こちらは、電子署名をマイナンバーカードで行うため発起人のマイナンバーカードが必要です。

「申請用総合ソフト」と同様に、会社設立登記のための公証人による定款の認証もオンラインで同時に行え、登記申請がオンラインで完結します。

「法人設立ワンストップサービス」は、「申請用総合ソフト」と異なり変更登記の申請はできませんが、設立登記申請と設立後に必要になる法務局以外の税務署や年金事務所、地方自治体等での各種手続きをまとめてオンラインで行えるため便利です。

会社設立登記の手続きに必要な書類

会社設立登記の申請手続きに必要な書類について株式会社を例に解説します。

書類の名称 説明
株式会社設立登記申請書 商号や本店所在地等の必要事項を記入し、登録免許税額分の収入印紙を貼付します。
定款 公証人により認証を受けた定款を指します。
発起人の同意書 発起人の出資額や割当てを受ける株式数、資本金の額、株式発行数等が定款により定められていない場合に発起人によりこれらを決定する書類です。
設立時代表取締役を選定したことを証する書面 取締役の中から、代表取締役を選定する書類です。定款に明記されていれば不要です。
設立時取締役、設立時代表取締役及び設立時監査役の就任承諾書 役員就任に対する承諾書です。代表取締役は、取締役の就任承諾書とは別に代表取締役の就任承諾書が必要です。
印鑑証明書 取締役会を設置しない場合、取締役全員の印鑑証明書が必要です。
本人確認書類 取締役を設置した場合の取締役や監査役等の印鑑証明書を提出しない役員について、運転免許証のコピー等が必要です。
設立時取締役及び設立時監査役の調査報告書及びその附属書類 現金の払込以外に、車両や備品等の現物出資がある場合に必要です。
払込みを証する書面 資本金の払込があったことを証明する書類です。通帳のコピー等と一緒に綴じたものが必要です。
資本金の額の計上に関する設立時代表取締役の証明書 資本金の額を証明する書類です。
登記すべき事項 商号や本店所在地、事業の目的等の重要事項を一覧にした書類です。書類に代えて、CD-R等での提出も可能です。
印鑑(改印)届書 会社の代表者印の印影を登録します。
印鑑カード交付申請書 登録した代表者印の印鑑証明書を取得するために必要な印鑑カードの交付を受けるための申請書です。

以上が一般的な会社設立登記申請で窓口に提出する書類です。オンライン申請では省略できる書類もあります。詳しくは以下の記事を参考にしてください。

登記とは?法人登記に必要な手続きと必要書類を解説

登記の他に必要な会社設立時の手続き

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会社設立時は登記の他にも行う手続きがあります。ここでは、登記完了後に行う手続きとして税務関係、社会保険・労働保険関係、そして銀行口座の開設について解説します。

税務関係書類の提出

会社設立時の税務関係書類の手続きにおいて、以下の書類を税務署に提出する必要があります。

  • 法人設立届出書
  • 給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書

これらは、新しく会社を設立したことを税務署に届け出るための書類で、提出が義務付けられています。また、以下のように、提出義務はないものの提出することでメリットを受けられる書類もあります。

  • 青色申告の承認申請書
  • 源泉所得税の納期の特例の承認申請書

前者では欠損金(前事業年度までの繰越赤字)の繰越期間の拡大や減価償却方法での優遇を受けられ、後者では給与や役員報酬からの源泉徴収額を毎月ではなく、半年分ずつ納められる点がメリットです。

このほか、インボイス制度における適格請求書発行事業者になるための「消費税課税事業者選択届出書」の提出など会社ごとに異なる書類もあります。

法人設立届出書の書き方を項目ごとに詳しく解説!

社会保険・労働保険の手続き

会社は役員報酬の有無や従業員数等の条件に応じて、社会保険・労働保険の加入が義務付けられることがあります。

まず、会社設立時に従業員がいなくても役員報酬が発生する場合には社会保険の加入義務が発生し、加入手続きが必要です。加入手続きは、事業所を所管する年金事務所に「新規適用届」と「被保険者資格取得届」等の提出によって行います。

次に、従業員を1人でも雇用する場合には労働保険のうち労災保険の加入義務が発生し、さらに継続して雇用する見込みがある場合には雇用保険の加入義務も発生します。労災保険は所管の労働基準監督署に「保険関係成立届」を提出し、雇用保険は所管の公共職業安定所(ハローワーク)に「雇用保険適用事業設置届」を提出するのが一般的です。

会社設立時に必要な社会保険・労働保険の手続きは?基礎から解説

銀行の法人口座の開設

会社設立登記の完了後は、会社名義の銀行口座を開設できます。

代表者と会社のお金は分けて管理する必要があり、例えば会社設立時に資本金として払い込まれた現金は会社の資産として計上されます。また、会社として取引先と契約した場合にその売上や支払の計上を行うのは会社です。しかし、代表者の個人名義の銀行口座だけでは、代表者個人と会社の資金を分けて経理処理をスムーズに行うのは難しいでしょう。

法人名義の銀行口座があれば、個人口座と分けて管理できるため、会社のお金の流れが把握しやすくなります。また、法人名義の銀行口座があればその銀行が発行するデビットカードへの申込が可能なほか、法人名義のクレジットカードの引落口座に指定でき、キャッシュレス決済も容易になります。

まとめ

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登記申請の必要書類は多く、さらに設立登記の完了後に行う手続きも複数あります。手続きの中には期限が定められているものもあり、失念して期限を過ぎないよう注意しましょう。

会社設立時は複数の手続きがあり提出先が多方に分かれているため手間がかかりますが、オンラインによる申請可能な手続きも多く、うまく利用すれば時間・労力の節約になり便利です。

会社設立登記の完了後は法人名義の銀行口座を開設するのがおすすめです。みずほ銀行は、非対面での法人口座の開設申込や面談に対応しており、原則来店不要で手続きが完結します。会社設立にあたって会社名義の銀行口座の開設を予定している方は、みずほ銀行での開設を検討してみてはいかがでしょうか。

口座開設(法人のお客さま)

(記事提供元:株式会社ADKマーケティング・ソリューションズ)

  • *本稿に含まれる情報の正確性、確実性あるいは完結性をみずほ銀行が表明するものではありません。
    また、個別の表現については、必ずしもみずほ銀行の見解を示すものではありません。
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