(株)放送衛星システムに対し、本邦初の衛星事業向け仕組み型シンジケートローン組成
2005年8月12日
株式会社みずほコーポレート銀行
- 1. みずほコーポレート銀行(アレンジャー兼エージェント)は今般、衛星放送事業を手掛ける(株)放送衛星システム(以下「B-SAT社」)に対して、国内初となる衛星放送事業向けシンジケートローンを取りまとめました。本シンジケートローンは、アナログ・デジタル衛星放送事業における放送衛星の製造・購入並びに地上管制施設整備に必要な資金の調達の為に組成されたものであり、みずほコーポレート銀行以下数行が参加、総額110億円の契約となりました。
- 2. B-SAT社は、1993年に放送事業者や銀行等が出資して設立された、放送衛星の調達や受託放送事業などを行う企業で、NHKおよびWOWOWなど衛星民放各社からコンテンツの放送委託を受け放送衛星事業を展開しています。B-SAT社は、現在運用中のアナログ衛星(BSAT-1a衛星)の設計寿命到来を前に、高機能の後継衛星調達を検討して来ましたが、このほど国際競争入札の結果、米国のロッキード・マーティン社との間で衛星売買契約を締結しました。
- 3. 衛星の製造には通常2年前後の期間を要し、B-SAT社は製造工程に合わせて代金を延払いで支払いますが、融資を行う金融機関にとっては衛星が完工しないリスクや、打上後に毀損するリスクなどを如何に軽減できるかが重要になります。みずほコーポレート銀行は、このような衛星製造過程を含めた事業リスクを洗い出し、当社将来キャッシュフローや各種請求権、将来債権等を担保化することで各種リスクを補完、リスクを一定限度に軽減するスキームを独自に開発し、本邦で初めて衛星プロジェクト向けの本格的シンジケートローンとして取りまとめることに成功したものです。融資期間は6年で、組成額は110億円となっており、衛星製造工程に合わせた分割貸付方式により、2年間に亘って融資が実行されます。