三菱商事(株)に対する高流動性シンジケート・ローンの組成
~ローンセカンダリーマーケットにおけるローン債権の本格的な売買・市場拡大の契機に~
2005年6月20日
株式会社みずほコーポレート銀行
- 1.みずほコーポレート銀行(アレンジャー)と東京三菱銀行(ジョイントアレンジャー兼エージェント)は、三菱商事(株)と共同で開発したローン債権の売買を前提とした本邦初となる新型のシンジケート・ローンを、昨年12月の第1回に続いて第2回目を平成17年6月13日に調印いたしました。本シンジケート・ローンには地方銀行を中心に幅広い投資家から募集金額300億円を大幅に上回る参加表明がありました。
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2.本シンジケート・ローンは、ローン債権の活発な流通に向けて、両行によるマーケットメイクが行われることが最大の特徴で、両行は、昨年12月に組成されたシンジケート・ローン(組成金額500億円)のローン債権について、組成以降実際に売買価格を常時提示することでマーケット指標を創出し、複数の投資家との間で売買を成立させることに成功しております(第1回組成後凡そ6ヶ月間の間に10数件、150億円を超える金額)。
また、本高流動性シンジケート・ローンは、社債に近い極めて流動性の高い商品設計を有しており、借入人による買入消却が認められていることや、投資家の追加運用ニーズによる追加実行を可能としていること、投資家が日本銀行への担保として差し入れることを可能とする条項を備えております。加えて、三菱商事(株)は、第1回目のシンジケート・ローン組成時に本邦の上場・投資適格企業としては初めてとなる格付機関からのローン格付も取得されています。 -
3.現在、ローンセカンダリー市場は、日本ローン債権市場協会(JSLA)加盟金融機関を中心に、日本銀行、金融庁、経済産業省など公的機関のバックアップのもと、市場の整備が進められております。
間接金融のウエイトの高い本邦金融市場においては、ローンセカンダリー市場の発展によって、金融機関のポートフォリオの機動的なコントロールが可能となり、ひいては本邦における調達企業の一層の利便性向上にも繋がります。 - 4.みずほコーポレート銀行と東京三菱銀行は、三菱商事(株)がこの高流動性シンジケート・ローンを継続的に組成することを契機に、今後、投資家の拡大と共に企業のシンジケート・ローンの利用拡大が加速することを期待します。本格的なローンセカンダリー市場の発展により、直接金融と間接金融の垣根が更に低くなることで、投資家の運用機会が増加すると共に、企業の資金調達の利便性が一層向上します。両行は、資本市場、シンジケート・ローン市場に代表されるマーケットの適正な発展によって、アレンジャーや投資家として参加する金融機関のビジネスチャンスの拡大を目指しています。
<本シンジケート・ローンの概要>
1. 組成金額 | 300億円 |
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2. 借入期間 | 5年(期日一括) |
3. 金利 | 6ヶ月物BBALIBORにローンセカンダリーマーケットで取引されているプライスを前提としたスプレッドを上乗せした変動金利 |
4. 資金使途 | 一般事業資金 |
5. アレンジャー | みずほコーポレート銀行 |
6. ジョイントアレンジャー | 東京三菱銀行 |
7. エージェント | 東京三菱銀行 |
8. 参加金融機関 | 地方銀行を中心とする22金融機関 |
9. 契約締結日 | 平成17年6月13日 |
10. 借入実行日 | 平成17年6月16日 |