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資金調達方法の主な種類とそれぞれの特徴・注意点

掲載日:2023年1月10日 法人口座開設準備

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資金調達は、事業の立ち上げや設備投資、スムーズな経営を行ううえで必要不可欠です。創業期で初めて資金調達する場合、どのような方法があるかよく知ったうえで調達方法・調達先を検討することが大切です。

本記事では、資金調達方法の主な種類と、それぞれの特徴や注意点を紹介します。自分の会社にはどのような資金調達方法が適しているのか知りたい人は、ぜひチェックしてみてください。

資金調達方法の種類

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資金調達の代表的な方法は以下の3つです。

  • 自己資金
  • 融資
  • 第三者による出資

以下で詳しく見ていきましょう。

自己資金

自己資金はその名の通り、自分の預金を事業資金に充当する方法です。家族や友人から資金を借りる場合も含まれます。資金調達の中で最も基本的でシンプルな方法といえるでしょう。

自己資金が少ない状態では、融資や出資を受けられない場合もあり、最低限の自己資金は準備しておく必要があります。創業資金を準備する場合は、最低でも創業資金総額の3分の1程度は自己資金として準備しておきましょう。

なお、個人事業主とは異なり、法人を設立するにあたって会社と個人の資金は別で管理しなければなりません。個人事業主であれば事業収入から個人的な生活費を支払っても何ら問題ありませんが、法人を設立する場合は、会社のお金を代表の個人的な使途で扱うことはできないのです。

法人設立時は資金面で余裕を持たせるために手持ちのお金の内なるべく多くを法人に注ぎ込みたくなる場合もありますが、一方で個人的な生活資金も確保しておく必要があります。そのため、手持ちの資金をすべて会社の資金とするのではなく、必要な生活資金は残しておきましょう。

融資

融資は自己資金の次に検討したい資金調達の方法です。事業資金として借り入れたお金(元本)に利子を上乗せして返済します。融資の申込先は政府系金融機関や民間金融機関、地方自治体等です。

通常、融資を受けるためには審査に通過する必要があります。融資の審査基準は申込先によって異なりますが、事業計画や決算書の内容を基に総合的に判断されます。特に創業期は事業計画が重視されることが一般的です。なお融資については後段で詳しく解説します。

第三者による出資

出資とは、投資家等が事業の成長を見込んでお金を出すことを指します。融資と異なり、資金の受け手側に返済の義務がないことが特徴です。

その一方で、出資者には出資比率に応じて議決権(株主総会での決議に参加して票を入れることができる権利)や、利益に応じて配当金を受け取る権利を与えられることが一般的です。

創業期に資金を出してくれる出資者は、出資先の企業が上場した際の株式の売却益を主なリターンとして期待しているケースが多く見られます。そのため、将来的に事業の成長が見込まれる場合に資金調達を期待できる方法です。

その他の方法

第三者からの資金調達方法は前述の「融資」「出資」がメインですが、その他に以下の方法もあります。

  • アセットファイナンス:会社が保有する資産を基に資金調達する方法
  • 助成金・補助金:事業者を支援するために国や自治体等が支給するお金
  • クラウドファンディング:インターネットを介して不特定多数の投資家から資金を集める方法

詳しくは後述の「その他の資金調達方法」で解説します。

主な資金調達の方法:「融資」

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資金調達のベースは自己資金となりますが、それ以外の方法としてまず検討したいのが融資です。融資による資金調達の特徴・メリットや種類、利用する際の注意点についてチェックしていきましょう。

融資とは?出資との違いや事業者が利用を検討したい融資の種類

融資による資金調達の特徴・メリット

融資とは、事業資金を金融機関や公的機関から借り入れることです。借り入れたお金は企業の財政状況を表す貸借対照表上で、資本の欄ではなく負債の欄に分類されることから「デットファイナンス」とも呼ばれます。

融資は借り入れた資金(元本)に利子を上乗せして返済する義務があることが特徴です。融資を受ける場合、金融機関や地方自治体等お金の出どころが明確なので、比較的安心して利用できるというメリットがあります。

貸主はお金を貸すだけで将来的には返済してもらうことを見込んでお金を出すため、会社側は経営権を握られるわけではありません。また融資を受けた際に支払う利子は、損金(法人税を計算する際に所得から差し引ける費用)として認められます。

融資は分割して返済する方法が一般的であり、期日と金額が決まっているため、安定的に返済できる見込みがある場合に適しています。

資金調達に利用できる融資の種類

資金調達に利用できる主な融資の種類と、それぞれの特徴・メリットは以下の通りです。

融資の種類 特徴・メリット
日本政策金融公庫による融資 事業者への支援を目的とする政策金融機関。
比較的金利が低く、創業期でも利用しやすい。
地方自治体による制度融資 地方自治体・金融機関・信用保証協会が連携して、中小企業者の資金調達を支援する制度。
比較的低い金利で借りやすく、創業期でも利用しやすい。
信用保証協会の保証付き民間金融機関による融資 信用保証協会による保証を受け、金融機関から融資を受ける方法。
保証がある分融資を受けやすいが、信用保証協会へ信用保証料を支払う必要があり、「地方自治体による制度融資」のような保証料の補助がない。
民間金融機関によるプロパー融資 信用保証協会の保証を受けずに、金融機関から直接受ける融資。
保証料の支払が不要。
一般的に融資限度額がなく、金利が低めに設定されていることが多い。
ビジネスローン 事業用資金に特化したローン商品。
審査のスピードが比較的早く、原則無担保、無保証人で利用できる。
一度契約すれば、決められた借入枠の範囲内で繰り返し融資が受けられる。
他の融資より金利は高め。
  • *本稿の内容については一般的な情報であり、必ずしもみずほ銀行の見解を示すものではありません。

融資を受ける際の注意点

融資は、元金はもちろんのこと、利子の支払いが必要な点に十分注意しましょう。借入額が多くなるほど、そして借入期間が長くなるほど利子負担は重くなります。金利の高さにも気を付ける必要があります。

返済総額や毎回の返済額をシミュレーションし、最後まで無理なく返済できる金額で申し込みましょう。また、利子を加味してもプラスになるようなリターンが見込める事業計画を立てたうえで利用することをおすすめします。融資を利用するためには審査に通る必要がありますが、事業計画はその審査においても重視されるポイントです。

事業計画書の書き方は?記載する項目ごとに詳しく解説

主な資金調達の方法:「第三者による出資」

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第三者による出資は、自己資金と融資以外に検討したいもう一つの資金調達方法です。特徴やメリットについて、融資と比較しながら解説します。

第三者による出資による資金調達の特徴・メリット

第三者による出資は投資家等の第三者から資金を提供してもらう資金調達の方法です。貸借対照表の資本の欄に分類されることから「エクイティファイナンス」とも呼ばれます。

出資を受ける選択肢としては、エンジェル投資家(創業して間もない企業へ出資する投資家)やベンチャーキャピタル等があります。融資と異なり、返済の義務がない点が特徴です。

その代わり、出資者は出資を通して株式を取得し、出資比率に応じて議決権が付与され経営に介入できる権利が与えられることが一般的です。会社を成長させるためのアドバイスを受けられたり、事業パートナーの紹介を受けられたりする可能性がある点はメリットといえるでしょう。

多くの場合、出資者は出資先の企業が上場することにより得られる株式の売却益や配当金を目的としています。そのため、将来的な成長性がある企業が利用しやすい方法です。

利用できる出資方法の種類

第三者による出資による資金調達の方法としては、以下の3つが一般的です。

  • 株主割当増資
  • 第三者割当増資
  • 公募増資

株主割当増資とは、企業が新株式を発行して資金調達する方法です。既存の株主に対し、持株数に応じて時価より低い金額で新株式の割当を受ける権利を与えます。新たな株主に割り当てることで議決権を分散させたくない場合に有効です。

第三者割当増資は、業務提携先・取引先、取引金融機関、自社の役職員といった「特定の第三者」に新株式の割当を受ける権利を与える方法です。割当先との関係強化や敵対的M&Aの対抗策として行われます。既存株主かどうかは問いません。厳密には第三者割当増資の中に株主割当増資が含まれます。

一方で公募増資は不特定多数の投資家に対して新たに株式を発行します。上場企業が資金調達を行う際に多く用いられる方法です。新たな株主からの出資が期待できるため、多くの資金を調達したい場合に適しています。

第三者による出資を受ける際の注意点

第三者から出資を受けることは、出資者が経営に介入できるということも意味します。そのため思い通りに経営方針を決められない可能性がある点は留意しておきましょう。複数の株主がいる場合は、経営権が分散して経営方針がまとまらないといったデメリットが生じることもあります。

また融資の利子と異なり、出資者(株主)に支払う配当金は法人税の損金として計上できません。このほか、普通株や優先株といった株式の種類や、会社法や金融商品取引法といった出資の株式に関する法律についての専門知識も必要です。

さらに出資を受けるまでに様々な手続きも必要になります。司法書士等の専門家にサポートを依頼することもできますが、自身でも最低限の知識を身に付けておきましょう。

その他の資金調達方法

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融資と第三者による出資以外にも、以下のような資金調達の方法があります。

アセットファイナンス

会社が保有している資産を元手に現金を得る方法です。単純に使用していない機械設備や不動産等の固定資産を売却する方法もありますが、保有している不動産を売却した後にその物件を賃貸契約してそのまま利用する「リースバック」という方法もあります。

また売掛債権を売却して、売却先に手数料を支払うことで売掛金の回収予定日よりも前に現金化する「ファクタリング」も、資金繰りを改善する方法として近年注目されています。

助成金・補助金

基本的に返済の必要がない助成金・補助金を受けられる場合があります。代表的なものは以下の通りです。

名称 管轄 概要 補助金額上限・補助率等
小規模事業者持続化補助金 商工会議所 小規模事業者の販路開拓や生産性向上を支援する制度。
自社の経営を見直し、自らが持続的な経営に向けた経営計画を作成することが前提となる。
  • 補助金額上限:50~200万円(申請する形類による)
  • 補助率:2/3(赤字事業者は3/4)
地域デジタルイノベーション促進事業 経済産業省 地域の特性や強みとデジタル技術をかけ合わせ、新たなビジネスモデル構築に向けて地域企業等が行う実証事業に要する費用を補助する取り組み。
  • 補助金額上限:
    中小企業:1社あたり1500万円
    非中小企業:1社あたり1100万円
  • 補助率:
    中小企業2/3
    非中小企業1/2
キャリアアップ助成金 厚生労働省 非正規雇用者のキャリアアップを促進するため、正社員化や処遇改善に取り組んだ事業主に対して支給される助成金。
取組内容ごとに複数のコースがある。
<例>大企業以外の正社員コース(有期→正規雇用):57万円
  • *生産性向上が認められる場合は72万円

小規模事業者持続化補助金

管轄 商工会議所
概要 小規模事業者の販路開拓や生産性向上を支援する制度。
自社の経営を見直し、自らが持続的な経営に向けた経営計画を作成することが前提となる。
補助金額上限・補助率等
  • 補助金額上限:50~200万円(申請する形類による)
  • 補助率:2/3(赤字事業者は3/4)

地域デジタルイノベーション促進事業

管轄 経済産業省
概要 地域の特性や強みとデジタル技術をかけ合わせ、新たなビジネスモデル構築に向けて地域企業等が行う実証事業に要する費用を補助する取り組み。
補助金額上限・補助率等
  • 補助金額上限:
    中小企業:1社あたり1500万円
    非中小企業:1社あたり1100万円
  • 補助率:
    中小企業2/3
    非中小企業1/2

キャリアアップ助成金

管轄 厚生労働省
概要 非正規雇用者のキャリアアップを促進するため、正社員化や処遇改善に取り組んだ事業主に対して支給される助成金。
取組内容ごとに複数のコースがある。
補助金額上限・補助率等 <例>大企業以外の正社員コース(有期→正規雇用):57万円
  • *生産性向上が認められる場合は72万円

上表はあくまで一例であり、自治体等で独自に設けている助成金や補助金もあります。通常、助成金や補助金を受けるためには審査に通過する必要があります。それぞれの制度の概要や要件をチェックし、利用できそうなものがないか探してみましょう。

  • *なお、上記の表の記載内容はいずれも2022年11月時点での情報となります。

クラウドファンディング

クラウドファンディングは、仲介サイト等を介して不特定多数の投資家からお金を集める方法として近年普及しています。投資家に対して金銭的なリターンを支払う「融資型」「出資型」のほか、商品やサービスといったお金以外の形でリターンする「購入型」、お礼や活動報告のみでリターンの義務がない「寄付型」等、様々なタイプがあります。

資金の募集はクラウドファンディングの専用サイトで行うのが一般的です。従来の資金調達の方法より手軽に行える点がメリットですが、目標金額に達せず資金調達できない可能性もあります。

資金調達が必要になるタイミング

資金調達が必要になる主なタイミングは以下の通りです。

  • 会社を設立するとき
  • 既存事業を拡大・新事業を開始するとき
  • 運転資金を拡充するとき

最も代表的なタイミングは会社を設立するときでしょう。事務所や店舗を構える場合は賃料や設備投資の資金が必要になります。会社設立直後はすぐに売上が確保できないこともあるため、数ヵ月分の運転資金も準備しておかなければなりません。

既存事業を拡大したり、新たな事業を始めたりするときも資金調達が必要です。またこれに伴い、従業員や仕入れを増やす場合は運転資金も拡充する必要があるため、これらの資金の準備も求められます。まずは事業計画をしっかり立てて、資金が必要になるタイミングを見極めたうえで、資金調達しましょう。

資金調達の方法を選ぶうえで考慮しておくべきポイント

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資金調達をスムーズに行うためには以下の点を考慮したうえで利用しましょう。

資金調達にかかるコストを考慮する

資金調達にはそれぞれコストがかかります。融資には利子がかかる点が特徴です。出資は資金の返済が不要で、コスト面では一見融資より有利に見えますが、配当金の支払いや株主名簿管理、株主総会の開催・通知といった事務手続き、出資を受けるにあたって会計・税務分野の専門家や仲介者を頼ることがあればその手数料等が必要になります。

また同じ融資、同じ出資でもかかる金額は異なります。創業したばかりの企業を支援する自治体の融資制度等もあるため、幅広い選択肢から比較検討して、有利な資金調達方法を見つけましょう。

お金以外の要素も十分に検討する

資金調達する際は、お金の面だけではなくそれに付随する要素も検討しましょう。例えば事業会社による出資なら、業務的な提携や取引先紹介、技術支援が受けられるかもしれません。また金融機関からの融資や投資家からの出資の場合に、人材や知見の紹介が受けられたり、経営のアドバイスがもらえたりすることがあります。

これらは将来的に事業を成長させる要素なので、会社の利益につながることが期待できるでしょう。

ラウンドに応じた手法を選ぶ

スタートアップ企業の成長段階を表す以下のような「資金調達ラウンド(投資ラウンド)」に応じた方法を選ぶことも大切です。

  • エンジェル:創業前後のアイデア段階
  • シード:商品・サービスのリリース前後
  • シリーズA:商品・サービスのリリース~ユーザー拡大段階
  • シリーズB:収益が伸び、ビジネスが軌道に乗り始めた段階
  • シリーズC以降:黒字で経営が安定する時期

まだ実績がないエンジェルの段階では、事業計画や将来性を重視する「日本政策金融公庫からの融資」や「エンジェル投資家からの出資」が適している可能性があります。

一方でシリーズC以降は、安定的な返済が求められる「金融機関からのプロパー融資」と親和性が高くなります。このようにラウンドに合った方法を知ることで、スムーズに資金調達を受けられる可能性は高くなるでしょう。

まとめ

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資金調達は会社の設立や事業の拡大のために欠かせません。自己資金以外の主な資金調達の方法には融資と第三者による出資がありますが、それぞれ特徴やメリットは異なります。自分の会社にとってどの資金調達の方法が適しているのか知ったうえで、計画的に利用しましょう。金銭的・労力的なコスト以外の要素も踏まえて、様々な選択肢から検討することが大切です。

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法人口座開設(法人のお客さま)

(記事提供元:株式会社ADKマーケティング・ソリューションズ)

  • *本稿に含まれる情報の正確性、確実性あるいは完結性をみずほ銀行が表明するものではありません。
    また、個別の表現については、必ずしもみずほ銀行の見解を示すものではありません。
    最新の情報をご確認のうえ、ご自身でご判断いただくようお願いいたします。

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