請求書の書き方を分かりやすく解説!インボイス対応や送付方法も紹介
掲載日:2026年10月14日経理
請求書に必要事項が不足なく記載されていなかったり、記載方法が適切でなかったりすると、取引先とのトラブルやインボイス制度への未対応につながる可能性があります。
請求書は取引の証拠となる重要な書類です。書き方を正しく理解しておきましょう。
本記事では請求書の書き方について分かりやすく解説します。注意すべきポイントやよくある質問も紹介するので、ぜひ請求書作成の参考にしてください。
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目次
- *本記事は、株式会社みずほ銀行が提供しています。
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請求書とは支払いを促すための書類
請求書とは、相手に支払いを促すための書類です。請求書を相手方に送付することで、記載した代金の支払いを求めます。
また、請求書には、取引が完了していることを知らせる意味もあります。取引が完了したことを相手方が認識していなければ、代金を受け取れない可能性があります。請求書を送付し、取引完了と請求金額を伝えましょう。
通常、代金は銀行口座への振込によって受け取ります。取引が発生する前に口座を開設しておきましょう。
適格請求書(インボイス)とは?
適格請求書(インボイス)とは、税務署長の登録を受けた「適格請求書発行事業者(インボイス事業者)」のみが発行できる請求書です。取引相手から求められた場合、適格請求書発行事業者はインボイスを発行しなければなりません。
インボイスには、以下のすべての項目を記載することが求められます。
インボイスの記載項目
- インボイス発行事業者の氏名もしくは名称と登録番号
- 取引年月日
- 取引内容
- 取引の税抜価額、もしくは税込価額を税率ごとに区分して合計した金額と適用税率
- 税率ごとに区分した消費税額等
- 請求書交付先の事業者名または名称
請求書の記載項目と書き方
請求書の書き方を記載項目別に紹介します。
インボイス制度に対応した内容も含んでいるため、適格請求書発行事業者の方も参考にしてください。
請求者情報
請求書には、請求者(請求書発行事業者)の情報が必要です。インボイスには、請求者情報として「事業者名または名称」と「適格請求書発行事業者の登録番号」の記載が必須のため、忘れずに記載しましょう。
また、必須ではありませんが、請求者の住所や電話番号、FAX番号等を記載することが一般的です。担当者名や内線番号等も記載しておくと、取引先が問い合わせをする際に連絡しやすくなります。
取引内容・取引年月日
取引内容と取引年月日は、インボイスの必須記載事項です。代金が発生した商品・サービスの名称、単価、数量、金額等を過不足なく記載しましょう。
なお、請求書は取引ごとに発行する必要はありません。一定期間内に複数の取引がある場合は、それぞれの取引内容が分かるよう、取引年月日ごとに記載しましょう。
消費税の内訳
消費税に関する情報も、インボイスでは必要です。代金が発生した商品やサービスに軽減税率対象品目が含まれる場合は、次のように区分して記載します。
| 日付 | 商品 | 単価 | 数量 | 金額 |
|---|---|---|---|---|
|
12月1日 |
精白米* |
10,800円 |
5 |
54,000円 |
|
12月1日 |
鶏もも肉* |
3,240円 |
10 |
32,400円 |
|
12月15日 |
アルミホイル |
2,200円 |
10 |
22,000円 |
| 合計 |
108,400円 |
|||
| 10%対象 |
22,000円(消費税2,000円) |
|||
| 8%対象 |
86,400円(消費税6,400円) |
|||
- *軽減税率対象品目
消費税を含めた金額に端数(小数点以下)が生じる場合は、税率ごとに区分して合計した金額に対して、一度だけ端数処理を行います。なお、端数処理は切り捨て・四捨五入・切り上げのいずれでも問題はありませんが、常に同じ処理を行うようにしてください。
また、商品ごとに消費税を計算し、その合計額を記載する方法は認められていません。適用税率ごとに金額を合算し、その後、消費税を求めるようにしましょう。
請求書の交付先
請求書の宛名は、インボイスにおいても必要な記載項目です。請求書の交付先(請求先)の事業者名または名称を明記しましょう。
作成した請求書を窓付き封筒で送付する場合は、交付先の郵便番号や住所も併記すると、封筒に印字する作業を省略できます。窓の位置を確認し、適切な場所に交付先の情報を記載しましょう。
請求書発行日
取引年月日とは別に請求書発行日も記載することが一般的です。ただし、インボイス制度における必須記載事項ではないため、必要に応じて省略することも可能です。
なお、請求書は納品完了時点で発行することが一般的です。ただし、同月内に複数の取引が発生した場合はまとめて発行することもあるため、請求書発行日と取引完了日が異なるケースもあります。どのタイミングで請求書を発行するのか、あらかじめ請求先と話し合って決めておきましょう。
支払期限
請求書には、請求内容だけでなく、支払いに関する情報も記載しておくと良いでしょう。ただし、支払いについての情報はインボイスの必須記載事項ではないため、不要な場合は省略できます。
特に重要な情報としては、支払期限が挙げられるでしょう。支払期限が請求書発行日に近すぎると請求先の負担になる一方、遅すぎる場合は請求側の資金繰りに影響を及ぼすおそれがあります。
まずは取引先と話し合い、支払いのサイクルを確認するようにしましょう。月に複数回の取引が発生する場合は、支払期限を毎月同日に設定すると管理しやすくなります。
振込情報
支払いに関する情報として、振込先の口座情報も書いておくと良いでしょう。次の情報をすべて記載すると、請求先がスムーズに代金を支払えます。
- 金融機関名
- 支店名
- 口座種別
- 口座番号
- 振込先名義(カタカナ)
振込先名義(カタカナ)は、金融機関で登録されている通りに正確に記載することが大切です。また、株式会社は「カ)」、有限会社は「ユ)」のように略称が用いられることも多いため、通帳の表紙裏面などに記載されている正確なカナ名義を確認しておきましょう。
請求番号
インボイスでは必須記載項目ではありませんが、社内で請求書を取り違えることがないよう、請求書に固有の番号を付けておくと良いでしょう。
入金状況を照合しやすくなるだけでなく、請求先からの問い合わせにも対応しやすくなります。何らかの事情で請求書を再発行した場合は、再発行したものと分かるように枝番(-1、-2等)を付けておきましょう。
特記事項
請求先に伝える必要のある情報は、特記事項としてまとめて記載しておきましょう。例えば、振込手数料は請求元・請求先のどちらが負担するのか等、請求・支払いに関する情報があれば漏れなく記載します。
請求書の送付タイミング
トラブルを回避するためにも、請求書の送付タイミングは請求先と話し合って決めるようにしましょう。
なお、掛売方式の場合は、締め日の翌月上旬に送付することが一般的です。また、都度方式の場合は、納品時または取引完了後すぐに請求書を送付します。この場合は、請求書と納品書を同時に発行しましょう。
請求書の書き方に関する知っておきたいポイント
請求書の書き方に関して、押さえておきたいポイントを紹介します。インボイス制度にも共通するポイントのため、確認しておきましょう。
請求書の書式は自由
請求書の書式は決まっていません。必要事項を網羅していれば問題ないため、書式よりも記載内容を重視して作成しましょう。
しかし、請求のたびに書式を作成するのは効率的とはいえません。必要事項の抜け漏れが発生し、取引先に重要な情報を伝え忘れるおそれがあるだけでなく、インボイスとして利用できなくなる可能性もあります。
また、頻繁に書式を変更すると、取引先に混乱を与えるおそれもあります。手間を省き、取引先に混乱を与えないためにも、あらかじめテンプレートを作成しておきましょう。
押印は必須ではない
請求書に押印は必須ではありません。ただし、日本の商習慣として押印が長く定着しているため、特に支障がなければ押印しておくと安心です。
請求書の書き方についてのよくある質問
請求書の書き方について、よくある質問とその回答を紹介します。ぜひ疑問解消の参考にしてください。
手書きの請求書でも問題はない?
請求書は必ずしもパソコンで作成する必要はなく、手書きでも問題ありません。
ただし、書き損じた場合は、一から作り直しが必要となります。部分的な修正がしやすいパソコンで作成するほうが、請求書作成時の負担を軽減しやすいでしょう。
請求書はEメールで送っても大丈夫?
パソコンで作成した請求書は、紙に印刷して送付することもできますが、データのままEメールで送付しても問題ありません。
ただし、WordやExcelのように上書き可能な形式で送付すると、トラブルになる可能性があります。書き換えを防ぐためにも、PDF形式で送付しましょう。
なお、電子データとして送付・受領した請求書は、電子帳簿保存法の要件に従って保存することが必要です。また、Eメールの件名だけで請求書が添付されていることが分かるようにし、請求書のファイル名も「取引先名・日付・請求番号」など、分かりやすい名称にしましょう。
個人事業主やフリーランスが請求書を発行する際の注意点は?
個人事業主やフリーランスが請求書を発行する場合、取引の中に「所得税を源泉徴収する必要がある取引」が含まれていないか確認しておきましょう。次のような報酬・料金等を源泉徴収義務者が支払う場合は、所得税および復興特別所得税の源泉徴収が必要です。
源泉徴収が必要な取引例
- 原稿料
- 講演料
- 弁護士や司法書士等の特定の資格を持つ人への報酬等
請求書には消費税に関する情報に加え、源泉徴収額も記載しておきましょう。
みずほ銀行の法人口座なら、入金確認がリアルタイムで可能
請求書を発行する最大の目的は、滞りなく入金を受けることです。振込先として信頼性の高い法人口座を指定することは、取引先への安心感につながるだけでなく、自社の経理業務の効率化にも役立ちます。
みずほ銀行の法人口座では、入金状況をリアルタイムで確認できるインターネットバンキングを利用できるため、請求管理の効率化が期待できます。スムーズな取引のためにも、信頼性が高く、入金状況を確認しやすい口座を選びましょう。
関連記事:「法人口座開設におすすめの金融機関は?選び方とメリット・デメリット」
まとめ
請求書は、企業が代金を適切に回収するために必要な書類です。必要事項を抜け漏れなく記載するのは当然のこと、正確さや見やすさにもこだわって作成しましょう。
また、口座情報はインボイス制度の必須記載事項ではありませんが、記載しておくと良いでしょう。請求先がスムーズに支払いを行うために役立つ情報であり、入金遅れの防止にもつながります。
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監修者
安田 亮(やすだ りょう)
- 公認会計士
- 税理士
- 1級FP技能士
1987年香川県生まれ、2008年公認会計士試験合格。大手監査法人に勤務し、その後、東証一部上場企業に転職。連結決算・連結納税・税務調査対応などを経験し、2018年に神戸市中央区で独立開業。