収入印紙とは?必要な文書や金額一覧、貼り方、消印の方法を分かりやすく解説
掲載日:2026年10月14日会計
収入印紙とは、契約書や領収書等の印紙税の課税文書に貼って、印紙税を納めるための証票です。例えば、営業に関して作成される5万円以上の領収書や、一定金額以上の請負契約書等を作成する際に必要となります。
収入印紙の貼り忘れや消印方法の誤りがあると、過怠税が課される可能性があるため、正しく理解しておくことが重要です。
本記事では、収入印紙が必要となる文書の種類や金額、正しい貼り方、消印の方法等について詳しく解説します。なお、本記事の内容は、2026年5月時点の情報に基づいています。
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目次
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収入印紙とは印紙税を納めるための証票
収入印紙とは、主に印紙税や各種手数料等の納付に使用される証票です。
経済取引に伴って契約書や領収書等の課税文書を作成した際には、印紙税が課されます。収入印紙は主に印紙税を納付するためのもので、原則として課税対象となる文書に貼り付け、消印を行うことで印紙税を納税できます。
収入印紙が必要な「課税文書」
収入印紙の貼り付けが必要となるのは、印紙税法別表第1に掲げられている20種類の文書(課税文書)です。主に以下の文書が該当します。
- 不動産の譲渡等に関する契約書
- 土地賃貸借契約書
- 金銭消費貸借契約書
- 請負に関する契約書
- 約束手形・為替手形
- 株券・出資証券
- 合併契約書・吸収分割契約書・新設分割計画書
- 定款
- 取引基本契約書
- 預貯金証書
- 保険証券
- 信用状
- 信託契約書
- 債務保証契約書
- 金銭・有価証券の寄託契約書
- 金銭・有価証券の受取書
なお、課税文書に該当するかどうかは、文書の名称ではなく、その文書に記載されている内容に基づいて判断されます。
収入印紙が不要なケース
一方、不課税文書や非課税文書に該当する場合は、収入印紙が不要です。
| 区分 | 概要 |
|---|---|
|
不課税文書 |
印紙税法で定める課税文書に該当しない文書 |
|
非課税文書 |
課税文書には該当するが、非課税とされる文書 |
不課税文書としては、委任契約書、準委任契約書、労働者派遣契約書、リース契約書等が挙げられます。また、非課税文書には、5万円未満の領収書や1万円未満の請負契約書等が該当します。
なお、電子契約は印紙税法上の「課税文書」に該当しないため、収入印紙を貼り付ける必要はありません。
収入印紙はいくらから必要?
収入印紙の金額は、文書の種類ごとに規定されており、定額で課税されるものや、取引金額に応じて異なるものがあります。
この章では、不動産に関する契約書、請負に関する契約書、領収書(受取書)を例に、必要な印紙税額について解説します。
詳しくは、国税庁「印紙税額一覧表」をご確認ください。
受取書(領収書)
金銭または有価証券の受取書(領収書)は第17号文書に該当し、受取金額が5万円以上の場合に印紙税が課税されます。
| 受取金額 | 印紙税額 |
|---|---|
|
5万円未満 |
非課税 |
|
5万円以上100万円以下 |
200円 |
|
100万円超200万円以下 |
400円 |
|
200万円超300万円以下 |
600円 |
|
300万円超500万円以下 |
1,000円 |
|
500万円超1,000万円以下 |
2,000円 |
|
1,000万円超2,000万円以下 |
4,000円 |
|
2,000万円超3,000万円以下 |
6,000円 |
|
3,000万円超5,000万円以下 |
10,000円 |
|
5,000万円超1億円以下 |
20,000円 |
|
1億円超2億円以下 |
40,000円 |
|
2億円超3億円以下 |
60,000円 |
|
3億円超5億円以下 |
100,000円 |
|
5億円超10億円以下 |
150,000円 |
|
10億円超 |
200,000円 |
|
受取金額の記載のないもの |
200円 |
記載された受取金額が5万円未満の場合は、課税されません。
請負契約書
請負契約書は第2号文書に該当し、契約金額が1万円以上の場合に印紙税が課税されます。
| 受取金額 | 印紙税額 |
|---|---|
|
1万円未満 |
非課税 |
|
1万円以上100万円以下 |
200円 |
|
100万円超200万円以下 |
400円 |
|
200万円超300万円以下 |
1,000円 |
|
300万円超500万円以下 |
2,000円 |
|
500万円超1,000万円以下 |
10,000円 |
|
1,000万円超5,000万円以下 |
20,000円 |
|
5,000万円超1億円以下 |
60,000円 |
|
1億円超5億円以下 |
100,000円 |
|
5億円超10億円以下 |
200,000円 |
|
10億円超50億円以下 |
400,000円 |
|
50億円超 |
600,000円 |
|
受取金額の記載のないもの |
200円 |
ただし、請負契約書であっても、継続する複数の取引の基本条件を定めるものは、第7号文書「継続的取引の基本となる契約書」に含まれる場合があります。例えば、売買取引基本契約書や業務委託契約書等がその典型例です。該当するかどうかは、文書の名称ではなく実態によって判断されます。
なお、第7号文書に該当する場合、印紙税額は一律4,000円です。
不動産に関する契約書等
不動産売買契約書、土地賃貸借契約書、金銭消費貸借契約書等は、第1号文書に該当し、契約金額が1万円以上の場合に印紙税が課税されます。なお、2027年(令和9年)3月31日までに作成される一定の文書には、軽減税率が適用されます。
| 契約金額 | 印紙税額(本則税率) | 印紙税額(軽減税率) |
|---|---|---|
|
1万円未満 |
非課税 |
非課税 |
|
1万円以上10万円以下 |
200円 |
200円 (軽減税率対象外) |
|
10万円超50万円以下 |
400円 |
200円 |
|
50万円超100万円以下 |
1,000円 |
500円 |
|
100万円超500万円以下 |
2,000円 |
1,000円 |
|
500万円超1,000万円以下 |
10,000円 |
5,000円 |
|
1,000万円超5,000万円以下 |
20,000円 |
10,000円 |
|
5,000万円超1億円以下 |
60,000円 |
30,000円 |
|
1億円超5億円以下 |
100,000円 |
60,000円 |
|
5億円超10億円以下 |
200,000円 |
160,000円 |
|
10億円超50億円以下 |
400,000円 |
320,000円 |
|
50億円超 |
600,000円 |
480,000円 |
|
契約金額の記載のないもの |
200円 |
200円(軽減税率対象外) |
収入印紙の種類と金額
収入印紙は1円から100,000円まで、以下のとおり全部で31券種あります。
収入印紙の種類
1円、2円、5円、10円、20円、30円、40円、50円、60円、80円、100円、120円、200円、300円、400円、500円、600円、1,000円、2,000円、3,000円、4,000円、5,000円、6,000円、8,000円、10,000円、20,000円、30,000円、40,000円、50,000円、60,000円、100,000円
文書の種類や取引金額に応じて、1枚または複数枚の収入印紙を組み合わせて貼り付けます。
収入印紙を購入できる場所
収入印紙は、主に郵便局や法務局、コンビニ、金券ショップ等で購入できます。
金券ショップでは、額面より安く収入印紙を購入できる場合がありますが、購入時に消費税がかかる点に注意が必要です。一方、郵便局や日本郵便から委託を受けた印紙売りさばき所(コンビニエンスストアやたばこ店等)で購入する場合は、原則として消費税は課税されません。
なお、収入印紙の購入は現金のみが多く、クレジットカード等のキャッシュレス決済が利用できないことがあります。
収入印紙の貼り方
収入印紙の貼付場所は、法律で明確に定められているわけではありません。契約書や領収書等の余白(貼付欄がある場合はその場所)に貼り付けましょう。
なお、印紙税は契約そのものではなく、文書に対して課税されます。そのため、一つの契約でも、契約書を2通作成して双方が1通ずつ保管する場合は、それぞれの契約書に収入印紙が必要です。
消印の方法
収入印紙を貼り付けただけでは、印紙税を納付したことになりません。原則として、収入印紙を貼り付けて消印を行うことで、印紙税を納付できます。
消印には、印紙の再使用を防止する役割があります。そのため、文書と印紙にまたがるように明瞭に押す必要があり、鉛筆等の簡単に消えるものは使用できません。また、単に印紙に斜線を引いただけでは、消印とはみなされません。
なお、消印は文書の作成者だけでなく、代理人や使用人、その他の従業者でも行えます。また、使用する印鑑に特別な決まりはなく、認印や社判、氏名・名称の自署(名字のみでも可)等でも有効です。
収入印紙の勘定科目と仕訳例
収入印紙を購入・使用した際は、「租税公課」の勘定科目を用いて仕訳します。なお、購入後すぐに使用する場合と、未使用のまま保管する場合で、仕訳方法が異なります。
2,000円の収入印紙を購入し、すぐに使用した場合の仕訳例は以下のとおりです。
2,000円の収入印紙を購入し、すぐに使用した
| 借方 | 貸方 | ||
|---|---|---|---|
|
租税公課 |
2,000円 |
現金 |
2,000円 |
一方、収入印紙を未使用のまま保管する場合は、「貯蔵品」として計上し、使用時に「租税公課」へ振り替えます。
(購入時)1万円分の収入印紙を購入した
| 借方 | 貸方 | ||
|---|---|---|---|
|
貯蔵品 |
10,000円 |
現金 |
10,000円 |
(使用時)2,000円の収入印紙を使用した
| 借方 | 貸方 | ||
|---|---|---|---|
|
租税公課 |
2,000円 |
貯蔵品 |
2,000円 |
収入印紙に関するよくある質問
収入印紙に関するよくある質問を紹介します。
収入印紙と収入証紙の違いは?
収入印紙と収入証紙は似た用語ですが、発行元や用途が異なります。
収入印紙は、主に印紙税(国税)を納めるためのもので、国が発行しています。一方、収入証紙は、地方自治体に手数料等を納める際に使用するもので、主に都道府県が発行しています。
印紙税額は消費税込みの取引金額で判断する?
印紙税は文書の記載金額に応じて課税されますが、「記載金額」とは、原則として税込み金額を指します。
ただし、一部の文書では、消費税額が区分して明記されている場合、消費税額を含めない金額を「記載金額」とみなします*。対象となる文書は以下のとおりです。
- 第1号文書(不動産の譲渡等に関する契約書)
- 第2号文書(請負に関する契約書)
- 第17号文書(金銭または有価証券の受取書)
- *酒税や揮発油税等の個別消費税には適用されません。
収入印紙の貼り付けや消印を忘れるとどうなる?
課税文書に収入印紙を貼り付け忘れると、「過怠税」が課され、原則として本来の印紙税額の3倍相当額が徴収されます(自主的に申し出た場合は軽減措置があります)。
また、消印を忘れた場合や不適切な方法(印紙に斜線を引いただけ等)で消印を行った場合は、本来の印紙税額に加えて、その印紙税額と同額の過怠税が課されます。なお、過怠税は全額を損金に算入できません。
経理処理の効率化に法人口座を活用しよう
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関連記事:「法人口座開設におすすめの金融機関は?選び方とメリット・デメリット」
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まとめ
収入印紙とは、契約書や領収書等の文書に貼り付け、印紙税を納めるための証票です。必要な収入印紙の金額は、課税文書の種類や取引金額等に応じて定められています。
収入印紙を貼り付けただけでは印紙税を納付したことにはならず、適切に消印を行う必要があります。
契約書等の文書を作成する際は、課税文書に該当するか、必要な収入印紙の金額はいくらか等を事前に確認し、適切に印紙税を納付しましょう。
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監修者
安田 亮(やすだ りょう)
- 公認会計士
- 税理士
- 1級FP技能士
1987年香川県生まれ、2008年公認会計士試験合格。大手監査法人に勤務し、その後、東証一部上場企業に転職。連結決算・連結納税・税務調査対応などを経験し、2018年に神戸市中央区で独立開業。