BDRとは?SDRとの違いや新規開拓を成功させる手法ツールを徹底解説
掲載日:2026年9月2日起業準備
BDR(Business Development Representative)とは、新規顧客開拓を目的としたアウトバウンド営業を担う役割です。主に大手企業(エンタープライズ)をターゲットとし、電話やEメール等を用いて積極的にアプローチする役割を指します。
本記事では、BDRの実施方法や成功のポイントを解説します。また、効率的にBDRを進めていく際に活用できるツールも紹介するため、ぜひチェックしてみてください。
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BDRとは?
BDR(Business Development Representative)とは、新規顧客開拓を目的にアウトバウンド営業を担うインサイドセールスの役割です。BDRの理解を深めるために、「アウトバウンド」と「インサイドセールス」について確認しましょう。
アウトバウンドとは、企業側からターゲットとなる顧客へ能動的にアプローチを行う「プッシュ型」の営業手法を指します。自社をまだ認知していない潜在層に対しても、直接接点を創出できる点が特徴です。
その対義語である「インバウンド」は、LPやSNS、ブログ等を通じて有益な情報を発信し、顧客側から自然に問い合わせや関心を喚起する「プル型」の手法です。
また、インサイドセールスとは、Eメールや電話、WEB会議システム等の非対面ツールを活用する「内勤型」の営業手法を指します。
これらのツールを活用することで、顧客先へ出向くことなく、場所を問わず効率的に営業活動を行える点が特徴です。一方、インサイドセールスの対義語は「フィールドセールス」で、実際に顧客先を訪問し、対面で商談や提案を行う営業手法を指します。
BDRが注目される理由
企業が持続的に利益を得るためには、長期的かつ高単価の契約が見込める大企業(エンタープライズ)との取引が重要とされています。中小企業や個人との契約も重要ですが、事業方針や規模の変化により短期間で打ち切られる可能性や単価が低くなる傾向があるため、安定した利益を見込むのが難しい場合もあります。
例えば、クラウド上でソフトウェアを提供するSaaS企業は、顧客がインターネット経由で容易にサービスを導入できる一方、高い解約率に悩まされるケースもあります。長期的かつ高単価の契約が見込めるエンタープライズとの契約締結は、企業の存続において重要な要素です。
前述の通り、BDRはアウトバウンドによる新規顧客開拓を担う役割です。実務では、アプローチの難易度が高いエンタープライズ(大手企業)への開拓を専門とするケースが一般的です。BDRを導入することで、顧客発掘から商談までシームレスに進めることが可能です。手法を具体的に理解し、取引先の新規獲得につなげましょう。
BDRとSDRの違い
BDRと混同しやすい概念の一つに、SDR(Sales Development Representative)があります。SDRとBDRはいずれもインサイドセールスの役割ですが、SDRはインバウンド対応が中心であるのに対し、BDRはアウトバウンド営業が中心である点が異なります。また、SDRは主に中小企業をターゲットとする傾向があります。
基本的にBDRは、ニーズが顕在化していない潜在層にアプローチする営業活動を担います。しかし、SDRは既に購入を前向きに考えている顕在層にアプローチし、見込み客からの問い合わせを起点として営業を開始する点が異なります。
BDRとABMの関係
BDRとともに語られることが多い言葉として、ABM(Account Based Marketing)が挙げられます。ABMとは、自社にとって高い価値を持つ企業を選定し、戦略的にマーケティングと営業を実施する手法です。
BDRは、ABMの考え方をベースに行われることが一般的です。アプローチを開始する前にターゲットを絞り込むため、効率的な営業活動を実現できます。
BDRにおける顧客へのアプローチ手法
BDRでは、主に以下の方法で顧客にアプローチします。
- ターゲットのキーパーソンとつながる
- 既存顧客に未契約部門の商材を紹介する
- 展示会等に参加し顧客との接点を増やす
- 顧客に有用なコンテンツを配信する
それぞれの方法について解説します。
ターゲットのキーパーソンとつながる
エンタープライズでは、意思決定プロセスに複数の関係者が関わることが一般的です。しかし、意思決定の鍵を握る人物は限られています。
まずは企業のウェブサイトや組織図、企業情報データベース等を活用して、キーパーソンを見つけましょう。過去に商談を行ったことがある場合は、その際の担当者に確認するのも一つの方法です。また、役職や担当業務からキーパーソンを見付けることも可能です。
キーパーソンを特定してから営業活動に着手することで、効率的に進めることができるでしょう。ただし、実際のアプローチにおいては十分な配慮が必要です。
大企業では、不正防止の観点から特定の営業行為を制限しているケースがあります。また、身分や要件を偽って無理に電話をつないでもらうような手法は、相手の通常業務を著しく妨害するトラブルにつながります。
効果的な営業を実現するためにも、キーパーソンの特定は欠かせませんが、相手の業務の妨げにならないよう節度を保ち、適切な営業活動を行うことが大切です。
既存顧客に未契約部門の商材を紹介する
主に新規顧客開拓を目的とするBDRですが、既存顧客にもアプローチすることがあります。既に取引のある商品やサービスの上位モデルをすすめる「アップセル」や、異なる商品・サービスとの併用を促す「クロスセル」を実施し、顧客単価の増大を図ります。
既存顧客なら、意思決定のキーパーソンが既に明らかになっていることが多いため、より効率的な営業が可能です。顧客の課題解決につながる商品・サービスを提案できるよう、ニーズを丁寧に分析してからアプローチしましょう。
展示会等に参加し顧客との接点を増やす
展示会等のイベントは、特定のテーマやジャンルに関心を持つ層が集まるため、BDRにおいて貴重な顧客接点として活用されます。まずは名刺交換を行い、関係を構築しましょう。
名刺交換の際には、自己紹介だけでなく、相手の課題やニーズに関する情報を把握することが重要です。課題解決やニーズに応える適切な自社商材をその場で紹介し、相手の関心を惹き付けましょう。
また、イベント終了後には迅速にフォローアップを行うことも重要です。イベントや商材に対する記憶が鮮明なうちに、詳細な資料や見積もり等を送付しましょう。
顧客に有用なコンテンツを配信する
顧客にとって有用なコンテンツを提供することも、BDRの手法の一つです。MA(Marketing Automation)ツールを活用し、有用なコンテンツを適切なタイミングで配信しましょう。
コンテンツ内にはワンクリックで問い合わせや購入ができるように、ボタンを配置しておくことも大切です。営業機会を逃さないためにも、コンテンツは丁寧かつ戦略的に作成しましょう。
BDRを成功に導くポイント
BDRを成功させ、顧客獲得と売上増を実現するためのポイントとして、次の点が挙げられます。
- 目標を明確にする
- ターゲットとキーパーソンの情報を入手・分析する
- 適切な情報を適切なタイミングで提供する
それぞれのポイントを解説します。
目標を明確にする
BDRには、商談創出につなげるための多様な取り組みが含まれます。多角的に営業活動を展開できる点はメリットといえますが、取り組みが広範囲にわたるため、目標を明確にしないと活動に一貫性が失われる恐れがあります。
顧客にすすめる商材の種類に応じて適切にアプローチ方法を変えることも重要ですが、基盤となる目標が揺らがないようにすることが重要です。まずは目標や方針を明確にすることで、営業活動やアプローチに一貫性を持たせましょう。
ターゲットとキーパーソンの情報を入手・分析する
ターゲット企業やキーパーソンの情報を入手した後、特性やアプローチの方針等を丁寧に分析します。
また、目標となるLTV(顧客生涯価値)等の具体的な数値を算出しておくと、アプローチの優先順位をつけやすくなるでしょう。
適切な情報を適切なタイミングで提供する
有益な情報であっても、提供相手やタイミングによっては価値が十分に伝わらない場合があります。顧客にとって有益な情報を適切に評価してもらうためにも、ターゲットとタイミングを適切に判断することが重要です。
ターゲットにおけるニーズの高まりは、MAツールの活用により可視化できることがあります。ツールを適切に活用し、効率的なアプローチを実現しましょう。
BDRに活用できるツール
BDRに活用できる代表的なツールとしては、次のものがあります。
- ABMツール
- SFAツール
- CRMツール
- MAツール
それぞれのツールでできることや注意点を紹介します。なお、同じツールであっても、ベンダーやタイプによって機能や操作性が異なる点に注意が必要です。自社に適したツールを導入するためにも、複数のベンダーやタイプのツールを比較しましょう。
ABMツール
ABMツールとは、ターゲットアカウントを選定し、マーケティングと営業が連携して戦略的にアプローチするために、施策の実行と効果測定を一元管理するツールです。キーパーソンの情報や過去の取引情報等も整理できるため、ターゲットのニーズに合った自社商材の分析にも役立ちます。
また、ターゲットの自社サイト上での行動履歴も管理できるため、顕在ニーズだけでなく潜在ニーズの把握にも有効です。ターゲットへの理解を深めたい場合は、ABMツールの導入を検討することが有効です。
SFAツール
SFA(Sales Force Automation)ツールとは、商談の進捗管理や活動履歴の記録・売上予測等の営業プロセスを自動化・可視化し、営業効率を高める支援ツールです。営業活動の可視化や効率化を図るために活用されます。
また、SFAツールはインサイドセールスだけでなく、フィールドセールスにも活用できます。対面型の営業も行っている企業は、SFAツールの導入を検討しましょう。
CRMツール
CRM(Customer Relationship Management)ツールとは、顧客情報を一元管理するツールです。CRMツールで情報を管理しておくと、担当者以外が顧客と連絡を取る場合でも、スムーズな対応や営業活動が可能になります。また、担当者変更時の引き継ぎもスムーズです。
顧客情報を一元管理することで、自社サービスの利用状況や課題、ニーズを客観的に分析でき、アップセルやクロスセルにつなげやすくなります。なお、顧客情報は営業やマーケティングに不可欠であるため、SFAツールやMAツールとのAPI連携やデータ同期の仕様を事前に確認する必要があります。そのうえで、データが分断されない統合環境を構築できるかを検討し、導入することが重要です。
MAツール
MAツールとは、マーケティングの自動化に活用できるツールです。
顧客や見込み客の行動データをスコアリングし、購買意欲が高まったタイミングを検知して自動的にアプローチを実行できます。より効果的なタイミングでアプローチが可能となり、インサイドセールスからフィールドセールスへの引き継ぎもスムーズになります。
MAツールには、資料請求をした顧客へのフォローアップメールの自動送信や、閲覧履歴に応じた関連コンテンツへの誘導等の機能が搭載されています。顧客のオンライン上の活動をマーケティングに活用するためにも、MAツールの導入を検討することが有効です。
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BDRが成功し、いざ大手企業(エンタープライズ)との契約フェーズに進む際、避けて通れないのが企業審査です。メガバンクの法人口座を保有していることは、貴社の社会的信頼性を上げる一つの要素となり、スムーズな商取引の開始を後押しするでしょう。
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関連記事:「法人口座とは?個人口座との違いや3つのメリットを分かりやすく解説」
まとめ
収益の安定を図るためには、エンタープライズをターゲットとした営業活動の推進が重要です。
BDRは、ターゲットの選定やキーパーソンへのアプローチ、適切なツールの活用等の戦略的な取り組みが成果を左右します。BDRへの理解を深め、多様なアプローチで営業活動を進めていくことを検討しましょう。
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監修者
持木 健太(もちき けんた)
- TOMAコンサルタンツグループ株式会社 取締役
- 中小企業診断士
DX推進の総責任者として、テレワーク環境構築・ペーパーレス化・電子帳簿保存法対応・ビジネスモデルの再構築などで活躍中。
企業の労働生産性向上や付加価値向上を目指して、中小企業から上場企業まで幅広く対応している。