コーポレートカードとは?ビジネスカードとの違いや利用するメリットを解説
掲載日:2026年9月2日起業準備
コーポレートカードとは、中堅・大企業や成長企業向けに発行される法人カードです。導入することで、従業員の立替精算の手間を削減でき、経理業務の効率化が期待できます。
さらに、インボイス制度や電子帳簿保存法への対応を支えるツールとして注目されています。一方で、導入前にはコストや社内ルールの整備等、確認すべきポイントがあるため、事前の準備も欠かせません。
本記事では、コーポレートカードの基本からビジネスカードとの違い、利用メリットや選び方まで解説します。導入を検討している経営者や経理担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
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目次
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コーポレートカードとは
コーポレートカードとは、法人カードの一種で従業員の経費精算や経費管理の効率化を目的としたクレジットカードです。
中堅企業や大企業を中心に導入されることが多いものの、近年はガバナンス強化を急ぐスタートアップ企業での導入も増えています。
数十〜数百枚単位での追加カード発行に対応しており、個々のカードごとに利用限度額や利用可能な部署を設定できる場合もあります。
出張費や交際費等の事業関連費用をカードで一元管理でき、利用限度額も個人カードより高く設定されているため、まとまった経費決済にも対応できます。
関連記事:「法人カードを作るメリットとは?カードの作り方やデメリット・注意点も解説」
ビジネスカードとの違い
コーポレートカードとビジネスカードの主な違いは、対象となる企業規模です。ビジネスカードは経営者や少数の従業員を対象とするのに対し、コーポレートカードは部門単位での予算管理が必要な企業に適しています。
追加カードの発行枚数はカード会社や商品によって異なりますが、コーポレートカードは多数枚の発行に対応する商品が多い点が特徴です。
さらに、部署や役職ごとに利用限度額を設定できたり、カードごとの利用明細をリアルタイムで統合管理できる場合がある点も、ビジネスカードとの違いです。
個人カードとの違い
個人カードは個人名義の口座のみ登録可能ですが、コーポレートカードは法人口座を支払口座に指定できます。
付帯サービスにも違いがあり、個人カードは私生活で役立つ特典が中心である一方、コーポレートカードは経費精算システムとの連携や福利厚生等、業務効率化を支援するサービスが充実しています。
追加カードの発行という観点では、個人カードは家族カードに限られます。一方、コーポレートカードは社員用の追加カードを複数枚発行でき、企業の経費管理に適した仕様が特徴です。
コーポレートカードを利用するメリット
コーポレートカードを導入することで、企業は業務効率化やコスト削減など、複数のメリットを得られます。
以下では、コーポレートカード導入によって得られる5つのメリットを解説します。
経費精算業務を効率化できる
コーポレートカードで支払った経費は利用明細に自動記録されるため、社員による立替払いや領収書管理の手間が大幅に削減されます。経費精算書の作成や承認、返金処理といった複数の工程も削減可能です。
また、経費精算システムと連携させれば利用データを自動で取り込むことができ、手入力によるミスや計上漏れの防止にもつながります。
なお、法人カードの利用明細データは電子帳簿保存法における電子取引データとして保存可能です。ただし、明細単体では原則としてインボイス(適格請求書)の要件を満たさないため、店舗発行の領収書との突合が必要な点は押さえておきましょう。
会計処理が簡略化されることで経理部門は本来の業務に集中でき、全社的な業務効率の向上が実現します。
利用限度額が大きい
コーポレートカードは、個人カードやビジネスカードと比較して利用限度額が高めに設定されており、まとまった経費決済にも柔軟に対応できます。
なお、企業の財務状況や運営年数、代表者の信用情報等が考慮され、安定した企業ほど高い限度額が設定される傾向にあります。
オフィス用品の一括購入や税金・公共料金の支払い等、高額決済が必要な場面でも、十分な利用限度額があれば一度に決済を完了させられる点がメリットです。利用限度額の不足によって業務に支障が出るリスクを回避でき、社員の立替負担も軽減できます。
法人口座を支払口座に指定できる
コーポレートカードは会社名義の法人口座を引き落とし口座に設定でき、事業経費の支払いを一元管理できます。会社決済型を選択すれば、複数の社員用カードもすべて同一の法人口座から引き落とされるため、経理処理の効率化が期待できます。
また、個人カードで経費とプライベートな支出が混在する場合は、明細を一つずつ確認して経費登録する必要がありますが、法人口座での一括引き落としなら手間を軽減できます。
さらに、会計ソフトと連携させれば法人口座の明細を自動で取り込むことができ、業務関連の支払いをより一層スムーズに管理できます。
関連記事:「法人口座の開設方法は?メリットや金融機関の選び方、必要書類を解説」
追加カードを発行できる
コーポレートカードは代表者用だけでなく、社員向けに追加カードを複数枚発行でき、各社員が経費をカードで直接決済できます。追加カードの活用により、社員個人による経費の立替払いを削減でき、金銭的負担や精算業務の手間を軽減できます。
カード利用明細によって、誰がいつどこで何に対して支払ったかが明確になるため、不要な経費の計上や不正利用の防止にも効果的です。カードごとに利用限度額を設定できる機能を活用すれば、権限を超えた支出を未然に防ぎ、ガバナンス強化にもつながります。
キャッシュ・フローを改善できる
コーポレートカードで経費を支払うと、カード利用日から実際の引き落とし日まで猶予期間が生まれ、手元資金を一定期間確保できます。
締め日や決済日を調整することで、引き落としを1ヵ月程度先送りできる場合もあり、急な出費が重なった場合でも資金繰りに余裕を持たせられます。
毎月決まった日に利用金額がまとめて引き落とされる仕組みにより、支出を把握しやすく、キャッシュ・フロー管理が容易になる点もメリットです。
支払いから引き落としまでの猶予を活用することで運転資金を確保しやすくなり、資金繰りの安定化や事業拡大への投資余力の創出につながります。
コーポレートカードを利用する際の注意点
コーポレートカードにはメリットが多い一方で、導入前に確認すべき注意点もあります。以下では、事前に把握しておきたい注意点を解説します。
年会費がかかる
コーポレートカードでは、基本的に年会費が発生します。年会費無料のカードも一部ありますが、付帯サービスや保険内容が限定的な場合が多いです。
一般的に、追加カードを発行する場合は1枚ごとに追加の年会費が発生するため、発行枚数が多いほどコスト負担が増加する点に注意が必要です。
なお、年会費は経費として計上できるため、付帯サービスの内容と照らし合わせて費用対効果を十分に検討しましょう。
管理体制の構築が必要になる
コーポレートカードを導入する際には、不正利用や紛失を防ぐための社内ルールの整備が必須です。利用可能なシーンや金額の上限、カードの保管方法等を社内規定で明確に定める必要があります。
追加カードを複数枚発行する場合は、各カードの管理責任者を決め、使用状況を定期的にチェックする体制を整備しましょう。ルールを策定するだけでなく、従業員への研修や周知を徹底し、定期的に見直すことで不正利用のリスクを抑制できます。
キャッシング機能が使えない場合がある
多くのコーポレートカードではキャッシングサービスが利用できず、ATMでの現金借り入れは行えません。法人カードは、貸し倒れリスクを抑えるためにキャッシング機能を制限している場合がほとんどです。
分割払いやリボ払いを利用できないコーポレートカードも多く、高額な決済が重なると資金繰りに影響する可能性があります。契約形態やカード会社によって支払方法が異なるため、導入前にキャッシング機能や支払方法の有無を必ず確認しましょう。
コーポレートカードの選び方
コーポレートカードは各カード会社によって特徴が異なるため、自社に最適な1枚を選ぶことが大切です。以下では、コーポレートカードの選び方を解説します。
利用目的に合ったサービスで選ぶ
自社が抱える業務課題を明確にし、その解決につながる機能や付帯サービスが充実したカードを選ぶことが重要です。
例えば、経費精算業務の効率化を図りたい場合は、経費精算システムとの連携機能が利用できるカードが適しています。海外出張が多い企業であれば、旅行傷害保険や空港ラウンジサービス、接待が多い場合は飲食店の優待特典が付帯されたカードを検討すると良いでしょう。
出張費や備品購入等の利用シーンに応じた付帯サービスを比較し、実際の業務で活用しやすいカードを選ぶことが大切です。
年会費で選ぶ
年会費はカードを保有する限り発生する固定費であり、カード会社やグレードによって金額が異なります。一般的に、追加カードを発行する場合は1枚ごとに年会費が加算されるため、発行枚数を考慮して総額を試算しましょう。
年会費が高額なカードほど付帯サービスや保険内容が充実している傾向があり、単純に安さだけで選ばず、費用対効果を重視することが大切です。
年会費と付帯サービスのバランスを見極め、自社にとって必要なサービスが含まれているかを確認したうえで判断しましょう。
利用限度額で選ぶ
毎月どの程度の金額を決済するかを事前に把握し、自社に必要な利用限度額を備えたカードを選ぶことが重要です。クラウドサービスやサブスクリプション、ウェブ広告等のカード決済のみに対応しているサービスは、利用限度額を圧迫する原因となります。
利用限度額がリセットされるタイミングは締日ではなく支払日であるため、締日から支払日までの決済にも対応できる余裕が必要です。1ヵ月に発生する支払額に、余裕を持たせた利用限度額を設定できるカードを選ぶことが望ましいです。
決済サイクルで選ぶ
クレジットカードには、締日と支払日による決済サイクルが設定されており、カード会社によって選択肢が異なります。決済サイクルを自社のキャッシュ・フローに合わせて選べるカードであれば、より効果的に資金繰りの改善に活用できます。
カード利用日から引き落としまでの期間が長いほど手元資金に余裕が生まれ、出張や接待等の大きな出費が続く際にも対応しやすくなります。また、自社の経理処理のタイミングに合った締日を選べるカードであれば、月次集計や支出管理がしやすくなり、業務効率化につながります。
サポート体制で選ぶ
初めて法人カードを導入する企業では、管理体制の構築に不安を抱くケースがあるため、カード会社のサポート体制が充実しているかを確認しましょう。利用マニュアルの作成支援や導入事例の提供を行っているカード会社であれば、導入時の負担を軽減できます。
また、カードの紛失や盗難が発生した際に24時間対応のサポート窓口があれば、トラブル時にも迅速に対応できる点もメリットです。新規導入時の研修サポートや運用相談に応じてくれるカード会社を選ぶことで、スムーズな導入と継続的な運用が可能となります。
コーポレートカードの申込手順
コーポレートカードの申込手順は大きく3つのステップに分かれています。以下では、申し込みから審査・発行までの具体的な流れを順を追って解説します。
ステップ1:申し込み
まずは、カード会社の公式ウェブサイトや専用フォームから申し込み手続きを開始し、法人の基本情報や利用目的等を入力しましょう。
オンライン申し込みでは、画面案内に沿って必要事項を入力した後、カード会社から確認の連絡や案内が届きます。書面での申し込みを選択する場合は、申込書を取り寄せて記入し、必要書類とともに郵送する方法もあります。
申し込み内容の確認や詳細のヒアリングとして、カード会社から電話連絡が入る場合があるため、申し込み後は連絡が取れる状態にしておきましょう。
ステップ2:必要書類の準備
申し込みを行う際は、法人の登記簿謄本または履歴事項全部証明書等、会社の基本情報を証明する公的書類の準備が一般的に必要です。なお、近年はオンライン審査による登記情報の自動照会で提出不要となるケースも増えています。
代表者の本人確認書類として、運転免許証やマイナンバーカード、パスポート等の顔写真付き身分証明書を用意しましょう。
カード利用代金の引き落とし先となる法人口座の情報や、口座振替依頼書の提出を求められる場合が多く、審査内容によっては決算書や事業計画書等の追加書類の提出を依頼される可能性もあります。
関連記事:「事業計画書とは?主な記載項目と書き方のポイントを分かりやすく解説!」
ステップ3:審査・発行
提出書類を基にカード会社による入会審査が実施され、審査結果は申込者にメールまたは書面で通知されます。審査通過後に本人確認のための書類が郵送されるケースが多く、受領が確認されてから次のステップに進みます。
本人確認の手続きが完了した後、法人の所在地または指定住所宛にカードが届きます。申し込みからカード発行までの期間は、手続方法や審査状況により異なりますが、おおむね2週間から1ヵ月程度が目安です。
法人口座をお探しならみずほ銀行がおすすめ
コーポレートカードの支払口座には法人口座を指定できるため、カード導入と同時に法人口座の開設を検討する企業も多く見られます。法人口座とコーポレートカードを組み合わせることで、経費の一元管理や経理業務の効率化が実現します。
みずほ銀行では最短即日に法人口座を開設でき、登記事項証明書・印鑑証明書の原本提出が原則不要なため、書類準備の手間も軽減されます。
他にもみずほ銀行では法人向けの各種サービスが充実しているため、法人口座の開設をご検討の方は、ぜひみずほ銀行をご検討ください。
まとめ
コーポレートカードは、中堅・大企業や成長企業向けに発行される法人カードであり、経費精算業務の効率化や資金繰りの改善等、多くのメリットがあります。
一方、年会費の発生や管理体制の構築が必要といった注意点も存在するため、導入前に十分な確認が欠かせません。自社の業務課題や利用目的を明確にしたうえで、年会費や利用限度額を比較検討し、自社に最適なコーポレートカードを選びましょう。
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監修者
内山 貴博(うちやま たかひろ)
- 1級FP技能士
- CFP
大学卒業後、証券会社の本社で社長室、証券業務部、企画グループで5年半勤務。その後FPとして独立。金融リテラシーが低く、資産運用に保守的と言われる日本人のお金に対する知識向上に寄与すべく、相談業務やセミナー、執筆等を行っている。
日本証券業協会主催「投資の日」イベントや金融庁主催シンポジウムで講師等を担当。
2018年に日本人の金融リテラシー向上のためのFPの役割について探求した論文を執筆。