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フレックスタイム制とは?コアタイムの意味や導入のメリット・デメリットを解説

掲載日:2026年5月8日勤怠管理

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1987年の労働基準法改正で制度化されたフレックスタイム制は、働き方改革やコロナ禍によるリモートワークの普及を背景に、導入する企業が緩やかに増加しています。

令和7年に厚生労働省が実施した調査では、従業員1,000人以上の企業のうち34.5%(およそ3分の1)がフレックスタイム制を導入しており、働き方の一つとして広く認知されています*

また、2019年4月施行の法改正で職場におけるフレックスタイム制の清算期間の上限が延長される等、より柔軟な運用が可能になったことから、働き方の多様化を実現する手段として導入を検討する企業もあります。

本記事では、フレックスタイム制の概要に加え、導入によるメリットやデメリット、注意すべきポイント等を紹介します。

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  • *本記事は、株式会社みずほ銀行が提供しています。
  • *記事の制作にあたっては、外部の協力会社に一部業務を委託しています。監修者は、情報の正確性・公平性の観点から監修を行っており、特定の商品やサービスをおすすめするものではありません。

フレックスタイム制とは

フレックスタイム制とは、あらかじめ定められた清算期間における総労働時間の範囲内で、労使協定等に基づき、日々の始業・終業時刻や労働時間を従業員が調整できる制度です。

例えば、総勤務時間を1ヵ月当たり160時間と定める場合、法定労働時間の範囲内で、日によって1日5時間、10時間など勤務時間を調整できます。

多くの企業で採用される固定勤務制(例9時~18時<実働8時間>)は、定められた始業・終業時刻に従って働くことを前提とした勤務形態です。

一方、フレックスタイム制では従業員が勤務時間を調整できるため、「子どもの保育園送迎に合わせて勤務する」「習いごとで週1回は早めに帰宅する」といった多様な働き方を実現できます。

ただし、フレックスタイム制では、必ず勤務する時間帯(コアタイム)や、始業・終業時刻を選べる時間帯(フレキシブルタイム)を設ける運用が一般的です。例えばコアタイムを設定することで、従業員が調整できる時間帯に一定の範囲を設けることもできます。

コアタイム

コアタイムとは、フレックスタイム制において、従業員が必ず勤務しなければならない時間帯を指します。

コアタイムは労使協定で柔軟に定めることができ、「コアタイムのない日を設ける」「曜日ごとに時間帯を変える」等の運用も可能です。

ただし、コアタイムが1日の労働時間とほぼ同程度になる場合や、フレキシブルタイムが極端に短い場合等は、フレックスタイム制の趣旨(日々の始業・終業時刻や労働時間を従業員が調整できること)に反し認められない恐れがあるため注意が必要です。

また、コアタイムの設定は任意とされているため、フレックスタイム制を導入するからといって必ずしも設ける必要はありません。ただし、従業員同士が連絡や打合せを行う時間を確保し、社内コミュニケーションを円滑にするのに、コアタイムの設定が有用な場合もあります。

フレキシブルタイム

フレキシブルタイムとは、フレックスタイム制において、従業員が自らの選択で始業・終業時刻等を調整できる時間帯のことです。フレキシブルタイムの範囲内であれば、従業員は出社・退社や中抜け等、勤務時間を柔軟に決められます。

フレキシブルタイムは、制度の趣旨を踏まえて幅を設けて運用するのが一般的ですが、労使協定の定め方によっては必ずしも明確に設定しない運用もあり得ます。

フレキシブルタイムは、多くの場合、コアタイムの前後に設けられています。例えば、フレキシブルタイムを「7時~10時に始業、15時~19時に終業(コアタイム:10時~15時)」と定めた場合、「9時に出社し、15時に30分中抜けして17時に退社する」といった働き方が可能です。

スーパーフレックスタイム制との違い

フレックスタイム制ではコアタイムを設けない運用(いわゆる「フルフレックス」「スーパーフレックスタイム制」と呼ばれることがあります)も可能です。コアタイムを設けない運用でも、清算期間内の総労働時間で管理する点など、基本的な仕組みはフレックスタイム制と同様です。

コアタイムがない場合、必ず勤務すべき時間帯が固定されないため、従業員は日々の都合に合わせてより柔軟に働きやすくなります。

清算期間

清算期間とは、従業員の勤務時間について過不足の判定対象となる期間を意味します。例えば、「清算期間を1ヵ月、毎月1日を起算日とする」フレックス制では、毎月1日から月末までが清算期間となります。

原則として、法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えて労働させた時間は時間外労働となります。ただし、フレックスタイム制では、1日単位ではなく清算期間内の総労働時間(法定労働時間の総枠等)を基準に、時間外労働の有無を判断します。

清算期間は最長3ヵ月以内と定められています。なお、清算期間が1ヵ月を超える場合は、労使協定を所轄の労働基準監督署長に届け出る必要があります。清算期間が長いほど労働時間管理や割増賃金の計算が煩雑になりやすいため、運用負担を踏まえて1ヵ月とするケースが多いようです。

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フレックスタイム制を導入しやすい業種や職種

就労条件総合調査(2020年)によると、フレックスタイム制を採用している企業割合は産業(業種)によって差があり、割合が高い産業は次のとおりです*

業種 フレックスタイム制を採用している企業の割合

製造業(常用労働者1,000人以上)

57.4%

情報通信業

30.0%

学術研究、専門・技術サービス業

18.0%

複合サービス事業

16.5%

金融業、保険業

14.4%

電気・ガス・熱供給・水道業

14.2%

上記から、製造業(大規模企業)や情報通信業等では、フレックスタイム制の採用割合が相対的に高いことが分かります。一方で、同じデータでは、建設業(1.1%)、教育・学習支援業(1.3%)、宿泊業・飲食サービス業(2.0%)等、採用割合が低い産業もみられます。

産業ごとの業務特性を踏まえると、従業員が個人の裁量で勤務時間を調整しやすいかどうかは、フレックスタイム制の採用を検討する際の重要な要素といえるでしょう。

導入にあたっては、自社の業務特性に適しているかを確認したうえで、対象部署や運用ルール(勤怠管理方法、会議時間帯の扱い等)を整理することが大切です。

フレックスタイム制を導入するメリット

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会社がフレックスタイム制を導入するメリットには、次のようなものが挙げられます。

  • 従業員のワークライフバランスを実現できる
  • 事業の業務効率がアップする
  • 残業時間のムダを削減して勤務時間を効率的に配分できる
  • より多くの人材・優秀な人材を確保できる
  • 離職率の低下につながる

それぞれのメリットを詳しく解説します。

従業員のワークライフバランスを実現できる

フレックスタイム制では、(定められた範囲内で)従業員が勤務時間を調整でき、ライフスタイルに合わせた働き方を選びやすくなります。

例えば、子どもの送迎や家族の介護、資格試験の学習時間等を確保しながら、キャリアアップをめざせます。

事業の業務効率がアップする

始業・終業時刻が固定された勤務形態では、終業時刻が決まっているため、業務を早く終えても定時までは退勤できません。その結果、業務を早く終える動機づけが弱くなり、定時を前提に仕事のペースが組まれやすい面があります。

フレックスタイム制では、業務を終えたら退勤する選択がしやすくなるため、業務効率の向上が期待されます。また、通勤ラッシュを避けられることでストレスが軽減し、仕事への意欲向上にもつながる可能性があります。

残業時間のムダを削減して勤務時間を効率的に配分できる

始業・終業時刻が固定された勤務形態では、繁忙期に時間外労働が発生しやすい一方で、閑散期は業務量が少なくても所定の終業時刻まで勤務することになります。

フレックスタイム制を導入すると、繁忙期と閑散期に応じて労働時間を調整しやすくなり、業務量に合わせて勤務時間を効率良く配分できます。その結果、不要な時間外労働が減り、割増賃金など人件費の抑制にもつながる可能性があります。

より多くの人材・優秀な人材を確保できる

多様な働き方が重視される中、フレックスタイム制は求職者にとって魅力的な制度です。時間の融通が利く仕事を探している人やプライベートの時間を重視したい人にとって、応募しやすくなり、これまで応募をためらっていた層にも訴求しやすくなるでしょう。

少子高齢化等により人材確保が課題となる中、採用競争力を高める要素の一つとなる可能性があります。

離職率の低下につながる

20代~40代の働き盛りでも、育児や親の介護等を理由に、休職や離職を検討するケースは少なくありません。しかし、フレックスタイム制により勤務時間を調整しやすくなることで、休職や離職の抑制につながる可能性があります。

事業を継続し人材を育成していくうえで、従業員の将来的なライフスタイルの変化に対応しやすいことは、フレックスタイム制の大きなメリットの一つです。

フレックスタイム制を導入するデメリット

会社がフレックスタイム制を導入すると、次のようなデメリットも想定されます。

  • 従業員の勤務時間を管理しづらくなる
  • 社内でコミュニケーション不足が生じる
  • 取引先への対応が難しくなる

それぞれのデメリットを詳しく解説します。

従業員の勤務時間を管理しづらくなる

フレックスタイム制を導入すると、勤怠管理が複雑になり、人事・労務担当者の負担が増える可能性があります。始業・終業時刻が固定された勤務形態と異なり、従業員ごとに出退勤時刻や日々の労働時間にばらつきが出やすく、労働時間の把握・集計が複雑になりやすいためです。

また、勤怠の確認が不十分な場合、清算期間の総労働時間に不足が生じることがあり、賃金控除の要否や本人への指導等、個別対応が必要になることもあります。

社内でコミュニケーション不足が生じる

フレックスタイム制では働く時間帯が分散し、従業員同士が顔を合わせる時間が少なくなるために、相談や報告が滞り業務に支障を来す可能性があります。

ただし、リモートワークの普及が進む中、業種や職種によってはチャットやウェブ会議等を活用することで、影響を抑えられる場合もあるため、対応方法を検討すると良いでしょう。

取引先への対応が難しくなる

取引先が始業・終業時刻が固定された勤務形態の場合、自社がフレックスタイム制を導入すると、連絡可能な時間帯が合わなくなることがあります。担当者と連絡が取れない、出社時刻が分からないといった状況が続くと、取引先の不信感につながるかもしれません。

フレックスタイム制導入後も取引先対応を円滑に進めるために、情報共有や担当者のバックアップ体制を整え、必要に応じて代替対応できる環境を整備することが重要です。

フレックスタイム制の導入方法

会社にフレックスタイム制を導入するには、法律に定められた要件を満たす必要があります。

  1. 就業規則等に定める
  2. 労使協定を締結する

フレックスタイム制に必要な要件を確認しておきましょう。

①就業規則等に定める

フレックスタイム制を導入する際は、就業規則その他これに準ずるものに、始業・終業時刻を労働者の決定に委ねる旨を定める必要があります。コアタイムやフレキシブルタイムを設ける場合(就業規則等に記載する場合)には、その時間帯も併せて定めます。

(常時10人以上の労働者を使用する事業場では)就業規則の作成・変更後、意見書を添えて所轄の労働基準監督署長に届け出ましょう。届け出を行わない場合、労働基準法違反となります。

②労使協定を締結する

フレックスタイム制の運用にあたっては、労働者の過半数で組織する労働組合または労働者の過半数を代表する者と、労使協定を締結します。労使協定では、法令で定められた事項を必ず定めます(必要に応じて定める事項もあります)。

  • 対象となる労働者の範囲
  • 清算期間とその起算日
  • 清算期間における総労働時間
  • 標準となる1日当たりの労働時間
  • コアタイム(任意)
  • フレキシブルタイム(任意)

労使協定の届け出は原則不要です。ただし、清算期間が1ヵ月を超える場合は、管轄の労働基準監督署に届け出なければならないため注意しましょう。

フレックスタイム制で注意すべきポイント

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フレックスタイム制は多様な働き方の実現に適した制度ですが、勤怠管理や割増賃金の算定が複雑になり、誤った運用に陥る恐れもあります。

そこで、フレックスタイム制の運用で注意すべきポイントを紹介します。

フレックスタイム制でも労働時間の管理が求められる

始業・終業時刻が固定された勤務形態からフレックスタイム制に変わっても、会社は従業員の勤怠管理を適切に行わなければなりません。36協定に基づき時間外労働を管理し、清算期間における労働時間が「法定労働時間の総枠」を超えた場合には、超過分について割増賃金を支払う必要があります。

従業員ごとに異なる始業・終業時刻や勤務時間を適切に管理するには、従業員への周知と労務管理体制の見直しが重要です。

フレックスタイム制で割増賃金を計算するには?

フレックスタイム制で時間外労働が発生した場合、割増賃金(残業代)は次の手順で算定します(月給者の場合)。以下は、1週間の法定労働時間を40時間、清算期間を1ヵ月(31日)とする場合の例です。

  1. まず、フレックスタイム制における時間外労働の基準となる「法定労働時間の総枠」を次の式で計算します。

    (清算期間の暦日数÷7日)×40時間

    清算期間1ヵ月(31日)の場合、法定労働時間の総枠は「(31÷7)×40=177.1時間」です。
  2. 次に、個々の従業員の法定外の時間外労働時間(割増賃金の対象)を次の式で計算します。なお、月給者の場合、所定労働時間を超えても、法定労働時間の総枠までの超過分(法定内残業)は原則として割増の対象ではありません。

    清算期間の総労働時間–法定労働時間の総枠

    1ヵ月の総勤務時間が185時間の場合、「185時間–177.1時間=7.9時間」となり、法定外労働時間は約7時間52分です。

フレックスタイム制には原則として遅刻や早退の概念がない

フレックスタイム制では、清算期間の総労働時間で過不足を判断するため、フレキシブルタイム内の出退勤は通常、遅刻・早退として扱いません。

コアタイムを設けている場合は、コアタイムへの遅刻や早退を社内ルール上の「遅刻・早退」として扱うことも可能です。例えば、10時~15時をコアタイムとし、社内ルールでコアタイム開始時刻を基準とする場合、11時の出勤は「1時間の遅刻」と扱えます。

ただしフレックスタイム制では、清算期間の総労働時間の過不足に基づいて労働時間を清算します。そのため、コアタイムへの遅刻・早退を社内ルール上で定めても、その時間が直ちに(一律に)給与控除の対象になるとは限らない点に注意が必要です。

フレックスタイム制におけるコアタイムへの遅刻・早退の取り扱いは、人事評価への反映や服務規律上のルール(連絡方法、注意・指導の基準等)として社内規程に整理しておくと良いでしょう。

フレックスタイム制では労働時間を繰り越せる

2019年の法改正により、フレックスタイム制の清算期間は最長3ヵ月まで設定できるようになりました。これにより、月をまたいで労働時間の過不足を清算できる範囲が広がり、繁閑に応じた柔軟な調整がしやすくなっています。

ただし、清算期間を1ヵ月超に設定する場合、労使協定を所轄の労働基準監督署長に届け出る必要があります。また、労務管理や時間外労働の算定が複雑になりやすく、運用負担が増える点にも注意が必要です。

会社設立後にはみずほ銀行の法人口座開設がおすすめ

これから事業を始める方や設立直後のスタートアップにとって、フレックスタイム制は多様な働き方を実現する選択肢の一つです。一方で、フレックスタイム制の導入により勤怠管理が複雑になりやすいため、導入にあたっては勤怠・労務管理のデジタル化や運用効率化を検討することが重要です。

また、従業員の働き方やバックオフィス業務の整備を進めるのと並行し、どの金融機関と法人取引を行うのかを検討することも大切です。

みずほ銀行は全国47都道府県に支店があるため、地域を問わず相談しやすい体制が整っています。また、電子帳票に対応した「みずほWEB帳票サービス」や、法人口座からのリアルタイム決済が可能な年会費無料の法人カード「みずほビジネスデビット」等、便利なサービスが利用可能です。

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関連記事:「法人口座の開設方法は?メリットや金融機関の選び方、必要書類を解説」

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まとめ

フレックスタイム制は、2019年の法改正を経て、多様な働き方の支援や業務効率の向上につながる制度として、導入を検討する企業もみられます。

一方で、従業員ごとに勤務時間が異なるため、導入にあたっては労務管理が煩雑になりやすい点が課題になり得ます。とりわけ創業期の事業者やスタートアップでは、新しい働き方と安定的な事業運営の両立が課題となることがあります。

みずほ銀行の法人口座では創業期の会社に対する手厚いサポートをご用意しています。

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監修者

大柴 良史

大柴 良史

  • 社会保険労務士
  • CFP

1980年生まれ、東京都出身。IT大手・ベンチャー人事部での経験を活かし、2021年独立。年間1000件余りの労務コンサルティングを中心に、給与計算、就業規則作成、助成金申請等の通常業務からセミナー、記事監修まで幅広く対応。ITを活用した無駄がない先回りのコミュニケーションと、人事目線でのコーチングが得意。趣味はドライブと温泉。

HP:https://aberiaconsul.com/

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