クラウドファンディングの税金や確定申告とは?形式別の違いと注意点を徹底解説
掲載日:2026年4月6日資金調達
クラウドファンディングで資金を集めた場合、その資金は「寄付」や「応援」といったイメージとは別に、税金の対象となることがあります。
課税対象かどうかは、クラウドファンディングの形式や提供内容によって異なり、確定申告が必要になるケースもあります。本記事では、クラウドファンディングの形式別に異なる税務上の取り扱いや、受け取る側・支援する側双方の申告義務や注意点、節税対策まで、専門的な内容を分かりやすく整理して解説します。
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目次
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クラウドファンディングとは?課税対象について
クラウドファンディングとは、インターネットを通じて不特定多数の人から資金を募る仕組みです。新商品開発や社会貢献活動、起業資金等用途は幅広く、近年では個人や企業の資金調達手段として広く活用されています。
ただし、受け取った資金は形式によって課税対象となる場合があるため注意が必要です。
【クラウドファンディングの形式と課税の扱い】
| 形式 | 説明 | 課税対象 |
|---|---|---|
|
購入型 |
商品やサービスの提供と引き換えに支援金を受け取る。 |
原則として売上に計上され、所得税・法人税や消費税の対象となる。 |
|
寄付型 |
見返りを求めない支援が主となる。 |
贈与税の対象となる可能性がある。 |
|
投資型 |
出資に対して配当や株式等の見返りがある。 |
原則として配当や譲渡益として課税の対象となる。 |
|
貸付型 |
支援金を一定期間後に利息付きで返済する。 |
原則として利息収入として課税の対象となる。 |
このように、クラウドファンディングは一律に「寄付」や「贈与」として扱われるのではなく、経済的な取引として課税対象となるのが原則です。ただし、少額の場合や個々の状況によっては課税対象が異なる場合もあるため、実際の判断にあたっては税務署への確認や税理士等の専門家から助言を受けることが望ましいでしょう。
関連記事:クラウドファンディングのやり方とは?種類、始め方、注意点を徹底解説
クラウドファンディングにかかる税金の種類とは?
クラウドファンディングにおける課税対象は、資金の性格(対価性の有無や、出資または融資といった性質)、当事者の立場(資金の受け手か出し手か)、そして主体が個人か法人かによって異なります。
適切に判断するためには、まず税目ごとに、各クラウドファンディングの形式でどのような課税が生じやすいのかを整理しておくことが重要です。
そのうえで、具体的な課税の有無は契約内容や証憑を確認しながら判断することが求められます。
以下では、主な税目とそれぞれの形式で該当しやすいケースの概要を紹介します。
【法人向け:税金の種類ごとの対応】
| 税金の種類 | 主に対象となるクラウドファンディングの形式 | 課税対象 | 概要 |
|---|---|---|---|
|
法人税(個人であれば所得税) |
購入型・投資型・貸付型・(寄付型) |
受け手 |
資金の受領が収入とみなされる場合に課税。寄付型でも収益事業に該当すれば課税されることがある。 |
|
消費税 |
主に購入型(対価性あり) |
受け手 |
リターン提供が「資産の譲渡等」に該当する場合に消費税が発生。非営利でも課税取引なら対象。 |
|
贈与税 |
寄付型(見返りなし) |
受け手 |
法人が受ける場合は法人税扱い。個人が返礼なしの資金を受け取ると贈与税となる場合あり。 |
|
譲渡所得/配当所得/雑所得 等 |
投資型・貸付型 |
出し手(支援者側) |
配当・利息・売却益は原則課税所得。非営利であっても、収益判断により課税となることがある。 |
- *上記はあくまで一般的な概要であり、課税対象は契約内容や資金の性質、返礼の有無等により異なる可能性があります。
また、クラウドファンディングにおける課税の取り扱いは、支援を受けた側(資金を調達した法人)と、支援を行った側(資金を提供した個人・法人)とで異なるため、それぞれの立場に応じた理解が求められます。
支援を受けた側の会計処理と申告対応とは?
クラウドファンディングにより資金を受け取った場合、その資金の性質や返礼の有無、使途等に応じて、会計上の処理区分や法人税申告の取り扱いが異なることがあります。受領した金額がすべて収益計上されるとは限らず、契約書・募集要項・資金の流れを踏まえて、適切な勘定科目や課税区分を判断することが求められます。
法人においては、これを「売上」「雑収入」「寄付金」「借入金」等として処理することが一般的ですが、その判断には一定の基準が必要です。
受領資金の処理区分と判断の考え方
以下に代表的な処理区分とその考え方を整理します。
| 処理区分 | 想定されるクラウドファンディングの形式・内容 | 説明 |
|---|---|---|
|
売上(収益) |
購入型:製品・サービスの提供を伴う資金調達 |
対価性があり、提供が完了した時点で収益認識。消費税の課税対象となる場合がある。 |
|
雑収入 |
対価性の乏しい協賛金、軽微な支援金の場合 |
本業とは関係しない収益として計上する。継続性や返礼の有無等により処理方法を検討。 |
|
寄付金(受贈益) |
寄付型:返礼なし、使途自由の資金 |
原則として益金算入する。非営利法人の場合は、収益事業に該当しない限り課税対象外となる場合もあり。 |
|
借入金等 |
貸付型:契約に基づく返済義務あり |
負債として計上する。利息支払が発生する場合は別途費用処理・源泉徴収の要否を検討する。 |
|
資本剰余金等 |
投資型:出資受入(株式・社債等) |
増資・資本取引として処理する。返礼がある場合は一部売上処理が必要となることもある。 |
費用計上の考え方と注意点
クラウドファンディングに関連して発生する支出は、事業に直接関連するものであれば法人の必要経費(損金)として計上することが可能です。適切に費用処理を行うことは、法人税申告における課税所得の適正な把握につながります。
以下は、費用計上が想定される支出の例です。
- 商品・試作品の製作費用
- 宣伝・マーケティング費用
- 配送費・梱包資材等の費用
- クラウドファンディングプラットフォームへの手数料
- 広報・取材・撮影にかかる外注費や出張旅費等
なお、各支出については、業務との関連性を明確にし、請求書・契約書・領収書等の証憑類を適切に保管しておくことが重要です。また、プロジェクト単位での原価計算や費用管理が求められる場合には、社内での予算管理や仕訳の設計も併せて見直す必要があります。
支援者の税務処理と注意点とは?
クラウドファンディングにおいては、支援を行った側(支援者)においても、その支援の形式・内容に応じて税務上の処理が必要となる場合があります。特に、返礼品の提供がある支援や、投資・融資の性質を持つ支援については、費用処理・資産計上・源泉徴収等の取り扱いに注意が必要です。
購入型(モノやサービスを受け取る)クラウドファンディングの場合
購入型クラウドファンディングにおいて、法人がモノやサービスの提供を受ける形式で支援を行った場合、基本的には通常の取引と同様に処理されます。支出の内容に応じて、広告宣伝費、交際費、消耗品費、外注費等の適切な勘定科目により費用計上を行い、必要に応じて消費税の仕入税額控除の対象とすることが可能です。
また、クラウドファンディング事業者(プラットフォーム)や提供者からの請求書・領収書、発注内容が確認できる画面保存等を証憑として適切に保存しておくことが重要です。
【実務上の注意点】
- 返礼品が自社の事業活動と関連性の低い物品・サービスである場合には、交際費等としての処理を検討し、損金算入限度額の適用対象となる可能性があります。
- 支出額や返礼品の性質によっては、寄附金との区別が曖昧になるケースもあるため、実態に即した会計処理が求められます。
寄付型(見返りがない)クラウドファンディングの場合
寄付型クラウドファンディングにおいて、返礼のない支援を行った場合、法人税務上は原則として「寄附金」として取り扱われます。この際、個人の所得税における「寄附金控除」のように、全額を控除できると誤解されることがありますが、法人の場合は、損金算入できる金額に一定の限度がある点に注意が必要です。
【実務上の注意点】
- 寄付先が税法上の「特定公益増進法人等」に該当するかどうかは、損金算入の可否や上限額に影響するため、事前に確認しておく必要があります。該当すれば「特定寄附金」として、より有利な税務上の取り扱いが適用される可能性があります。
- 一般的なクラウドファンディングサイト経由で行う寄附については、特定寄附金に該当しないケースも多く、損金算入できる金額が限定的となる点に注意が必要です。
投資型・貸付型(金融リターンがある)クラウドファンディングの場合
投資型および貸付型のクラウドファンディングにおいては、出資・貸し付けを行った法人が、配当・利息・売却益等の金銭的リターンを受け取るケースが想定されます。これらの収益は、法人税の課税対象となり、配当金や利息は「受取配当金」や「受取利息」等として営業外収益に計上されます。また、売却益が発生した場合は、有価証券売却益等として処理することになります。
一方、損失が発生した場合でも、その損失が会計上・税務上で認められるかどうかは、契約の性質や資産の評価方法によって異なります。特に、投資先が未上場企業や匿名組合契約に基づく場合等は、損失計上のタイミングや要件について慎重な判断が必要です。
【実務上の注意点】
- 投資契約・貸付契約の内容を基に、収益計上基準および資産区分(投資有価証券、貸付金等)を明確にすることが求められます。
- 受取利息については源泉徴収が行われている場合があり、支払者側の処理と整合を取る必要があります。
- 損失については、回収不能や評価損が認められるには合理的な根拠(債務者の財務悪化、回収不能の証明等)が必要となるため、税務調整や別表記載の検討が必要です。
よくある税務トラブルと対策方法
クラウドファンディングの活用が広がる一方で、資金の受領や支出に関する税務処理において誤解や形式的な処理ミスが原因となるトラブルも少なくありません。特に法人においては、「寄附だから非課税」「小口の支援だから収益計上しない」といった誤った認識や、契約内容を十分に確認せずに処理を進めてしまうことが課税リスクにつながることがあります。
いずれにしても、税理士や専門機関に相談することが推奨されます。
例1:売り上げ扱いであるにもかかわらず申告漏れとなったケース
購入型クラウドファンディングにより、商品やサービスを提供して資金を得た場合、その対価性が認められる限り、受け取った金額は売り上げとして法人税の課税対象となります。
しかし、実務上は「支援金だから非課税ではないか」「法人設立直後でまだ営業していなかった」等の誤解により、収益としての計上を怠ったまま申告を行ってしまうケースがみられます。
対策:
- 商品やサービスの提供を行っている場合は、たとえ法人の設立初期であっても、対価性が認められれば売り上げとして計上する必要があります。
- 調達した資金の内容や返礼の有無を明確に整理し、収益計上の時期・処理区分を社内で確認したうえで、法人税申告に正しく反映させることが重要です。
- 会計帳簿・明細・証憑の整備を初期段階から行い、申告漏れのリスクを未然に防ぐ体制作りを心がけましょう。
例2:支援者から返金を求められるケース
クラウドファンディングで商品やサービスの提供を前提に資金を受け取ったものの、プロジェクトの中止や遅延等により実行できなくなった場合、支援者から返金を求められるケースがあります。 このとき、すでに売り上げとして収益認識していた場合には、会計処理・税務処理の修正対応が必要になるため、実務上の注意が必要です。
対策:
- 返金が発生した場合は、すでに計上した売上に対して「返品」または「売上戻し」として処理し、適切な仕訳・証憑整理を行う必要があります。
- 会計処理に加え、クラウドファンディング実施時の規約や募集要項に、返金リスク・プロジェクト実行不能時の対応等を明記しておくことが、後のトラブル防止において重要です。
- 万一の対応を見据え、契約書や利用規約に「免責条項」「中止条件」「返金方法」等をあらかじめ設定しておくことが大切です。
クラウドファンディング活用にあたっての法人口座開設の重要性
クラウドファンディングを法人として実施・活用する場合には、あらかじめ法人名義の銀行口座を開設しておくことが重要です。資金の受け取りや支払いを明確に区分できる体制を整えることで、以下のような観点での実務的なメリットがあります。
- 資金の出所や使途を明確になり、個人口座との混合を防ぐ
- 会計帳簿や経理処理との整合性が取りやすい
- 税務調査や資金管理上の信頼性を高める
特に、返礼品の提供や協賛・寄附等を含むプロジェクトでは、受領金額が比較的高額になる場合や、不特定多数の支援者との金銭のやり取りが発生する場合があります。資金の透明性を確保し、トラブルや誤認を防ぐためにも、法人としてクラウドファンディングを活用する際は、法人口座をあらかじめ準備すると良いでしょう。
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クラウドファンディングによる資金調達を行う場合、入金管理や税務処理等、正確な資金管理体制の構築が欠かせません。
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また、「法人口座開設ネット受付」を利用すれば、来店不要で手続きが完結し、クラウドファンディング後の資金管理もスムーズに行えます。
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まとめ
本記事では、クラウドファンディングに関連する主な税金の種類や形式ごとの税務上の違い、法人として注意すべき会計処理および申告対応、さらによくある税務トラブルとその対策方法について解説しました。
クラウドファンディングは、インターネットを通じて資金を調達・提供する手段として広く活用されていますが、その資金の性質や形式(購入型・寄付型・投資型・貸付型等)によって、法人税・消費税・寄附金の取り扱い等、適用される税務処理が大きく異なります。
誤った処理や判断による税務リスクを回避するためには、制度に関する正確な理解と、契約内容・資金の流れを踏まえた実態に即した処理を行うことが不可欠です。必要に応じて税理士等の専門家と連携しながら、適切な会計・税務対応を行いましょう。