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SOLUTION ソリューション

OpenFOAM® オープンソース解析ソフトウェア

概要

OpenFOAM®は流体シミュレーションを主体とした連続体物理シミュレーションを行うためのツールボックスであり、GNU GPL(General Public License) v3に従ってオープンソース・ソフトウェアとしてライセンスされています。

OpenFOAMには充実した数値計算ライブラリ群、流体をはじめとする豊富な物理モデル、様々なプリ・ポストユーティリティが備わっていて、商用のソフトウェアに比肩するシミュレーションが可能です。

オープンソースであることから、商用のソフトウェアのようにライセンス数(ライセンス料)の制限を受けることなく無制限に並列化できます。また、プログラムコードが完全に公開されているので自由にカスタマイズできるという高い拡張性を持っています。

こうした特長が受け入れられ、現在では世界中の研究機関や企業で利用されています。

当社では2009年頃からOpenFOAMを用いた受託解析やソルバのカスタマイズ、及びオリジナルのインターフェースと組み合わせた専用シミュレーションシステムの構築といったサービスを展開しています。

図1
  • * OpenFOAMはOpenCFD社の登録商標です。

特徴

1. 流体ソルバをはじめとした豊富な機能

図2

OpenFOAMには流体現象を中心に様々な物理モデルが実装されており、また、メッシュの移動変形の取り扱いや自動細分化など複雑な現象を取り扱う際に必要となる機能も充実しています。

こうした機能により、乱流、混相流、熱輸送、化学種輸送、化学反応など様々な分野の多様な課題にOpenFOAMを適用することが可能です。

CADデータからメッシュを自動生成する機能や、各種の商用、オープンソースの可視化ソフトウェアに対応した形式での結果データの出力機能も実装されています。

これらの機能を活用することでメッシュ作成にかかる負担を低減できます。シミュレーション結果の分析を行う際にも使い慣れた可視化ソフトウェアを利用できます。

詳しい機能については「機能詳細」もご参照ください。

2. ライセンス制限の無い大規模並列計算

多くの商用ソフトウェアの場合、並列計算を行うにはプロセッサ数に相当するライセンス、あるいはやや高額な並列計算用のライセンスを購入する必要があります。一方、オープンソース・ソフトウェアであるOpenFOAMならばライセンス数(ライセンス料)による制限のない大規模並列計算を実現できます。

3. 高い拡張性による自由なカスタマイズ

OpenFOAMはC++クラスライブラリとして実装されており、豊富な機能が適度に抽象化され再利用性の高いソースコードで記述されています。このため、新しい物理モデルの実装やソルバの開発といったカスタマイズが容易であり、カスタマイズしたプログラムに対しても並列計算、境界条件設定、プリ・ポスト処理といった多くの基本機能をそのまま活用できます。このようにOpenFOAMは拡張性が非常に高く、自由なカスタマイズが可能です。

OpenFOAMを活用する際の課題

無制限の並列化、自由なカスタマイズといった魅力的な特長を持つOpenFOAMですが、初めてOpenFOAMを使用する場合には様々なハードルがあることが知られています。

(1)コマンドラインによる操作
公式に配布されているOpenFOAMはコマンドラインによる操作のみを想定しており、計算の準備や実行、一部の後処理はすべてコマンドラインから行う必要があります。可視化には商用またはオープンソースのソフトウェアを使用できますが、データ変換のためのユーティリティをコマンドラインで実行する必要があります。このように、ユーザはコマンドラインによる操作に慣れる必要があります。あるいは、サードパーティー製のOpenFOAMを使用するための汎用GUIソフトウェアなどを導入する必要があります。

(2)計算安定性の不安
OpenFOAMに実装されているソルバや物理モデルの多くは既知の計算手法やモデルを忠実に実装したものです。このことは、得られた計算結果の解釈が容易であることを意味します。しかし、多くの商用化されたソフトウェアが行っている計算安定化のための数値計算の工夫は限定的にしか行われていません。このため、計算を安定的に収束させるためにはユーザが対象とする現象、物理モデル、計算手法などを理解したうえで適切な解析モデルを構築する必要があります。

(3)プログラムソースに関するドキュメント不足
プログラムのソースコードに関するドキュメントはまだ整備途上にある部分が多く、物理モデルや数値計算手法の追加などのカスタマイズを行う場合にはOpenFOAMのソースコードを独自に読み解き、理解する必要があります。

当社の取り組み

1. OpenFOAM活用サポート

当社では、ユーザが素早く、確実にOpenFOAMを活用できるよう、上記のOpenFOAM使用の課題に対してインターフェースの作成、受託解析、ソルバのカスタマイズ、ソースコードの調査、マニュアル作成などのサービスを行っています。

過去にOpenFOAMを用いた様々なカスタマイズ、解析、インターフェース作成の実績があり、お客さまのOpenFOAMの活用を総合的にサポートします。特にカスタマイズでは流体分野にとどまらず、電気化学反応のような他の分野の物理モデルを実装した実績もあります。詳しくは、「適用事例」をご参照ください。

2. 専用シミュレーションシステムの構築

汎用のシミュレーションソフトは機能が豊富で様々な分野の課題に適応できます。しかし、その豊富な機能ゆえに、ユーザが適切に判断して選択しなければならない設定項目が多く、解析モデルの作成が複雑になる傾向があります。

ところが、設計や製造といったものづくりの現場でシミュレーションを使用する際、シミュレーションの対象(形状、物理現象、境界条件など)は限定されることが多く、汎用のシミュレーションソフトの全ての機能を使うことはほとんどありません。

そこで、汎用シミュレーションソフトであるOpenFOAMの多様な機能の中から、対象の課題に必要な機能だけを抽出し、使いやすくシェイプアップした「専用シミュレーションシステム」を提案しています。

対象とする課題に特化した「専用シミュレーションシステム」では、解析モデルの作成、計算の安定性を担保した解析条件の設定、解析結果の出力などの作業を大幅に自動化して、シミュレーションにかかる作業を劇的に削減します。

詳しくは「適用事例(4) :専用シミュレーションシステムの構築」、「サービス」をご参照ください。

機能詳細

OpenFOAM®は、様々な流体解析を行うための物理モデルや数値計算ライブラリを持ちます。加えて、オープンソースの数値解析ツールボックスとして、これらの機能が容易に再利用かつ改変が可能なライブラリ群として提供されていることも特徴の一つです。

図1

OpenFOAMの主要な解析機能、ライブラリ群、プリプロセッサ及びポストプロセッサ(プリポスト)機能には以下のようなものがあります。

図2

拡張性

OpenFOAMは、連続体シミュレーションに必要な各種機能を実装したライブラリ群とプリ・ポスト処理に有用な各種ユーティリティ群をあわせたものとして考えることができます。ライブラリ、ユーティリティに関する機能はすべて公開されたソースコードとして実装されており、目的に合わせた自由なカスタマイズが可能です。

OpenFOAMは主に流体解析を対象としていますが、微分方程式の数値計算や境界条件の数値計算上の取り扱いは流体解析に限るものではなく、他の分野にも適用でき、OpenFOAMをベースとした様々なシミュレーションの構築が可能です。

推奨環境

・OpenFOAMはLinux上の使用を前提に構成されており、Linux環境での利用が推奨されます。しかし、最近ではWindows上で動作するバイナリが配布されているバージョンもあり、Windows環境でも実行可能です。
・ライセンス数の縛りなく並列計算が実行可能というOpenFOAMの特徴を十分に活用するには、複数CPU(コア)を持つ計算機での利用が推奨されます。
・複数のノードを持つ計算機クラスタの場合、Infiniband等の高速通信が可能な環境が推奨されます。

  • * OpenFOAMはOpenCFD社の登録商標です。

適用事例

当社ではOpenFOAM®を用いた受託解析、ソルバー開発、専用シミュレーションシステムの構築を行っております。以下に、これまで行った解析やサービスの事例、および、専用シミュレーションシステムの詳細を紹介します。

  • * OpenFOAMはOpenCFD社の登録商標です。

【適用事例(1)】 閉空間内の水素拡散挙動のシミュレーション

燃料電池や事業用発電燃料として注目されている水素は、利用時にCO2を排出しないクリーンなエネルギー源として期待されています。しかし、一定条件で爆発する危険性があり、その安全性の対策が欠かせません。特に、密閉された建物や容器内での水素漏洩と滞留の防止を評価することが重要です。この事例では閉容器内の水素の漏洩、滞留を予測するシミュレーションについて紹介します。

図01

【適用事例(2)】 塗布シミュレーション

様々な製品の製造において塗料(薬液や接着剤など)を“塗る”という工程があります。この事例では(1)電池の電極の塗布などに用いられるダイコートのシミュレーション、(2)半導体の薬液の塗布などに用いられるスピンコートのシミュレーション、(3)筐体を接着剤で接合するときなどに用いられる圧着のシミュレーションを紹介します。

図02

【適用事例(3)】 カスタマイズ例の紹介

当社では流体分野にとどまらず、様々な分野でOpenFOAMのカスタマイズを行ってきました。これらのカスタマイズ例を紹介します。

【適用事例(4)】 専用シミュレーションシステムの構築

OpenFOAMや商用の汎用シミュレーションソフトは様々な分野の課題に適用できます。しかし、その汎用性ゆえに、解析モデルの構築が複雑になる傾向があり、設計や製造の現場で活用するハードルになります。専用シミュレーションシステムでは、課題となる対象に特化することで解析モデル構築、計算が安定するロバストな解析条件の設定、結果の出力、の大部分を自動化し、ユーザーのシミュレーション活用の負担を大幅に削減します。

図03

サービス

コンサルティングサービス

当社ではOpenFOAM®を活用した解析コンサルティングや開発サービスの提供を通じ、物理現象のモデリング、シミュレーション実施、結果の評価までお客様の課題に対して総合的にサポートいたします。

図1

1. 受託解析

お客さまの課題に対して、制限無く並列化できるというOpenFOAMの特長を活かした最適な解析モデルを構築し、解析を実施します。(お客さまからOpenFOAM使用の指定が無く、必ずしも並列化が必須でない場合にはより適した商用ソフトウェアによる解析をご提案する場合があります)

計算結果に対しては十分な説明や考察を行い、報告書を作成します。

2. ソルバ開発

計算手法、物理モデル、境界条件など、ソルバの開発を行います。プログラムソースが完全公開のオープンソースの特徴を活かして、お客様の課題、ご要望に柔軟に対応いたします。

開発したソルバはGPLv3に従って完全なソースコードを含めた形で納品しますので、その後はライセンス料などの縛りなく並列化・複製・改変が可能です。

また、ソースコードの調査、ベンチマーク、マニュアル作成を行っております。

3. インターフェース作成

OpenFOAMの解析データの入力や結果の出力を円滑に行うためのインターフェースを作成します。

インターフェースは画一的なものではなく、お客様の課題や使用環境に合わせて使いやすさを第一に考えたものをご提案いたします。

例えば、Excel®で入力データを管理したい場合には、Microsoft Excelのワークシートを利用して計算条件の入力、計算の実行が出来るインターフェースをご提案いたします。また、ボタン一つでCADデータを取り込んで、計算を実行し(解析に必要な条件設定が自動でされる)、結果を表示するような、複数の処理を単純な操作で行いたい場合にはCADと連携した専用のGUI(グラフィカルユーザインターフェース)をご提案いたします。必要に応じてLinux計算機との通信機能やレポートの作成機能なども追加できます。

4. 専用シミュレーションシステムの構築

計算機能の選定、計算モデルの構築、ソルバのカスタマイズ、GUIの作成、ハードウェア(計算機)の選定、導入支援、の包括的なサービスにより、設計、製造現場で活用できる専用シミュレーションシステムをご提案します。導入した専用シミュレーションシステムの保守や追加の改良も承っています。

  • * OpenFOAMはOpenCFD社の登録商標です。

  • * Microsoft Excelは、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標または商標です。

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