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生産緑地2022年問題の不動産市場への影響

掲載日:2018年5月30日財務資本戦略

キービジュアル
  • 生産緑地法が施行された1992年に生産緑地の指定を受けた農地について、30年が経過する2022年より市区町村に対して買い取りの申し出が可能になります。市区町村が買い取らない場合には、生産緑地指定を解除し、宅地開発が可能になります。
  • 大量の宅地・建物の供給が行われた場合、周辺地域の賃貸物件の賃料相場や不動産価格への影響が予想されます。

生産緑地とは

  • 都市計画法により「生産緑地地区」として指定された市街化区域内にある農地
  • 生産緑地に指定されることで、土地保有者は税法上のメリットを享受できる反面、30年間農地として営農が義務づけられるなどの制限があります。

土地保有者

<メリット>

  • 固定資産税および都市計画税が軽減
  • 終身営農等を条件に相続税の納税が猶予

<デメリット>

  • 農地として良好に営農し管理する義務あり
  • 建物の建築や宅地の造成ができない
  • 農地を農地以外の目的で売却、転貸できない
  • 指定から30年経過した場合や、主たる従事者の死亡等により農業継続ができなくなった場合には、市区町村に対し買い取りの申し出ができ、市町村が買い取らない場合には、生産緑地指定が解除され宅地造成が可能になります。

2022年問題とは

  • 1992年から30年が経過した生産緑地が大量に宅地化され、不動産の需給のバランスが崩れるという懸念のこと

生産緑地の分布状況

  • 全国には13,442ha(62,473地区)あり、三大都市圏に集中している

<全国の生産緑地>

(単位:ヘクタール)

エリア 生産緑地面積 地区数
関東 7,737.7 32,143
中部 1,588.2 11,506
近畿 4,111.8 18,816
その他 4.3 8
全国 13,442.0 62,473

(単位:ヘクタール)

都道府県 生産緑地面積 地区数
東京都 3,296.4 11,556
埼玉県 1,792.8 7,221
神奈川県 1,380.2 8,830
愛知県 1,165.9 8,470
大阪府 2,068.0 9,589
  • 都市化が進んでいる都心エリアにも生産緑地は多数存在

<東京都内の生産緑地>(主な区市町村)

(単位:ヘクタール)

区市町村 生産緑地面積 生産緑地比率 地区数 公示地価平均
世田谷区 95.4 1.7% 531 566千円/㎡
三鷹市 143.5 8.7% 307 384千円/㎡
練馬区 189.4 3.9% 668 359千円/㎡
調布市 126.9 6.2% 432 322千円/㎡
江戸川区 63.9 1.5% 273 320千円/㎡
世田谷区

生産緑地面積

95.4

生産緑地比率

1.7%

地区数

531

公示地価平均

566千円/㎡

三鷹市

生産緑地面積

143.5

生産緑地比率

8.7%

地区数

307

公示地価平均

384千円/㎡

練馬区

生産緑地面積

189.4

生産緑地比率

3.9%

地区数

668

公示地価平均

359千円/㎡

調布市

生産緑地面積

126.9

生産緑地比率

6.2%

地区数

432

公示地価平均

322千円/㎡

江戸川区

生産緑地面積

63.9

生産緑地比率

1.5%

地区数

273

公示地価平均

320千円/㎡

  • *国土交通省「平成27年都市計画現況調査」「平成29年公示地価(住宅地の平均公示地価)」をもとにみずほ銀行にて作成。
  • *本資料は、一時点または一定の条件の下の情報提供および貴社とのディスカッションを目的として作成したものであり、本資料に含まれる情報の正確性、確実性あるいは完結性を弊行が表明するものではありません。

当初作成:2017年9月

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