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買い物弱者へのサポートにも。「移動販売」を始めるには?

掲載日:2020年3月26日創業関連情報

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よく街中で移動販売を見かけることはありませんか?様々な種類の移動販売がありますが、中でも最近注目されているのは、移動スーパーです。
移動スーパーとは、昭和の時代に地方の過疎地域や団地などで多く見られた販売形態ですが、その後、スーパーマーケットやコンビニの出店増加により数は大幅に減少しました。しかし、近年では、地方都市や限界集落では人口減少を理由にスーパーなどが撤退や閉店する事例が出てきており、結果として、日常の買い物をする場所を失う人たちも少なくありません。また、高齢となり遠方まで買い物に出かけられなくなった人も増えている状況を背景に、昨今では移動スーパーの価値が見直されているようです。

移動スーパー以外では、ランチやパン、焼き鳥、クレープなどといった調理食品の販売に加え、コーヒーなどの喫茶類を販売する移動販売が多く見られます。また、アパレルやアクセサリーなど、食品以外の移動販売もあり、若者が集まる場所を狙って出店しています。移動販売は、商品と販売用車両・什器さえあれば小資本でも始められる業態であるため、様々な商品での参入が相次いでいるようです。

各地方自治体も店舗型小売店の撤退で起こる「買い物弱者」の存在を無視できなくなっており、移動販売車に対して補助を行う市町村も増えています。本稿では、社会的重要性が高まっているといえる移動販売の開業タイプや手続きについて紹介します。

移動販売の特徴

移動販売は販売用に改造した自動車を用いて、場所を固定せずに販売する業態です。ポップな車体広告でクレープなどを扱う、おしゃれなイメージの移動販売店も出てきています。

移動販売のメリットは、店舗を移動できるため、商品や顧客ターゲットに応じて自由に販売場所を変えることが出来ることにあります。売上の良い立地の確保や、移動販売の特徴を活かして、イベントなど、需要がある好条件の場所を探し出して、出店できるかどうかが、成功の大きなポイントになるといえるでしょう。

開業のタイプ

あらかじめコンセプトを定め、それに沿ったタイプで開業することが重要となります。

  • 生活必需品販売型
    地方などのいわゆる「買い物弱者」と呼ばれる人たち向けに、日々の生活必需品や食品、生鮮品などを販売するタイプ。地域の人たちが集まる広場や公共施設内の空きスペース、または道端などに停車し販売します。週に1~2回程度、決まった場所で決まった曜日と時間帯に販売を行うのが一般的であり、車両には、食品販売用の改造車両が使われます。
  • イベント販売型
    ランチタイムのオフィス街や人が集まりやすい繁華街、ショッピングモール、商店街、スーパーマーケットの軒先、週末の公園、イべント会場などで飲食料品などを販売するタイプ。販売車両には、調理設備の付いた改造車両が使われることもありますが、保温・保冷設備、コンロと焼き台だけを設置した軽トラックが使われることもあります。
  • ファッション・小物型
    食品関係ではなく、ファッション、小物を扱うタイプ。ショッピングモールや商店街などに出店していることが多い。

開業のステップ

開業のステップ

必要な手続き

  • 食品衛生法に基づく営業許可
    調理品を販売する場合は、食品衛生法に基づく営業許可が必要になります。営業許可の種類は、菓子類、アイスクリーム類、弁当類、総菜類など、提供品目ごと取得します。また、その場で飲食してもらう場合は、飲食店営業や喫茶店営業の許可も必要になります。また、移動スーパーのように、調理加工しない場合でも、食材を販売する場合は、乳類販売業、食肉販売業、魚介類販売業などの営業許可が必要となります。
  • 道路交通法や都市公園法の規制
    道路交通法や都市公園法の規制があります。そこで、路上や公園で販売を行う際は、事前に管轄する警察署や自治体の許可を受けなければなりません。ただし、認められないケースも多いため、その場合には、定休日の店先や、駐車場スペースを借りるといった対策が必要となります。
  • 車両の届出
    調理品の販売に使用する車両も、所轄保健所の営業許可申請時に、同時に届け出る必要があります。同車両は、手洗い設備など保健所で定められた衛生上の条件を満たし、車両検査を通過し、車両登録したものでなければいけません。

実際の運営にかかるポイント

移動販売は車体そのものが動く宣伝広告です。商品のイメージがしやすく、遠くからでも目立つような車体であることが必要です。販売場所と販売日時の予定が立ったら、ホームページやSNSなどで告知を行うことも効果的であり、その際に、事前に販売場所でチラシを配ったり、立て看板を置いたりできればなお良いでしょう。
商品特性やターゲット顧客を想定し、それに合わせた時間帯とエリアで販売することも必要であり、ランチタイムにはオフィス街や大学などの周辺で販売を行うなど、出店場所の選定に関する事前のリサーチが重要となります。

また、ショッピングモールやスーパーマーケット、公共の場所、イベント会場での出店には、出店許可が必要になります。場合によっては賃料が発生することもあります。集客が期待できる場所は、多くのライバルが出店を狙っているので、早くに情報をキャッチし、管理者に対し、アプローチを行う営業力が求められます。

移動スーパーの場合は、商品の種類が多い反面、販売スペースが狭いため、品揃えの見極めが重要です。地域住民の属性などもふまえ、売れ筋商品を十分把握しておきましょう。また接客時には顧客から取り扱って貰いたい商品などの要望を聞くことにも積極的に取り組むと良いでしょう。
道路や公共のスペースに多くの人が集まれば、顧客や地域住民との間のトラブルも発生しやすくなります。特に、大音量のスピーカーでの集客はトラブルになりやすいので注意が必要です。地域の人たちに不快感を与えないためのマナーとモラルも求められます。

(本レポートは作成時点における情報を元にした一般的な内容のものであるため、開業を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)

本コンテンツは独立行政法人 中小企業基盤整備機構が運営するサイト「J–Net21」(https://j-net21.smrj.go.jp/index.html)内の記事「移動販売」(https://j-net21.smrj.go.jp/startup/guide/restaurant/g022.html)を一部加筆・変更したものです。

上記の個別の表現については、必ずしもみずほ銀行の見解を示すものではありません。

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