会社設立後にするべきこととは
掲載日:2019年1月28日創業関連情報
いざ会社設立までこぎつけても、その後もしなくてはならない手続きがあります。本稿では会社設立後にするべき手続きや届け出等をまとめて解説します。
会社設立後にするべきこと
会社の登記申請が完了した後、速やかにするべきことは次の3点です。
- 法人設立届出書の提出
- 各機関への税務・労務関連届け出(必要に応じて)
- 法人の銀行口座の開設
「法人設立届出書」は個人事業主の「開業届」に該当し、設立会社の基本情報を知らせるものとなります。納税地となる管轄税務署に、会社設立から2ヵ月以内に提出する必要があります。また、都道府県/市町村役場にも設立1期終了時までに提出します。
さらに従業員を雇用している場合等は、労働基準監督署とハローワークへの届け出、社会保険に関する年金事務所への届け出等、必要に応じて各機関への税務・労務関連の届け出も行います。
〈法人設立届出書の添付書類〉
登記事項証明書(履歴事項全部証明書)のコピー
定款のコピー(株式会社は認証済定款のコピー)
株主名簿(株主の氏名、住所、株式数、株式取得日を記載)
設立時の貸借対照表(設立時資産として、出資を受けた金銭・現物出資を記載)
なお定款作成・認証にかかった費用、設立登記の登録免許税、会社設立に際しての司法書士・行政書士への支払報酬等は、法人税法の定めにより、会社設立前にかかった「創立費*」として経費計上出来ます。
- *創立費:発起人に支払う報酬、設立登記のために支出する登録免許税その他法人の設立のために支出する費用で、当該法人の負担に帰すべきものをいう。
会社設立後に届け出が必要な書類一覧
届け出を要する書類には、次のものがあります(一部必要に応じて)。
会社設立後の主な届け出書類の届け先&手続き先チェックリスト
税務署 国の税金(国税)に関する届け出 |
法人設立届出書 | 会社設立日から2ヵ月以内に届け出る |
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青色申告の承認申請書 | 会社設立日から3ヵ月以内、 最初の事業年度終了日のいずれか 早い方の前日 |
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源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 | 原則として、提出した日の 翌月に支払う給与等から適用。 |
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給与支払い事務所等の開設届出書 | 会社設立日から1ヵ月以内 |
法人設立届出書 | 会社設立日から2ヵ月以内に届け出る |
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青色申告の承認申請書 | 会社設立日から3ヵ月以内、最初の事業年度終了日のいずれか早い方の前日 |
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 | 原則として、提出した日の 翌月に支払う給与等から適用。 |
給与支払い事務所等の開設届出書 | 会社設立日から1ヵ月以内 |
都道府県税事務所、 市町村役場 地方税に関する届け出 各都道府県税事務所 および各市町村役場 |
法人設立届出書 (それぞれに届け出る) |
期限は都道府県や市町村により異なる 東京23区は都税事務所のみの提出で良い |
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法人設立届出書 (それぞれに届け出る) |
期限は都道府県や市町村により異なる 東京23区は都税事務所のみの提出で良い |
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労働基準監督署 労災保険の加入や 労働法に関する届け出 |
労働保険保険関係成立届 | 従業員を雇った日の翌日から10日以内 |
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労働保険概算保険料申告書 | 労働員を雇った日から50日以内 | |
就業規則(変更)届 | 常時10人以上の従業員を雇っている場合、 速やかに届け出る |
|
適用事業報告書 | 従業員を雇い入れた時に遅滞なく提出。 従業員が同居の親族だけの場合は不要。 |
労働保険保険関係成立届 | 従業員を雇った日の翌日から10日以内 |
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労働保険概算保険料申告書 | 労働員を雇った日から50日以内 |
就業規則(変更)届 | 常時10人以上の従業員を雇っている場合、 速やかに届け出る |
適用事業報告書 | 従業員を雇い入れた時に遅滞なく提出。 従業員が同居の親族だけの場合は不要。 |
ハローワーク 雇用保険の加入手続きや 雇用保険に関する届け出 |
雇用保険適用事業所設置届 | 適用事業所になった場合、 その日の翌日から10日以内 |
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雇用保険被保険者資格 | 従業員を雇った日の翌日から10日以内 |
雇用保険適用事業所設置届 | 適用事業所になった場合、その日の翌日から10日以内 |
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雇用保険被保険者資格 | 従業員を雇った日の翌日から10日以内 |
年金事務所 健康保険や 厚生年金の加入手続きや これらに関する届け出 |
健康保険・厚生年金保険新規適用届 | 会社設立から5日以内 |
---|---|---|
健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届 | 被保険者資格を取得した日から5日以内 | |
健康保険被扶養者(異動)届 | 被保険者に扶養者がいる場合、 被保険者を取得した日から5日以内 |
健康保険・厚生年金保険新規適用届 | 会社設立から5日以内 |
---|---|
健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届 | 被保険者資格を取得した日から5日以内 |
健康保険被扶養者(異動)届 | 被保険者に扶養者がいる場合、被保険者を取得した日から5日以内 |
銀行 会社の口座開設の手続きを行う |
口座開設依頼書 など 詳細は各金融機関にお問い合わせください |
設立登記後速やかに手続きをする |
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口座開設依頼書など 詳細は各金融機関にお問い合わせください |
設立登記後速やかに手続きをする |
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また法定の労働時間を超えて労働(法定時間外労働)させる場合や、法定の休日に労働(法定休日労働)させる場合には、あらかじめ労使で書面による協定を締結し、「時間外・休日労働に関する協定書(36協定)」を所轄労働基準監督署長に届け出ることが必要です。就業規則の作成と届け出は常時10人以上の労働者を使用する使用者と規定されているのに対し、36協定は、労働者が1人でも法定の労働時間を超えて働いたり、法定の休日に労働する場合、届け出が必要となります。
社会保険は加入必須
法人格は必ず社会保険(健康保険、厚生年金保険)に加入しなければなりません。加入するには、会社設立から5日以内に、管轄の年金事務所へ「健康保険・厚生年金保険新規適用届」を提出します。社員が加入する際には「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」を提出し、会社は社員の年金手帳も取得します。なお、各書類の提出時には各種添付書類が必要となるので、日本年金機構ホームページでチェックしましょう。
(日本年金機構ホームページ)
https://www.nenkin.go.jp/section/soudan/
会社設立をお知らせする挨拶状も忘れずに
会社設立時は手続きにばかり気を取られがちですが、これまでにお世話になった先への挨拶も必要に応じて行いましょう。挨拶状の文面には、新会社を設立したことをお知らせするとともに、事業内容、開業日、住所・電話番号・会社名等も明記します。また、開業前に相手に届くように送付しましょう。
〈挨拶状文面の例文〉
謹啓 〜の候 ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のお引立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、かねてより準備を進めてまいりました新会社が、
株式会社○○○○として設立する運びとなりましたので、謹んでお知らせ申し上げます。
これもひとえに皆様のご支援の賜物と心より感謝いたしております。
皆様からのご期待に沿えるよう、より一層努力してまいる所存です。
何卒倍旧のご指導・ご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。
まずは略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます。
謹 白
平成○○年○○月 吉 日
〒000-0000 東京都○○区△△0-0-0
TEL 00(000)0000
FAX 00 (000) 1111
株式会社○○○○
代表取締役 △△ △△
本コンテンツは弥生株式会社が運営するサイト「スモビバ!(https://www.sumoviva.jp/)」内の記事「【まとめ】会社設立後にするべきこととは?(https://www.sumoviva.jp/trend-tips/20170331_1308.html)」を一部加筆・変更したものです。
上記の個別の表現については、必ずしもみずほ銀行の見解を示すものではありません。
当初作成:2017年3月31日