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ワンランク上をめざす「タスク管理」ノウハウ

掲載日:2022年9月1日生産性向上

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ビジネスパーソンにとって、タスク管理能力は非常に重要です。連絡漏れや手配遅れなどのうっかりミス、スケジュールの遅延などが原因で、業務の進行に支障をきたすこともあるでしょう。
自らのすべきことを管理する方法を見直し、何から手を付けるべきかを可視化して整理するだけで、その悩みは大きく改善されるかもしれません。本稿では、ミスをなくし、仕事の効率をあげるタスク管理のノウハウについてご紹介します。

「タスク管理」が苦手な人、5つの共通点

「タスク管理をしっかりやる」ことが大切なことはなんとなく分かっているものの、目の前にある業務をこなすことに精一杯で、なかなかそこまで手が回らないと悩んでいるビジネスパーソンも少なくないでしょう。

しかし、自分が抱えているタスクを適切に管理することが、スムーズな業務の進行にどれだけ寄与するかを知れば、取り組まずにはいられないはずです。
適切なタスク管理には、例えば、以下のようなメリットがあげられます。

  • 期限内に、余裕を持って仕事を完了できる
  • 複数の業務を並行していても、混乱せずにこなすことができる
  • 「やるのを忘れていた……」などのうっかりミスがなくなる
  • 一人で抱え過ぎず、周りに上手く仕事を振ることができる

裏を返せば、タスク管理が疎かになることで、これらと反対のことが起きてしまうかもしれないのです。
そうした事態は、業務上の失態といえるでしょう。

実は、タスク管理が苦手な人には、5つの共通点があります。

1.メモをする習慣がない

一つ二つのタスクであれば問題ないかもしれませんが、複数のプロジェクトを抱えていたり、部下を管理する立場であったりする場合、こなすべき業務の数は膨大です。
そうした多くのタスクをメモに残さず、記憶だけを頼りに漏れなく行うのは、よほどの記憶力の持ち主でないと難しいでしょう。

2.タスクの解像度が低い

例えば、「商談の準備」という業務の中には、「マーケットリサーチ」「前任者へのヒアリング」「企画書の作成」「会議室の予約」など、細分化すると様々なタスクが数多く存在しています。
業務に含まれるそれぞれのタスクを想定せず、全体を大雑把に捉えてしまうことで、抜け漏れが発生しやすくなるのです。

3.作業にかかる時間の想定が雑

自分のスケジュールを管理する際には、やるべき作業にどの程度の時間がかかるかを予測するでしょう。
そのとき、本来2時間かかる作業を、1時間で見積もってしまっては、その後の予定に影響が出てしまいます。
雑な想定が積み重なっていくと、スケジュールがどんどんずれ込んでいってしまい、思ったように仕事を進められなくなるのです。

4.業務を一人で抱え込んで、人の手を借りない

チームメンバーや部下などに仕事を振らず、自分一人で抱えてしまい、結果キャパオーバーになってしまうことが多い人は、タスク管理が上手だとはいえません。期日通りに、確実にタスクを完了するためには、ときに他者の力を借りることも必要です。
他人に任せることも含めて、タスク管理だと考えましょう。

5.作業に優先順位をつけない

優先度の高い作業を後回しにして、その他の作業に時間を費やしてしまっていることはないでしょうか。
その結果、大切な作業に時間をかけられず、本来の力が発揮できなかったり、クオリティが低下したりと悪影響を及ぼしてしまっているかもしれません。

自分がこれらの特徴にあてはまっていると感じた人は、タスク管理の方法を見直すことで、業務効率を大きく改善できる可能性があります。

また、これらは自身のタスクだけではなく、チームや組織全体をマネジメントするうえでも、留意すべき項目です。
経営者やリーダーであれば、上記の視点を持って事業やプロジェクトの進行を管理することで、生産性向上も望めるでしょう。

今日から実践できる、手書き整理術

さて、タスク管理が上手くいかない要因が分かれば、どんなことに注意すべきかも自ずと見えてきます。
タスク管理の基本は、「作業の棚卸し」と「優先度による仕分け」、「時間配分とスケジュールへの落とし込み」です。
この3つができれば、冒頭であげたようなメリットを感じながら、スムーズに仕事を進めていけるでしょう。

ここからは、タスク管理の基本を実践するノウハウをご紹介します。
すぐにできる方法なので、ノートや付箋などの身近にある文具を使って実践してみましょう。

<作業の棚卸し>

まず、ノートに「今抱えている業務を滞りなく終わらせるために、どんなタスクがあるのか」を書いていきます。

このときに注意すべきなのは、細かく分解した「作業レベル」のタスクを列挙していくことです。
タスク管理が苦手な人の共通点にもあげたように、全体を大雑把に捉えてしまうと、抜け漏れが発生しやすくなってしまいます。

例えば、「全社定例会議の準備」であれば、「各部署に報告資料を依頼」「参加者へ日時の連絡」「会議室の予約」「人数分の飲み物手配」「資料の印刷」など、考えうる作業をすべて洗い出して明記するのです。
こうすることで、実際にやるべきことが可視化され、抜け漏れが起きにくくなるでしょう。

<優先度による仕分け>

次に、列挙したタスクに優先順位を付け、仕分けします。
縦軸に重要度、横軸に緊急性を置いたマトリクスを使うと分かりやすいでしょう。

最も優先すべきなのは、「①重要かつ緊急性が高い」もの。
続いて「②重要性は高いが緊急ではない」もの、「③重要性は低いが緊急性が高い」もの、「④重要性も緊急性も低い」ものという順で、タスクを片付けていくようにします。
①~④それぞれの項目内においても、細かく優先順位を付けられれば、より効率的に仕事を進めることができるでしょう。

③や④にあたる作業に関しては、部下や他のメンバーに割り振るなどルールを決めれば、自分一人で業務を抱え込まず、適度にタスクを分散させることにもつながるでしょう。

<時間配分とスケジュールへの落とし込み>

自分がやるべきことと、その優先順位が分かったら、タスク完了にかかるおおよその時間を見積もりましょう。
想定よりも、少し多めに時間をとっておくと安心です。
また、5~6時間ほどかかりそうなタスクであれば2~3時間×2回に分けるなど、分散することで、他の業務と並行して進めやすくなります。

時間配分ができたら、そのタスクを確実に終えなければならない日の前日に締め切りを設定し、スケジュールに落とし込んでいきます。何かハプニングが起きる可能性もあるので、ここでも少し余裕を持っておくべきです。

このように、やるべきこと、優先順位、スケジュールへの落とし込みができたら、最後に日付ごとのToDoリストを作成します。
毎日、終業時に翌日のToDoリストを確認し、「今日のタスク一覧」として付箋に書いて、明日の自分に向けてデスクやPCに貼っておくのがおすすめです。
なお、情報管理の観点から取扱に注意が必要な内容の場合、オープンな場所に貼ることは避けましょう。

必ず目に入る場所にあれば、日を跨いで忘れてしまうこともなくなります。
毎朝、その日にやるべきことを認識できるので時間管理も可能になり、終えた作業からチェックをしていくことで、やり残しがないかどうか、しっかりと管理できるでしょう。

ツールを使い、更なる生産性向上を!

さらに効率アップを図りたい、チーム内でメンバー同士のタスクを共有して、マネジメントにも活用したいと考えるのであれば、タスク管理ツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

自分のタスク作成や他のメンバーへの作業依頼、確認、リマインド、共有、資料の保存など、ツールによって様々な機能が付いています。必要な機能を考え、自社に合ったツールを選定しましょう。

従業員数が少ない企業の場合、ツールを導入して管理するまでもないと考えることもあるでしょう。
しかし、チーム内の情報共有やプロジェクト進行など、タスク管理から派生する重要な業務を全社的に把握できる環境が整えることは、組織全体の生産性向上を考えるうえでは非常に重要です。

お互いに業務をサポートし合える、進捗を口頭でいちいち確認する必要がない、不足に気付いてミスを未然に防ぐことができるなど、多くのメリットが生まれるでしょう。
さらに、チャットを使ったコミュニケーションも可能なツールであれば、在宅勤務でも組織内で連携を取りやすく、より効率的に仕事を進められるようになるかもしれません。

例えば、あるデザイン会社では、連絡はメールで、プロジェクトの進捗情報は社内共有サーバーに保存したExcelファイルで管理していました。
しかし、この方法だとリアルタイムで情報を共有することが難しく、案件進行に支障が出ていたそうです。

そこでタスク管理ツールを導入し、案件ごとにタスクを作成しました。
作業の担当者をリストで、進捗状況をラベルで可視化し、ツール内で役割分担やスケジュール管理ができるようになったことで、各案件の管理者がメンバーの稼働量を把握できるようになるなど、マネジメントと情報共有の面で劇的に効率があがったといいます。

また、ある自動車販売会社の営業部では、タスクをすべてカード形式で登録し、全員が見られるように管理できるツールを導入しました。
これにより、チームメンバー全員がタスク一覧を共有でき、共通のゴールやそれに向けた進捗が分かりやすくなったことで、業務の分担がスムーズになり、チームワークが向上したといいます。

このように、業務の特色や改善したい課題、会社として導入するのか、部署として導入するのかによって、必要な機能や期待できる効果が異なるでしょう。
最適なツールを選ぶためには、現状の問題点を把握し、社員の希望を聞いたうえで、まずはツールを提供しているベンダー企業に相談してみるのがおすすめです。

おわりに

複数の仕事を同時進行でこなさなければならない、業務の範囲や種類が多岐にわたる、チームメンバーをマネジメントする立場にあるなど、忙しい毎日を過ごしている人こそ、自身の、ひいては組織全体のタスク管理を見直すべきでしょう。

タスク管理が苦手だった人でも、簡単なノウハウやツールを用いることで、効率的に業務を進められるようになり、仕事の質があがることが期待できます。
ご紹介した方法を、ぜひ今日からでも、試してみてはいかがでしょうか。

(記事提供元:株式会社プレジデント社 企画編集部)
※上記の個別の表現については、必ずしもみずほ銀行の見解を示すものではありません。

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