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スムーズに予実管理を運用するための方法とは

掲載日:2020年10月12日 生産性向上

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予実管理とは「予算実績管理」を略したもので、文字通り「予定(予算)」と「実際(実績)」を管理することです。
予実管理を行うと、予算に対して実績が順調に上がっているか、その進捗状況を確認することができますし、設定予算への達成度がふるわなければ、年度の途中で手を打つことも可能になります。「利益確保は充分できているか」「事業戦略を軌道修正する必要はあるか」などの観点から予実管理を実践している中小企業も多いでしょう。実態的には、従業員間のITリテラシー格差、一般的に普及しているソフトウェアという点から予実管理にExcelを使用している企業も少なくありません。しかし、Excelで予実管理を行うと、手作業が増え手間がかかる可能性があります。
本稿では、Excelの予実管理で起こりえる問題を整理し、効率的に予実管理を行う方法について解説します。

1. Excelでの予実管理における弊害

Excelは、誰でも扱いやすいソフトウェアとして、多くの企業が様々な目的で利用しています。
しかし、Excelで予実管理をすると、集計作業が属人化しやすくなります。複雑な計算式を使っていると、担当者しか作業ができなかったり、別の人が手伝うことや担当を変えることが難しくなったりする場合があります。
他にも、管理業務の面から見ると、以下のように多くの課題が見られます。

予算管理上で見られる課題

複数部署で予算管理を行っている場合、経理担当者が各部門からExcelシートを収集、合算する作業に手間と時間がかかります。
例えば、部門ごとに優先項目が違うなどの理由で入力フォーマットが異なる場合が多く、経理部門の予実管理表に反映するにはデータを出力して1つひとつ手入力していく必要が生じます。そのため転記ミスが発生する可能性も否めません。また、誤って数式を上書きしてしまったなどで、Excelシート自体に集計ミスが発生していることもあり、正しい計算がされているか入念にチェックする必要があります。
同一のフォーマットを使っていても、バージョンの違いでデザインが崩れることもあり、そうしたことが思わぬミスを招くこともあります。
さらに、Excelでの予算管理の難点は、部門とセグメントの数だけファイルが増えていくという点にもあります。組織、勘定科目などに変更が発生した場合、全てのExcelファイルに情報を反映させなければならず、業務効率を下げる要因にもなりかねません。

実績管理上で見られる課題

実績は会計システムの情報を見れば一目瞭然ですが、予実管理をExcelで管理している企業では、会計システムで実績データを集計し、Excelの予実管理表に手入力で反映しているケースが多く見られます。このような場合、入力作業の負荷がかかるうえ、転記ミスが発生する可能性があるため、二重チェックを行うなどさらに負担が増します。
間接部門費の配賦計算もまた手作業となるため、かかる手間と時間は膨大なものになります。月次決算完了後、修正あるいはミスが分かった場合も、そのたびにExcelの予実管理表を手作業で更新しなければならず、生産的ではない作業が発生しています。
また、こうした手作業に時間をとられ、肝心の経営分析資料などの資料作成に割ける時間が少なくなる可能性もあります。予実の対比、予算シミュレーションなどの分析に時間をかけ、経営企画により役立つ精度の高い情報を提供したいという経理担当者の思いに反比例し、予算編成情報の収集・集計といった前段階に手をとられ、分析がおぼつかないということも起こります。事実、経営者が設定した期日に間に合わず、「精度が低い資料しか上げられない」「詳細な分析までできない」というジレンマを抱えている経理担当者も少なくありません。
Excelを使った予算管理を実施している企業の多くが、こうした課題を抱え、時間を費やしながら実績管理を行っています。そして現場の苦労を、経営者・役員クラスは把握していないことが多いようです。

2. Excelから脱却するなら「会計ベースの予実管理」方法がおすすめ!

「予実管理をもっとラクに行いたい」という声に応えるべく、市場には多くの予実管理システムが提供されています。しかし、Excelと比べると導入に別途費用がかかってしまい、「それなら手間と時間がかかってもExcelで行えている現状を維持するほうが良い」と考える方も多いでしょう。
しかし、本来優先すべきなのは、タイムリーに毎月の実績と予算を比較することです。予実管理ではPDCAサイクルを効率よく回すことが重要になるため、非効率な状態のままでは、予実管理を行うことで実現できるはずの「利益確保の施策立案」にも影響が出かねません。
そこで、Excelでの予実管理に代わる方法として有効なのが、会計システムをベースにした予実管理です。
現在市場で提供されている会計システムには、予実管理表を自動作成する機能を搭載しているものがあります。
テンプレートをベースにデータを加工することができ、実績が変更になった場合でも自動的にデータを反映することができます。
こうした機能を搭載した会計システムを使うことで、日々の経理業務もしっかり反映した予実管理が迅速かつ効率よく行えるようになるのです。

3. Excelの落とし穴にはまる前に見直しを!

Excelによる予実管理は、ゼロから全てを構築する必要があるという点も課題です。ソフトウェアとしてのExcelは、誰にでも使いやすく便利なツールであるものの、経営に用いる大量のデータを扱うには不向きかもしれません。
予実管理は、毎月、毎年の業績報告に大きく作用するため、経営者が予実管理に寄せる期待も大きくなります。「Excelでできるから」と業務効率の問題を後回しにせず、より効率的にできる方法に切り替えることが、経営課題の早期発見・早期対応にもつながるといえるでしょう。
予実管理業務に課題を感じ始めた時こそチャンスと捉え、予実管理に日々どれほどの時間を費やしているかを洗い出し、予実管理方法の見直しを検討してみてはいかがでしょうか。

本コンテンツは株式会社オービックビジネスコンサルタントが運営するサイト「OBC360°(https://www.obc.co.jp/360)」内の記事「Excelでの予実管理はもはや限界!?スムーズに予算管理を運用するための方法とは(https://www.obc.co.jp/360/list/post133)」を一部加筆・変更したものです。

上記の個別の表現については、必ずしもみずほ銀行の見解を示すものではありません。

当初作成日:2020年9月14日

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