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「オンラインでも売れる」営業組織をつくる方法

掲載日:2021年5月31日人材戦略

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「コロナ禍のため、取引先からオンラインでの営業を求められた途端、ガクンと売上が落ちてしまった」といった悩みはありませんか?
リクルート社で伝説の営業マンとして活躍した高城幸司氏は「営業チームが、『オンラインだからうまくいかない』という言い訳をしていませんか?この考えを改めることからスタートです」と語ります。
本稿では、オンラインでの営業が強いられた場合、どうすれば自社の営業パーソンが稼げるようになるのか、解説していきます。

オンラインへの“慣れ”を促そう!

コロナ禍を契機に、オンラインが多用されるようになった営業活動。しかしながら、どんな企業であっても、営業担当はまだまだ、その経験が少ないかもしれません。
経営者や営業リーダーからすると、そんな営業担当が、対面形式の活動と比べてどれだけの成果をあげられるのか、不安は尽きない状況といえるでしょう。

しかし今後も、同様の状況は続くでしょう。また、コロナ禍が収束した後も、オンライン営業というスタイルが定着していくとも考えられます。
そのためにも経営者は、オンライン営業を“通常”と理解して、自社営業チームの営業成績をあげられるように工夫していく必要があるといえます。

ただ、現状、営業担当が「オンライン営業では、お客さまの本音が聞き出せないので、売上をあげるのが難しい」といった言い訳をしていないでしょうか?
こうしたネガティブ思考は何も生み出さないどころか、営業活動を阻害するだけです。
まずは、「オンライン営業を前向きに捉え、その中でも結果は出せる」ということを繰り返し伝え、営業組織には、どうすれば結果が出せるのかと“考える”クセをつけさせることが大切といえます。

そのうえで、営業チーム内でオンラインを積極的に活用させて、“慣れ”させることから始めてみましょう。
例えば、営業チーム内で、積極的に在宅勤務を取り入れ、各種ミーティングツールを使わせてみることです。こういったツールは取引先との商談や打合せで必須になってきています。
自社で日常的にオンラインツールを使っていくことで、営業担当はオンライン営業への苦手意識がなくなってくるはずです。

この際、「コミュニケーションのためならば、電話でも問題ないのではないか」と考える方がいるかもしれませんが、これは間違いです。
電話は、相手の表情や仕草がわからないという欠点があり、オンラインツールは、それが可能となります。

取引先からオンラインでの営業が求められる時代となってきた今、営業担当に“慣れ”させ、オンライン上での取引先担当者とのやり取りの中で、その表情や仕草から、相手が何を考え何を求めているのかを推測できるようにトレーニングさせることが重要だといえます。
これを日々繰り返すことによって、オンライン営業のコツを掴む可能性が高まっていくでしょう。

必勝法は“すき間時間”の意識

オンライン営業を実践させていく中で、営業担当に指導すべきは、取引先に対して「細切れ」にコンタクトをさせることになります。
営業活動を振り返ってみましょう。ここでのプロセスは、対面営業であっても、オンライン営業であっても大きく変わらず、次の6段階に分けられます。

【営業活動のプロセス】

  1. アプローチ
    お客さまとの最初の接触機会
  2. 信頼構築
    挨拶や自己紹介、簡単な雑談などで信頼されることをめざす
  3. ヒアリング
    お客さまの現状や課題を聞き出す
  4. 企画・提案
    お客さまに貢献できることを企画、提案する
  5. クロージング
    お客さまの決断を促す、あと「ひと押し」の言葉をかける段階
  6. アフターフォロー
    決定後、これを怠らないことで、お客さまとの次の仕事につなげることができる

このプロセスにおいて、対面営業とオンライン営業とでは、どこに違いが生まれるのでしょうか?
対面営業の場合、取引先への移動がかかり、担当者との話が盛り上がりすぎて話題が逸れてしまうことがあります。ところが、オンライン営業では、移動の手間が省ける上、ポイントを絞って、取引先担当者と話をすることができます。
つまり、対面営業とオンライン営業では、「時間」活用の感覚が異なるのです。

また、取引先担当者も、「わざわざ来社してもらう」という意識がなくなりますので、営業担当は、自身の「すき間時間」を使うことによって、取引先担当者にコンタクトができ、運用次第では、お客さまとの「接触機会増加」をしていくことができるのです。
これが、取引先への「細切れ」コンタクトといえます。

つまり、オンラインでの「すき間時間」活用の営業は、対面営業よりも手軽に「細切れ」でアプローチができ、かつ、電話営業と違って、お互いの顔を見て話すことで印象を残しやすくなるので、取引先担当者との関係づくりにも役立ち、営業プロセスを円滑に進めていくことにつながっていくのです。

これらを理解して営業組織を活性化させるためには、営業担当者ごとの1日のスケジュールを共有させ、「空き時間」をチェックしたうえで、それを有効活用させるためにも、オンラインツールを使って、取引先とコンタクトできないか指導していきましょう。
これによって、営業担当が、自ら「空き時間」を認識することができるようになれば、適切なタイムスケジュール管理を進めていくきっかけにもなります。

ちなみに、営業担当が録画可能なミーティングツールを使う場合は、お客さまの了承を得られた場合はデータを保存させておくと良いでしょう。商談がうまくいかなかったときの振り返りや、クロージング時の言質をうまくとれていたかどうかの確認ができます。
営業活動の様子を保存しておけるのは、対面形式での営業にはない特長です。この点はぜひ、営業組織に認識させておくべきといえるでしょう。

マストでおさえる!営業担当への注意点

しかしながら、オンラインだからこそ、営業組織に気を付けさせるべき点があります。
大きく分けて、次の2つとなりますので、確認してください。

注意点1:時間遵守の気持ちをより強く持たせる
オンライン営業は、「すき間時間」を使った、短時間コンタクトでのアポイントを入れやすい特長がありますが、取引先担当者の都合も考える必要があります。相手は、アポイント前後に予定を入れている場合がありますので、コンタクト時間を守らないと他の業務に支障をきたしてしまいます。
そうなっては、接触機会を増やしてもマイナスなだけです。営業担当には、オンラインでのコンタクト時間を厳守するように指導しましょう。

また、比較的短時間で実施するオンラインミーティングだからこそ、事前準備が重要になってきます。相手に伝えることをまとめきれていないと、結果(=クロージング)に結びつけることが難しくなってしまいます。
営業担当には、取引先に話すことを、しっかりとプランニングさせるようにしましょう。

さらに、その内容を事前確認するために、社内で、ミーティングツールを使ってチェックしてみるといいかもしれません。対面営業では気にならないことでも、オンラインツールでは話を冗長に感じることがあるかもしれません。
確認して、思ったことは、必ず営業担当に伝えておきましょう。

注意点2:情報漏洩には特に注意
オンライン営業では、取引先担当者がいる場所は様々です。社内にいるのか、在宅か、コワーキングスペースや喫茶店にいることもあり得ます。

どの場所にいても、打合せや商談における機密情報をしっかりと保持する必要があることは、いうまでもありません。
営業担当には、取引先担当者がどのような環境でオンラインミーティングに臨むか、確認させるようにしてください。場所によっては、「機密情報が漏れてしまうかもしれないから、あの件は話さないほうがいいな」といった判断も求められます。

そのためにも、営業組織には、オンラインミーティングについてのマニュアルを作っておくことをおすすめします。
「相手が喫茶店にいる場合は、情報漏洩のおそれがあるため特定の企業名を出さない」などといった具体的なルールを決めておくと、後でトラブルに発展する危険性が少なくなります。

こうした注意点も理解させながら、オンラインでの営業活動の活性化を図っていきましょう。

オンライン営業持続のために必要な人材育成を

オンライン営業は、今後、ますます活発になっていくことが予想されます。そこに自社を対応させていくためには、人材教育が重要になってきます。
例えば、今後入社してくる人材をオンライン営業に最適化させるためには、新入社員研修時にミーティングツールの使い方や注意点を、必須項目としておくことが求められるでしょう。

コロナ禍により急速に進んだオンラインでの営業活動は、現在、大企業だけではなく、多くの中小企業がその最適な方法を模索している段階です。
自社の営業担当を、オンライン体制でも稼げる営業部隊にしたいならば、自社としての独自の手法を生み出すことが大切になります。

そのためには、営業担当に、数多くのオンライン体験をさせていくべきです。失敗も出てくるでしょう。しかし、そこからオンライン営業の新しいルールや成功法則を生み出していくことが重要なのです。
今こそ、オンラインにも強い、新しい営業組織作りに着手していきましょう。

(記事提供元:株式会社プレジデント社 企画編集部)

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