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中途採用に苦戦している企業が見直すべき3つのポイント

掲載日:2020年2月17日人材戦略

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厚生労働省「一般職業紹介状況」によると、現在、有効求人数が有効求職者数を上回っており、いわゆる「就職売り手市場」となっています。この状況の中で、「求人募集を出しても応募が来ない」「応募があっても面接をキャンセルされる」「内定を出しても辞退される」などと、人材確保に苦戦する中小企業は多いのではないでしょうか。本稿では、中小企業の中途採用において見直すべき3つのポイントを紹介します。

中途採用の3つのポイント

ポイントは以下の通りです。

  1. 1.採用基準の適切な設定
  2. 2.採用手法と採用メッセージの見直し
  3. 3.選考対応の強化

1.採用基準の適切な設定

企業が人材募集を行うのは一般的に、事業展開に伴う増員時や、従業員の退職による欠員時です。
そこで採用基準を設定する際、「できる限り即戦力になる優秀な人材を採用したい」と考え、必須の条件を多く設定してしまいがちです。その結果、募集の条件が厳しくなるほど、該当する人材は少なくなり、応募数を集められなくなってしまいます。
そこで次の方法で採用基準を設定すると良いでしょう。

配属先の部門長や教育担当者にヒアリングする

「どんな人を採用したいか」という理想像を聞くヒアリングではなく、「採用する人に任せる業務範囲はどのくらいか」「採用後いつまでに戦力化していないといけないか」「戦力化までにかけられる教育体制はどのくらいあるか」を明らかにします。

ヒアリングした内容を元に、求める「スペック」と「人物タイプ」を書き出す

「スペック」とは、経歴、年齢、経験年数、保有資格などのハード面を、「人物タイプ」とは性格、価値観、志向などのソフト面を指します。また、それぞれを「必須」「あれば尚良い」の2種類に分類します。分類のポイントとして、「必須」は「本当に入社時に必要か」と考え、「あれば尚良い」は「入社後に身に付けられるもの」と考えると良いでしょう。

以上のプロセスを踏むことで、採用基準を絞り込みすぎず、適切な範囲で設定することができるでしょう。

2.採用手法や採用メッセージの見直し

現在では様々な採用手法がある中で、必要とする人材の採用には「採用基準や採用目標に合わせて最適な手法を選択する」ことがポイントです。そのため、各採用手法の特徴や、どのような場合にどの採用手法が有効かという点を紹介します。

人材紹介サービス

「職種経験、業界経験が豊富な人材(数年~数十年)を採用したい」「管理職経験者を採用したい」「情報公開前の事業展開に沿った求人など、求人する事実を非公開にしたい」という場合に有効な方法です。

求人広告(インターネット媒体)

特徴は、応募者に向けたメッセージを多く記載できることです。「経験や知識をそれほど問わない」「事業展開や企業理念、社風に共感する人材を採用したい」「複数人数を募集」という場合に有効です。

求人広告(紙媒体)

特徴は、伝えられる情報が少なく、配布エリアが限定されることです。そのため、「業務内容がシンプルまたは限定的なもの」「アルバイト・パートの採用」という場合に有効です。

SNS

特徴は、自社の企業理念や社風などを自由な形式で伝えられることです。「自社の企業理念や社風に共感する人材を採用したい」「書類選考無しでフランクに会って選考したい」「費用を抑えて採用したい」という場合に有効です。

リファーラル採用

リファーラル採用とは、社内の従業員から友人や知人など紹介してもらい、採用選考を行う手法です。「自社の社風や特徴を理解した人材を採用したい」「費用を抑えて採用したい」という場合に有効です。

さらに求人票などの「応募者に向けたメッセージ」も採用基準によって、記載すべきメッセージ(情報)が異なります。
例えば、採用基準が「同業界での同職種の経験が5年以上」とする場合、応募する人材の、業界や職種についての知識は豊富ですので、今後の事業展開、その中で任せられる業務範囲、業務の進め方、評価・昇給制度、初年度~数年後の年収例など、「経験者だからこそ知りたい情報」を記載したほうが良いでしょう。
一方で、採用基準が「全くの未経験者でも可」とする場合、業界や職種のイメージが沸かないことが多いでしょう。そのため、業界と業界内での自社の立ち位置、1日の仕事の流れなど業務内容の詳細、教育体制、未経験入社で活躍している社員の生の声など、「未経験者が安心できる情報」を記載すると良いでしょう。

以上のように、中途採用の際には特に、「採用基準とする人材が気にする情報はどのようなことか」をしっかり検討し、伝えるべきメッセージを発信することがポイントです。

3.選考対応の強化

選考対応の強化ポイントとしては、「スピード感」、「印象の良い対応」の2つの見直しがあげられます。

<<スピード感>>

中途採用の選考プロセスとして、「書類選考→面接→内定」という流れが一般的です。この間に適正検査などを行う場合もあり、面接回数も企業によって異なります。現在は「就職売り手市場」であるため、複数社に同時に応募している求職者は多いでしょう。応募したタイミングでは志望意欲は高いですが、他社の選考を受けるうちに意欲が下がる可能性もあり、他社の内定を得た段階で転職活動をストップする求職者もいるでしょう。そのため、「いかに応募から内定までの時間を短くできるか」というスピード感が重要となります。
採用基準に応じて「その選考プロセスでは何を目的にするのか」「本当に必要か」という視点で見直すことがポイントです。

<<印象の良い対応>>

「就職売り手市場」の中で求職者から選ばれるためには、「いかに自社を知ってもらい、働きたいと思ってもらえるか」ということが大切です。そのためのポイントを紹介します。

面接の初めに会社説明を行うと良い

面接の初めにまず、自社の情報をしっかりと伝えることで、応募者による会社と募集ポジションへの理解が深まり、雇用のミスマッチを防ぐことにもつながります。「応募してきているのだから、志望動機がしっかりあるのはあたり前」と思う人も多いかもしれませんが、公開している情報だけでは、転職者が十分に会社を理解できていないのではないでしょうか。募集しているポジションの背景や今後の事業展開、業務の詳細や評価制度、同じ部署で一緒に働く従業員などについての具体的な情報は、志望動機につながる可能性が高いものの、公開していない情報が多いように感じます。

印象の良い面接を心がける

面接時の応対についても、心掛けるべき点があります。「月刊『人事のミカタ』」(エン・ジャパン株式会社)に掲載のアンケート結果によると、面接で「この会社には入社したくないと思った」理由の第1位(73.6%)は、「面接官の人柄・印象が悪かった」です。威圧的な対応や、個人情報に関わる質問、応募書類を読んでいない質問など、応募者に悪い印象を与える応対をしてはいけません。気持ちの良い挨拶や笑顔、丁寧な説明、応募者の話を丁寧に聞くなど、応募者に良い印象を与えるよう心掛ける必要があります。

本コンテンツは中小企業・小規模事業者ビジネス創造支援ポータルサイト「ミラサポ~未来の企業★応援サイト(https://www.mirasapo.jp/index.html)」)」内の記事「中途採用に苦戦している企業が見直すべき3つのポイント (https://www.mirasapo.jp/column/00126/20190315_69601.html)」を一部加筆・変更したものです。
上記の個別の表現については、必ずしもみずほ銀行の見解を示すものではありません。

当初作成:2019年3月15日

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