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社長と従業員が良好な関係を築くには?

掲載日:2019年11月22日人材戦略

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「従業員が育たない」「部下が言うことを聞かない」などといった悩みを抱える経営者は多いのではないでしょうか。相手の性格や、これまでの関係性などによって、従業員との関係構築方法はケースバイケースとされてしまいがちではありますが、共通して押さえるべきポイントもあります。本稿では、従業員と良い関係を築くためのコツについて解説します。

従業員と良い関係を築くためのコツ

ポイントは以下の通りです。

  1. 1.まずは話を聞く
  2. 2.自身の感情を表に出さない
  3. 3."べき論"を捨てて接する

1.まずは話を聞く

従業員に仕事の指示や指導をする場合、多くの経営者は「何をしてほしいか」「何が問題と考えているか」をまず伝えるでしょう。その後がポイントであり、「じゃあ任せたよ」「伝えたからね」で終わるのではなく、従業員へ指示した仕事についての疑問や不満があるかを本人に確認することが大切です。またそれが指導なのであれば、指導した従業員サイドの意見も聞く時間を持つことを心がけると良いでしょう。

ある程度の信頼関係ができれば、経営者からの問いかけに対して、従業員は答えてくれるようになるでしょう。出てきた意見に対して相手側の立場を考えながら説明することで、「社長に対してきちんと意見を伝えた結果、話を聞いてもらえた」という納得感を従業員に得て貰うことが重要です。

また、経営者と過ごす時間が長いことも信頼関係の構築には効果的でしょう。例えば飲み会や食事会で長い時間過ごし、話を聞いてあげるだけで関係性が好転することもあります。また、経営者自らが従業員一人ひとりに感謝を述べるために、賞与を現金で手渡ししている会社もあるようです。普段の仕事ぶりを評価されつつ、賞与を手渡しされた従業員は、会社や経営者への愛着が強くなり、お互いの信頼関係を深める効果が期待できます。

問題となるのは、既に関係が悪化している場合です。その状態でいくら経営者が質問をしても、ほとんど回答は得られないでしょう。従業員は「どうせ何を言っても聞いてくれない。最悪の場合、さらに怒られる」と思ってしまうからです。こうした場合は、過去に思い当たる自身の行動を振り返り、自身が反省していることを伝えながら、根気強く信頼回復を図ることが必要です。

従業員から話を上手に聞き出せていないと感じているのであれば、「コーチング(自身に話させて解答や納得に導く手法)」と呼ばれる手法を専門家から学ぶのも手段の一つです。コーチングとは、大まかにいえば、あれこれと上司側が指示・指導するのではなく、課題や問題点の提示を通じて、相手が自分で答えにたどり着けるように誘導する手法を指します。頭ごなしに指導される場合と比べ、考える機会が増えることで従業員の自律的な行動を促すと同時に、自身で導き出した答えであるという認識から、納得感を持って仕事に取り組むケースが増える点が特徴です。

2.自身の感情を表に出さない

これは、いきなり怒り出す年上の親族や教師に対して、子供が距離を置きたがるのと同じようなことです。経営者が「いつでも報告や相談をしなさい」「会議では自分の意見を話してください」と従業員に伝えていたとしても、いざ相談に行ったら、「なんでそんな馬鹿なことをやるんだ」と叱責したり、会議で発表したら、いきなり強い口調でダメ出しを始めたり……。これでは従業員から避けられてしまい、良好な関係は築くのは難しくなります。

経営者からすると、以前から伝えていた指示を守っていなかったり、報告内容が的を得ておらず、不満を感じる場合もあるでしょう。また、その会社で誰よりも困難な仕事に取り組んでいるであろう経営者から見れば、従業員の仕事ぶりに納得がいかないことがあるのも、ある意味では当然ともいえるでしょう。

それでも、従業員との関係を考えるのであれば、経営者自身が瞬間的な感情を表に出すのは避けたほうがいいでしょう。その怒りに任せた言動で従業員との距離ができてしまえば、その溝を埋めるのは一苦労です。

3."べき論"を捨てて接する

従業員に強い口調で指導する、つい感情的な態度を表に出してしまう経営者には、“べき論”が強く根付いているケースが多いようです。それは、「課長なんだから、これくらいの能力は備えているべき」「社会人なんだから、この程度の常識は備えているべき」「社長に上げてくる報告書は、最低限このくらいの完成度であるべき」という、決め付けで指導してしまうことです。

このような意識を根底に持っていると、従業員のミスや怠慢が許せなくなり、表情や言動にも表れてしまいます。しかし、そもそもその人物を採用し、役割を与えているのは企業側です。問題が生じているのであれば、別の人物を昇格させるか、必要な教育や訓練を施して育てるなどの対策を講じることで問題を解決する必要があります。

そして何より、経営者がこうした“べき論”で接してくる場合、従業員も同じ論法で不満を抱いてしまう恐れがあります。「部下の仕事には社長が責任を持つべきだ」」「社長なんだから、私にも分かるように指示するべきだ」「1ヵ月前と言っていることが違う。説明と謝罪があるべきだ」といったものです。このような応酬を続ける人間関係は、決して良好とはいえないでしょう。

もし今、従業員の教育方法や関係性に悩みを抱えているのであれば、今回紹介した3つのポイントを自身ができているか振り返ってみてはいかがでしょうか。

本コンテンツは独立行政法人 中小企業基盤整備機構が運営するサイト「J–Net21」(https://j-net21.smrj.go.jp/index.html)内の記事「経営ハンドブック」(https://j-net21.smrj.go.jp/handbook/hr/internal_comm.html)を一部加筆・変更したものです。
上記の個別の表現については、必ずしもみずほ銀行の見解を示すものではありません。

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