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「格言」で社員を鼓舞し、組織活性化につなげる

掲載日:2021年4月19日事業戦略

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多くの企業が新年度を迎える4月。この時期、企業経営者や組織のリーダーは、会議で自身のビジョンや方針を発表することもあれば、社員やチームメンバーを鼓舞するために力強いメッセージを送ることもあるでしょう。
本稿では、そんなときに、自分の考え方をまとめるための指針とし、また相手に伝えるときに使えるような、名経営者や知識人が発した「格言(金言)」をご紹介します。ぜひ、参考にしてみてください。

社員やメンバーの気持ちを奮い立たせるために

経営者やリーダーは、とかく孤独なものです。自分の悩みや不安を漏らすことができず、常に、悶々としている方も多いのではないでしょうか。また、そんな姿を、周りに見せるわけにもいかないでしょう。
節目のスピーチでは、力強い言葉を発することが、経営者やリーダーに求められる宿命だといえます。
そのためには、名経営者が発した言葉を自分自身の心の支えにしながら、同時に、それをベースとしたメッセージを社員やメンバーに送ることが良いかもしれません。

「チャレンジして失敗を恐れるよりも、何もしないことを恐れろ」
これは、ご存じの方がいるかもしれませんが、本田技研工業の創業者・本田宗一郎氏が発した格言です。本田技研工業は、本田宗一郎氏の強烈なリーダーシップによってイノベーションを繰り返し、大会社へと成長してきました。

現在はコロナ禍の影響で、会社のあり方や働き方、ビジネス自体が大きく変わってきています。だからこそ、今必要とされるのは、リーダーや社員つまり会社全体のイノベーションだといえます。そのためには、突き進むための「意志」が大切となるでしょう。

失敗を恐れて動かなければ、何も変わりません。“最悪”を考えて立ち止まるのではなく、最高を想定したうえ、それを実現させるために一歩一歩進んでいく、常にこうありたいものです。
宗一郎氏が発したこの言葉は、この時代のリーダーが指針にすべきものであり、社員や組織メンバーに、ぜひ伝えるべきものだといえるかもしれません。
また、宗一郎氏は次のような格言を残しています。それぞれ、状況やシチュエーションによって活用すると良いでしょう。
「絶対絶命のときに出る力が、本当の力なんだ」
「困らなきゃだめです。人間というのは困ることだ」
「こちらが信用することによって、信用される人間が生まれる」
「成功者は、例え不運な事態に見舞われても、この試練を乗り越えたら、必ず成功すると考えている。最期まで諦めなかった人間が、成功しているのである」

また、インターネットによって世界を席巻しているといえるGoogleの創業者、ラリー・ペイジ氏には、次のような格言があります。
「『そんな馬鹿なことはできない』と誰もが思うことならば、競争相手はほとんどいない」

これは、彼が「途方もない計画でも、実現へと進めることは意外とたやすい」と述べた後に、その理由として語った一節です。つまり、競合企業やライバル会社、そして誰もが考えつかないようなアイデアを突き詰め、練り込めば、敵はいなくなり、勝機が見えてくるということになるでしょう。

変革の時代である現在、確かに「発想力」が求められています。依存のルールや慣習に縛られることなく、新しいことを考え、生み出し、チャレンジしていく。ビジネスに携わる者にとっては、正しく、この姿勢が求められているのではないでしょうか?

さらに、ラリー・ペイジ氏の格言には、次のようなものがあります。
「失敗は失敗で、得られるものがあるから、悪いことではない。むしろ頻繁に失敗した方が得られるものが多い」
「大きなことをする方が小さなことをするより容易だ。変に聞こえるだろうが、本当に大きなことをしていると、他の人の助けが得られる。より多くの人が助けてくれる。必要な資源がより多く手に入る」

これらは、本田宗一郎氏の格言ともつながる部分が多く、結局、常に前に進んでいてこそ、分からなかったことが分かるようになり、周りも巻き込めるようになって、物事が進化していくことになるという意味になるでしょう。
ぜひとも、発想と行動のベースに置いておきたいものです。

マイナスの状況を好転させるためのメッセージとは?

昨年からのコロナ禍で、業績が下がり、組織やチームの雰囲気が沈滞している場合があるかもしれません。そんなケースでは、「行くぞ!」「盛り返すぞ!」と声高らかなスピーチをしたとしても、誰もついてこないことがあります。

そんなときには、相手の心に響くような格言を利用すると良いかもしれません。いわば、安らぎを与えながら、鼓舞するような手法といえるでしょう。
作家のサミュエル・スマイルズ氏は、次のような言葉を残しています。
「真の謙虚さとは自分を正当に評価することであり、長所をすべて否定することではない」

売上が落ち込み、もはやどうすることもできない、と自信を失って悩んでいるような組織やメンバーには、こんな格言が刺さるかもしれません。
うまくいかないときには、振り返りが重要ですが、その中では、短所ばかりに目がいきがちです。ただ、謙虚に振り返る本質はそういったものではなく、長所を見つめ、そして、それを認め活かしていくことであり、そういった心がけが重要だといった意味になるでしょう。

組織に属する一人ひとりが、自分の長所を意識し、そして、他のメンバーも長所も意識して理解することによって、個人が変わり組織も活性化してくるはずです。これを実践することにより、いずれ大きな成果にもつながっていく可能性もあります。
同様の意味では、次のような格言が、使えるかもしれません。

「自分自身を信じてみるだけでいい。きっと、生きる道が見えてくる」 –詩人・ゲーテ
「人は心が愉快であれば終日歩んでも嫌になることはないが、心に憂いがあればわずか一里でも嫌になる。人生の行路もこれと同様で、人は常に明るく愉快な心をもって人生の行路を歩まねばならぬ」 –劇作家・シェイクスピア
「人生という試合で最も重要なのは、休憩時間の得点である」 –ナポレオン・ボナパルト

さらに、日本初の銀行である第一国立銀行を設立した渋沢栄一氏には、次のような格言があります。
「一人ひとりに天の使命があり、その天命を楽しんで生きることが、処世上の第一要件である」
この意味は、誰にでも一人ひとりに個性があって、得意や不得意があり、できること・できないこと、好きなこと・嫌いなことがあるかもしれない、ただ、それらをしっかりと受け止めたうえで、やるべきことを前向きに楽しみながら進めること、それによって人生を切り拓くことができる、といったことになるでしょう。

経営者や組織のリーダーは、社員やチームのメンバーを叱咤激励するだけではなく、それぞれの個性と能力を見極めたうえで、本人が前向きにチャレンジできるように導いていくことも大切かもしれません。
ぜひ、これらの格言も参考にして、発信するメッセージを考えてみてください。

(記事提供元/株式会社プレジデント社 企画編集部)

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