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名セリフから紐解く仕事の「粋」

掲載日:2022年11月1日事業戦略

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明日のプレゼンが心配でたまらない、新しい仕事を引き受ける自信がない、クライアントから叱られて落ち込んでしまった……。
日々業務に邁進する中で、ときには心配や不安、モチベーションの低下を感じることもあるでしょう。
そんなとき、映画の中に、あなたの背中を押してくれるような一言を見出すことができるかもしれません。
いわゆる「名作」とされる映画には、魅力的なキャラクターの本質が垣間見える名セリフが散りばめられており、そこにはビジネスパーソンが参考にしたい、“粋”な哲学を読み取ることができるのです。
本稿ではビジネスで活用できる映画の名セリフの一部を、シチュエーション別に紹介します。

大事なプレゼンが目前に迫り、緊張する自分を鼓舞したいとき

「日々、人生最後の日と思え。大胆に挑戦して楽しめ。すべて一瞬だ」
——『はじまりへの旅』(2017)

独自の教育方針により森で自給自足生活をする父親ベンと、6人の子どもたち。
入院中の母親が亡くなり、一家は葬儀のため、また、母のある願いをかなえるために、2,400km離れた大都会まで旅に出ます。
しかし、世間知らずが災いし、様々な騒動に巻き込まれることに。
外の世界に触れる中で、自身の凝り固まった考えを改めたベンが、家族から離れて独立するという新しい道に挑む長男に送ったのがこの言葉です。

ビジネスを成功させるためには「ここぞ」という場面が必ず訪れます。準備を万全に行ってきたとしても、不安はつきものでしょう。
しかし、いざプレゼンが始まれば、持ち時間が終わるまでの時間は短く感じ、あっけなく過ぎ去ってしまうものです。
失敗する自分を想像して過度に緊張してしまうくらいなら、いっそ楽しんでしまおうと、堂々たる気持ちを持って臨んでみる。
そうすることで相手に自信が伝わり、良い結果につながるかもしれませんし、終わったときに「やり切った」と、自分に誇りを持てるのではないでしょうか。

「幸福は勇者に味方する」
——『ボヘミアン・ラプソディ』(2018)

「ドント・ストップ・ミー・ナウ」等、数々の名曲を生んだロックバンド・クイーンの実話を基にした作品です。
劇中、彼らはレコード会社にオペラ調の新曲「ボヘミアン・ラプソディ」を提案するも、6分もの長さに渋い顔をされ、短くするよう要求されます。そのときにクイーンのマネージャーが放ったのがこのセリフ。
元々は古代ローマの詩人・ウェルギリウスの言葉です。

通例に囚われない、斬新な構成で発表された「ボヘミアン・ラプソディ」は、ロック史に名を刻む曲として知られることになります。
前例のない企画提案や、斬新なアイデアを発表しようとする際に、思わず怖じ気付き、一歩をためらうことがあるでしょう。
この言葉は、そんなときに踏み出す勇気を与えてくれます。
新しいことに取り組むときにリスクはつきもの。それも覚悟のうえでチャレンジする人にこそ、幸運の女神は微笑んでくれるということです。

新しい仕事を打診されたものの、引き受けるか迷っているとき

「やるか、やらぬかだ。やってみるなんて言葉は存在しない!」
——『スター・ウォーズエピソード5/帝国の逆襲』(1980)

惑星ダゴバで、ジェダイ・マスターのヨーダのもと修行をすることになった主人公ルークは、ヨーダからあることを命じられて「やってみます」と回答。それに対してヨーダが放った名言です。
自信を持てず、弱気な言い方をする弟子に、師匠として喝を入れたといえます。

現代社会においても、「とりあえずやってみる」ことが善しとされる風潮はありますが、その探り探りな姿勢すら生ぬるいと喝破し、本気で挑むことの大切さを教えてくれる言葉です。
「逃げ道を作らずに自分を追い込む」程のチャレンジ精神を持つことも、場合によっては必要であると気付かされます。

「決断すべきことは我々に与えられた時間の中で何をするかである」
——『ロード・オブ・ザ・リング』(2002)

主人公フロドが手にした指輪は、数千年前に闇の冥王が世界を破滅させる力を封じ込めて作ったものでした。
彼は世界を救うために仲間と指輪を葬る冒険に旅立ちますが、冥王の手下に追われます。
フロドが「自分の手に指輪が渡ってこなければ良かったのに……」と呟いたときに、魔法使いが彼に進言するセリフです。

作中の流れからは「与えられた運命を受け入れて、そのうえでどうするかを考えよう」という意味を受け取ることができます。
仕事に置き換えた場合、「あのとき、ああすれば良かったと後悔するのではなく、現実を受け入れて先に進もう」という解釈もできますが、この言葉は映画の文脈から切り離して捉えた方が、よりビジネスシーンにおける汎用性があるかもしれません。
現状に対する後悔の有無に関わらず、「与えられた時間の中でベストを尽くす」ことはビジネスの基本だからです。
ビジネスパーソンならば、常に心に留めておきたい言葉といえるのではないでしょうか。

失敗して落ち込んだとき、立ち直りたいととき

「『お前にはできない』なんて誰にもいわせるな。自分の夢は自分自身で守らなきゃならない。人は自分が何かをできないと、他人にもできないと決めつけたがる。何かが欲しいなら掴み取れ!」
——『幸せのちから』(2007)

所持金21ドルの状態から立ちあがった実在の父子を元にした作品。
主人公クリスは事業に失敗し、妻は家出、5歳の息子と路頭に迷います。
極貧の中で、「バスケ選手になりたい」といった息子に、クリスはこう言って息子の背中を押します。
苦境にある、クリス自身に言い聞かせているとも受け取れるでしょう。

ビジネスでも思うように前進することができず、落ち込むことがあるでしょう。周りからの消極的な声を真に受け、チャレンジを諦めてしまおうか、という迷いが生じることもあるかもしれません。
しかし、最終的には自分を信じて動き、挑戦を続けるしかないという、当たり前のことを再認識させてくれるセリフです。

「災難は誰かの頭上に舞い降りる。今回は私だった」
——『ショーシャンクの空に』(1995)

無実であるのに終身刑となって刑務所に収監された有能な銀行員アンディが、腐敗した刑務所内で仲間を作り、希望を捨てずに立ち向かっていくヒューマンドラマです。
アンディが刑務所内の古株・レッドに、自分が刑務所に入った経緯を話す場面で放つのがこのセリフです。
いわれなき罪で刑務所に収監されたにも関わらず、運命を冷静に受け入れている姿勢から、達観した精神性が見て取れます。

ビジネスでも理不尽だと感じること、納得できないことは多々あるでしょう。
負の感情をうまく消化できないと、周囲の人間にストレスの矛先を向けてしまうかもしれません。
しかし、“怒り”や“諦め”の心に振り回されてしまえば、自分をさらに追い込むことになってしまいます。

災難は誰にでも起こり得ると、必要以上に落ち込まず、冷静になることが重要でしょう。
辛く思えることでも一旦はまず受け入れて、真摯に向き合う姿勢が、前向きに業務を進めていく秘訣といえそうです。

おわりに

名作映画には、普遍的な人間の営みが鮮やかに描かれています。
直接ビジネスに関係ない映画からも、思いがけず仕事の気付きを得ることがあるでしょう。

映画を観ているとき、偶然出会う何気ないセリフが、いつかのあなたを助ける大切な言葉となるかもしれません。
今回紹介したものと合わせて、自分にとって大切なセリフをシチュエーションに応じて思い出し、ときには呟くことで、自身を奮い立たせてみてはいかがでしょうか。

(記事提供元:株式会社プレジデント社 企画編集部)
※記事内の情報は、本記事執筆時点の情報に基づく内容となります。
※上記の個別の表現については、必ずしもみずほ銀行の見解を示すものではありません。

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