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スイーツ業界の動向

掲載日:2019年8月19日業界動向

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スイーツ業界では、消費者の嗜好性が高まったことで、美味しいだけでなく、それにプラスしてご当地性やデザイン性など、独自性が一層求められる等の動きがあり、異業種からの参入も活発化しています。本稿では、スイーツ業界において、低投資かつ高収益が実現可能として近年注目を集めている「単品スイーツ専門店」を紹介します。

スイーツ業界のトレンド

この10年、国内のスイーツ業界の市場は大きく減少することもなく微増で推移しているといわれていますが、これまで業界の「顔」であった洋菓子店・和菓子店などの「多品種・少量生産型」の地方の菓子店は、人口減少と相まって店舗数が大きく減少するなど苦戦しているようです。地方の菓子店が苦戦している一方で、リーマンショック後の2008年頃より、コンビニエンスストアが集客商品としてスイーツカテゴリーに力を入れたこともあり、コンビニスイーツのシェアが大きく拡大しています。
コンビニスイーツは登場した当初こそ、「価格はそこそこ、味もそこそこ」と評価されていたようですが、近年は改良が進み、十分な評価を得るようになってきております。
このようなスイーツ業界の中で、近年注目を集めているのが「単品スイーツ専門店」です。名前のとおり、チーズケーキ、プリン、シュークリームなどの取扱商品を単品に絞り、店舗で実演製造販売を行う業態です。
単品スイーツ専門店が注目されるようになったのが、札幌の老舗菓子店が立ち上げたチーズケーキ専門店といわれています。このチーズケーキ専門店の成功をきっかけに、その後アップルパイの専門店やどら焼きの専門店、プリンの専門店、大福の専門店、チョコレートの専門店などの新規参入が活発になっていったようです。

単品スイーツ専門店のビジネスモデルとは

製造品目を絞り込んだ単品スイーツ専門店のビジネスモデルは、以下の特徴を有しています。

  • 職人がつくる商品よりも高い品質を実現しやすい
  • 話題性を演出しやすい
  • 製造効率が上がり、生産性が高い
  • 売場、厨房とも小規模で済む(売場3坪、厨房4坪の合計7坪程)
  • 必要な厨房機器も絞り込まれ、低投資で開業できる
  • 製造販売を含めてオペレーションがシンプルなため、アルバイト・パートの即戦力化が可能

これらの特徴から、「低投資かつ高収益」のビジネスモデルといわれており、中には、初期投資が1,500万円、粗利60%、正社員1名、投資回収1年という専門店もあるようです。

成功店の特徴

最近では多くの単品スイーツ専門店を目にするようになりましたが、繁盛店にするためにはいくつかのポイントがあるといわれています。

まず、誰もが味を想像できる、馴染みのあるスイーツであるだけでなく、機械化による高い製造効率を実現でき、かつ素人でも製造可能なものを選定していること。次に、地域の名産を原料に使用したり、商品にご当地名を付けたりすることで、ここでしか買えないというプレミア感(付加価値)を演出していること。また、「何のお店」なのか一目で分かる店舗外観や屋号であることだけでなく、インスタグラムやSNSで拡散されやすい商品設計や店内のフォトスポット作りも考慮すべきポイントでしょう。そして出店する立地ですが、都市部の繁華街や駅ナカ・駅前、ショッピングセンターなどに比べて競合参入が活発でなく、また流行りすたりの進行が緩やかで、集客しなくても自然とお客さまが集まる「観光地」などに出店しているケースが多いようです。

まとめ

現在、多くの業界で、人手不足・生産性の改善に課題を感じている経営者が多いのではないでしょうか。
単品スイーツ専門店は、職人に依存せず、更に低投資かつ高収益が実現可能といったビジネスモデルの特徴が評価され、主に外食業などから新規参入する企業が増えています。
また、収益性の高さと人への依存度が低いという点に加えて、地域の農産物を活用した6次産業化や地方創生の手段として、現在、多くの注目を集めている業態です。

本コンテンツは株式会社船井総合研究所が運営するサイト「船井総合研究所オフィシャルサイト」(https://www.funaisoken.co.jp/)内レポート「ご当地の名物スイーツをつくる単品スイーツ専門店」を一部加筆・変更したものです。
上記の個別の表現については、必ずしもみずほ銀行の見解を示すものではありません。

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