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「シェアリングエコノミー」市場の動向について

掲載日:2019年8月7日業界動向

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シェアリングエコノミーとは、車や不動産、製品などを複数の人が共同利用する仕組みのことです。IoTの進展によって、シェアリングエコノミービジネスは次第に社会に浸透しつつあります。2019年現在、シェアリングエコノミーは経済産業省が推進しているプロジェクトでもあり、将来的に社会に大きな変革をもたらしていくでしょう。
本稿では、シェアリングエコノミーの概要と展望、そして経済的な発展などについて説明します。

シェアリングエコノミーとは

普段はあまり使わない自動車や衣服、部屋、土地などを保有している人はたくさんいるのではないでしょうか。シェアリングエコノミーとは、ソーシャルメディアなどを介して「活用されていない資産」を使いたいと思っている人とシェアする仕組みのことです。日本では使っていない部屋を人に貸し出す「民泊」や、時間の空いている人が誰でもお弁当などの宅配員になれる「ウーバーイーツ」、空いている自動車を貸し出すカーシェアリングサービスなどの台頭により、シェアリングエコノミーが知られるようになってきました。

新しい経済と価値観の創出

近年、消費者の価値観は変化を遂げつつあり、中でも顕著なのは、人のニーズが「モノ」から「コト」へと変わってきていることといわれています。

例えば、自動車に関して「今の時代、若い人は自動車を欲しがらない」と耳にすることがあります。理由はライフスタイルの変化や経済的な理由など複数あげられますが、決して自動車が不要なわけではないようです。「所有すること」に価値を見出すのではなく、「どう利用するか」に重点が置かれるようになりつつあるといえるでしょう。

中小企業におけるシェアリングエコノミー活用のメリット

AIやIoTの進展に伴い、シェアリングエコノミーは個人間の利用にとどまらず、ビジネス領域でも活用が始まっています。では、中小企業に役立つシェアリングエコノミーサービスにはどのようなものがあるのでしょうか。

物流・倉庫シェアリング

大手加工食品企業各社では、人手不足や倉庫不足などに対応するため、倉庫の空きスペースの提供および共有を通じた共同配送による「物流シェアリングサービス」を始めた実績があります。中小企業であっても、共通する取引先などを探して、トラックやドライバー、倉庫の空きスペースをお互いに融通し合うことでコスト削減や業務効率化に寄与する可能性も出てきます。また倉庫のシェアリングサービスは従来のような大口・長期契約ではなく、小口・短期契約での利用が可能になるため、中小企業でもメリットを享受しやすいといわれています。

翻訳・通訳シェアリング

事業のグローバル展開によって、海外からの発注や国外企業との取引で、ビジネス言語に精通した通訳が必要になるケースもあるでしょう。このような場合、翻訳や通訳のマッチングサービスを利用することで、365日24時間、必要な翻訳者や通訳者を探すことも可能です。必要なときに必要な時間だけ翻訳や通訳をしてもらえるため、中小企業がスポットで利用するのに適したシェアリングサービスだといえるでしょう。

工場シェアリング

高度成長期とは異なり、消費者のニーズが従来の大量生産から小規模多品種生産へと移行しているのが、現代の特徴といわれています。工場も必要最低限の中核のみを自社で担い、その他の製造工程はシェアするなどのオペレーションを通じて、さらなる効率化とシナジーを生み出すことにつながります。
たとえば、技術革新を求めながら大規模な設備投資ができない中小企業のニーズと、稼働していない町工場の設備とを結びつけるマッチングビジネスを展開する例も見られるようになってきました。

AI・IoTでシェアリングサービスをさらに加速

上記に加え、AIやIoTの進展によって、既存のシェアリングサービスはさらに利便性が増すでしょう。宅配シェアリングであれば、配達員の確保や配達経路の探索などがAIによって最適化されたり、乗り物シェアリングでは、位置情報の確認や燃料の残量表示などが一目で分かるようになったりするといわれています。工場シェアリングでは、稼働状況や歩留まりなどもインターネット上で確認できるようになり、空いている時間帯に別の企業が工場を活用できるようになるでしょう。

経済産業省による将来的な展望

経済産業省はシェアリングサービスの市場予測と経済効果に、おおいに期待を寄せており、2013年には150億米ドルだった世界市場が、2025年には3,350億米ドルにまで伸びるとの試算を出しています。また、日本における経済効果を10兆円超と見積もっており、シェアリングサービスのさらなる市場拡大の推進を始めています。
ただし、シェアリングサービスは業種分類があいまい、かつ規制が少ない状態であるため、課題が残っている面も否めません。各種の業法に抵触しているケースも多々存在しているため、その点には注意をしておく必要がありそうです。

上記の個別の表現については、必ずしもみずほ銀行の見解を示すものではありません。
(記事提供元:株式会社ZUU)

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