医療機器卸売業界の動向
掲載日:2018年5月30日業界動向
- 医療機器の需要は拡大する見込みであるものの、医療費抑制政策等の影響により、業界としての市場規模は伸び悩みが想定されます。
- 医療機器卸業界では、こうした環境下、大手を中心とした再編・集約が進行しており、今後もさらなる再編・グループ化が想定される状況です。
医療機器卸業界の外部環境
- 医療機器業界市場規模の伸び悩み
- 高齢化進行・医療高度化により医療機器は注目を集めるが、市場規模は1%台の微増推移にとどまる見込み。
(医療機器の需要は拡大するも、政府の医療費抑制政策のもと単価は下落しており、数量効果を相殺) - 今後も市場規模全体の大幅な拡大は期待しがたい
- 高齢化進行・医療高度化により医療機器は注目を集めるが、市場規模は1%台の微増推移にとどまる見込み。
- 医療機器卸は厳しい環境変化から収益面に影響
- 異業種からの参入に加え、医療機器メーカーが代理店の選別や直販化を進めており、さらに病院数も減少基調にあるため、事業機会にも影響する方向
- 外部環境も変化
- 医療費抑制→単価低下
- 薬事法改定→安全管理体制整備の負担増
- 足元では医療機器卸の再編が進行
- 総合卸によるトップライン強化を目的とした再編
ex.2016年、シップヘルスケアによる小西共和ホールディングスとの経営統合発表
- 総合卸によるトップライン強化を目的とした再編
医療機器卸業M&Aに係る売り手の動機(例)
- 独自路線の見直し
- 外部環境の変化への対応
- 後継者不在
- 親族外承継による外部売却
医療機器卸業M&Aに係る買い手のねらい(例)
- スケールメリットの追求
- 医療機器メーカーへの交渉力強化、売上拡大・商圏拡大をねらいとしたグループ化・集約へ
- →医療機器卸業は地域密着型の性格を持ち、トップライン強化にはカバー地域の拡大をともなうため、主要な医療機器卸を中心とした売上高1000億円超のメガディーラー化が進行、さらなる再編も
- →ホールディング・持株会社化によるグループ化も進行中
- 医療機器メーカーへの交渉力強化、売上拡大・商圏拡大をねらいとしたグループ化・集約へ
(参考)大手企業による近年の取組事例
医療材料購買支援システム |
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メディアスホールディングスでは、医療機器卸11社と提携し、医療機関向けに医療機器の共同購買サービスを開始。医療機関のコスト削減、事務効率化へ。 |
- *各社HP等公開情報に基づきみずほ銀行作成
- *本資料は、一時点または一定の条件の下の情報提供および貴社とのディスカッションを目的として作成したものであり、本資料に含まれる情報の正確性、確実性あるいは完結性を弊行が表明するものではありません。
当初作成:2018年2月