2018年版「中小企業白書」「小規模企業白書」を公表します
掲載日:2018年5月30日行政関連情報
- 2018年版白書では、アンケート調査結果に併せて、生産性向上に取り組む中小企業・小規模事業者の事例を豊富に紹介しています(昨年の倍以上となる113の事例を紹介)。下記のポイントを中心に、中小企業・小規模事業者に生産性向上に向けたヒントを提供することを目指す実践的な白書としました。
2018年版中小企業白書のポイント
第1部では、最近の中小企業の動向について、中小企業の経常利益は過去最高水準にあり、景況感も改善傾向であること等を示しました。また、中小企業の労働生産性や経営の在り方等について分析を行いました。
第2部では、人手不足の現状を分析したうえで、中小企業の生産性向上に向けた取組について分析を行いました。具体的には、業務プロセスの見直し、人材活用面の工夫、IT利活用、設備投資、M&Aを中心とする事業再編・統合について取り上げています。
- (1)中小企業が生産性向上に向けた取組を進めていくためには、自社の経営課題を見つめ直すとともに、既存の業務プロセスを見直すことが肝要であることを示しました。
- (2)限られた人手で業務を回すための人材活用面での工夫については、近年非製造業でも取組が進みつつある多能工化・兼任化を中心に紹介しました。
- (3)IT利活用については、コストと効果を具体的に示した事例を豊富に紹介するとともに、日頃の相談相手である地元のITベンダー等がIT導入を働きかけていく必要性等を示しました。さらにIT利活用の効果を高めていくうえで、業務領域間のデータ連携(財務会計と給与管理間のデータ連携等)や企業間のデータ連携を行っていく重要性を確認しました。
- (4)中小企業の設備投資については、緩やかな増加基調にありますが、足下では設備老朽化を背景とした維持更新投資が中心であり、省力化投資等の生産性向上につながる投資をより一層促進していく必要性について示しました。
- (5)事業承継等を背景に、中小企業のM&Aは増加傾向にあり、M&Aは買い手側の中小企業にとっても、相手先の企業との間でシナジーを発揮することで生産性を高める契機となっていることを分析しました。
2018年版小規模企業白書のポイント
第1部では、最近の小規模事業者の動向について、経常利益が回復基調にあるなど、改善傾向にある小規模事業者の景況等を示しました。
第2部では、人手不足の現状を分析したうえで、小規模事業者の生産性向上に向けた取組について分析を行いました。具体的には、業務の見直し、IT利活用、設備投資、企業間連携等について分析しました。人手不足を背景に、小規模事業者では経営者に業務が集中しており、未だに紙ベースでの処理が多い間接業務のIT化を進めること等を通じて、経営者が付加価値向上に資する業務に集中する必要性等について分析しました。また、小規模事業者においては、ちょっとした工夫によって大幅な売上向上につながること等を取組事例によって紹介しました。
第3部では、地域課題に対応しながら成長する小規模事業者やいわゆるフリーランス等の「新しい働き方」としての小規模事業者について事例を取り上げました。また、小規模事業者が生産性向上を図るうえで、支援機関による伴走型支援や支援機関間の連携が重要であり、そうした動きについても事例を紹介しました。
出典元:中小企業庁ウェブサイト(http://www.chusho.meti.go.jp/)
(http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/180420hakusyo.html)を加工して作成
当初作成:2018年4月