法人口座もネットで開設できる!メリットや必要なもの、注意点を解説
掲載日:2025年2月10日法人口座

会社を設立し、事業を始めるうえで持っておくべき法人口座ですが、最近は実店舗のある銀行でも法人口座開設のインターネットでのお申込ができ、来店不要で口座開設が可能です。
インターネットでのお申込は時間の制約がないだけでなく、銀行によっては手数料の優遇を受けられたり、一部の書類提出を省略できたりします。
本記事ではインターネットで法人口座を開設する際の手続きの流れや必要な書類のほか、開設の際の注意点について解説します。
目次
法人口座はネットでも開設できる
昨今では法人口座もインターネットから開設できる銀行が増えています。
ネット銀行以外にも、メガバンクや地方銀行、信用金庫等、多くの銀行がインターネットからの法人口座開設に対応しています。
来店不要で手続きが完結する場合もあり、時間と手間を軽減できるのがインターネットによる開設のメリットです。
法人口座の開設で受けられるサービス
法人口座の開設によって受けられる付帯サービスについて、みずほ銀行の例を紹介します。
- 通帳、キャッシュカードの初回発行手数料無料
- みずほビジネスデビットカードの発行、年会費無料
- ビジネスコンサルティング
- 提携会計ソフト、人材サービスの利用料金割引 等
みずほ銀行では、インターネットから申し込み、かつ来店せずに口座開設が完了すると、カード発行手数料や各種サービス利用料の割引が受けられます。銀行によって受けられるサービスは異なるので、各銀行のウェブサイト等で確認してください。
実店舗のある銀行なら対面相談もできる
実店舗のある銀行なら、対面での相談も可能です。融資や投資方針のようにお金に関することのほか、取引先とのマッチングや課題解決に役立つサービスの紹介等、一人ではなかなか手が届きにくい部分をサポートしてもらえるでしょう。
実店舗があり、かつオンラインの機能が充実している銀行であれば、普段の決済や手続きをオンラインで、直接話したい相談は対面で、といった使い分けも可能です。
対面での相談が可能な銀行を選べば、創業時の悩みや課題も一人で抱え込むことなく、安心して事業に取り組めるでしょう。
法人口座をネットで開設するメリット

法人口座をインターネットで開設すると、以下のメリットがあります。
- 店舗で開設するより手数料が安い場合がある
- いつでも手続きができる
- 書類の提出を省略できる場合がある
店舗で開設するより手数料が安い場合がある
インターネット経由で法人口座を開設すると、口座開設に係る手数料が一部割安になる場合があります。
例えば、みずほ銀行では法人口座のキャッシュカードと通帳の発行手数料(税込各1,100円)が、インターネットから口座開設を申し込み、ウェブ面談を利用した場合は初回無料です。また、発行手数料の割引以外にも、人材サービスや会計ソフト等の事業サポートも特典として割引価格で提供しています。
法人口座はインターネットバンキングの月額利用料等、口座開設後の定額費用も発生します。創業期の場合、少しでも支出を減らせるのはインターネットで開設するメリットといえるでしょう。
いつでも手続きができる
インターネットなら銀行の店舗の営業時間を気にせず、いつでも申込が可能です。また、店舗での手続きではどうしても待ち時間が発生しますが、インターネットであれば待ち時間はありません。
昼間は営業活動等で忙しく時間が取れないという方でも、夜間や休日等空いた時間で効率的に手続きを進められます。
書類の提出を省略できる場合がある
インターネットでの申込では、一部の書類提出を省略できる場合があります。提出を省略できるケースでは、書類を取り寄せる手間や書類の発行手数料が不要になります。
例えば、みずほ銀行ではインターネットでお申し込みいただき、かつ来店なしで開設する場合、印鑑証明等一部の書類の提出が不要です。店舗へ足を運ぶよりも、時間をかけずスピーディな口座開設が叶うでしょう。
法人口座をネットで開設する際の流れ
インターネットでの法人口座開設の流れを紹介します。銀行によって手順が異なる場合があるので、詳細は各銀行のウェブサイト等で確認してください。
今回は、みずほ銀行の例を紹介します。
- 1.みずほ銀行ウェブサイトから「法人口座開設ネット受付」のお申込
- 2.一次審査結果のご連絡と面談日程調整
- 3.ウェブ面談
- 4.申込書類の郵送(口座開設完了)
インターネットでのお申し込みでは、基本的に面談もウェブで行うため来店は不要です。法人の基本情報をオンラインで入力した後、一次審査に通るとウェブ面談の日程調整についての連絡があります。面談後、最終的な口座開設の承認連絡が来れば、書類を郵送して口座開設が完了します。
なお、審査状況によっては、インターネット経由のお申込でも来店が必要になる場合があります。
サービスの利用条件については、あらかじめウェブサイトで確認しておきましょう。
また、年末年始やゴールデンウィークのほか、申込が集中した場合等は通常より時間がかかる可能性があります。時間に余裕を持って早めに申し込みましょう。
法人口座をネットで開設する際の必要書類

インターネットで法人口座を開設する際に必要なもの、不要なものを紹介します。みずほ銀行の場合、インターネットでのお申し込みでは申込時点で必要な書類はほとんどありません。ただし、入力時の情報確認で利用する書類もあるので、事前にチェックして取り寄せが必要な書類等は準備しておきましょう。
必要書類と必要な情報
法人口座開設をインターネットで申し込む際には、以下のような情報および書類が必要です。申込手続きの前にそろえておくと、効率良く、かつ間違いなく申込ができます。
- 法人番号
- 法人格
- 代表者・役員・実質的支配者等の氏名・住所・生年月日等
- ウェブ面談者の本人確認書類
- 実質的支配者の確認ができる書類
- (代表者以外がウェブ面談を行う場合)委任状、面談者の印鑑証明書
法人番号は法人設立の登記が完了した際に発行されます。国税庁から届く法人番号指定通知書で確認しましょう。代表者や役員、実質的支配者の情報は、みずほ銀行の場合書面提出は不要ですが申込時の入力に必要です。登記簿謄本等を準備しておくと、スムーズに入力できます。
実質的支配者の確認ができる書類は、株主名簿や有価証券報告書、実質的支配者リスト等です。実質的支配者リストは法務局に登録していれば写しを発行できます。いずれの書類も手元にない場合は、法人税確定申告書の別表でも確認が可能です。
上記のほか、事業や銀行によっては、取引担当者の本人確認書類や、事業の許認可番号、事務所の賃貸契約書等が必要になることもあります。
必要ないもの
みずほ銀行の場合、インターネットでのお申込では以下の書類は原則必要ありません。
- 登記事項証明書
- 印鑑証明書
ただし、審査状況によっては書面提出を求められる場合もあります。また、銀行によっては、インターネットからの申し込みでも提出が必須です。申込の前に各銀行のウェブサイト等で確認しましょう。
法人口座をネットで開設する際の注意点
インターネットで法人口座を開設する際の注意点を3つ解説します。一般的に、口座開設審査に通らなかった場合、理由は開示されません。しっかりと事前準備をして申し込むことで、迅速な口座開設につながります。
事業内容を説明できるように準備する
業務内容や設立目的は具体的に説明できるようにしましょう。口頭説明だけでなく、パンフレットの提示や公式ウェブサイトの確認を求められる場合もあります。
ウェブサイトは無料でも作成できるので、法人の事業内容や概要をまとめたページを作っておくと、口座開設だけでなく営業の際にも役立つでしょう。
また、領収書や契約書、請求書等取引先との取引証跡も、業務実態の証明に有効です。物品の販売や制作の事業であれば、実際に販売した物や販売時の写真等も資料になるでしょう。
資料が多いほど説明もしやすくなるため、使えそうな物を一通り用意しておくことをおすすめします。
書類に不備がないか確認する
書類を提出する前に、不備がないか必ず確認しましょう。不備があると改めて書類を提出しなければならないだけでなく、信頼性に欠けると判断される可能性もあります。
見落としやすい確認ポイントは以下の通りです。
- 有効期限が切れていないか
- 転居等の履歴が正しく更新されているか
提出書類の条件に「発行から何ヵ月以内」等の指示がある場合は必ず守りましょう。登記簿謄本等は、前回発行したときから変更がなかったとしても改めて発行してください。
また、本人確認書類では、転居や改姓が現在の情報に更新されていることを確認しましょう。もし更新されていなければ、必ず更新してから口座開設を申し込んでください。
ネットでの申し込みの条件を確認する
インターネットで申し込む前に、申し込みの条件を確認しましょう。店舗での開設条件とインターネットでの条件は必ずしも同一ではありません。条件によってはインターネットで手続きができない場合もあります。
例えば、みずほ銀行の場合、以下に該当する方はインターネットで申し込めません。法人口座開設は可能ですが、店舗での申込が必要です。
- 既にみずほ銀行に法人口座をお持ちのお客さま
- 個人事業主または(任意)団体のお客さま
- 普通預金口座以外の口座開設をご希望のお客さま
- 登記上の本店所在地(設立国)が日本以外のお客さま
インターネットでのお申込の条件を満たしていないと、申し込んだとしても審査に通らなかったり、別途店舗での手続きが発生したりします。無駄な手間を避けるためにも、インターネットで申し込む前に条件を確認しておきましょう。
ネットで法人口座を開設するならみずほ銀行
みずほ銀行は、法人口座の開設もインターネットで申込を受け付けています。休日夜間も申込が可能で、ウェブ面談日時の調整もEメールでできるので、多忙な合間の隙間時間で手続きが可能です。ウェブ面談は、ビジネスに理解の深い口座開設専門部署が担当します。
インターネットでのお申し込み時点で、提出が必要な書類はありません。本人確認書類や実質的支配者が確認できる書類(株主名簿、有価証券報告書等)は、ウェブ面談までに準備していただければ問題ありません。
また、法人口座には、以下の機能を無料で付帯しています。
- 便利なインターネットバンキング「みずほビジネスWEB」
- 電子帳票に対応した「みずほWEB帳票サービス」
- 法人口座からのリアルタイム決済が可能な「みずほビジネスデビット」
取引先や顧客との入出金履歴がウェブ上で一元管理でき、帳簿に必要な帳票の紛失も防げるので、決算処理の効率化にもつながります。
提携会計専用ソフトを一定期間無料で利用できる特典もあるため、初めての経理処理でもスムーズに進められます。
他にも、人材・スキルマッチングサービスや大企業とのマッチングイベント等、スタートアップ企業を応援する会員向けサービスも提供。広告費をかけずに、企業や投資家とのコネクション作りや、事業拡大に不可欠な優秀な人材の確保が叶います。
まとめ
昨今は多くの銀行で法人口座のインターネットでのお申込が可能です。インターネットでのお申込は時間を選ばずに手続きが可能なだけでなく、来店での手続きよりも手数料が割引されたり、各種法人向けサービスが優待料金で利用できたりします。
信頼性の高いメガバンクで法人口座を開設するなら、インターネットでのお申込に対応しておりサービスの充実したみずほ銀行がおすすめです。法人向けの支援サービスや特典も多く、事業成長の力強いサポートを提供します。
- *本稿に含まれる情報の正確性、確実性あるいは完結性をみずほ銀行が表明するものではありません。
また、個別の表現については、必ずしもみずほ銀行の見解を示すものではありません。
最新の情報をご確認のうえ、ご自身でご判断いただくようお願いいたします。
監修者

内山 貴博
- 1級FP技能士
- CFP
大学卒業後、証券会社の本社で社長室、証券業務部、企画グループで5年半勤務。その後FPとして独立。金融リテラシーが低く、資産運用に保守的と言われる日本人のお金に対する知識向上に寄与すべく、相談業務やセミナー、執筆等を行っている。
日本証券業協会主催「投資の日」イベントや金融庁主催シンポジウムで講師等を担当。
2018年に日本人の金融リテラシー向上のためのFPの役割について探求した論文を執筆。