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融資の信用保証料とは?計算方法と負担を軽減する2つの方法

掲載日:2024年12月18日資金調達

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中小企業が金融機関から融資を受ける際、公的機関から債務の保証が受けられる「信用保証」という制度をご存じでしょうか。信用保証制度を利用することで、中小企業や小規模事業者は融資枠を拡大できたり、連帯保証人や担保なしでお金が借りられたりする場合があります。

本記事では、融資における信用保証制度と信用保証料について詳しく解説します。

融資の信用保証料とは

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融資の信用保証料とは、「信用保証制度」を利用するために支払う手数料のことです。

信用保証制度とは、中小企業や小規模事業者が金融機関から融資を受ける際に、「信用保証協会」という公的機関から債務の保証が受けられる仕組みのことです。

信用保証制度を利用すると、金融機関は返済が滞ることによる損失リスクを避けることができます。融資の返済が滞った際には、信用保証協会が金融機関に対して代わりに返済(代位弁済)を行います。融資を受けた側は、返済の必要がなくなるわけではありません。その後は信用保証協会に対して返済することになります。

信用保証制度の申込は信用保証協会の窓口でも可能ですが、融資の申込をする際に金融機関の担当者が間に入って信用保証協会への申込手続を並行して進めるのが一般的です。

信用保証料の金額は、融資を受ける金額や保証期間、適用される保証料率などによって決まります。詳しくは、後述の「融資の信用保証料の計算方法」「融資の信用保証料の取扱方法」をご参照ください。

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融資の信用保証を受ける2つのメリット

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信用保証制度を利用することには、融資を受ける中小企業や小規模事業者にとって、どのようなメリットがあるのでしょうか。主な2つのメリットについて以下に解説します。

融資枠を拡大しやすくなる

融資の信用保証を受けることで、中小企業や小規模事業者は、信用保証協会の保証を受けない融資(プロパー融資)と比べてより多くの融資を受けやすくなります。

仮に融資の返済が滞った場合でも、信用保証協会が中小企業や小規模事業者に代わって返済してくれるので、金融機関は確実に資金を回収できるためです。また同じ理由で、金融機関は安定的な資金の回収が見込めるため、長期の融資も受けやすくなります。

連帯保証人・担保なしで融資を受けられる

融資の信用保証を受けると、法人代表者以外の連帯保証人は原則として必要ありません。個人事業主の場合は連帯保証人も原則不要です。また、担保がなくても融資を受けられる場合があります。(保証制度の種類によっては、一部担保を求められるものもあります)

信用保証がないプロパー融資の場合、代表者以外の連帯保証人や不動産などの担保を求められる場合がありますが、信用保証を受けることで原則これらが不要になるため、金融機関からの融資が受けやすくなるでしょう。

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信用保証制度を利用できる条件

信用保証制度を利用するためには、「企業規模」「業種」「区域・業歴」の3つの基準を満たしている必要があります。

「企業規模」については、業種別に「資本金」と「従業員数」が定められており、これらのいずれかを満たす必要があります。詳細は以下の表の通りです。

業種 資本金 従業員数
(小規模事業者)
製造業等
(建設業、運送業、不動産業含む)
 

3億円以下

300人以下
(20人以下)

ゴム製品製造業※

3億円以下

900人以下
(20人以下)

卸売業

1億円以下

100人以下
(5人以下)

小売業・飲食業

5,000万円以下

50人以下
(5人以下)

サービス業  

5,000万円以下

100人以下
(5人以下)

ソフトウェア業
情報処理サービス業

3億円以下

300人以下
(20人以下)

旅館業

5,000万円以下

200人以下
(20人以下)

医業を主たる事業とする法人

300人以下
(20人以下)

出典:全国信用保証協会連合会「初めての融資と信用保証

多くの業種は信用保証制度の対象となります。ただし、農業、林業(素材生産業および素材生産サービス業を除く)、漁業、金融・保険業(一部の金融・保険業を除く)など一部の業種は信用保証を受けることができません。

また各信用保証協会の管轄区域で事業を営んでいる(事業実態がある)ことが必要です。さらに、利用する保証制度によっては業歴の条件が定められている場合があります。

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融資の信用保証料の計算方法

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融資の信用保証料の計算方法は、融資の返済方法によって異なります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

満期一括返済の場合

金融機関からの借入金を満期に一括で返済する場合の信用保証料は、以下のように計算します。

【計算式】
信用保証料=借入金額 × 信用保証料率 × 保証期間(月数) ÷ 12

例えば保証期間2年(24ヵ月)で借入金額500万円の場合の信用保証料は以下の通りです。信用保証料率は保証先の事業主の財務内容などに応じて9段階の区分がありますが、ここでは1.15%の料率を用います。

【計算例】
信用保証料=500万円 × 1.15% × 24 ÷ 12 =11万5,000円

分割返済・据置期間なしの場合

借入金を分割で返済する場合、据置期間がある場合とない場合で計算方法が異なります。据置期間とは、元金の支払が発生せず、利子の支払のみを行う期間のことです。据置期間なしの場合は以下のように計算されます。

【計算式】
信用保証料=借入金額 × 信用保証料率 × 保証期間(月数) ÷ 12 × 分割係数

「分割係数」とは、分割返済によって借入残高が減っていく分の信用保証料を割り引くための係数です。

例えば借入金額500万円を保証期間60ヵ月、据置期間なしで分割返済する場合の信用保証料は以下の通りです。信用保証料率は1.15%、保証期間は60ヵ月、分割係数は0.55とします。

【計算例】
信用保証料=500万円 × 1.15% × 60 ÷ 12 × 0.55=15万8,125万円

分割返済・据置期間ありの場合

分割返済で、据置期間がある場合の計算式は以下の通りです。

【計算式】
(A)据置期間部分の信用保証料=借入金額 × 信用保証料率 × 据置期間(月数) ÷ 12

(B)分割返済部分の信用保証料=借入金額 × 信用保証料率 × (保証期間(月数) - 据置期間(月数)) ÷ 12 × 分割係数

信用保証料の合計=(A)+(B)

例えば借入金額500万円を保証期間60ヵ月、据置期間12ヵ月で分割返済する場合の信用保証料は以下の通りです。信用保証料率は1.15%、保証期間は60ヵ月、分割係数は0.55とします。

【計算例】
(A)据置期間部分の信用保証料=500万円× 1.15% × 6 ÷ 12 =2万8,750円

(B)分割返済部分の信用保証料=500万円 × 1.15% × (60-6) ÷ 12 × 0.55=14万2,312万円

信用保証料の合計=(A)2万8,750円 +(B) 14万2,312万円 = 17万1,062円

融資の信用保証料の取扱方法

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融資の信用保証を受ける場合、信用保証料の支払方法や経理上の扱いについても理解しておく必要があります。それぞれの扱いは以下の通りです。

支払方法

信用保証料の支払方法は、一括前払いが基本です。通常、融資実行時に借入先の金融機関を経由して、信用保証協会に一括で支払います。ただし保証期間が2年を超える場合は、分割払いも可能です。

分割払いを利用する場合は、信用保証を申し込む際に「信用保証料分割支払承認依頼書」を提出して、信用保証協会の承認を受ける必要があります。

なお、ここで言う分割払いとは、あくまでも信用保証料の分割払いのことなので、「融資の信用保証料の計算方法」で解説した分割返済の場合とは信用保証料の計算方法が異なります。

勘定科目・仕訳方法

信用保証料の仕訳は、保証期間に応じて3種類の勘定科目を使い分けるのが一般的です。

融資の返済期間が長く、保証期間が決算日の翌日から1年以上にわたる場合、「支払手数料」「前払費用」「長期前払費用」の3種類の勘定科目を使って仕訳をします。

信用保証料のうち当期分の金額は「支払手数料」、翌期分の金額は「前払費用」、翌々期以降の金額は「長期前払費用」の勘定科目を使用します。

例えば保証期間5年分(60ヵ月)の信用保証料25万円を現金で支払った場合、当期分の仕訳は以下の通りです。当期分の信用保証料は6ヵ月分(25,000円)とします。

借方 貸方

支払手数料

25,000円

現金

250,000円

前払費用

50,000円

長期前払費用

175,000円

「前払費用」「長期前払費用」はいずれも、対象となる保証期間の決算時に決算整理仕訳をして償却することで経費計上する勘定科目です。

なお信用保証料の金額が20万円未満の場合は、支払った年に一括で経費計上できるとされています。

ここで紹介した仕訳方法や勘定科目は一般的な例です。実際に経理処理を行う際は税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

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融資の信用保証料の負担を軽減する2つの方法

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信用保証を受けると金融機関からの融資が受けやすくなりますが、信用保証料分の費用負担は増えてしまいます。ここでは、融資の信用保証料の負担を軽減する2つの方法を紹介します。

繰上返済

信用保証付きの融資を繰上返済すると、支払った信用保証料の一部が戻ってくる場合があります。

ただし戻ってくる信用保証料を計算した結果が1,000円以下の場合は、返戻の対象とはなりません。また、返済状況などによっては返戻されないこともあります。

繰上返済後、信用保証料の返戻がある場合は信用保証協会から書類が送られてくるので、必要事項を記入のうえ返送しましょう。書類到着後、指定の口座に返戻保証料が振り込まれます。

補助金を活用する

市区町村によっては、支払った信用保証料の一部を負担してくれる補助金を利用できる場合があります。補助金の対象となる条件や補助率は市区町村ごとに異なるので、事業を営んでいる市区町村の補助金制度を調べてみましょう。

融資を受ける際に、補助金の利用について金融機関の担当者にサポートしてもらえる場合もあります。

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まとめ

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融資の信用保証とは、中小企業が金融機関からお金を借りる際に、信用保証協会から債務の保証が受けられる制度で、信用保証料はこの制度を利用するために支払う手数料です。

信用保証協会から保証を受けることで、融資枠が拡大しやすく、原則代表者以外の連帯保証人や担保なしで融資を受けられます。金融機関からの資金調達を検討する際は、信用保証料の仕組みや支払方法などを理解したうえで、本制度の利用を検討してみましょう。

金融機関から融資を受ける前提として、法人としての資金の管理が明確化されていることが重要です。融資によって入金された資金を適切に管理するためにも、法人の資金を管理する法人口座を開設しておくことをおすすめします。

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(記事提供元:株式会社ADKマーケティング・ソリューションズ)

  • *本稿に含まれる情報の正確性、確実性あるいは完結性をみずほ銀行が表明するものではありません。
    また、個別の表現については、必ずしもみずほ銀行の見解を示すものではありません。
    最新の情報をご確認のうえ、ご自身でご判断いただくようお願いいたします。

執筆者

鈴木 靖子

鈴木 靖子

金融商品を売らない独立系ファイナンシャル・プランナー。執筆・監修・相談業務を中心に活動中。銀行の財務企画や金融機関向けサービスに10年以上従事した経験あり。
保有資格:AFP認定者/2級ファイナンシャル・プランニング技能士/2級DCプランナー(企業年金総合プランナー)

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