カスタマージャーニーとは?目的や必要性、メリットを解説
掲載日:2026年10月26日経営手法
カスタマージャーニーとは、顧客が商品やサービスを認知してから興味を持ち、購入・利用を経てリピートや口コミに至るまでの行動や心理の変化を時系列で捉えたプロセスです。
これを整理・可視化したものをカスタマージャーニーマップと呼び、マーケティング施策の立案や改善に活用できます。
カスタマージャーニーは多くの企業で必要とされている一方、時代遅れと指摘されることもあります。
本記事では、カスタマージャーニーの目的や必要性、メリットを解説するとともに、実際の作り方も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
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目次
- *本記事は、株式会社みずほ銀行が提供しています。
- *記事の制作にあたっては、外部の協力会社に一部業務を委託しています。監修者は、情報の正確性・公平性の観点から監修を行っており、特定の商品やサービスをおすすめするものではありません。
カスタマージャーニーとは
カスタマージャーニーとは、顧客が商品やサービスを認知し、興味・関心を持って購入・利用に至り、その後のリピートや口コミなどに至るまでの行動や心理の変化を時系列で捉えたプロセスです。
カスタマージャーニーの目的
カスタマージャーニーの主な目的は、顧客の行動や心理プロセスを整理・共有することで、すべての担当者が一貫性のあるアプローチを実施できるようにする点にあります。
顧客との各接点において取るべき施策が明確になるため、施策の方向性がブレにくくなります。
部署や担当者をまたいだ場合でも、共通の認識を基に顧客対応を統一できるのが大きなメリットです。
カスタマージャーニーの必要性
インターネットの普及により、顧客とのタッチポイントは大幅に増えました。
SNSや検索エンジン、口コミサイト、店舗等、顧客が商品やサービスに接触する経路は多様化しています。各タッチポイントで適切なアプローチを行うためには、顧客の行動や心理プロセスをあらかじめ理解しておくことが重要です。
異なるタッチポイントで一貫性のある体験を提供することで、商品やサービスの価値を顧客に適切に伝えやすくなります。
こうした背景から、カスタマージャーニーの活用は現代のマーケティングで欠かせない取り組みといえます。
カスタマージャーニーは時代遅れ?
現代では、個人の購買行動が多様化し、認知から関心、購入・利用へと進む従来の購買プロセスどおりに進む顧客ばかりではありません。そのため、カスタマージャーニーの考え方は古いと言われることがあります。
しかし、顧客の行動や心理プロセスを想定し、それに沿った対応をすることは現在でも有効です。
例えば、SNSで商品を知ってすぐに購入するケースや、店頭でパッケージを見て購入を決めるケース等、様々な行動パターンを想定してカスタマージャーニーマップを作成することで、顧客行動の多様化にも対応できます。
一律の購買フローを前提にするのではなく、多様な行動パターンごとにマップを用意するという発想の転換が、現代のマーケティングには求められます。カスタマージャーニー自体が時代遅れなのではなく、その活用の仕方をアップデートすることが重要です。
カスタマージャーニーマップを作るメリット
カスタマージャーニーは、内容をまとめたマップ(表)を作成することが一般的です。
カスタマージャーニーマップを作成することで、顧客の行動や心理の変化を整理・可視化できます。
本章では、実際にマップを作成することで得られる具体的なメリットを紹介します。
1.顧客行動への理解が深まる
カスタマージャーニーマップを作成することで、顧客行動への理解が深まり、各段階に応じた適切なアプローチを実施できるようになります。自社の視点だけでは気づきにくかった顧客の行動や感情の変化を可視化できるため、施策の精度向上に役立ちます。
また、顧客視点で施策を検討できるようになることで、顧客の心を動かすアプローチを実践しやすくなるのも大きなメリットです。
「なぜ顧客はここで離脱するのか」「どのタイミングで購買を後押しすれば良いのか」といった課題についても、マップがあれば検討しやすくなります。
2.効率的なマーケティングを実現できる
顧客の行動や心理プロセスを組織内で共有することで、マーケティング活動の精度が高まり、効率性の向上にもつながります。
また、マーケティング施策の目的や目標が明確になるため、適切なKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)を設定しやすくなるのも大きなメリットです。
組織全体で顧客理解を共有することが、効率的なマーケティング実現への近道といえます。
3.ブランド価値を向上できる
顧客の心理に沿ったマーケティングを展開することで、顧客満足度やブランドへの好感度の向上が期待できます。
顧客が「自分のことを分かってくれている」と感じられるような体験を提供できれば、ブランドや企業に対してポジティブなイメージを持たれやすくなるでしょう。
カスタマージャーニーを活用したアプローチは、単なる購買促進にとどまらず、長期的なブランド価値の底上げにもつながります。
カスタマージャーニーマップの作り方
カスタマージャーニーマップは、適切な手順で作成することで、顧客理解や施策立案に活用できるツールです。
本章では、実際の作り方を以下の4つの流れに沿って紹介します。
1.ペルソナを設定する
まず、ターゲット層の典型的な人物としてペルソナを設定します。
ペルソナを作成する際は、カスタマーサポート担当や営業担当等、実際に顧客との接点を持つ担当者にヒアリングを行い、実態に即したペルソナを設定することが重要です。
現場の声を反映させることで、机上の空論にならない、実効性の高いマップの土台を築けます。
2.フェーズを設定する
カスタマージャーニーマップにおけるフェーズとは、ゴールに至るまでに顧客がたどる道筋のことです。「認知」「興味・関心」「比較・検討」「購入」等の段階に分けて整理することが一般的です。
まずゴールを決め、そのゴールに到達するまでのフェーズを設定します。ゴールは商品やサービス、マーケティングの目的によって異なりますが、商品購入やリピート購入等が一般的です。
ゴールを起点に逆算することで、顧客の行動や心理の流れをもれなく整理しやすくなります。
3.顧客行動を分析する
ユーザーインタビューやアンケート、カスタマーサポートの履歴等を基に、顧客行動を分析します。
こうした情報を収集・整理することで、顧客の行動や心理プロセスへの理解が深まり、より実態に即したカスタマージャーニーマップを作成しやすくなります。
4.カスタマージャーニーマップとしてまとめる
フェーズごとの行動や心理を書き出したら、カスタマージャーニーマップとしてまとめます。各フェーズの情報を整理して可視化することで、顧客の全体像を一枚のマップとして把握できるようになります。
マップの作成後は、評価と改善を繰り返すことが重要です。施策に不足があれば追加し、想定していた顧客行動と実際の顧客行動に差異がある場合は、マップの内容を見直します。
カスタマージャーニーマップは一度作って終わりではなく、継続的にアップデートしていくものです。
カスタマージャーニーに関するよくある質問
カスタマージャーニーについて、初めて取り組む方が疑問に感じやすいポイントをまとめました。以下では、よくある質問とその答えを紹介します。
1.カスタマージャーニーマップはどの程度の精度で作成する?
カスタマージャーニーマップは、最初から細かく作りすぎると、作成に時間がかかるだけでなく、施策の方向性が定まりにくくなります。
まずは大枠を作成し、運用や検証を通じて継続的にブラッシュアップしていくアプローチが効果的です。
2.BtoBのカスタマージャーニーマップを作る際の注意点は?
個人が購入や利用を決定するBtoCとは異なり、BtoBでは購入・利用の意思決定に複数の関係者が関与することが一般的です。
そのため、決裁者や現場担当者、情報収集担当者等、それぞれの役割ごとにカスタマージャーニーマップを作成する必要があり、全体の構成が複雑になりやすい点に注意が必要です。
顧客が安心して購入・契約するためには企業の信用度も重要
カスタマージャーニーにおける購入や契約の段階では、決済手続きの利便性や取引先に対する信頼感が、顧客体験(CX)に影響を与える場合があります。
最後のステップまで安心して取引を進めてもらうためには、適切な決済・資金管理体制を整備している企業であると示すことも重要な要素のひとつです。
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まとめ
カスタマージャーニーは、顧客の行動や心理の変化を時系列で捉え、顧客理解を深めるための重要な考え方です。
「時代遅れ」と切り捨てるのではなく、SNSや口コミ等の多様なタッチポイントを踏まえた柔軟なマップを作成することが重要です。
ペルソナの設定から効果検証までのPDCAを繰り返すことで、一貫性のあるアプローチが可能となり、ブランド価値の向上や効率的なマーケティングの実現につながります。顧客の視点に立ち、継続的に改善を重ねていく姿勢こそが、カスタマージャーニーを活用するうえでの本質といえます。
本記事を参考に、自社のマーケティング活動にカスタマージャーニーの考え方を取り入れてみてください。
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監修者
五藤大樹
- TOMAコンサルタンツグループ株式会社 コンサル部 副部長
- 経営コンサルタント・中小企業診断士
愛知県出身。大学卒業後、ホテル・飲食店を多店舗展開する企業の現場責任者として、現場の課題発見から改善策の実行まで一貫して経験し、現場主義の経営感覚を養う。その後、ベンチャー企業へ出資・支援する会社でIPO(株式上場)プロジェクトに参画し、上場準備の実務を幅広く担当。事業再生を専門とするコンサルティング会社を経て、2016年にTOMAコンサルタンツグループに入社。経営課題の本質を見極め、現場と経営双方の視点から実効性の高い経営計画を策定し、実践的なPDCAサイクルを回して成果につなげることを強みとする。幅広い業種の中堅・中小企業に対して、経営計画策定、財務改善、実行支援を行い、経営課題解決に取り組んでいる。