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法人税とは?税率や計算方法、申告時期や納付期限を分かりやすく解説

掲載日:2025年9月29日法人口座

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法人税は、法人が事業活動を通じて得た所得に課される税金です。所得に課される税金には、個人事業主の納める所得税もあり、法人税と同じく国税です。

しかし、両者には、適用される税率や申告に必要な書類、手続き等、様々な違いがあります。起業や事業拡大に伴い、法人化を検討している場合は、法人税の申告・納付の仕組みを理解しておきましょう。

本記事では、法人税の概要や税率、計算方法、申告期限や納税方法等を分かりやすく紹介します。

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法人税とは

法人税とは、法人の事業活動を通じて得た所得に課される国税です。個人や個人事業主には所得税が課されますが、法人には法人税が課されます。

なお、法人に課される税金には、都道府県に納める「法人事業税」と、都道府県および市町村に納める「法人住民税」もあり、これらは地方税に分類されます。

法人税、法人事業税、法人住民税の3つを総称して「法人税等」と呼ぶのが一般的です。

法人税の課税対象

法人とは法的に人格を認められた組織のことです。法人には、株式会社や合同会社、協同組合など様々な種類がありますが、すべての法人に法人税が課されるわけではありません。

そこで、法人税の課税対象となる法人と、ならない法人いついてそれぞれ紹介します。

法人税が課される法人

法人税の対象となる法人は、大きく分けて普通法人と、組合員の相互扶助を目的とする協同組合等・公益法人等の2種類に分類されます。

法人の種類 具体的な法人例

普通法人

株式会社、合同会社、合資会社、合名会社、特例有限会社、労働者協同組合、医療法人(社会医療法人除く)等

協同組合等・公益法人等

生活協同組合、農業協同組合、漁業協同組合、労働者協同組合連合会、信用金庫、学校法人、NPO法人等

上記の法人は、事業を通じて得た所得のすべてに法人税が課されます。ただし、学校法人とNPO法人については、収益事業に該当する所得にのみ法人税が課されます。

法人税が課されない法人

法人税の対象とならない法人は、公共法人、公益法人等、人格のない社団等の3種類に分類されます。

法人の種類 具体的な法人例

公共法人

地方公共団体、日本政策金融公庫、国立大学法人、地方独立行政法人、日本中央競馬会、日本年金機構、日本放送協会等

公益法人等

一般社団法人(非営利型法人)、NPO法人、公益社団法人、公益財団法人、学校法人、宗教法人、社会福祉法人等

人格のない社団等

PTA、マンション管理組合、各種研究会、同窓会等等

これらは、公益性の高い事業に取り組む法人であるため、法人税は原則として課税されません。

ただし、公益法人等および人格のない社団等については、物品の販売や不動産賃貸等の収益事業から生じた所得には法人税が課されます。

法人税が課される所得

法人税が課される所得(課税所得)は、収益から費用を差し引いた後に税務調整を行った金額です。

  • 法人税の課税所得の計算式:益金–損金

益金とは、商品やサービスの売上や不動産の売却益等の収益のことで、損金とは商品やサービスの仕入れや販売にかかった費用、災害等による損を指します。

ただし、益金や損金は税務上の概念であり、会計で使用される収益や費用(経費)とは金額が一致しない場合もあります。これは、収益に含まれていても益金に該当しないものや、費用に含まれていても損金とならないものがあるためです。

そのため、実際の課税所得は、収益から費用を差し引いた「税引前当期利益」に対して、法人税法上の益金や損金を加算または減算(税務調整)することで求められます。

法人税の税率

法人税の税率は、法人の種類や資本金の額等、複数の要素によって決まります。法人税の課税対象となる普通法人および協同組合等の税率は以下の通りです*

法人の区分 法人税の税率

普通法人

資本金1億円以下の中小法人

年間所得800万円以下の部分

適用除外事業者

19.0%

その他の法人

15.0%

年間所得800万円超の部分

23.2%

上記以外の法人

23.2%

協同組合等

年間所得800万円以下の部分

15.0%

年間所得800万円超の部分

19.0%

適用除外事業者とは、中小企業向けの租税特別措置の適用対象外となる事業者を意味します。また、協同組合等のうち、大規模な物品供給事業で店舗の収入が1,000億円以上ある等、一定要件を満たす場合には、年間10億円を超える部分に対して22.0%の税率が課されます。

個人や個人事業主に課される所得税の税率は5.0~45.0%で、所得に応じて段階的に上がる累進課税制です。一方、法人税の税率は原則として15.0%・19.0%・23.2%のいずれかであるため、所得金額によっては法人化することで税負担を抑えられる可能性があります。

法人税の計算方法

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法人税は、以下の計算式により算出されます。

  • 法人税額の計算式:課税所得(税務調整後)×法人税率–税額控除額

税額控除とは、課税所得に法人税率を掛け合わせた金額から控除する仕組みであり、適用される控除は法人によって異なります。法人に適用される税額控除には、いくつかの種類があります。

  • 預金利息や配当金に対して源泉徴収された所得税を法人税額から控除し、二重課税を防ぐ「所得税額控除」
  • 外国で課税された税金に関する二重課税を防ぐ「外国税額控除」
  • 賃上げや投資を奨励する目的で設けられた「租税特別措置法上の控除」

上記の通り、法人税を求める計算式はシンプルです。しかし、税額控除を考慮して正確な法人税額を算出するには、多様かつ頻繁に改正される税法に対応する必要があります。例えば、「給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除」のように、期間を限定して設けられた控除もあります。

そのため、法人税務に正確に対応するためには、税理士等の専門家へ相談することも重要です。

法人税の申告期限と納付のタイミング

法人の所得と法人税額は、確定した決算に基づいて確定申告します。この考え方は「確定決算主義」と呼ばれ、株主総会等で承認された決算に基づいて法人税を計算する税務上の原則です。

確定申告の提出および法人税の納付は、原則として事業年度終了日の翌日から2ヵ月以内とされています。3月決算(3月31日が事業年度終了日)の法人は、その年の5月31日までが申告および納付の期限となります。

法人税の中間申告と中間納付

法人税には、確定申告以外に、中間申告と中間納付と呼ばれる手続きもあります。事業年度が6ヵ月超える普通法人のうち、前事業年度の法人税額が20万円を超える法人は、原則として事業年度中に中間申告書を提出し、中間納付を行うことが義務づけられています。

中間納付は、法人税の前払いにあたり、納税額の分割によって税負担の軽減を目的とした手続きです。本来は期末に一括で納める法人税の一部を事業年度中に納付することで、資金繰りや事業の見通しが立てやすくなる効果が期待されます。

中間申告には、次の二つの方法があります。

  • 前年度の実績を基準とする予定申告
    前期実績(納めた法人税額)が20万円を超えると、所轄の税務署から申告書と納付書が送付されます。納付額は、前期実績の半額が目安です。
  • 仮決算に基づく中間申告
    事業年度の開始から6ヵ月を1事業年度とみなし、仮決算に基づいて中間申告を行います。予定申告に比べて事務負担は増えるものの、実際の業績に応じて納税額を調整できるため、税負担を軽減できる可能性があります。

中間申告の期限は、事業年度開始日から6ヵ月を経過した日から2ヵ月以内です。3月決算の法人の場合、11月30日までに中間申告および法人税の納付をしなければなりません。期限までに中間申告を行わなかった場合は、予定申告が自動的に中間申告とみなされます。その場合は、予定申告に基づいた法人税を中間納付することになります。

法人税の納付方法

法人税の納付には多様な方法があり、以下のいずれかを選択できます。

  • ダイレクト納付
  • Pay-easy(ペイジー)納付
  • クレジットカード納付
  • スマホアプリ納付
  • コンビニ納付
  • 窓口納付(現金納付)

それでは、法人税の各納付方法について詳しく紹介します。

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ダイレクト納付

e-Taxで確定申告を行い、法人名義の銀行口座からの引き落とすことで納付する方法です。

利用前に、e-Taxでダイレクト納付の利用開始手続きをした後、専用の届出書を所轄の税務署に提出する必要があります。

Pay-easy(ペイジー)納付

法人税は、Pay-easy(ペイジー)に対応したインターネットバンキングやATM等からの納付も可能です。

利用前に、e-Taxの利用開始手続きに加えて、金融機関とのインターネットバンキングの契約が必要となります。

クレジットカード納付

国税クレジットカード納付専用の外部サイト「国税クレジットカードお支払サイト」から、クレジットカードを使用して法人税を納付することもできます。利用できる国際ブランドはVisa、Mastercard、JCB、American Express、Diners Clubです。

クレジットカード納付には、カードのポイントを貯められる等のメリットがある一方で、納付税額に応じた決済手数料がかかる、領収書が発行されない等のデメリットもあります。また、クレジットカードごとに設定されている決済可能額までしか納税できないため、事前に確認が必要です。

スマホアプリ納付

スマートフォン決済専用のウェブサイト「国税スマートフォン決済専用サイト」から、スマートフォンのアプリを使用して納付する方法です。PayPay、au PAY、d払い等、多くのアプリに対応しています。

ただし、納税額は30万円以下に限られるほか、領収書が発行されないため、アプリでの支払履歴を保存する必要があります。

以前は、専用サイトへのアクセス手段が複数用意されていました。しかし、2025年2月1日以降の納付からは、スマートフォンまたはパソコンを用いてe-Taxで申告し、その後e-Tax経由で「国税スマートフォン決済専用サイト」を利用する方式に一本化されています。

そのため、2025年1月6日以降は、従来可能であった書面によるQRコードの出力が廃止されています。

  • *QRコードは(株)デンソーウェーブの登録商標です。

コンビニ納付

税務署から送付されたバーコード付き納付書、または自宅で作成したQRコード(PDFファイル)を使用して法人税を納付する方法です。コンビニ店頭では、クレジットカードや電子マネーは利用できず、現金による30万円以下の納付に限られます。

  • バーコード付納付書が使えるコンビニ:セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップ、デイリーヤマザキ等
  • QRコードが使えるコンビニ:ローソン、ナチュラルローソン、ミニストップ(いずれも「Loppi」端末設置店舗のみ)、ファミリーマート(「マルチコピー機」端末設置店舗のみ)

コンビニ納付には手数料はかかりません。領収書は発行されませんが、代わりに払込金受領証が発行されます。

窓口納付(現金納付)

税務署から送付された納付書を使用することで、コンビニ以外にも金融機関や所轄の税務署の窓口で現金納付できます。

この方法で利用できるのは、納税地を管轄する税務署に限られます。また、窓口には受付時間の制限があるため、事前に確認しましょう。

期限までに法人税を納付できなかったら?

法人税を延滞すると、利息に相当する延滞税が加算され、法人税と併せて納付しなければなりません。

延滞税は、法人税を納付すべき期限(法定納期限)の翌日から納付する日までの日数に応じて課されます。確定申告後に期限後申告書や修正申告書を提出する場合は、それぞれの申告書の提出日当日が納税期限となるため、遅れないように注意しましょう。

延滞税の税率は、延滞日数2ヵ月を超えると大幅に上昇します。そこで、延滞日数に応じた延滞税の違いについて、以下で詳しく解説します。

期限の翌日から2ヵ月を経過するまで

延滞税の税率は、原則として年7.3%、または「延滞税特例基準割合プラス1.0%」のいずれか低い方が適用されます。「延滞税特例基準割合プラス1.0%」は、2025年1月1日から12月31日までは年2.4%に設定されています。

延滞税特例基準割合とは、財務大臣が告示する銀行の短期貸出約定平均金利(新規)の前々年9月から前年8月までの各月の平均に年1%を加算して算出される割合です。

期限の翌日から2ヵ月を経過した後

期限の翌日から2ヵ月を経過した後は、延滞税の税率として、原則年14.6%、または「延滞税特例基準割合プラス7.3%」のいずれか低い方が適用されます。「税特例基準割合プラス7.3%」は、2025年1月1日から12月31日までは年8.7%に設定されています。

2ヵ月を経過する前の税率と比べると、6.3~7.3%の引き上げとなり、利息負担が大きくなります。延滞税を避けるためにも、法人税は期限内に納付しましょう。

法人税の申告や納付にはみずほ銀行の法人口座が便利

銀行で法人口座の開設を検討している場合は、みずほ銀行がおすすめです。

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一次審査の完了後の連絡は、祝日やお申し込みが集中した場合を除き最長で1週間程度です。

みずほ銀行の法人口座を開設すると、事業に役立つ様々なサービスをご利用いただけます。例えば、電子帳票に対応したみずほWEB帳票サービス、法人口座からのリアルタイム決済が可能なみずほビジネスデビット等があります。

また、スタートアップ企業を応援する会員制サービス「M’s Salon」、人材・スキルマッチングサービス等を提供しており、起業直後の法人へのサービスもご用意しています。

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まとめ

法人税は、事業を通じて得た所得に課される税金です。個人事業主の所得にかかる所得税とは税務処理が異なるため、法人化にあたっては法人税に関する正しい理解が重要です。

適用される税率や控除を考慮し、税務調整を経て課税所得を導き出す等、法人税を納付するには複雑な会計処理が必要です。法人税の納付期限に遅れると、日数に応じた延滞税が課されるため、専門家の手を借りつつ、計画的に申告・納税を進めましょう。

みずほ銀行の法人口座を開設いただくと、複雑になりがちな法人の会計処理を効率良く行うのに役立ちます。電子帳票に対応したみずほWEB帳票サービス、法人口座からのリアルタイム決済が可能なみずほビジネスデビットを無料付帯する等、法人口座開設によって会計管理を一元化しやすい環境を整えられるでしょう。

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監修者

安田 亮

安田 亮

  • 公認会計士
  • 税理士
  • 1級FP技能士

1987年香川県生まれ、2008年公認会計士試験合格。大手監査法人に勤務し、その後、東証一部上場企業に転職。連結決算・連結納税・税務調査対応などを経験し、2018年に神戸市中央区で独立開業。

HP:https://www.yasuda-cpa-office.com/

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